二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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ガルズモンズ 序章編
日時: 2017/05/16 20:40
名前: たくと七星 (ID: XZMxsXTA)

 またお会いします。今回もまた新しい小説を書いていこうと思います。取り上げるのは初挑戦となるスマートフォンの携帯アプリのゲーム、「ガルズモンズ」のストーリーを書いていきます。



<概要>
今月、終了となってしまった矢印を駆使したパズルゲームで私も遊んでいたゲーム、そのノーマルストーリーをこの小説に書いていきたいと思います。主人公が気付くと牢屋にいて、そこをその世界の住人に助けられて、彼等との触れ合いで成長して心を通わせていく。そんな感じの絆を描いたストーリーにしていきたいと思っています。


<キャラクターの性格>
 ガルズモンズのキャラの設定を見るとクスリとさせられる話が多いので、真面目に見えて無邪気だったり、甘党だったりとそんな感じの設定が多いので、キャラクターは共通して「性格は違えども子供のように無邪気でおかしいくらいに感情むき出し」、好きな気持ちははっきり言い、怒る時は本気で怒り、泣きたい時は大声で泣き、悲しい時は心から悲しむ、そんな風に描いていきたいと思います。



<物語は>
 今回書くのは序章編なので序盤、牢屋で主人公が目覚める所から、レジスタンスに到着するまでを描いていきます。



<登場人物紹介>


・狩須門人(かるすもんど)
 本作の主人公。牢屋に捕らわれていた所をガーネット達に救われて、世界を救う旅に協力されることに。最初は性格は暗く、相手を信じられない気持ちがあったが、仲間達の優しさに触れることで心を開いていく。


・ガーネット
 本作のヒロイン。赤いポニーテールに白い長袖を羽織って、紫のビキニに紫のニーソックス、ショートパンツを履いた食べることと運動が大好きな少女。大きな剣を振るう豪快な戦い方が得意。門人を救出し彼の心の闇を聞いて彼を守っていくと誓う。レジスタンスに入ったのにはある理由があるようで・・・。筆者が実際のゲームでパートナーとして選んだキャラ。


・参謀シオン
 ガーネット達に同行している冷静な参謀。物腰が柔らかく言葉が丁寧だが、自分の考えに自信がありすぎて相手に押し付けてしまうことがある。甘党でマロングラッセが大好物。主人公の門人には兄のように温かい目で時に厳しく、時に優しく諭す。筆者が初めてのガチャで最初に手にしたキャラ。


・オーク達
アカオーク、アオオーク、ミドリオークの三人。三姉妹でアカが長女、アオが次女、ミドリが三女。アカオークは姉御肌で面倒見がよく門人にも気さくに接する。アオはクールで冷静。ミドリは無邪気で天然。



・モッチ達
アブリモッチ、ミズモッチ、カシワモッチの餅のように丸っこいモンスター。三匹とも共通して無邪気。

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Re: ガルズモンズ 序章編 ( No.5 )
日時: 2017/02/23 20:26
名前: たくと七星 (ID: XZMxsXTA)

第3話「参上、ゴブリン三兄弟!」パート2




「ぷっ、何それ、だっさいブヒン!」
「くだらない・・・」
「あはは、何そのチーム名、笑えるーっ!!!」
 ゴブリン兄弟の名乗りをアカオークとミドリオークはケラケラと笑って、アオオークは冷めた顔でそっぽを向いて吐き捨てた。
「何い!」
「俺達の名乗りのどこがださい?!」
 アオゴブリンはびっくりした顔をした。アカゴブリンはキッと睨んでカッコ悪いと言われたことに腹を立てた。
「そもそもねえ、センスからしてどうかしてるのよブヒン!」
 アカオークは剣を振りかざしてアカゴブリンに斬りかかった。アカゴブリンはすぐに槍でこれをガードした。
「こ、この野郎!急に襲ってきやがって!」
「ふん、あんた達はどう見ても気に入らないのよ、ブヒン!」
「ぐ、弟達!」
「おう、兄者!」
「兄貴のピンチだ、助けるぜ!」
 アオゴブリンとミドリゴブリンが槍を取ってアカゴブリンの援護に回った。アオとミドリのオークもすぐにアカオークの援護に回る。
「このまん丸ブタ、槍で刺して丸焼きにしてやる!」
 アカゴブリンはアカオークの剣を弾いて槍で叩きに出た。
「ブッキーっ!まん丸ですってーーーーっ!レディに向かって何て態度よブヒーーーっ!」
 アカオークは鼻息を噴射して怒り狂った。剣を矢継ぎ早に振り回してアカゴブリンに切りかかった。アカゴブリンは慌ててこれを避けていった。
「うわあ、凄い怒ってるね・・・」
「一応、あのナリでも女性ですからね・・・」
 門人が言うと、シオンはため息を吐いてオーク達の戦いを見守っていた。
「ほらほら、どうだい!」
 ミドリゴブリンは連続突きに出てミドリオークに迫って来た。
「ふっふ〜ん、そんなの聞かないわよブヒ〜ン」
 ミドリオークは盾でこれを防ぎながら前進して、隙を見て剣で突きに出る戦法を取った。
「あ、あの〜、本気でやっちゃっていいのかな・・・」
 アオゴブリンは突然、自信なさげに震えると、アオオークは剣を華麗に振るって切りかかった。
「おわ?!」
 アオゴブリンは不意打ちをされて転んでしまった。
「油断するつもりかと思ったけど・・・、そうでもない腰抜けねブヒ・・・」
「な、何をーーーっ!」
 アオオークがクールに言うとアオゴブリンはムキになって槍で突進してきた。そして三体のオークとゴブリンはつばぜり合いの状況になった。
「くうう、やるわねあんた達!」
「そっちこそ!だが俺達が勝つ!行くぞ弟達!」
「「任せた兄者!」」
 ゴブリン三兄弟は力を合わせて全力の衝撃波をオーク三姉妹にぶつけた。
「ブヒーーーン!!!」
 オーク三姉妹は吹っ飛ばされて地面にぶつかった。
「おらおら、もっと行くぜ!弟達!」
 更に彼等はスキル「くらわせろ」を発動して、それぞれの属性、火、水、草の衝撃波を飛ばしてオーク達にダメージを与えた。ダメージを受けたオーク三姉妹は地に膝をついてしまう。
「くうう、好みじゃないだけあって、憎らしいくらいやってくれるじゃないの・・・!」
 アカオークは何とか立ち上がって拳を握って歯ぎしりをした。
「お姉さま、大丈夫?!」
「ええ、これぐらいでやられるほど、アタチはやわじゃないわよ」
 ミドリオークが心配すると、アカオークは毅然に振舞った。
「うわあ、あのゴブリン達、強い!」
「このままじゃ、オーク達が!」
 ガーネットが助太刀に出ようとし、門人も石版の力を引き出そうとする。その時だった。
「おいらに任せるにゃ・・・」
 突然、門人達の前に最初の牢獄で立ちはだかった、しにたてにゃんこが現れた。
「あの猫は・・・」
「どうしてあたし達の味方を・・・?」
「今は言わなくていいにゃ、おいらが回復してあげるにゃ」
 しにたてにゃんこはスキル「せめてかいふくだけは」を使ってオーク三姉妹を回復させた。
「ブヒーーーン!力がみなぎって来たわよブヒーン!」
「ゲゲ、こんな展開ってありなのかよ!」
 ゴブリン兄弟達が狼狽していると、オーク三姉妹は剣で衝撃波を飛ばしてゴブリン兄弟を攻撃、
「しまったーーーーっ!」
「兄者ーーーっ!」
「このおいらがーーーーっ!」
 吹っ飛ばされたゴブリン兄弟は吹っ飛ばされて戦意を喪失した。
「やった、ゴブリン達をやっつけたわよブヒン!」
「貴方、中々やるじゃないブヒ!」
 ミドリオークはしにたてにゃんこの頭を撫で回した。しにたてにゃんこはとても嬉しそうだ。
「ありがとう、でもどうしてあたし達に?」
 ガーネットがどうして助けてくれたのかを聞いた。
「そうだにゃあ、そこにいる彼から不思議な力を感じてにゃ、ついていきたいと思ったのだにゃ」
「俺に?」
「そうにゃ、だからおいらも旅のお供に加えてくれにゃ」
 しにたてにゃんこは浮いた体をクルンと回して仲間にして欲しいと言った。
「門人、折角だから連れて行こうよ」
「そうだね、彼のお陰で助かったわけだし、よろしく頼むよ」
「やった、ありがとにゃ」
 しにたてにゃんこは大喜びして、門人達の廻りを回って加入してもらえたことを喜んだ。
「ちょっと待った!」
 すると敗れたゴブリン兄弟達が門人達の所に来た。
「あんた達、また来る気!」
 オーク姉妹が剣を向けると、ゴブリン兄弟は待ったをかけた。
「違う、俺達も仲間にしてくれないか?」
「仲間に?」
 門人が言うとアカゴブリンは強気な感じでこう言った。
「お前が強いのが解った。俺達ゴブリンは強い奴の味方だ。だから俺達は強いお前に従う!と言う訳だ」
「おいら達を仲間にして損はないと思うぜ」
 ミドリゴブリンも胸を叩いて言う。
「どうするかな?」
「アタチは反対よ!ゴブリン達は狡くてせこくて卑怯で信用のおけない奴等よ!そいつらを信用しちゃダメよ!」
「でも、ああして頭を下げてるわけだし、信じてもいんじゃない?」
 アカオークは信用ならんと鼻息荒く言ったがガーネットは情から仲間にしてやろうと門人に言った。
「うん、アカオークの言葉もあるけど、今は仲間は多いほうがいいし、彼等も加えてあげよう」
「決まりだね、門人!」
「やったあ!」
「これからよろしくするぜい!」
 ゴブリン兄弟は小躍りした。アカオークはやれやれと呆れつつも門人が変わりつつあることを感じ始めていたのだった・・・。

Re: ガルズモンズ 序章編 ( No.6 )
日時: 2017/02/28 20:03
名前: たくと七星 (ID: XZMxsXTA)

第4話「脱出間近、オニキス登場!」パート1


「きゅううううん!」
 牢獄の脱出中、はぐれオオカミ達の群れが現れた。ガーネット達はその群れを蹴散らしていく。掃討した後、一匹が門人達に近付いてきた。
「貴方達、強いです・・・。それほど強いなら、僕のお母さんも見つけられるかも・・・。僕も仲間に入れてください!」
 はぐれオオカミが頭を下げて頼むと、門人達は快く受け入れて仲間にするのだった。


「やっと出れた!」
「あー、晴れやかな太陽の光だわブヒン!」
「牢獄の中はとても寒かったですからね。レジスタンスに戻って、温かい紅茶とお茶菓子にマロングラッセでも食べたいですね」
 遂に門人達は牢獄の外に出ることに成功した。ガーネットとアカオークは背伸びをして陽の光を浴びていた。シオンはマロングラッセの味を思い出していた。
「・・・・」
「どうしたの、門人?」
 門人は空を見渡していた。牢獄の中では解らなかった。自分のいた世界とは違う、違う世界の空と景色をつぶさに見ている。
「ここが、君達の世界・・・」
「そうです〜、僕達が暮らしている世界の空でモッチ〜」
 門人が感慨深くなっているとアブリモッチが跳ねてこの世界の空を話した。
「お〜い!」
 すると、向こう側から誰かが走って来た。
「あ、来たね!」
 ガーネットは彼等に気付いて手を振った。他の仲間たちも同じである。やって来たのは黄緑の征服にイタチを連れたライフル銃を担いだツインテールの少女、ペリドット。
 小柄な体には合わない白い長袖を来た、赤髪に短パンを履いた助手のブブ、いかにも医者の格好をしているが背中には歯の治療用具を背中に背負った助手のフロスティ。そして水兵のアクアと看護師のクリアである。
「ペリドット、待たせた?!」
「ううん、平気だよ。それでガーネット、探していた選ばれし人間は見つかった?」
「うん、見つけたよ。彼がそう」
 ガーネットがそう言って門人をペリドット達に紹介した。
「この人が〜、何か普通っぽいね」
 小柄なのかその少女、ペリドットは門人の廻りをクルクル回って、青年を見ていた。門人は普通と言われて心が落ち着かなかった。
「な〜んだ、もう少し頼りがいがある子かと思ってたけど、これといった特徴がないね」
 水兵のアクアはつまらなそうな顔で自分がイメージしていた人と違うと肩を落とした。
「アクアさん、そう言わないであげてください。よく見ると彼、純真そうですよ。私達が守ってあげたくなるくらい」
 看護師のクリアはか弱いからこそ自分達で守ってあげないといけないと言った。
「まあ、僕達皆が揃えばもう大丈夫だよ、後はレジスタンスを目指すだけだね」
「うん、帰ったら早速彼の歯の治療をしないと」
 ブブは自信ありげに言って、フロスティは背中に背負ったアームで釣られた治療用具を動かせていた。
「うわあ、何か怖いなあ・・・」
「フロスティさん、怖がらせちゃダメでしょ、フロスティさんの歯の治療は危なっかしくて危険だからね・・・」
 門人が不安な顔をした。ブブに注意されてフロスティはガックシと落ち込んでしまう。
「何はともあれこうして牢獄を出たのです。後はただ、ここを脱出するべく走るのみです」
 シオンの言葉に全員が頷いた。そして一行は走り出す。
「お兄さん、お兄さん」
「何?」
「ガーネットちゃんが言う選ばれし人間だよね、それじゃああたしとも仲良くしようね!」
 ペリドットは無邪気な顔で門人に語りかけた。彼女の表裏のない純粋さに門人は妹のような可愛い存在と思ってしまっていた。
「待て!」
 突然、何者かが一行の前に現れて立ち塞がった。
「?!」
「ちょっと、何なのブヒン!」
 ガーネット、アカオーク等は足音を止めた。目の前には胸元を開いたライダースーツに紫のブーツ、水色の短髪で手に仕込み刀を持った少女が一行の前に立ちはだかっていた。
「あの人は、誰、レジスタンスにいたかな?」
「う〜ん、見たことがないね。始めて会うよ」
 ガーネットが聞くとアクアは見たことがないと首をかしげた。
「私はオニキス。密命を帯びてある人物を探していた。邪魔をするなら全員倒すまでだ!」
 オニキスは素早く動いてガーネット達に襲いかかって来た。
「うわあ!」
 オニキスはジャンプして飛び蹴りをしてきた。ガーネットは大剣を盾にしてこれをガードした。オニキスは反転して着地した。
「何が何だか解らないけど、倒すしかないね!行くよ!」
 ガーネットは走って大剣を振り回して切り付けに出たがオニキスはバック転してこれをかわした。そしてすぐに回し蹴りに出た。
「うわ、こいつ動くの早い!」
 ガーネットはこれを避けて自身もキックに出た。オニキスもキックに出てぶつかった。
「よし、これ!」
 ガーネットが大剣で攻撃に出た。
「遅いね!」
 オニキスはジャンプしてガーネットの大剣に乗った。
「え、あたしの剣に?!」
「くらえ」
 オニキスが回し蹴りでガーネットを転ばせた。
「きゃあ!」
「立ち回りが遅いね、あんた」
 オニキスは仕込み刀の鞘を抜いて斬りかかってきた。
「こいつ、早い、早すぎるよ!」
 ガーネットは切り裂きをかわしてオニキスの腕を掴んでしのごうとした。しかし、オニキスに足払いをされて転んでしまう。オニキスは馬乗りになってガーネットを刺そうとした。
「大変だ、ガーネットが!」
「あたしが行くよ!」
 門人が慌てると、ペリドットが助けようと銃を構えた。オニキスはこれに気付いて素早く反転した。
「こうなったらアタチ達が行くわよ!」
 ペリドット、アカオーク、アオオーク、ミドリオーク、アクア、フロスティが走り出してオニキスに向かった・・・。


続く・・・。

Re: ガルズモンズ 序章編 ( No.7 )
日時: 2017/04/25 21:24
名前: たくと七星 (ID: XZMxsXTA)

第4話「脱出間近、オニキス登場!」パート2



「おりゃあああ!」
 オーク三姉妹、ペリドット達が武器を振り下ろして攻撃に出ようとしたが、
「はあっ!」
 オニキスが地面に拳を付けてピュア攻撃を放ち、ペリドット達を吹っ飛ばした。
「きゃあっ!」
「ブヒ?!」
「うわ!」
 ペリドット、アカオーク、ブブ達は地面に叩きつけられる。
「つ、強い・・・!」
 少年は不安になる。彼女の強さは一行以上のものだった。
「ねえ、あいつにどう勝てば・・・!」
「あ、そうだわブヒン!確か噂じゃあいつはあれに弱いはずよブヒン!」
 ペリドットがどうすれば勝てるかを聞くと、アカオークは手を叩いてあることを思い出した。そして、
「どうした、来ないならこちらから行くよ!」
 オニキスが刀を構えて前進してきた。ガーネットやクリアが慌てふためき、門人が覚悟を決めたその時だった。
「ちょっと、こっちを見なさいブヒン!」
 アカオークの声に反応してオニキスが振り向いた。
「うるうる〜」
「乱暴しちゃダメモチ〜」
「いじめないでにゃ〜ん」
 見ると、三色モッチ達とはぐれオオカミ、そしてしにたてにゃんこが目に涙を滲ませてオニキスに訴えかけた。
「う・・・?!」
 その光景を見てオニキスは攻撃をためらって行動を止めてしまう。
「やったわブヒン!」
 アカオークがガッツポーズをした。
「あれは一体?」
「あいつは可愛い生き物に弱かったと聞いてたけど本当だったみたいね」
 突然現れた相手がたじろいでいる姿に門人が何が起きたのかと聞くとアカオークはオニキスの弱点を説明した。
「よし、今がチャンス!」
 ガーネットがピュア攻撃をオニキスに放った。
「は?!」
 オニキスは咄嗟にかわしたが、バランスを崩してしまい塀から崩れ落ちてしまう。
「きゃあああああああ!」
「危ない!」
 落ちていくオニキスに門人は走り出して、彼女に手を差し伸べた。少年の手は間一髪でオニキスを掴み彼女を救出した。安堵の笑みを浮かべると彼女を引き上げて安全な足場に座らせる。
「も、門人・・・」
「やだ、かっこいいじゃないブヒン・・・」
「うわー、あたしより運動神経いいかも・・・」
 ガーネット、アカオーク、アクア達は門人がオニキスを助けたことを驚いた。
「何故、助けた?」
「だって・・、君は、そんな悪い人間には見えなかったからさ。どうしてか解らないけれど、放っておけないって気がして・・・」
 少年はそう言い残して、ガーネット達と共に先へと進んで行った。
「・・・・・何だ、この気持ち・・・?」
 心臓の高鳴る音がする。助けられ今までに感じたことのない気持ちをオニキスは感じていた。彼女は自分を助けた彼に、何かを思わずにはいられなかった・・・。

Re: ガルズモンズ 序章編 ( No.8 )
日時: 2017/03/14 20:16
名前: たくと七星 (ID: XZMxsXTA)

第5話「女神降臨、立ちはだかる強敵!」パート1



 脱出まであとわずか、一行は牢獄の外へ向けて走っていた。
「お姉様、もっと早く!」
 ミドリオークがアカオークを急かす。
「解ってるわよ、でも、ここを抜ければ安心よ。レジスタンスに戻って、ショートケーキとピッツァを腹一杯食べるわよブヒン!」
 アカオークは拳を上げてやる気を出し、懸命に走った。
「どうしたの、門人?」
 ガーネットが門人の顔を覗いた。どうも考え事をしているような顔をしていたからだ。
「いや、何でもないよ・・・」
 門人は気になっていた。先程、自分達の前に立ちはだかったオニキスと言う少女。彼女は一体何者だったのか・・・それが気になって頭から放れられずにいた。
「あ、見えた!出口よ!」
 ペリドットが出口を見て指差した。
「もうすぐでここを出られるわブヒン!」
 一行が喜んでいたその時だった。
ドーーーーーーン!
 突然目の前に巨大な光が衝突した。一行はその衝撃で足音を止めてしまう。
「な、何なのよブヒン・・・!」
 尻餅を付いたアカオークが起き上がる。
「待って、あれは・・・一体・・・?」
 ブブは上空で何かが存在することに気付いた。うららかな光に包まれたその人影は姿を現した。
「わあ・・・」
「何とも神々しい・・・」
「これって・・・女神様って奴・・・?」
 ガーネット、シオン、アクアは息を呑んだ。一行の前に美しくも気高い女神が立ちはだかってきたからだ。
「私はシリウス・・・。その少年はこの世界にいるべきではありません・・・」
「それって、門人のこと?」
 ガーネットが問うと女神は静かに頷いた。
「でも、この世界は危機に瀕しています!世界を救うためにも彼の力が必要なのです!」
「世界を救う力があるが故に危険であるのです。その少年は運命を狂わせるかもしれない。人は運命に逆らってはいけないのです」
 クリアは世界のためにも彼の力がいると言うも女神はそれを否定した。
「じゃあこのまま世界が滅んでもいいってこと、そんなの絶対嫌よ!だってあたし、まだまだやりたいことが一杯あるのよ!世界を救う旅とか、美味しいものだってたくさん食べたいし、もっともっと強くなりたいし」
「そうだよ、それに女神って弱い人達の味方じゃないの?」
 ガーネットやペリドットが真剣な顔で訴え掛けるがシリウスは耳を貸さなかった。
「聞き分けのない者たち、ならせめてこれで・・・」
 女神が召喚の調べを奏で始めた。地面から二つの魔法陣が現れて、中から二体の巨大な敵が現れた。
「守護者のわしがこやつらを直々に相手してやらねばならぬとはな」
「我等を倒すことなど出来ぬ」
 岩石の巨人、ノンレムと漆黒の騎士、デュラクンが一行の目の前にでて来た。
「来たわね、こいつらはあたし達が倒すわ、行くよ、ペリドット!」
「うん、任せて!」
 ガーネットはデュラクンに、ペリドットはノンレムに向かって戦いを始めた・・・。


続く・・・。

Re: ガルズモンズ 序章編 ( No.9 )
日時: 2017/05/09 19:14
名前: たくと七星 (ID: XZMxsXTA)

第5話「女神降臨、立ちはだかる強敵!」パート2




「それーーっ!」
ガーネットが大剣を振り下ろす。
「甘い!」
 デュラクンはこれをかわして袈裟斬りに出たが、ガーネットは両足を浮かせてのジャンプでかわし回し蹴りをしてデュラクンを怯ませて、燕返しで切り裂きをした。
「ぐぬう・・!」
「行くよ、かっこいいあたしのキック、受けてみろ!」
 ポニーテールをたなびかせると、元気よく跳躍してデュラクンにジャンプキックをした。
「ふん、させるか!」
 デュラクンはガーネットの足を挟んで動けなくした。
「な、でももう片方あるよーーっ!」
 ガーネットは片方の足で蹴りをした。デュラクンはその衝撃で後退する。
「ふあはははははは!小娘ごときがわしに挑むなど片腹痛いわ!これを喰らうがいい!」
 ノンレムはペリドット目掛けて光弾を連射してきた。
「来たね、行くよ!」
 ペリドットは左へ走り銃を連射したが、ノンレムはシールドを張ってガードする。
「ふはは、甘いわ!」
 ノンレムは大きな光弾を放って来た。
「いよっと!」
 ペリドットは回転してこれをかわして弾を飛ばした。しかしこれもノンレムの腕によるガードで塞がれる。
「ふん、ふん、せいやあ!」
 デュラクンが剣を振るって切りかかる。
「ふふ〜ん、そんな遅い攻撃、ちっとも当たらないわよ!」
 ガーネットは軽快に動いてかわしていく。体を翻してはかわし、華麗にジャンプして避けていった。
「お〜にさんこちら、手のなる方へ!」
「おのれ〜っ!」
 デュラクンは剣を地面に叩き付けて衝撃波を飛ばして来た。
「来たね、とりゃ!」
 ガーネットはジャンプしてキックに出たが、デュラクンは腕をクロスしてガードした。
「え、嘘・・!」
 ガーネットは地面に落ちてそこをデュラクンに蹴りをされて吹っ飛ばされる。
「きゃああ!」
「ガーネットちゃん!」
「隙あり!」
 ノンレムが一瞬の隙を見逃さずペリドットを拳で攻撃した。
「きゃあああああ!」
 ペリドットは吹っ飛ばされて地面に叩きつけられてしまった。これを見て門人が走り出そうとしたが、シオンが止めに入る。
「お待ちなさい」
「でも、二人がピンチなんだ!」
「大丈夫、二人は必ず勝ちます、信じましょう・・・」
「ほら、見るのよブヒン!」
 互角の戦いは決着を迎えようとしていた。ガーネットとデュラクンはつばぜり合いになり、ガーネットがデュラクンの剣を弾いた。
「そこを切れば!」
 振り下ろした大剣はデュラクンの肩甲の間を払い刺した。そして思いきり切り裂いて大ダメージを与える。更に回し蹴り、衝撃波を飛ばして攻撃していく。
「デュラクン、情けない奴じゃ!小娘ごときに押されおって、ぐわああ!」
 ノンレムがダメージを受けた。
「ふふん、油断大敵ね」
 ペリドットは銃口から吹き出る煙を一息吹いた。銃を放って攻撃したのだ。
「ペリドット!」
「任せて、ガーネットちゃん!」
 ガーネットとペリドットは息を合わせるとピュア攻撃を放ってデュラクンとノンレムを攻撃した。
「ぐわあああああ!」
「おのれえええええ!」
 デュラクンとノンレムは光と共に爆発したのだった。
「いやったああああああ!」
 ガーネットとペリドットが手をつないでジャンプして喜んだ。
「何と・・・・」
 デュラクン達が負けたことにシリウスは衝撃を受ける。
「ガーネットーーーーっ!」
 アカオーク、そして門人達が駆け寄る。
「門人、やったよ、私勝ったよ!」
 ガーネットは門人に飛びついて喜んだ。
「わ、ガーネット?」
「ねえねえ、私の戦いっぷり、見てくれた?」
「あ、ああ、ちゃんと見てたよ。すごくカッコよかった」
「でしょ、門人や皆のためにも私、頑張ったんだから」
 ふふーんと鼻を鳴らして少女は自慢した。
「さすがですね・・・・」
 シリウスに気付くと、一行は身構えて対峙する。だが、シリウスは首を横に振って戦う意思はないと言った。
「貴方達の強さはまさに本物でした。ですがその少年をこの世界に放つことは砂漠の道を歩むことを意味しますよ」
「それが何だって言うのよ。たとえその道を行くことになってもこの世界のために戦い続けるわ!」
「ふふ、強がりだけは一人前ですね。ですが、このままではいかないことを覚悟しているのですね・・・」
 まばゆい光に包まれて女神は天空へと消えていった。
「女神シリウス、彼女は一体、何が目的だったのでしょうか・・・?」
「そうよねブヒン、それに門人を危険に思っていたみたいだけど・・・」
 シオンとアカオークが考察したが、結局シリウスの真意は解らなかった。一行は、再び歩を進める。そして遂に脱出に成功するのだった・・・。


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