二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- ダンガンロンパN Brand New Despair
- 日時: 2016/03/01 17:12
- 名前: バタフライ ◆T0qJfISYm6 (ID: cWF1aDDB)
みなさんこんにちはこんばんは 初めましての方は初めまして。バタフライと言うものです。
ダンガンロンパの続編の開発決定。そしてアニメーションも制作&放送決定と、
一時期とある事情により冷え込んでいたダンガンロンパ熱が回復したため、今回の小説を投稿致します。
この小説は、ゲーム「ダンガンロンパ」をモチーフにした小説です。
注意点がいくつか。
1 元ネタとなったゲームの都合上、グロテスクなシーンや殺人のシーンがある
2 ダンガンロンパシリーズ(特に1.2)のネタバレが多数入っている
3 「絶対絶望少女」はプレイしていないためそのネタは出せない
4 この小説自体が前作、「絶望の牙と希望の花」のネタバレ
5 更新停止した作品「ダンガンロンパ2 Lost memories」の設定も少しだけ踏襲
前作を見なくても一応楽しめますが、ついていけなくなっても、僕は責任を取れませんので悪しからず。
それでも大丈夫!という方はごゆっくり、お楽しみください。うぷぷぷぷ……
登場人物紹介
>>1
prologue ようこそ 地下都市ジェネシスへ
>>2 >>5-6 >>7-8 >>9 >>10-11 >>12
2016 1/26 タイトルの1部を修正
返信のRe:を含むとなると、なんとタイトルに30文字以内で入りません(滝汗
申し訳ありませんが、これからタイトルはNextの頭文字を取って「ダンガンロンパN」とさせていただきます。
……投稿する前に気付けって話ですよね。本当申し訳ないです……
コメント返信
風死 様>>4
- CHAPTER1 (非)日常編 ( No.13 )
- 日時: 2016/03/25 18:52
- 名前: バタフライ ◆T0qJfISYm6 (ID: cWF1aDDB)
<校則>
1,生徒たちはこの地下街で共同生活を送りましょう。共同生活に期限はありません。
2,午後10時から午前7時までを”夜時間”とします。
夜時間中は黒の街、中央広場以外のエリアへの立ち入りを禁止します。
3,就寝は基本的に黒の街のホテルの個室のみで行いましょう。
4,この地下街、及び希望ヶ峰学園について調べるのは自由です。特に行動に制限は課せられません。
5,学園長ことモノクマへの暴力、及び監視カメラ、モニターの破壊は一切禁止します。
6,仲間の誰かを殺したクロは”卒業”となりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。
7,同一のクロが一度に殺害できるのは二人までです。
なお、校則は順次増えていく可能性があります。
「……」
ベッドに寝転びながら、ぼんやりと電子生徒手帳を眺めた。
<誰かを殺した者だけがこの街から脱出できる>。
一体モノクマは、私たちに殺し合いをさせ、どうするつもりなのだろう。
コンコン。
「……?」
ドアを開けると、そこには……
「寺本か」
「ごめんツバサ。ちょっと入っていいかな?」
「別にかまわないが……」
ベッドの隣に座る寺本。
「さっきはごめん。島津の行動が怪しかったとはいえ……」
「いや、いいの。それに……ツバサこそ、今日1日いろんなことがあったよね。
記憶を失ってたり、いきなり倒れたり……」
「……」
左手の手のひらをじっと見つめた。
「まだ何かおかしいの?」
「ん?……いや、何も」
先程失神した時は、この左腕に蠢く感覚があった。
キーン、コーン、カーン、コーン……
「え〜、モノクマからの連絡です。ただいま午後10時になりました。
ただいまより、夜時間となります。
まもなく黒の街エリア以外の街の門はロックされ、立ち入り禁止となります。
ではでは良い夢を。おやすみなさ〜い」
モニターのモノクマは、それだけを言い残して消えた。
「とにかくあたしは……殺し合いなんてさせないから。……ツバサ、あなたもおねがい」
「わかってる。私も誰も殺す気はないさ」
と、ここで私の記憶が……
「……」
「……?」
「……」
「……!?」
飛んだ。
記憶が戻った頃には、私は普通に寺本を見つめていたが……
「……な、何……言ってるの?」
寺本はなぜか、かなり動揺している様子だった。
「……?」
「……ツバサ……?」
「どうした?」
自分が何を言っていたかは覚えていない。
だが、また失言した気がした。
「……ごめん」
「う、うんうん?別にいいよ?じゃあまた……明日ね」
「あぁ」
寺本は部屋を出た。
「……」
そして部屋の中を、空白が支配する。
「……」
不気味なほど静かだ。
自分の心臓の鼓動が聴こえてくるかのよう。
だが、その時だ。
「!?」
耳元で、誰かに囁かれている感じがした。
「な、なんだ……!」
その声は、砂嵐のように徐々に大きくなっていく。
……だ………んだ……サ……
頭がおかしくなりそうだ。
「耳が……耳がっ……!」
たまらず私は、ヘッドホンに手をかけ、それを耳に装着する。
「……?」
何も聞こえなくなった。
でも、なぜヘッドホンを付けようと思ったのだろうか?
「……」
今の私にはわからないことが多すぎる。
再び声が聞こえるのが怖くなり、私はヘッドホンをつけたまま無理矢理にでも眠ろうと目を閉じた。
CHAPTER 1
無彩色のゼツボウ・ワールド
(非)日常編
キーン、コーン、カーン、コーン……
「え〜、モノクマからの連絡です。午前7時になりました。
オマエラ、グッモーニン!今日もいい朝ですよ〜!
さぁ、今日も全力全開で、頑張っていきましょ〜!」
呆れるほど陽気な声で目が覚めた。
「……」
……夢ではなかった。
私が記憶を失っていることも、こんな場所でずっと眠っていたことも。
何もかも夢であることを望んでいた。
……それは無駄なことだと分かっていた。
だが……
コンコン。
「?」
ノックだ。私は押しつぶされそうになるプレッシャーから逃れるように、扉を開ける。
ガチャ
「……お前」
「……」
弓形がいた。
「何の用だ?」
「……食事」
「え?」
「……寺本さんと……千葉さんが呼んでた」
あいも変わらずささやくような声だ。
「わかった。今から行く。一緒に行……く……」
行くか?と言おうとしたら、すでに弓形は歩き出していた。
「あぁ、待ってくれ」
私もそれにつられるように歩き出す。
「昨日はよく眠れたか?」
適当に話をして、場を保とうとするが……
「……」
弓形は何も話さない。
「私は少しいろんなことを考えていてな。あまり眠れなかった」
「……」
「モノクマの言うことも気になるし、それに……」
「……」
だが、弓形はフードをかぶったまま、何も話そうとしない。
まるでフードの向こう側には、誰もいないようにも思える。
「無視……か?」
「……」
「聞こえているなら返事くらいしてくれ」
「……」
すると弓形はこちらを向いて……
「あなたと……絆を育むわけにはいかない」
「え?」
とだけ言って、私から目をそらした。
「……弓……形?」
「……」
その後、食堂にたどり着くまで、弓形は一言も喋らなかった。
この弓形の態度は身勝手といえば身勝手なのだが、
私は不思議と腹が立たなかった。
- CHAPTER1 (非)日常編 ( No.14 )
- 日時: 2017/01/17 22:28
- 名前: バタフライ ◆T0qJfISYm6 (ID: jUXSyEEQ)
食堂にやってくると、既にほぼ全員が集まっていた。
「おや?ツバサ氏、おはようございます!」
御手洗が朝から大声を出す。直角に頭を下げながら。
「あぁ。おはよう」
「……」
相も変わらず弓形は一言も喋らない。
「昨日はよく眠れたか?」
「はい。枕が違うと寝れないのですが、なぜか昨日だけはよく眠れました」
「そうか」
厨房の方を見ると、せっせと動く二人の姿が見えた。
「あれは?」
「あぁ、今、千葉氏と黒峰氏が食事を作っております」
千葉は給食委員、黒峰は執事……
確かに二人共食事を作ることが出来ても不思議ではないだろう。
食堂内を再び見渡す。
「……あれ?」
二人いない。
「なぁ、弓形……寺本と島津は?」
「寺本さんは、少し出向く場所があると言ってた」
「出向く場所……か」
だが、私を呼んだのは寺本と千葉だったはずだ。
「……」
しかし、どこに行くかわかっていない以上、我武者羅に探してもしょうがない。
せっかくだから、自分にも手伝えることはないだろうか。
私は厨房に足を運んだ。
「ふっふっふ……良いぞ……その気迫だ……!
大いなるラグナロクよ、我が魔力と相成りてニブルヘイムを焦がすがよい!」
「……」
そこには、平常運転の千葉と、勢いに気圧されている黒峰がいた。
「おや、ツバサ様、おはようございます」
「おはよう。黒峰。あと千葉も」
「ふっふっふ。禁書目録その十二戒。{おはようございます}と言っておくぞ」
……何を言っているんだ。
しかも私は意味がわかるから余計に腹立たしい。
「この地がラグナロクに包まれし時、ここにある贄を16の大穴に飲み込まれることを許す。
その汚れし体を浄化し、玉座にて待つが良い!」
「あ、あの〜、千葉様?」
「{今16人分の食事を作ってるから、手を洗って座って待ってて}だと」
しかし、なんでだろうか。
どうして千葉が言う意味のわからない言葉を、私は理解できる?
「では、先程のは?」
「{火加減はちょうどいいわ。私の手でホットケーキを作ってあげなきゃ}」
10分ほど待つと出来上がったようで、ホットケーキと簡単なサラダが全員の前に並べられた。
だが……その時でも、島津と寺本の姿はない。
「さぁ、喰らうが良い!我が魔力によって生成された、全てを超越せし光の贄を!
(さぁ、食べてみて!私が作った、超高校級の朝食だよ!)」
「うむ、では、早速……」
「待ってくれなぁい?」
食べようと口の前に運ぶ秋吉に、君塚が水を差す。
「うっ!……なんだ?君塚殿」
「この朝食ってさ〜あ?本当に食べていいものなのかな〜あ?」
その言葉に緊張が走った。
「え?どういうこと?」
と、谷崎が聞くと……
「確かにそうやね。この街から出るために千葉が食事の中に毒でも混ぜてたら……
わしら全員死んでしまわへんか?」
「何……?貴様ら、我の差し出した贄が食えぬ。そう言いたいのか?」
「いや、そういう意味じゃなくって……ええっと、あの……」
杜若が必死に場を執り成そうとするが、緊張の糸はピンと張り詰めたままだ。
「しょ、食事時ぐらい仲良くしようよ!ね!?ね!?」
「でもミスター君塚の言ったとおりです。こういう時にアクシデントって起こるものデース!」
全員が口々に千葉への不信感を口にする。
パリ パリ パリ
「どうなの〜?千葉〜。いい加減白状したらど〜お〜?」
キン キン
「君塚、やめろよ。千葉ちゃんだけを追い詰めるのは。まぁ困った顔もかわい……ぼげ!?」
「どさくさに紛れて口説かないでいただけますか?」
「は、早川ちゃん!?殴ること無いだろ!?ほら、弓形ちゃんを見てよ!
無心になって朝飯食ってる……」
もぐもぐと口を動かす弓形。
「食ってるううううう!?」
「……?」
そして手を合わせる。どうやら、もう食べ終わったようだ。
「ちょっ大丈夫!?気持ち悪さとか、腹痛とか起こしてない!?」
北条、それどころじゃないと思うが。
「……」
すると弓形は、何も言わずに電子生徒手帳を起動し……
{校則}をタッチして、周りに集まった人たちに見せた。
6,仲間の誰かを殺したクロは”卒業”となりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。
7,同一のクロが一度に殺害できるのは二人までです。
「つまり千葉さんがもし、私を殺そうとしたのなら……
千葉さんは校則に抵触する。
毒殺とわかっているなら、みんな千葉さんを疑うはずだから」
「で、でも、校則を破ったらどうなるかはわかってないし……」
「死ぬよ?」
そこへモノクマが現れた。
「ひいぃ!?」
またビビる秋吉。
「し、死ぬってどういうことだよ!」
「どういうことってそういうことだよ高城クン。校則違反した人は、神でも悪魔でも、
誰であっても死んでもらいま〜す!ってことだけだよ?」
「無茶苦茶やないけ……」
モノクマは千堂のその言葉を聞くと、再びケタケタと笑いだした。
「いやいや!これでも大分優しいんだよボクは!ここでみんな殺しちゃっても、それはそれで盛り上がるからね!」
「盛り上がるってどういうことですか!?意味が分かりませんよ!」
「そのままの意味だよ?ま、とにかく……」
するとモノクマは大きく口を開けて……
「超極限最強最悪絶望的モノクマ砲、発射〜〜〜!」
チュド〜〜〜ン!
「・ ・ ・」
「それ」は、私のすぐ横をかすめて、大爆発を起こした。
チリチリと、食堂の中を焦げ臭い匂いが支配していた。
「あっ……あっ……」
ガクガクと顎を動かす御手洗。
「……」
泡を吹いて倒れる秋吉。
「バカな……ただの一生物ごときが、ミョルニルの鉄槌を使えるだと……!?
(そんな、人が死にかねないことを平気でするなんて……!?)」
いつもどおりの千葉。
「ありゃりゃ、ボクとしたことが、火力を見誤っちゃったみたいだよ。
ま、そんなことはさておき……こうなりたくなかったら、校則はしぃ〜〜〜っかり守ってよね!」
口から冷気を出しながら、モノクマは続ける。
「だ、大丈夫!?ばっさん!」
「……」
「……懐かしい、香りだ」
「え?」
「うん?」
今、私は何か言ったんだろうか?
「ど、どうした?杜若」
「い、いや、何も……」
慌てて首を横に振る。
「……そういえば……モノクマ」
私は驚く程冷静にモノクマに語りかけた。
「ほえ?どうしたの?づばばば〜ん」
「絶唱はまだしてないからガングニールの使い手のような呼び名はやめろ。
寺本と島津はどこにいるんだ?」
「ボクは知らないよ?ただ寺本さんはもうすぐ来るんじゃないかな?」
それだけを言ったあと、モノクマは消えていった。
「どういうこと?もうすぐ来るって……」
すると……
「みんな!大変!」
息を切らせながら、寺本が食堂に入ってきた。
- CHAPTER1 (非)日常編 ( No.15 )
- 日時: 2017/01/18 22:54
- 名前: バタフライ ◆T0qJfISYm6 (ID: jUXSyEEQ)
「寺本!」
私は思わず大声を出した。
「!?……な、何?」
「あ、いや、悪い……どうした?」
「う、うん。それが……」
と、私のそばを見て、寺本が驚いたようだった。
「こ、これ……」
「あぁ、深い事情は後で話すよ。それより、どうした?」
「島津がどこにもいないの!いろんな場所をくまなく探したんだけど……
部屋にもいないし、ここに来てるかと思ったのに、来てないみたいだし……!
しかも、ライブハウスの扉まで開かないの!」
息も絶え絶えに、なんとか言葉を紡いでいる。
「お、落ち着いて寺本さん。まずは素数を数えよう」
「どこの神父ですか!?」
すると、弓形が声を上げた。
「大変。ライブハウスの中にはショート仕掛けの配電線があって……
いつ火事が起こってもおかしくないのに……」
「「え!?」」
それにリアクションする男子二人。千堂と高城。
「……冗談」
「「なんだよそれ!」」
そしてツッコミ。
「……ライブハウスに閉じ込めたのね?」
寺本が問い詰めると……
「「はい」」
二人共シュンとしながらうなだれた。
「二人共何してんのよ!これが島津が殺人を起こす動機になったらどうするつもり!?」
「だ、だって!ほっといてもあいつが誰か殺しちまいそうだろうが!」
「せやせや!鉄は熱いうちに打てやぞ!」
私は大きくため息をついて……
「寺本の意見ももっともだな。だが、その因果はお前たちに来るだろうから、私は関係ない」
「ぐほあ!?冷たい!絶対零度かよ!」
「そこまでは冷たくないと思うけど……」
しかし、島津が不協和音をもたらしているのも事実だが、このまま島津が死んでも困る。
「千葉、島津の分の朝食は?」
「ククク……ここにあるが?」
「……」
それをお盆に乗せると、片手で持った。
「持っていかれるのですか?ツバサ様」
「あぁ。それに島津には聞きたいこともあるからな」
「き、気をつけてね。暗いから……」
ライブハウスの前にたどり着いた。
「あ」
しまった。
私としたことが、ライブハウスの鍵の所在を知らない。
念のため確認を……
ガチャ
「ん?」
開いた。
……何故だ?
寺本は「ライブハウスの扉が開かない」と言っていたはずだ。
そして恐る恐る中に入ると……
「……」
「……」
島津がステージの上で、磔にされていた。
「何してるんだ?」
「それは俺が聞きたいよ。朝起きたら急にこんな形になってたからな」
何もここまで凝った真似をしなくてもいいだろう……?
「……あ、それってもしかして……」
「朝食だ。千葉が作ってくれた。ほら、ここに置いてるから好きな時にたべろ」
「どうやって?」
……それもそうだ。
「……じゃあどうして欲しいんだ」
「あ〜んするから」
・ ・ ・ ・ ・
「はぁ?」
「だから、あ〜ん。するから」
「……」
私は恐る恐るナイフでホットケーキを切り、島津の口に運んだ。
「……」
「……いや、{はい。あ〜ん}ぐらい言ってくれよ。盛り上がらないだろ」
「なんで言わないといけないんだよ。……はい。あーん」
「感情がこもってないな」
「はい、あ〜ん!」
屈辱的だ。
なんで高校生になってまで、私はこんなことをしないといけないんだ。
……ん?高校生?
そういえば私は、本当に高校生なのだろうか?
希望ヶ峰学園という場所に入学したのは、寺本達だ。
では、私は?私もそこに入学するべき人物なのだろうか?
「……島津」
「なんだ?」
「お前は昨日言っていた事、どこまで本気なんだ」
「本気じゃなかったら、こんな仕打ち受けてないと思うけどな」
それもそうだ。
「俺は出来るぞ?」
その言葉は、今すぐにでも誰か一人を殺して、ここから脱出出来るということだろう。
「……」
「で?ツバサ。お前はどうする気だ?」
「何が」
「お前は殺る気はあるのかってことだよ」
その言葉に、反射的に感情的になってしまった。
「あるわけがないだろう!?まだ私は誰かも分かっていないんだ!」
「そうか。そういえば……そうだったな。で?そろそろ戻らなくて大丈夫か?」
「サラダがあるだろ。まだ」
島津の期待の眼差しが突き刺さる……
「……はい、あ〜ん!これでいいんだろ!?」
食堂に戻って島津の様子を全員に伝えた。
そしてライブハウスの鍵が簡単に開いたことも、寺本に伝えると……
「変ね……確かに確認したはずなんだけど……」
と、首をかしげた。
「とりあえず島津は無事なのね。よかった……」
「あぁ。おかげで……いや、なんでもない」
ポカンとする顔を、全員が私に向けた。
「……何でもないって!」
「そ、それで……今日はどうするの?」
北条が問いかけた。
「う〜ん、でも探せる場所は全部探し尽くしたっぽいんだよね。もう一度探すと言っても何もなさそうだし」
「じゃあどうする?ここで助けを待つか?」
「さすがにそれはそれで、時間を持て余しすぎるであろう。適当に手がかりを探さねばなるまい」
「それはあたしも賛成かな」
と、杜若。
「何しろ体、動かしたいしね」
「……そうだな」
まだ先行きが全く見えない状況だ。手がかりは少しでも多く手に入れておきたい。
朝食を終えた私たちは、すぐにこの街の調査に入ることにした。
- CHAPTER1 (非)日常編 ( No.16 )
- 日時: 2017/01/19 21:16
- 名前: バタフライ ◆T0qJfISYm6 (ID: jUXSyEEQ)
……結論から言ってしまうと、脱出に有力な手がかりは何も見つからなかった。
時計を見ると、9時を差していた。
足が棒のように痛い。ひどく疲れた。
「……そう。みんな、疲れるだけ疲れて……ここに戻ってきたのね」
「はるはるもそうでしょ?」
しかし、杜若だけはピンピンしている。
「随分と元気なものだねぇ。キミだけでももっと探してくれたらいいのにぃ」
「ん、まぁね。スタミナだけは人一倍あるし」
「……」
そんな中弓形は、顎に手を当てて考えているようだった。
「ミス弓形?どうしました?」
「……え?……あぁ、何も」
「そういえば、弓形はどこに行ってたんだ?」
「私は……島津君のところに……」
……何か様子が変だ。
「もしかして島津に変なことをされたの?あんなことやこんなことを!?」
それを察したのは高城。……一言余計だが。
「……」
しかしそれを語ることなく、弓形は……
「……部屋に戻る」
その場から去ってしまった。
「弓形……?」
「自分のデリカシーが足らんからやろ!反省せぇ!」
「な!?お前には言われたくないよ!」
その会話を切り裂くように、
「そ、そういえば、御手洗さんと一緒に、ネームプレートを作ったんだよね?」
北条が声を上げた。
「あ、はい。先程作り終えました。といっても、自分は黒い色を塗っただけなんですけどね」
そこには全員分のネームプレートがあった。
それぞれがドット絵のようなイラストで書かれていて、とてもかわいらしい。
「北条さんって、イラストもうまいんですね。女の子にうつつを抜かしてるなんとか城さんとは大違いです」
「早川ちゃん!?俺に対して当たりキツすぎない!?」
えへへ。と照れる北条。
「皆様、昨日眠った部屋に貼り付けてください。これで部屋の間違いはなくなるはずですから」
ホテルのコテージに戻ってくると、私はネームプレートを部屋の扉に貼り付けた。
しかし本当に可愛らしいドット絵だ。
「おやおやツバサさんご機嫌なようですねぇ」
「……モノクマ。何の用だ?」
「いや?用はないよ。ただ単にそろそろ出番かなと思ってやって来ただけ!」
「何の出番だ」
正直こいつとの相手は疲れる。疲れ……
「……ん?」
「ほえ?」
今、何か不思議な感覚に襲われた。
……どう表現すればいいのだろうか。
「ツバサさん。どうしたの〜?ボクの体に何かついてる?」
「……あ、いや。何も」
「あ〜あ。なんだか白けちゃったよ。と、いうわけで……」
モノクマが消えると、直後に……
キーン、コーン、カーン、コーン……
「え〜、モノクマからの連絡です。ただいま午後10時になりました。
ただいまより、夜時間となります。
まもなく黒の街エリア以外の街の門はロックされ、立ち入り禁止となります。
ではでは良い夢を。おやすみなさ〜い」
……もう午後の10時か。
「てことで、さっさと寝なよツバサさん!歯、磨けよ!」
「言われなくても分かっているさ」
モノクマがいなくなると、不気味なほどの静けさがあたりを包んだ。
「……」
そうだ。そういえば……
「ごめんツバサ、島津とあきらのネームプレート、あなたが届けてくれない?」
先程寺本に言われていたことを忘れていた。
弓形がいるコテージは……
ガチャ。
「ん?」
私の隣のコテージが開い……
「……!?」
突然、強烈なめまいが襲ってきた。
そして……
……ツバサ
やめるんだ やめるんだ ツバサ
なんでお前まで……
なんでお前まで、俺の下からいなくなるんだよ!
「……!?」
慌てて跳ね起きると、私は部屋のベッドに入っていた。
「ここは……」
「気が付いた……?」
「え?」
そこには、弓形もいた。
「弓形……お前が……?」
黙って首を横に振る。
「私だけじゃない。秋吉君にも手伝ってもらった」
「そうか」
「……」
そして立ち上がる弓形。
「……戻るのか?」
「……ネームプレート。島津君の分ももらっておく」
「あぁ。……ありがとう。何から何まで」
「……」
こちらを向く弓形。
「……」
パッ
「!?」
その時、弓形のフードが……透けて見えた。
見覚えのある、アンテナが生えたような銀色の髪が……
……アンテナのような髪……銀色の……髪……銀……色……の……
パッ パッ パッ
「……!?」
……何か、光が見えた気がした。
「……な、なんだ……?」
「……」
弓形は再び、扉のほうを向いた。
「……記憶は……戻りつつあるのね」
「え?」
「……ごめんなさい……やっぱり私では、あなたを……」
「……?」
何を言っているのか、よくわからなかった。
「でも、それならなんであの時、あんなことを……?」
「あなたと……絆を育むわけにはいかない」
「……」
その問いに、弓形は答えなかった。
「……」
記憶は戻りつつある……?
「……」
その言葉の意味を、目を閉じながら考える。
結果的に、私は何者なのだろうか。
私はどこから来たのだろうか。
……私は、どこへ行こうとしているんだろうか。
- CHAPTER1 (非)日常編 ( No.17 )
- 日時: 2017/01/20 22:56
- 名前: バタフライ ◆T0qJfISYm6 (ID: jUXSyEEQ)
キーン、コーン、カーン、コーン……
「え〜、モノクマからの連絡です。午前7時になりました。
オマエラ、グッモーニン!今日もいい朝ですよ〜!
さぁ、今日も全力全開で、頑張っていきましょ〜!」
……まずは食堂に行くか……
この日も千葉が、朝食を作ってくれた。
「くっくっく、すでに我が魔力の虜であろう?隠さずともよいのだぞ?
(私のごはんってどうかな?口に合ってればいいんだけど……)」
「よ、よくわからんが……うまいぞ」
全員、千葉の言葉はちょっとずつ理解できているようだ。
「……」
「なぁ、弓形」
「……」
相も変わらず、弓形は取り付く島もないが。
「さて、今日はどうするか……」
〜自由行動開始〜
再び食堂にやってくると……
「ん?どうしたの?ツバサ」
寺本が皿洗いをしていた。
「手伝うよ」
「ありがとう。じゃあお願いね」
寺本と一緒に皿を洗った。
寺本と少し仲良くなれたみたいだ……
「少し聞きたいことがあるんだが、寺本って{超高校級の幸運}なんだよな?」
「うん。そうだけど」
「じゃあ聞くけど、今まで幸運だったことって何かあるか?」
「幸運だったことか……そういえばスピードくじでは2等以下は当たったことないな」
それはかなりの幸運と思うんだが。
「あと、アイスキャンデーの当たりを10本ほど連続で当てたり」
それもすごいな。
「あ、今すごいって思った?」
「あ、あぁ」
「それが、翌日お腹壊しちゃって、それはそれは大変だったんだよね〜。
妹にもものすごく迷惑かけちゃったし」
まさか……
「お前、10本のアイスキャンデーを一人で食べたのか?」
「もちろん。やっぱりあたしが当てた奴だもん。あたしが食べたいよ」
食い意地が張っているな……
「で、ツバサ。ちょっといいかな」
「え?」
「ツバサは今のこの状況。幸運だと思う?不運だと思う?」
少し考えて、
「……不運だな。ここに来なければ島津にものを食べさせることもしてないだろうし」
「だよね。でも、その不運も幸運に変えてみせようよ。あたしたちなら、できるはずだよ」
「具体的にどうやって?」
「……」
それを言うと、寺本は黙りこんでしまった。
「……悪い」
「え?……いや、大丈夫だよ。ごめんね。無責任なこと言っちゃって」
「……」
「でさ、ツバサ」
寺本は更にバツが悪そうな言い方をする。
「どうした?」
「ごはん食べ過ぎちゃったかな……お腹痛くなってきた……」
「はやくトイレに行って来い!」
ものすごい勢いでトイレに駆け出した寺本を見送って、私も食堂を出た。
まだ時間があるので、適当にうろついていると……
「やあ、こんにちは。ツバサさん」
谷崎と出会った。
「今暇かな?」
「……別に忙しくはないな」
「そっか。フォル君に話をしても聞く耳を持ってもらえなかったんだよね〜
じゃあ、キミにオカルトの話をしていいかな?」
別にいいぞとも言っていないのに谷崎の話を延々と聞かされた。
谷崎と少し仲良くなれたみたいだ……
「さて次は……そうだね。魔女の話でもしようか」
「あのさ、谷崎。その前に一言いいか?」
「ん?なんだい?」
「そのオカルトって、どこまでが本当で、どこまでが嘘なんだ?」
それを聞くと、谷崎は唖然とした。
「え!?ツバサさんってそんなこともわからないの!?」
「は?」
「{は?}じゃないよ!オカルトというのは信じるべきか信じないべきか、それが問題なんだよ?
そういった曖昧さこそ、オカルトの醍醐味とも言えるんじゃないかな?」
……つかみどころが無さ過ぎる。
「要は、信じるのもいいし、信じないのもいい。そういうことなんだろう?なら私は信じない」
「信じない……か。まぁ、俺はそれでも構わないけどね。でも、俺が散々忠告したのに、
{オカルトは信じない}って言って自分の身を破滅させた人はいくらでもいるんだよね」
「どういうことだ?」
「……知りたい?」
少しだけ悪い顔をする谷崎。私は興味本位で頷いてみた。
「ほら、この通りだよ」
「え?」
「キミは俺の言った言葉を{信じた}から聞こうとしたんでしょ?
つまり信じるというのは信じないのすぐ近くにあるものなのさ。
たとえば……ほら!ツバサさん!後ろに幽霊が!」
「え!?」
私は慌てて振り返った。
「……何もいないじゃないか」
と、少しイラつきながら向き直ると……
「あ……あっ……ああぁ……!」
なぜか谷崎が顔を真っ青にしていた。
「……どうした?」
「つ、ツバサさん……後ろに……幽霊が……!」
「もうその手には乗らんぞ」
「ち、ちがう!本当……本当なんだって!」
ガクガクと唇を震わせているが、私はあえて気にも留めなかった。
「も、もうダメ!ごめんツバサさん!この話はまた今度ぉ〜〜〜!」
「あ、おい!」
谷崎は脱兎のごとく逃げ出してしまった。
「……」
が、私は谷崎の言うことは信じないことにした。
信じるか信じないかは私次第だ。
それにたった今オカルトの話をしておいて、心霊現象など起こるわけがない。
でも谷崎の顔は、演技の域を超えていた気がしないでもないが……
……まさか。
いや、まさか……な。
地下都市の静けさが少し怖くなり、私はコテージに戻った。
キーン、コーン、カーン、コーン……
「え〜、モノクマからの連絡です。ただいま午後10時になりました。
ただいまより、夜時間となります。
まもなく黒の街エリア以外の街の門はロックされ、立ち入り禁止となります。
ではでは良い夢を。おやすみなさ〜い」
もう、そんな時間なのか。
「……」
特に起きていてもやることがない。
私は睡魔に身を任せ、そのままベッドに倒れこむようにして眠った。
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