二次創作小説(映像)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- プリキュアオールスターズ!聖杯争奪編【完結!】
- 日時: 2017/06/05 17:09
- 名前: モンブラン博士 (ID: tVUhmmv0)
どんな願いも叶うと言われる聖杯を巡り、100人のキャラが争奪戦を繰り広げます!プリキュアも多数登場します!
- Re: プリキュアオールスターズ!聖杯争奪編 ( No.16 )
- 日時: 2017/05/26 17:28
- 名前: 広村伊智子 (ID: 6B38yoz9)
あ、
『プリキュアオールスターズ!if物』
で、
はーちゃんのお嫁さんは、
モンブラン博士さんという設定にしてますがよろしいでしょうか?
- Re: プリキュアオールスターズ!聖杯争奪編 ( No.17 )
- 日時: 2017/05/26 19:31
- 名前: モンブラン博士 (ID: tVUhmmv0)
広村さんへ
最高です!ぜひお願いします!!
- Re: プリキュアオールスターズ!聖杯争奪編 ( No.18 )
- 日時: 2017/05/26 20:50
- 名前: モンブラン博士 (ID: tVUhmmv0)
翌日。第1試合はキュアロゼッタVSビックタイガー戦だった。
『ラブリンク!』の音楽が流れ花道から登場するロゼッタ。
「ロゼッタちゃん可愛い〜!」
「結婚してくれ〜!」
熱心な男性ファンの熱いラブコールに愛想笑いを浮かべながらもリングに上がり、逆さのハートマークを作って決め台詞を口にする。
「さあ、あなたも。私と一緒に愛を育んでくださいな」
ロゼッタを冷たい目で見下ろすビックタイガー。
ビックの名の通り、薄黄色の虎の覆面を被り、ロゼッタの倍は優に超える巨体を誇る彼は、自分のコーナーの前に仁王立ちで試合開始のゴングが鳴るのを今か今かと待っている。
そしてついに勝負の鐘は打ち鳴らされた。
刹那、ビックタイガーは巨体でリングのマットを軋ませながらもロゼッタへ肉迫し、力比べを挑もうと手を大きく上げた。
「正々堂々いきますわ!」
「来るがいい小娘!」
二人はガッチリと組み合い互いに相手を押し倒そうと全身に力を込める。ほんの僅かの間は互角だった力比べだが、ビックタイガーはその巨体にモノを言わせて徐々にロゼッタの身体を押し倒していく。けれど彼女も足の踏ん張りを効かせて必死で耐える。ロゼッタの額から汗が滲んできて、汗の雫は頬を伝ってマットに落ちていく。
「どうやら疲れが見えてきたようだな。力で俺に勝つなど無謀なことは思わない方が身のためだぞ」
鋼のような筋肉に力を込めて一気にロゼッタを押し倒すと、素早く彼女の両足を脇に挟み、怪力と遠心力を利用してハンマー投げのように振り回す。
並外れた怪力を持つ上にキュアロゼッタが小柄かつ軽量級なこともあってか、その回転力は凄まじく、ビックタイガーはコマのように回転し続けている。
ビックタイガーが手を放つとロゼッタの身体は軽々と三本ロープを超えていき、場外の鉄柵に激突。常人ならば意識不明の重体になっているが、プリキュアである彼女は鉄柵が凹む衝撃を受けながらもリングへ舞い戻る。
「今度は私の番ですわ!」
勝るスピードを生かしながら鉄拳と蹴りの猛ラッシュを叩き込み、その勢いに押されるビックの右腕を掴んで、豪快に一本背負いで投げ切る。
更に上空高く跳躍すると、敵の腹にブーツで蹴りを食らわせる。
「ゲホッ……」
ビックは目を見開き、マスクの口から唾を飛ばす。
辛うじて立ち上がるものの今度は背後からの延髄蹴りで再びダウン。
巨体が災いしたのかビックタイガーはロゼッタのスピードに翻弄され、まるで反撃できない。試合のペースは完全にロゼッタが握ることとなった。度重なる猛攻を受けマットに大の字に倒れ伏すビック。
「これで最後ですわ!」
勝利の微笑みを見せラブハートアローでキュアロゼッタリフレクションを生成。
それを手刀で半分に割ると扇状の武器に変化させるや否や大きくジャンプしその分度器のような半割された緑の盾の切っ先を向け、敵の身体を切り裂くべく、真っ直ぐ落下してくる。命中すればビックの身体は鮮血で染まるだろう。
この時、ビックの瞳が一瞬だけ怪しく光ったことに気づいた者は誰もなかった。
- Re: プリキュアオールスターズ!聖杯争奪編 ( No.19 )
- 日時: 2017/05/26 22:17
- 名前: モンブラン博士 (ID: tVUhmmv0)
「はああぁっ!」
分度器のような刃先をロゼッタごと両腕でキャッチすると、仰向けの体勢のまま反対側のコーナーポストへと叩き付ける。顔から思いきりコーナーの鉄柱に衝突したので額が割れて真っ赤な血が彼女の顔を赤く染めていく。
「最低だぞビックタイガー!」
「女の子を流血させるなんて、お前それでも男かよぉ!」
口々に罵詈雑言を浴びせるロゼッタのファンに構わず、ビックはゆっくりと立ち上がり、息の上がっている美少女に歩み寄る。
そして彼女の服の胸倉を掴むと腹に拳を何回もめり込ませる。
激痛に呻き、前倒れになるロゼッタだが、倒れるよりも早く拳が腹に炸裂しコーナーポストに強制的に磔状態となる。後ろはコーナーの鉄柱。前はビックタイガーの巨体。どこにも逃げ場所はない。打撃を食らい続け、唾や血を吐きながらもロゼッタは諦めてはいなかった。
(体は痛めつけることはできても、私の心を痛めつけることはできませんわ!)
するとその様子を見たビックは何を思ったのか指をパチンと鳴らした。
それが合図だったのだろうか、突如として場内の電気という電気が全て消え、たちまち真っ暗闇に包まれる。
場内の混乱にロゼッタは敵が電気を消したのは策があると感じた。
とその時、細い糸のようなもので背後から首を絞めつけられる感覚を覚えた。自らの首に手を当てると極細のワイヤーが幾重にも巻き付けられ、首に食い込んでいる。手の甲に冷たい血が流れる感触がする。
ワイヤーが首にめり込み、皮膚を裂いているのだ。
ワイヤーを外そうと背後に手を回すと何かに触れた。
人間の身体の柔らかさと温かみを感じる。
「間違いありませんわ! 私の後ろに誰かいますわ!」
「今頃になって気づいたか。鈍い奴だ」
「その声は! 一体誰ですの!?」
「俺は暗闇の虎……ブラックタイガー!」
黒い虎の覆面に黒い肌、黒い服を着た暗闇の虎がビックタイガーとコンビを組んで二人がかりでロゼッタに地獄を見せようと企んでいたのだ。
ビックタイガーはリングに降りてエプロンの下からパイプ椅子を取り出すとコーナーでぐったりしているロゼッタに椅子を振り下ろし、彼女の頭部を殴りつける。試合場の照明が落とされているため、観客にとっては椅子でロゼッタが殴られる音しか聞こえない。
暫くして電気が付いた時に観客が目にしたのは血達磨となり、コーナーポストに崩れ落ちたキュアロゼッタの姿だった。
度重なる殴打により壊れたパイプ椅子を放すと、ビックタイガーは冷たく言い放つ。
「虎の穴の邪魔をするからこういう目に遭うのだ。我らはお前のような子供でも容赦はしない」
「私は……あなた方の卑怯な手に屈する訳にはいきませんわ……」
「まだ息があるのか。ならば仕方あるまい。ブラックよ」
「OK!」
キングタイガーは懐から刺付きメリケンサックを装着。
背後のブラックは隠し持っていたマイナスドライバーを振りかざし。
正面と背面の両方から凶器でロゼッタの身体を串刺しにしようと試みる。迫りくるメリケンサックを前に流石のロゼッタも恐怖し、強く目を瞑り、無意識のうちに叫んだ。
「助けて! マナちゃん!」
- Re: プリキュアオールスターズ!聖杯争奪編 ( No.20 )
- 日時: 2017/05/27 10:26
- 名前: モンブラン博士 (ID: tVUhmmv0)
「これで大人しくあの世へ逝けぇ!」
胸のハートマークにビックタイガーのメリケンサックが突き刺さる直前。サッと何者かがリングに飛び込んできてビックタイガーの巨体を吹き飛ばした。横からエルボーを食らわした人物はキュアハートだ。
「助けに来たよ、ロゼッタ!」
「横槍を入れるとはプリキュアとは思えぬ卑怯な戦法だ」
文句を言いながら立ち上がるビックにハートは愛らしく微笑み、
「この大会は反則は自由。そもそも先に2VS1でロゼッタを痛めつけたあなた達にそれを言う資格はないんじゃない?」
「小生意気な娘だッ」
ハートの態度に逆上したビックは目を血走らせながら襲い掛かり、メリケンサックを彼女の右肩に食い込ませた。服が破け流れ出た血でコスチュームが真紅に染まるが、ハートの顔から笑みは消えない。
「どうやら恐怖のあまり笑みが出てきたようだなぁ!」
ビックタイガーが勝ち誇り、メリケンサックを彼女の肩から引き抜こうとするが、しっかりと刺さっており抜くことができない。
「……引っかかったね」
「まさか! 貴様!?」
「あたしの肩は囮よ!」
自らの肩を犠牲にすることでビックタイガーと密着状態にして、ゼロ距離から浄化技を放った。
「あなたに届け! マイスイートハート!」
「ぐおおおぉ……!」
健闘虚しくビックタイガーは悪の心を浄化されダウン。
これでビックタイガーは敗退。
相方が敗北した瞬間を目の当たりにしたブラックタイガーはロゼッタに止めを刺すべくマイナスドライバーを振り上げる。
「死ね!」
「ロゼッタ!」
急いで彼女のコーナーへ向かい、懸命に阻止しようとするも間に合わない。もうダメかと誰もが思ったその時——
いつの間にそこにいたのだろうか、ミスタークエスチョンが二人の間に割って入り人差し指と中指でマイナスドライバーを受け止め床に捨てると、散々悪行を働いたブラックタイガーの腕を掴み容易に反対側の鉄柵へ放り投げた。
こうしてブラックとビックの二名は病院送りとなった。
けれどロゼッタのダメージは深刻で全治一か月の重傷と診断を受け、後をキュアハートに託すこととなった。