二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 悪ノ王国(悪ノ娘、悪ノ召使などなど)5月4日投稿
- 日時: 2017/05/04 16:03
- 名前: 山田 花 (ID: WGarmeYs)
これはユゥウチューブの悪の娘シリーズの世界を題材とした小説です
原作と少し違うところもあります
キャラクターは、ボーカロイドの名前をオリジナルの名前を使います
小説は、初めて書きますので駄作になると思いますがそれでも良かったら読んでください。
それでは物語スタートです
第一話
>>1
>>2
>>3
第二話
>>4
>>5
>>6
第三話
悪ノ召使編
>>7
>>8
>>9
第4話
悪ノ召使編
>>10
>>11
>>12
第五話
悪ノ召使編、完結
>>13
>>14
第六話
悪ノ娘編
>>15
>>16
- Re: 悪ノ王国(悪ノ娘、悪ノ召使などなど) ( No.3 )
- 日時: 2016/06/29 14:21
- 名前: 山田 花 (ID: YtZV6/SZ)
カイトは、袋からメロンパンを一個出すとリンに渡した。
リンは、メロンパンを見て一瞬嬉しそうに微笑んだ。
でも直ぐにカイトから貰った物だと気が付き不機嫌そうにメロンパンをカイトに向けた。
「カイトからの物なんていらない……」
「困ったな……リンが貰ってくれないと捨てるしかないないんだけれども……」
カイトは、困ったように口元を押さえるとリンの反応を確かめるようにちらってリンの顔を見つめた。
「なっ!?メロンパンを捨てるなんて許さない!!
しかたがないからメロンパンは、リンが食べてあげる」
「ありがとう、リン」
リンは、不機嫌そうに答えるとメロンパンを一口食べると幸せそうに微笑んだ。
「う〜〜〜〜ん、美味しい」
カイトは、リンが幸せそうにメロンパンを食べたのを満足そうに見つめるとレンの方を向いた。
「はい、これはレンの分だよ」
カイトは、レンにメロンパンを渡した。
「ありがとう、カイトお兄ちゃん」
レンは、嬉しそうにメロンパンを見つめるとメロンパンを一口食べた。
「やっぱりメロンパンは、美味しいです……」
レンは、幸せそうに微笑んだ。
レンがメロンパンを食べたのを見てカイトもメロンパンを一口食べた。
「へ〜〜〜〜ここのメロンパンは、なかなか美味しい物だね」
カイトは、感心したようにメロンパンを見つめると直ぐにメロンパンを食べ始めた。
先にリンがメロンパンを食べ終わると次にレンがメロンパンを食べ終わると最後にカイトがメロンパンを食べ終わった。
カイトがメロンパンを食べ終わる頃には、辺りが夕日がかっていた。
「もうそろそろ日が暮れそうだな……
レン、リン、今日は、僕に付き合ってくれてありがとう。
家まで送るよ」
「ありがとう、カイトお兄ちゃん、それではよろしくお願いします」
レンとリンは、カイトに家まで送ってもらった。
「一応送ってくれたお礼は、言うわ……」
リンは、家に着くと不機嫌そうにぶっきらぼうにカイトに家に送ってもらったお礼を言うとリンの家に入っていった。
「もうリンたら……」
レンは、リンが入っていた扉を見つめながらリンの素直でない態度にため息を吐いた。
レンは、直ぐにカイトの方を向いた。
「カイトお兄ちゃん、家まで送ってくれてありがとうございます」
レンは、カイトに頭を下げてお礼を言った。
「リンですけれども本当は、カイトお兄ちゃんの事が嫌いって訳ではないと思います。
リンがカイトお兄ちゃんの事を嫌いなら最初に逃げ帰ったと思います。
だからカイトお兄ちゃん、リンの事を嫌いにならないでください」
レンは、すがるようにカイトを見つめて哀願した。
「リンの事を嫌いにならないよ。
それにリンは、良い子だと解ってるから安心して良いよ」
カイトは、レンの肩に手をのせて優しく話しかけた。
「ありがとうございます、カイトお兄ちゃん」
レンは、嬉しそうに微笑みながらカイトを見つめた。
いきなりリンが家の扉を開けてレンの方を向いた。
「レン、いつまで話をしてるのよ。
ママが晩御飯出来たって言ってわよ。
レンが来ないと晩御飯が食べられないじゃない」
「ごめん、今行くよ、リン」
「早くしてよね」
レンは、リンの方に声をかけた。
するとリンは、レンの方に急かす事を言うと家の中に戻って行った。
「さようなら、カイトお兄ちゃん」
「うん、またね、レン」
レンは、カイトの方に頭を下げると家の中に入っていた。
カイトは、レンが家の中に入るのを見送ってからその場を去っていた。
カイトとレンとリンにとって素敵な一日になった。
カイトとレンやリンの出会った素敵な出来事と正反対にこれから起こる特にリンにとって最低最悪の展開になるとは、誰も思ってもなかった。
〜つづく〜
- Re: 悪ノ王国(悪ノ娘、悪ノ召使などなど)6月29日投稿 ( No.4 )
- 日時: 2016/07/08 17:51
- 名前: 山田 花 (ID: X/p7BtY7)
歌の悪ノ娘シリーズを小説にした物です。
〜悪ノ王国〜
〜第二話〜
レンやリンがカイトと出会って一日がたった。
物語は、カイトに出会った次の日のお昼過ぎから始まる。
「レン、リン、お使いを頼みたいのだけれどもお願いできないかな?」
レンのお母さんは、台所からリビングに戻ってくるとレンとリンの方に話しかけた。
「え〜〜〜お使い?
めんどくさいよ……」
リンは、人形遊びの手を止めて不服そうにリンのお母さんを見つめた。
「もうリンたら……
レンは、お使いに行っても良いですよ」
レンは、リンの不服そうな態度を見つめながらため息を吐くと直ぐにレンのお母さんの方を向いた。
「本当に?
ありがとう、レン、姉のリンとは、大違いね」
リンのお母さんは、リンの方を向くと少しだけため息を吐いた。
「悪かったわね。
どうせリンは、できの悪い娘よ」
リンは、不機嫌そうにリンのお母さんに反論すると部屋を走って出て行った。
「待って、リン!」
レンは、リンを走って追いかけて部屋を出て行った。
リンは、リンのお母さんの態度にむしゃくしゃしてそのまま村の外まで走って出て行っていた。
そして気づくと森の中だった。
「いけない、森に一人で入るなって言われてたのに……」
リンは、不安そうに森の中を見渡しながら歩いた。
「お嬢ちゃん、こんな所でどうしたんだい?」
リンは、声がした方を振り向くと17歳くらいの痩せ細った男がうっさん臭い表情を浮かべながら立っていた。
リンは、茫然と男性を見つめた。
「森の中で女の子一人は、危ないよ。
僕が街まで送ってあげよう」
男性は、リンの手を握ろうとした。
「ッ!?」
リンは、男性の雰囲気に危機感を感じて男性の手を拒否するように振り払った。
「一人で村には、帰れるから良いです」
リンは、男性から距離をとりくるって後ろを向いて走って逃げようとした。
でも木の陰から23歳くらいの太った男性が現れた。
「何処に行くんだい?
大人の親切は、素直に受ける物だよ」
「っ!?」
リンは、太った男性を避けるように右の森の中に逃げようとした。
でも木の陰に隠れていた20歳くらいの小柄の男性がリンの腕を掴んだ。
「逃がさないよ、お嬢ちゃん」
「嫌、離して!!」
リンは、逃げようと体全体を使って暴れて逃げようとした。
「おい、口をふさげ!!」
痩せ細った男性にリンは、布で口をふさがれた
「んん……!?」
リンは、太った男性に抱き抱えられた。
でもその拍子にリンのポケットからリンのお気に入りのハンカチが地面に落ちた。
リンは、袋に詰めれて男性達のアジトに連れてこられた。
その頃レンは、リンを探して村の中を走り回っていた。
レンは、リンがよく行く噴水広場の前を通るとリンに優しくしてくれたお婆ちゃんがベンチで座っていた
「お婆ちゃん、こんばんは」
レンは、お婆ちゃんに近寄ると話しかけた。
「ええ、こんばんわ、レン君。
急いでるみたいだけれどもどうかしたのかい?」
お婆ちゃんは、顔をあげるとレンの方を向いて話しかけた。
「そうでした。
実は、リンがお母さんと喧嘩して家を飛び出したんです。
お婆ちゃん、リンを見ませんでしたか?」
「リンちゃんかい……?」
お婆ちゃんは、リンの名前を繰り返すと少し首を傾げた。
「確かリンちゃんなら東の森の方に走って行ったのを見たよ」
お婆ちゃんは、杖を掴むとリンを見かけた時の事を思い出しながら述べた。
「本当にリンを見たのですね。
教えていただいてありがとうございます」
レンは、お婆ちゃんに頭を下げてお礼を言った。
お婆ちゃんに教えてもらった東の森に向かった。
「リンは、何処に行ったのかな……?」
レンは、森に入ると周りを見渡しながら早歩きで森の中を進んだ。
森の中を進むと地面に一枚のハンカチが落ちていた。
レンは、落ちているハンカチを拾い上げるとじっくりとハンカチを見つめた。
ハンカチには、兎の顔が刺繍していた。
「これは、お母さんがリンの為に刺繍したハンカチだよね……
まさかリンの身に何かあったんじゃ!?」
レンは、-助けを呼びに村に戻った。
村に戻るとレンの家に向かおうとすると後ろから誰かに話しかけられた。
「レン、そんなに急いでどうしたんだい?」
レンは、声がした方を振り向くとカイトが立っていた。
「カイトお兄ちゃん……?」
レンは、カイトの顔を見ると安心したように目から涙が流れた。
「いきなり泣いてどうしたの?
良かったら何があったのか教えてくれるかな?」
カイトは、レンの泣き顔を見て慌ててレンに近寄るとレンを落ち着かせるように優しくレンの肩を触った。
「リンが居なくなったんです……
森の中にリンの大切にしていたハンカチが落ちていたんです。
お気に入りのハンカチをリンが落とすわけないんです。
きっとリンの身に何かあったに決まってます。
お願いします、カイトお兄ちゃん、リンを助けてください!」
レンは、哀願するように涙を流しながらカイトを見つめカイトの腕を掴んだ。
「盗賊の仕業か……」
カイトは、口元を押さえて考え込むと直ぐにレンの方を向いた・
「大丈夫だよ、レン。
リンは、必ず助け出すから僕を信じてくれないかな?」
カイトは、レンの肩を触りレンを言い聞かせるように優しくお願いをした。
「本当にリンを助けてくれるのですか?」
レンは、嬉しそうにカイトの顔を見上げた。
「うん、もちろんだよ、レン。
それに盗賊のアジトの場所の見当は、ついているからね」
「ありがとうございます、カイトお兄ちゃん」
レンは、カイトに頭を下げた。
「それでは、リンの救出作戦と行こうかね。
それには、まず僕の泊まってる宿に行こう。
話しは、それからだ」
「はい、解りました」
レンとカイトは、カイトが泊まってる宿に向かった。
それからしばらく時間が立って盗賊のアジトの小屋の中では、リンが閉じ込められていた。
「リンが居なくなってお母さんもレンも心配してるよね。
リンは、これからどうなるのかな……」
リンは、これからの事を考えて辛そうに俯いた。
リンが俯いたのと同時に部屋の扉が開くとリンを誘拐した三人組の男性が部屋に入ってきた。
「気分は、どうかな?」
小柄の男性がリンに右手を差し出してリンの腕を掴もうとした。。
「誘拐されて気分が良い訳ないでしょう。
お願いだからリンを家に帰してよ!!」
リンは、小柄の男性が差し出した右手を両手で叩いて避けると男性から距離をとり小柄の男性を睨んだ。
「相変わらず強気だね。
そんなに元気があるのならおじさんと遊んでよ」
小柄の男性は、いやらしい眼差しでリンのスカートを見つめた。
「ひっ!?
助けて、お父さん、お母さん、レン!!」
リンは、涙目になりながら男性を避けて扉の方に向かって走った。
「何処に行くつもりだい?」
小柄の男性は、後ろからリンの髪を掴んだ。
「痛っ!?
嫌、離して、誰か助けて!!」
「ここは、山奥だから誰も助けに来ないよ」
「そんな……」
リンは、絶望に打ちひさがれるとリンは、小柄の男性に押し倒された。
「きゃっ!?」
リンの頭の中にカイトの顔が浮かんだ。
「助けてよ、カイト!!」
リンは、カイトの事を思いながら大声を出してカイトに助けを呼んだ。
リンの助けに答えるように誰かが窓のガラスを割って入ってきた。
リンは、入ってきた人物を見て嬉しくて涙が流れた。
「カイト……」
「お前は、誰だよ!!」
カイトは、小柄の男性を睨んだ。
小柄の男性は、ナイフをカイトに向けた。
カイトは、剣を鞘に納めたまま小柄の男性に剣を向けた。
「死ねや〜〜〜〜〜〜!!」
小柄の男性は、ナイフでカイトの腹を刺そうとした。
でもカイトは、小柄の男性のナイフを右に避けると小柄の男性の肩を剣で殴った。
「ぐあっ!?」
小柄の男性は、苦しそうに倒れ込んだ。
「てめえ、何しやがる!!」
「たたんでしまえ!!」
痩せ細って背の高い男性は、両手に斧を握り締めた。
太った男性は、両手に大剣を握り締めた。
カイトは、気を引き締めるように剣を右手で握りしめて二人の男性を睨んだ。
- Re: 悪ノ王国(悪ノ娘、悪ノ召使などなど)6月29日投稿 ( No.5 )
- 日時: 2016/07/08 17:51
- 名前: 山田 花 (ID: X/p7BtY7)
「でや〜〜〜〜〜〜!!」
痩せ細って背の高い男性は、カイトに向かって斧を上から下、下から右、右から上に振り回した。
そして最後に斧を大きく振り上げてカイトめがけて斧を振り下ろした。
カイトは、男性の攻撃を紙一重で全てかわした。
そして男性が最後に振り下ろした斧が柱に当たりそのまま柱に斧が食い込んだ。
痩せ細った背の高い男性は、柱の食い込んだ斧を抜こうとしたけれども抜けなかった。
「くっ、斧が抜けない!?」
「はっ!!」
カイトは、痩せ細った背の高い男性の後ろから剣で背中を殴りつけた。
「ぐあっ!?」
痩せ細った背の高い男性は、倒れこんで苦しそうに呻き声をあげた。
「は〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
太った男性は、大剣を振り上げてカイトに切りかかった。
カイトは、太った男性が振り下ろした大剣にカイトの剣を軽く当てて大剣の軌道を反らして大剣を避けた。
そして直ぐにカイトは、太った男性の腹の鳩尾に剣で殴りつけた。
「ぐえっ!?」
太った男性は、倒れこんで苦しそうに呻き声をあげた。
カイトは、倒れた三人の男性を見渡すとリンの方に近づいて優しく話しかけた。
「リン、大丈夫だった?」
リンは、何か言おうとすると突然ボウガンを持ったマッチョの中年男性が扉から入って来るとリンに向かってボウガンの矢を放った。
「危ない!?」
カイトは、リンの体を抱きしめてリンを庇うとカイトの肩に矢が刺さった。
「うぅ……」
「嫌、カイト、死なないで!?」
「大丈夫だよ、リン……」
リンは、涙目になりながらカイトの体を握り締めた。
カイトは、リンを安心させるように弱弱しく微笑んだ。
「女を庇って怪我をするとは、好都合だ。
このまま死んでしまえ」
マッチョの中年男性がボウガンに矢をセットしてボウガンをカイトに向けた。
マッチョの中年男性がボウガンの矢を放とうとすると突然扉からナイフが四本飛んで来て中年男性の肩と右腕と左足と背中に当たるとボウガンが落として地面に倒れ込んだ。
扉から最初に黒髪で年は、16歳くらいで背丈は167くらいで黒色の洋服を着てナイフを持って男性が次にレンが、次に鎧を着た警備兵の男性が三人、入ってきた。
「カイト様、無茶をしすぎです!!」
「リン、カイトお兄ちゃん、大丈夫ですか!?」
黒髪の男性は、カイト、レンは、リンに近づいた。
「レン、どうしよう、カイトが死んじゃうよ……」
リンは、涙目でレンの方を向いた。
- Re: 悪ノ王国(悪ノ娘、悪ノ召使などなど)6月29日投稿 ( No.6 )
- 日時: 2016/07/08 17:52
- 名前: 山田 花 (ID: X/p7BtY7)
「リンちゃんて言ったね。
カイト様は、これくらいで死んだりしないよ」
黒髪の男性は、リンの方を向いて優しく話しかけるとカイトに刺さっている矢を抜くとバックから薬を出すと薬を傷口に付けて包帯を巻いた。
「カイト様、今は、村に戻ってちゃんと休んで下さい」
「すまないけれどもそうさせてもらうよ……
リン、怖い目に合わせてしまって悪かったね……」
カイトは、黒髪の男性の方を向いて話しかけると次は、リンの方を向いてすまなそうに話した。
「そんな事は、ない!!
カイトは、ちゃんとリンを助けてくれたよ!!」
リンは、カイトに食い掛かるようにカイトの顔を見じかで覗き込んだ。
「ちゃんと助けてないよ。
だってリンを怖い目に合わせたからね」
カイトは、首を少し横に振って否定して申し訳なさそうに述べた。
「でもカイトは、ちゃんとリンを助けてくれたよ。
これはそのお礼だよ。
ありがとう、カイト……」
リンは、カイトをじっと見つめると顔を赤らめて恥ずかしそうにカイトの頬にキスをした。
そしてカイトに聞こえないくらいの小声で「大好きだよ、カイト……」って呟くと恥ずかしそうに俯いた。
「どういたしまして、リン。
今度は、リンの事を早く助けるよ」
カイトは、リンにキスをされると嬉しそうに微笑んだ。
「うぅ……」
でもカイトの傷口が痛んで肩を押さえて膝をついて倒れ込もうとした。
「カイト!?」
「カイトお兄ちゃん!?」
「カイト様……」
黒髪の男性は、カイトが倒れ込む前にカイトの体を抱きしめてカイトの体をささえた。
「カイト様、今は、体を直すのが先です。
早く宿に戻りましょう。
リンちゃん、レン君、すいませんが先に失礼しますね。
後のお願いしますよ」
黒髪の男性は、レンとリンを見渡すと次は、警備兵の方を向いて軽く頭を下げるとカイトをささえたまま部屋を出て行った。
「リンを一人にしてごめんね。
そのせいでリンが誘拐されたのだからさ」
レンは、リンの肩を触りすまなそうに話した。
「うんん、レンのせいでは、ないよ。
リンが一人で森に入ったのが悪いんだからね」
リンは、少し首を横に振ってじっとレンを見つめた。
「それにしてもよく盗賊の隠れ家が解ったよね」
リンは、首を少しだけ傾げた。
「カイトお兄ちゃんが盗賊が隠れ家にするのなら森の中の誰も使っていない家だと言われたんだよ。
だから森の中にある誰も使っていない家を村の人達に聞いて片っ端から家を詮索したんだよ。
それで三件目に訪れた家に盗賊が使っている馬がいるのを見つけたんだよ。
盗賊のアジトに突入する準備をしていたらリンの悲鳴が聞こえてきたんだよ。
そしたらカイトお兄ちゃんが剣を掴むと真っ先に窓に飛び込んで行ったんだよ。
後は、リンが見た通りだよ」
「そうだったんだね……」
警備兵は、盗賊の四人組を縄で縛るとリンの方に近づいた。
「リンちゃん、どこか痛いところはありませんか?」
一番年上の警備兵がリンの顔を覗き込んで述べた。
「痛い所は、ないよ」
「それなら良かったです。
それでは、村に戻ったら事情聴取をさせてもらいますからそのつもりでいてくださいね」
レンとリンは、警備兵に連れられて村に戻った。
村に戻ったらリンのお母さんとお父さんに抱きしめられると直ぐにお母さんに叱られた。
そして次の日、レンとリンは、カイトに昨日のお礼を伝えにカイトの泊まってる宿に向かった。
宿に着くとカイトとリンを助けに来てくれた黒髪の男性が宿から出てくるところだった。
「カイトお兄ちゃん、怪我は、もう良いの?」
レンは、カイトに近づいてカイトの顔を見上げた。
リンもレンの後を追いかけるようにカイトに近づいた。
「ああ、この通りにもう平気だよ」
カイトは、怪我をしている肩を触り右腕をまげて力瘤を作ろうとした。
「痛っ!?」
でもカイトは、傷口が痛んで少しふらついた。
「もうカイト様、病み上がりなんですから無理をしないでください」
黒髪の男性は、カイトの体を握り締めてささえた。
「すまない、シン。
無理をしないように気を付けるよ」
カイトは、シンの手を触り体制を整えた。
「カイトお兄ちゃん、そんな体で何処に行くのですか?」
「そろそろ国に帰らないと行けないからね」
「そう言えばカイトお兄ちゃんは、何処の国の出身ですか?」
「カイト様、レン君に伝えてないのですね。
カイト様は、青の国の王子様ですよ」
「えっ!?」
リンは、驚いて後ろに歩くとつまずいて転ぼうとした。
「きゃっ!?」
「危ない!?」
カイトは、リンの手を掴んでリンの体をささえて転ぶのをとめた。
「あ、ありがとう、カイト……」
リンは、顔を赤くし戸惑いながらお礼を言った
「どういたしまして。
でもリンは、よく転ぶよね。
初めて出会った時も転びそうになっていたし」
カイトは、口元を押さえて少しだけ笑った。
「あの時は、カイトにも原因があったじゃない」
リンは、不機嫌そうに腕を組みながら横を向いた。
カイトは、リンの不機嫌そうな様子を楽しそうににこにこしながらリンを見つめた。
リンは、カイトのにこにこ笑顔を見て怒ってるのが馬鹿らしくなりため息を吐くとカイトを真剣な表情で見つめた。
「ねえ、カイト、もう会えないの?」
「そうだね……
今回の件でしばらくは、国の外に出られなくと思うからね。
当分は、会えないと思うよ」
カイトは、口元を押さえて考え込みながら述べた。
「そんな……」
リンは、辛そうに俯いた。
「そんな顔しないで、いつか必ず会いに行くから安心して、リン」
カイトは、リンを安心させるように優しく両肩を触った。
「カイト、本当?」
リンは、不安そうにカイトを見つめた。
「本当だよ、信用できないなら指切りの約束しよう、リン」
カイトは、右手の小指をリンに向けた。
「うん、ならカイトと指切りをする」
リンは、カイトがリンに向けた右手の小指にリンの右手の小指を絡ませた。
「「指切りげんまん嘘ついたら針千本のます指切った」」
リンとカイトは、自分の小指を絡ませて言葉を言いながら小指を振って最後の言葉と共にカイトとリンが繋いでいる小指を離した。
カイトとリンは、互いを見つめてくすくすと笑った。
シンは、咳を一回するとカイトに近づいた。
「……カイト様、そろそろ行かないと今日中に次の町につきません」
「解った……
また会おう、リン、レン」
カイトは、右手をリンの方に向けた。
リンは、カイトの右手を握り締めて握手をした。
「うん、またね、カイト、約束だからね」
カイトは、右手をレンの方に向けた。
レンは、カイトの右手を握り締めて握手をした。
「はい、また会いましょう、カイトお兄ちゃん」
カイトは、リンとレンと握手をするとカイトとシンは、この村を去っていた。
カイトとリンが会っていた頃、レンの家の前では、黄色の国の王族の旗がついた馬車が泊まっていた。
レンの家のリビングでは、レンとリンのお母さんとお父さんと23歳くらいの男性と60歳くらいの体がマッチョの男性がいた。
二人の男性がタキシードを着た姿は、執事そのものだった。
その様子から二人の男性は、王国からの使者だと解った。
「それでは、了承してくれるのですね」
年寄りの執事は、右手を自分の胸に置いて述べた。
「はい、また昨日みたいな事が起きた時、リンを守れるか解りません。
ですからリンの事をよろしくお願いします」
リンのお母さんは、年寄りの執事に頭を下げてお願いをした。
「解りました。
リン様の事は、任せてください」
若い方の執事は、リンのお母さんの前に出て少しだけ頭を下げた。
リンとレンが、離れ離れになる時が近づいていた。
〜つづく〜
- Re: 悪ノ王国(悪ノ娘、悪ノ召使などなど)7月8日投稿 ( No.7 )
- 日時: 2016/07/13 15:28
- 名前: 山田 花 (ID: /xSFMP0P)
歌の悪ノ娘シリーズを小説にした物です。
レンの視点から書かれています
〜悪ノ王国〜
〜第三話〜
〜悪ノ召使編〜
レンは、リンと一緒に居られると思っていた。
それは、この先も変わらないと思っていた。
でも残酷の運命は、ちゃくちゃくと近づいて来ていた。
レンとリンは、カイトお兄ちゃんとお別れの挨拶をすると自分の家に帰ってきた。
自分の家の前に戻ると家の前では、馬車が泊まっていた。
「あれ、誰かお客さんが来てるのかな?」
レンは、馬車の周りを見渡すと馬車の中を覗き込んだ。
「レン、何してるの、早く家に戻るわよ」
レンが馬車の前でもたもたしていたからリンは、待たされすぎて不機嫌そうに述べた。
「ごめん、リン、お待たせ」
レンは、リンの側に近寄るとリンと一緒に家の中に入っていった。
家の中に入るとリビングにお父さんとお母さんが居た。
リビングでは、親の他に知らない男性が二人居た。
六十歳くらいの男性と二十歳くらいの男性が黒のタキシードを着ていた。
「お母さん、お客様ですか?」
レンは、お母さんに近づくと知らない男性の方を向いた。
「えっ?
それは、その……」
お母さんは、言い難そうに言葉を濁すとリンの方を向いた。
「リン、大切なお話があります。
心して聞きなさい。
これからリンは、私達と別れて王宮で王女様として暮らすのよ」
お母さんは、リンの肩を優しく触りながらリンを言い聞かせるように述べた。
「ママ、何言ってるの……?」
リンは、お母さんが何を言ってるのか解らずに呆然とお母さんを見つめた。
「黄色の国の最後の生き残りの王女様が病気で亡くなったの。
幸いの事に王女様は、リンに似ている姿らしくてだから変わりにリンを王女様にする事になったのよ。
それに、ここの村に居たらまた昨日みたいな事が起きるかもしれないのよ。
お願いだから、リン、私の言う事を聞きなさい」
お母さんは、リンの両肩を触り頭を下げて切実な思いでリンにお願いをした。
「嫌よ。
リンは、王宮になんか行かないからね!!」
リンは、お母さんに向かって叫ぶとお母さんの両手を振りほどくと部屋を出て行こうとした。
「リン様、何処に行かれるのですか?」
二十歳くらいの男性は、横を通ろうとしたリンの右手を掴んでリンを捕まえた。
「嫌、離して!
リンは、王宮に何て行きたくない!!」
リンは、暴れて男性の手を振りほどこうとした。
男性は、それを無視してリンを無理やり連れて行こうとした。
「待って下さい、リンを連れて行かないでください!!」
レンは、リンに駆け寄ろうとするとお父さんに抱きしめられてとめられた。
「お父さん、離して下さい!!
リンが連れていかれます!!」
レンは、リンを求めるように右手をリンの方に向けた。
「離してよ、レン、レン、レン、レン、レン、レン!!」
リンは、レンの方に右手を伸ばして涙を流した。
「待って、リン、リン、リン、リン、リン、リン!!」
レンは、男性に引きずられるように部屋を出ていったリンの事を名前で呼ぶ事しか出来なかった。
こうして生まれてから一緒だったレンとリンは、大人達の勝手な都合で二つに引き離された。
リンが連れて行かれるとお父さんがレンを離してくれた。
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