二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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ガルズモンズ 序章編
日時: 2017/05/16 20:40
名前: たくと七星 (ID: XZMxsXTA)

 またお会いします。今回もまた新しい小説を書いていこうと思います。取り上げるのは初挑戦となるスマートフォンの携帯アプリのゲーム、「ガルズモンズ」のストーリーを書いていきます。



<概要>
今月、終了となってしまった矢印を駆使したパズルゲームで私も遊んでいたゲーム、そのノーマルストーリーをこの小説に書いていきたいと思います。主人公が気付くと牢屋にいて、そこをその世界の住人に助けられて、彼等との触れ合いで成長して心を通わせていく。そんな感じの絆を描いたストーリーにしていきたいと思っています。


<キャラクターの性格>
 ガルズモンズのキャラの設定を見るとクスリとさせられる話が多いので、真面目に見えて無邪気だったり、甘党だったりとそんな感じの設定が多いので、キャラクターは共通して「性格は違えども子供のように無邪気でおかしいくらいに感情むき出し」、好きな気持ちははっきり言い、怒る時は本気で怒り、泣きたい時は大声で泣き、悲しい時は心から悲しむ、そんな風に描いていきたいと思います。



<物語は>
 今回書くのは序章編なので序盤、牢屋で主人公が目覚める所から、レジスタンスに到着するまでを描いていきます。



<登場人物紹介>


・狩須門人(かるすもんど)
 本作の主人公。牢屋に捕らわれていた所をガーネット達に救われて、世界を救う旅に協力されることに。最初は性格は暗く、相手を信じられない気持ちがあったが、仲間達の優しさに触れることで心を開いていく。


・ガーネット
 本作のヒロイン。赤いポニーテールに白い長袖を羽織って、紫のビキニに紫のニーソックス、ショートパンツを履いた食べることと運動が大好きな少女。大きな剣を振るう豪快な戦い方が得意。門人を救出し彼の心の闇を聞いて彼を守っていくと誓う。レジスタンスに入ったのにはある理由があるようで・・・。筆者が実際のゲームでパートナーとして選んだキャラ。


・参謀シオン
 ガーネット達に同行している冷静な参謀。物腰が柔らかく言葉が丁寧だが、自分の考えに自信がありすぎて相手に押し付けてしまうことがある。甘党でマロングラッセが大好物。主人公の門人には兄のように温かい目で時に厳しく、時に優しく諭す。筆者が初めてのガチャで最初に手にしたキャラ。


・オーク達
アカオーク、アオオーク、ミドリオークの三人。三姉妹でアカが長女、アオが次女、ミドリが三女。アカオークは姉御肌で面倒見がよく門人にも気さくに接する。アオはクールで冷静。ミドリは無邪気で天然。



・モッチ達
アブリモッチ、ミズモッチ、カシワモッチの餅のように丸っこいモンスター。三匹とも共通して無邪気。

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Re: ガルズモンズ 序章編 ( No.10 )
日時: 2017/04/04 10:00
名前: たくと七星 (ID: XZMxsXTA)

第6話「目指せレジスタンス、二人の新たな決意」



 気が付くと少年は牢屋の中に閉じ込められていた。そこに差し伸べられた優しい手。自分を必要としてくれる仲間達に支えられ、数々の強敵達を退けて、今、外の世界へ出ようとしていた。


「やった・・・」
「やりましたね」
「僕達、ついに・・・」
「門人の救出に成功したわよブヒーン!!!」
 ガーネット、シオン、ブブが外の景色を見て、脱出に成功したことを喜んだ。アカオークと妹達が手を繋いで輪を作って踊っている。
「いえーい、ついに出れたぜーい!」
「ア、アクアさん、そんなにはしゃがなくても」
「まあ、いいじゃないかな。ようやく牢から出れたんだからね!」
「わーい、あたし嬉しいから踊っちゃおっと!」
「わーいモチ!」
「僕達も踊るモチ!」
 アクアがクリアの手を握って小踊りした。ペリドットも三色のモッチ達とダンスをする。フロスティもようやく出れたとホッと一息した。
「皆、喜ぶのに大袈裟すぎなんじゃ・・・」
「いいのですよ門人さん。喜ぶ時はとにかくはしゃいでいた方がいいのです。そうでないと緊張がほぐれませんからね」
「そうそう、こういう時は凄く喜ばなくちゃ。じゃあ門人も踊っちゃおう!」
「え、ガーネット!」
 ガーネットが門人の手を引っ張りクルクル回してダンスを始めた。シオンが穏やかな微笑みをして喜ぶのだった・・・。


 そして夜、シオンの提案でひとまず休息することにした。
「ううん・・・」
 アカオークのいびきがうるさく門人は目を覚ましてしまった。
「あれ・・?」
 よく見ると、ガーネットの姿が見えないことに気付いた。起きて探し回っていくと、
「あ・・・」
 星空が見える野原で夜空を見ているガーネットを見つけた。
「ガーネット」
「あ、門人。起きてたんだ」
「ここで何をしてたの?」
「星を見てたんだ。う〜ん」
 ガーネットは立ち上がって背伸びをした。
「門人、私ね、星空を見るのが好きなの。星を見てると、心が穏やかになって、この先何があっても大丈夫って思えるのようになれるの。門人はいつも星を見てる?」
 ガーネットが水晶のような綺麗な瞳で門人を見つめた。
「俺?ううん、あまり星を見たことがないんだ。いつも落ち込んでて下ばかりを見ていて・・・」
「そうなんだ・・・、色々辛いことがあったんだね。でも、私は君にそんな思いはさせないよ。じゃあね、これから星を見るようにしよう。門人もきっと星を好きになれるよ」
 ガーネットの言葉を聞いて門人は星を見上げてみた。上空の空にはいくつもの星の数が模様のように煌めいていてまばゆい光を放っていた。
「綺麗だ・・・」
「えへへ、そうでしょ」
「うん、夜空の星がこんなに綺麗だなんて思ってもみなかったよ。ありふれたものだと思っていたけれど、見てみるとどんなに綺麗な光り物よりも美しいものなんだなって思えるよ」
「良かった、気に入ってもらえて。ねえ、門人」
「何?」
「貴方だけに教えてあげる。あたしのことを・・・」
「何を?」
 ガーネットは空を見上げて自分の過去を話し始めた。
「私ね、お父さんを探しているの。一緒に剣の修行をして、一緒にご飯を食べて、一緒に探検して、暖かくて大好きなお父さんだった。でも、ある日突然行方不明になったの・・・・」
「・・・・・・」
「私、お父さんを探したい。それでレジスタンスに入ったの。そうすれば、お父さんに関する話が出て、いつか会えるんじゃないかって。だから私、門人のことが他人事と思えないって思えたの」
「え?」
「門人も私と同じ一人ぼっちで、同じ気持ちになって、放っておけない、貴方を一人にしちゃいけないって・・・・。門人、大丈夫よ。私、これから何があっても貴方のこと、守っていくから」
「ありがとう、ガーネット、俺も君の役に立てるよう出来る限り頑張っていくよ」
 門人は感じていた。もしかしたら自分がこの世界に来たのは運命だったのではないかと。気が付くと二人の距離は近くなっていた。そして、二人は互いの唇を重ね合った。甘く優しいキスをする門人とガーネット。少年は舌を入れて彼女の口内を、舌を絡め合っていた。ガーネットはビクビク震えるもそれを受け入れ、濃厚なキスを重ねていく。口を離すと二人の口を銀色の糸が結んでいた。
「ごめん、俺、何てことを。まだあって間もないのに・・・」
 門人が謝るも、ガーネットは穏やかな笑みを浮かべていた。
「ううん、大丈夫よ。こんな気持ちになっちゃったのは貴方が初めてかも・・・。私、貴方が好き・・・」
「え?」
「くす、これは本気だよ。だって、私、貴方を守るって決めたから。これからもよろしくね、門人・・・ちゅっ・・・」
 ガーネットが再び門人にキスをした。その後二人仲良く座り、今後を見据えながら星空を見つめるのだった・・・。


Re: ガルズモンズ 序章編 ( No.11 )
日時: 2017/04/11 21:29
名前: たくと七星 (ID: XZMxsXTA)

第7話「急襲、砂漠のモンスター!」パート1



 牢獄を脱出して、遂に外の世界へと足を踏んだ少年は、自分に手を差し伸べてくれた少女と固い決意を誓って、自分を待つレジスタンスへと仲間と共に進んでいく。


 青い空の上で、太陽が光り輝いていた。生物にとっては生命の源である太陽の光だが、場所によっては危険を及ぼす可能性がある。今、一行が歩いている場所がまさにそこだった。
「はあ、はあ・・・」
「あ〜あ、暑いわブヒン・・・」
 ガーネットは大剣を引きずりながら進み、アカオークはハンカチで汗を吹いていたのだが、汗は全く止まらない。
「暑いよ〜、これじゃあ服が汗でびしょびしょになっちゃう〜・・・」
 ペリドットの服は汗ですっかり濡れてしまい、服が透けて落ち着かないでいた。フロスティは機械の重さに加えてこの暑さですっかりばてていた。
「はあ、暑いです。まるで炎に焼かれている気分です」
 クリアはすっかり熱さにまいっていた。
「そうだよ、気分は天日干しにされてるお魚だよ」
 アクアはすっかり汗だくになっていてヘロヘロになっていた。シオンも汗まみれになって何も言いたくないのか黙っていた。
「全くよブヒン。アタチなんてこんなに汗が出ちゃって、汗かくレディはモテないわ」
 アカオークが愚痴を吐いていると、アカゴブリンとその兄弟がまるで焼豚だなとクスクス笑ったがアオオークとミドリオークにギロリと睨まれて尻込みになる。
「あれー、皆さん、足取りが遅いですね。こんなにポカポカで暖かいのに」
 一匹だけ、はぐれオオカミは元気に走り回っていて一行よりもずっと前に出て急かしていた。
「あ、あんた、こんなに暑いのがどうして平気なのブヒン・・・」
「少し羨ましいわ、お姉様・・・」
 アカオークとミドリオークがはぐれオオカミを羨ましそうに見ていた。
「はあ、はあ、剣が重い・・・、もう歩けない・・・」
「うん、俺も、疲れてきたよ・・・。近くに岩場があるからそこで休憩しよう」
「そうだね、門人・・・。皆もそうしよう・・・」
 一行は近くの岩場で休憩をとることにした。岩影でオーク姉妹と三色モッチ達、そしてはぐれオオカミが休んでいた。
「はああ、どこまで行っても砂と岩とこの暑さばかりだわブヒン・・・」
「ミントアイス食べたい・・・それがあったら最高なのに・・・」
 アカオークは背中を岩にくっつけてため息を吐き、アオオークはミントアイスを恋しがった。
「モチ、これじゃ焼き餅になっちゃうモチ」
「モチ、君はもう焼けてるモチ・・・」
 アブリモッチのことばをカシワモッチが皮肉を言う。一方、はぐれオオカミは快適なのかすやすやと眠っていた・・・。


続く・・・。

Re: ガルズモンズ 序章編 ( No.12 )
日時: 2017/04/18 21:13
名前: たくと七星 (ID: XZMxsXTA)

「はあ・・・暑い、服が汗でびしょびしょです・・・」
 クリアは汗に濡れた体でアクアを探していた。
「あら?」
 登れる岩場に来ると、そのてっぺんでアクアが右手を額にかざして何かを見つけようとしていた。
「アクアさん」
「お、クリアちゃんじゃない。すごいびしょ濡れじゃない。は、まさかオアシスでも見つかったの!」
 アクアが期待しているように目をキラキラさせて来た。クリアは汗だくでため息を吐いて答えた。
「オアシスは見つかってません。これは私の汗です・・・」
「そうなんだ・・・、そんな格好じゃ暑いよね」
「はい、アクアさんは何してました?」
「あたし、探してたの。ここから遠くを見ればレジスタンスを見つけられるかな、と思ったけど、見つからないね」
 そう言うと、アクアは歯を見せて笑い出した。
「ふふ、そうですね・・・」
 クリアもクスクスと笑った。
「クリアちゃん、レジスタンスに戻ったら美味しいアイスでも・・・」
「きゃああああああ!」
 クリアの悲鳴が聞こえて来た。アクアが下を見ると、クリアが数体のサーベルタイガーとそのボスであるが囲んでいた。一体のサーベルタイガーがクリアに襲いかかって来た。
「きゃあ!」
「待てーーーっ!」
 アクアが急いで飛び降りて、サーベルタイガーを切り付けた。ドシンと倒れ、アクアはクリアを守るように彼女の盾になった。
「おーい、何か騒がしいから来て見たけど、うわ!」
 そこへガーネットと仲間達が駆け付けた。
「早速、襲われてるみたいね、よーし!」
 ペリドットとガーネットはピュア攻撃を放ってサーベルタイガーの群れを後退させた。
「ありがとう、皆」
 アクアとクリアは急いで門人達の所へ戻った。
「門人、あれを!」
「ああ!」
 門人は石版を取り出して、そこにガーネット、アオオーク、アクア、クリア、アオゴブリン、ブブ、ミズモッチ、ペリドットのスピリットを編成した。
「行くぞ!」
 指でその石版をなぞっていき石版にはめた仲間の力を溜めていった。
「力がみなぎって来たよ!」
 最後にガーネットにフィニッシュさせて、ガーネットは大剣を振り下ろして炎の衝撃波をガチサーベルタイガーの軍団に大ダメージを与えた。
「俺達も行くぜ!」
「ひんやりさせるモチ!」
「くらえ・・・」
 アオゴブリン、ミズモッチ、アオオーク達も続けて攻撃に出た。
「どうよ、ふっふ〜ん」
 ガーネットは勝った、と鼻を擦った。
「グワアオ!」
 その刹那、サーベルタイガーの一体がガーネットに襲いかかって来た。
「危ない!」
 門人は急いで走り、サーベルタイガーの攻撃からガーネットを守った。しかしその衝撃で門人は吹っ飛ばされ、谷底に落ちてしまう。
「うわああああ!」
「も、門人ーーーーっ!」
 ガーネットは手を差し伸べたが、間に合わなかった。仲間達は悲痛な顔をする・・・。

Re: ガルズモンズ 序章編 ( No.13 )
日時: 2017/04/18 21:26
名前: たくと七星 (ID: XZMxsXTA)

第8話「オニキスとの再会、親衛隊の襲撃!」パート1


「ここは・・・」
 門人は彷徨っていた。見えるものが何一つない暗闇の世界を。ガーネット達と解り合えたと思っていた矢先に起きたあの出来事で彼女達と別れてしまった。自分は死んでしまったのだろうか。もう、ガーネット達には会えないのだろうか。暗く沈む彼に、誰かの声が聞こえて来た・・・。


「う、ううん・・・」
 その声に導かれ、門人は目を覚ました。目を開けると、そこは灼熱の砂漠地帯だった。だが、それなのに何故か暑く感じない、涼しい場所だった。上を見上げると、
「気が付いたか?」
 一人の少女の顔が見えた。それを見て門人はビックリした。目の前にいたのは、牢獄を脱出した際、自分達の前に立ちはだかったあのライダースーツを着て仕込み刀を武器にする少女、オニキスだったからだ。
「君は、もしかして・・・」
「ああ、あの時の私だ」
 門人が牢獄で会った、と聞くとオニキスは静かに頷いた。だがその顔は初めて出会った時の鋭く殺気のある表情ではなく、穏やかで暖かい眼差しをしていた。それを見て門人は優しくて綺麗な顔だと思った。
「ねえ、ここは・・・」
「ここは砂漠で一番涼しい所だ。レジスタンスに戻る所でここで倒れている君を見つけてな。介抱してやったのだ」
「そうなんだ・・・あの」
 門人はオニキスに思っていたことを話した・・・。


続く・・・。

Re: ガルズモンズ 序章編 ( No.14 )
日時: 2017/04/19 21:02
名前: たくと七星 (ID: XZMxsXTA)

第8話「オニキスとの再会、親衛隊の襲撃!」パート2


「ずっと、気になっていたけれど、君もレジスタンスの一人なの?」
「何故、解った?」
「いや、初めて会った時、誰かを探していたようだし、何よりも君が悪い人のようには見えなかったから」
「勘がいいな。その通り、私もレジスタンスの一員だ」
 そう言うと、オニキスは牢獄へ向かう経緯を話し出した。
「レジスタンスのリーダー、コーラルが世界を救うかもしれない人間が囚われていると知らせてな、その人間の救出に向かった際に戦闘になったが、あの時の彼等が守ろうとした人間が君だったと言う訳だ」
「そうなんだ、そう言えば俺・・・」
 よく見ると門人は体を横にしていることに気付いた。頭に柔らかい感触がしている。それもそのはず、オニキスが門人に膝枕をしてあげたからだ。
「ご、ごめん、邪魔だよね。すぐに・・・」
「いや、このままでもいいぞ。君はまだ傷が癒えていないだろう。私の膝でゆっくりしていても構わない」
 すぐに体を起こそうとするが、オニキスは優しい眼差しでそのまま寝てていいと言った。
「でも、君・・・」
「オニキス、そう言ってくれ。私の名だ」
「オニキス、うん。所でオニキス、今、正座の格好してるよね。足は大丈夫?」
「心配ない。まあ、痺れるのは辛いが君のことを思えば何ともない、う・・・」
「やっぱ痺れてるじゃん!」
 門人はすぐに体を起こした。オニキスは両足を伸ばして痺れに耐えていた。
「うう、やっぱり正座は辛いね。20秒ももたないよ・・・」
「大丈夫、ああ、こう言う時は・・・」
 オニキスの足の痺れに門人はどうしたらいいか考える。考えた末、オニキスの両足を揉み始める。
「きゃ、な、何を・・・」
「ごめん、マッサージすれば治るかなって・・、いや、やっぱり迷惑かな?」
「いや、そんなことはない。続けてくれ。早くこれを何とかしたいからな・・・」
 痺れる場所を優しく揉んでいくとオニキスはすっかり気を許して恍惚な顔をしていた。しばらくして、
「ふう、落ち着いた、ありがとう」
「う、うん、どういたしまして・・・」
 ひとまず落ち着くと、門人はあることを話した。
「オニキスはレジスタンスなんだよね。でも、ガーネット達は君のことを知らない感じだったけど、どうしてかな?」
「それは仕方がないさ、私は今まで彼等と会ったこともなければ会話をしたことも無かったからな」
「それは、どうして?」
「私は主に情報の収集や密偵など裏方の仕事が多かったからな。だから彼等も私の存在には気付かず、私自身も一人でいることが多かったからな・・・」
 そう言ってオニキスは空の彼方を見上げた。
「そうなんだ・・・」
「だが、今は誰かと一緒にいたいと思っている。それは誰か解るか?」
「それって、誰のこと?」
「知りたいか、それは・・・・君自身だ・・・」
 クールな表情とは思えない照れくさい顔をしてオニキスは語りだした。
「牢獄でのあの時、君に助けられたな。その時に差し伸べられた手、とても暖かかった。人の温もりがこれほど心地いいものだと初めて知った」
「そ、そうなんだ・・・」
「それから、今までにない感情が芽生えてきてな。これが皆の言う恋だということに気付いたのだ・・・」
「そう、て、ええええ!」
 思いもしなかった言葉に門人は動転してしまった。初対面の時はクールな刺客みたいな人だと思っていたのに、今見るその人はとてもその人と同一人物かと思いたくなるくらい可愛い顔をしていたからだ。
「どうした、そんなにびっくりして、私は本気だぞ。ふふ、私の膝で寝ている君の寝顔、とても可愛かったぞ、しかも20回も寝返りをしていたな・・・」
 門人が寝ていた時の事を恥ずかしがることなく話し、クスクスと笑う。戸惑う門人に視線を合わせると、オニキスはその少年の唇、軽く触れる口付けをした。
「オ、オニキス?!」
「どうした、びっくりして、ああ、そうか、まだ言っていなかったな」
 ハッと気付くとオニキスは門人の耳にこう囁いた。
「私は、君が好きだ・・・。冗談ではなく、本当の思いだ・・・。安心してくれ、これから先は君のことは私が守る。私の命をかけても守り抜いてみせる」
 気が付くとオニキスは門人を強く抱きしめていた・・・。


続く・・・。


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