二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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とんがりボウシと魔法の町〜カノンのマジカルストーリー〜
日時: 2019/06/08 01:02
名前: なのはな (ID: eldbtQ7Y)

3DSゲーム「とんがりボウシと魔法の町」を元にした二次小説です。


※オリジナル設定があります。




キャラ設定



カノン


10才
幼い頃から魔法に憧れている
ドジでおっちょこちょいだが、前向きで友達想い



うらら


10才
裕福な家庭の一人娘
おしとやかな性格だが、たまに無自覚でグサリと来る言葉を発する
カノンとは幼馴染で親友



アリサ


10才
スポーツ万能で、活発な性格
気が強く、負けず嫌い
カノンとは幼馴染で親友



今後も、オリジナルキャラを登場させる予定です。

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Re: とんがりボウシと魔法の町〜カノンのマジカルストーリー〜 ( No.11 )
日時: 2019/06/09 03:58
名前: なのはな (ID: eldbtQ7Y)

翌日。

うららを覗くカノン達は、フローラの家のそばで、うららが来るのを待っていた。

「みんなー!」

「あ、うらら! ・・・って、そのうさぎ!」

カノン達は、うららを見るなり血相変えた。

うららが、うさぎ小屋の一匹のうさぎを抱き抱えていたからだ。

「そのうさぎ、学校のだよね? 勝手に外に出していいの?」

「大丈夫よ。ちゃんと先生には許可をもらっているわ。はい、オウカちゃん」

うららはそう言うと、オウカにうさぎを渡した。

「えっ? 何で、私に??」

「いいから、いいから」

うららはニコニコとした表情で言うと、フローラの家の呼び鈴を鳴らした。

しばらくすると、フローラが家から出て来た。

「あ、うららちゃん。それにみんなも。どうしたの?」

するとフローラは、オウカの抱き抱えているうさぎを見ると、あからさまに眉を潜めた。

「あ、あのね、フローラちゃん。この子ともう一匹のうさぎが風邪を引いちゃったの。それで、他のうさぎに風邪が移るといけないから、飼育当番のオウカちゃんとフローラちゃんが、それぞれ家でお世話をする事になったのよ」

うららがそう説明すると(勿論、嘘である)、オウカは嫌そうな反応をするフローラにうさぎを差し出した。

「この子の世話、よろしく頼むわね。名前はアヤメって言うの」

「えっ————」

すると、一瞬フローラの目が見開いた。

それを見たオウカは

「それじゃ、私達はこれで帰るわね」

と、うさぎを無理矢理押し付け、扉を思いっきり閉めると、みんなで中から扉を開けると死角になる所に隠れた。

フローラは慌てて扉を開いたが、カノン達は死角になっており、フローラからは見えないのできっと帰ったのだろうと思ったのか、ため息をついて扉を閉めた。

カノン達は上手くいったとばかりに、クスクス笑ったのだった。

渋々部屋に戻ったフローラは、アヤメをそっと床に置いた。

「言っておくけど、わたくしは世話なんかしないからね」

と、しゃがんでアヤメに言うと、フローラは机に向かい、勉強をし始めた。

すると、後ろから大きな物音がし、振り返ると部屋の隅に置いていたくずかごがひっくり返っており、ゴミがその周りに散らばっていた。

「もぉ・・・」

すぐに犯人がアヤメだとわかり、フローラはくずかごをどけると、アヤメがこちらを振り向いた。

その姿が、前に飼っていたアヤメと重なるように、フローラには見えたのだった。

「っ・・・。ごめんなさい、アヤメ。世話をしないなんて言って・・・」

フローラはあの頃の気持ちを思い出し、アヤメを抱き寄せた。

その様子を見たカノン達は、作戦成功と確信し、帰って行った。

フローラはしばらくするとアヤメを高く上げ、

「それじゃあ、まずはアヤメの家を作らないとね」

アヤメを床に下ろすと、フローラは部屋を出て、段ボールを探しに行った。

が、しかし、その隙にアヤメは、空いていた窓から逃げ出してしまった。

Re: とんがりボウシと魔法の町〜カノンのマジカルストーリー〜 ( No.12 )
日時: 2019/06/10 17:34
名前: なのはな (ID: eldbtQ7Y)

数分後。

フローラは部屋に戻るが、アヤメの姿がどこにもなかった。

「アヤメ・・・?」

部屋の隅々まで探したが、どこにも見当たらない。

そして目に入ったのが、少しだけど空いている窓。

それは、アヤメでもギリギリ入るくらいのスペースだった。

フローラはアヤメが窓から逃げ出したと確信すると、血相変えて、慌ててオウカの家に向かった。

「えっ!? アヤメが逃げ出した!?」

突然の事にオウカも驚き、フローラと一緒にアヤメと探しだした。

しかし、中々見つからず、二人はカノン、うらら、アリサにも連絡しようと考えた。

「アヤメが逃げだした!?」

「それなら、みんなで早く探しだしましょう!」

「んじゃ、アタシ達と、オウカ、フローラで二手に分かれようぜ!」

カノン達はあらゆる所を探し回り、町の人々にきいてみたりもしたが、中々見つからなかった。

そして、日が暮れ始めた頃。

一旦、フローラの家に全員集まったが、どちらも情報無しのようだった。

「みんな、ごめんなさい・・・! わたくしが目を離したせいで・・・!」

フローラは絶望し、泣き出してしまった。

「大丈夫よ、フローラちゃん。きっとアヤメちゃんは見つかるわ」

「そうよ。まだ時間はあるし、もう一度二手に分かれましょう」

と、うららとオウカは慰めるが、フローラは一向に泣き止まなかった。

四人は困り果てたが、突然向こうの茂みから猫の声がした。

「あっ! あれって・・・!」

茂みの中で、野良猫はアヤメに攻撃していた。

アリサは野良猫を追い払うと、慎重にアヤメを抱き上げた。

アヤメは野良猫に首筋を噛まれたようで、首筋には真新しい傷を負っていた。

「アヤメ!」

フローラはアヤメを触ってみると、心臓が動いているようで、安堵のため息をもらした。

カノン達はホウキに乗り、急いで動物病院へと向かった。

アヤメは手術室に運ばれ、カノンとアリサはその様子を見た。

一方、落胆しているフローラを、うららとオウカは元気付けた。

しばらくすると先生が出て来た。

手術は成功だと告げると、カノン達は大喜びになった。

しかし、フローラはうつむいたままであり、先生に質問した。

「アヤメは、治るんですか・・・?」

「今のところは何とも・・・。今夜中に目を覚ませば助かると思うが・・・もし、目を覚まさなければ・・・」

先生はそこで言葉につまり、カノン達はその答えが判った。

「そんな・・・!」

フローラはショックを受けるが、その直後、

「うららちゃんがアヤメを押し付けるから悪いのよ!」

とうららを責めた。

「ま、待って、フローラ! うららはフローラの動物嫌いを治そうとして————」

「そんなの頼んでないわ! 余計な事しないで!」

カノンは弁護するが、フローラはそれをさえぎって怒鳴った。

「もう二度と、動物の死ぬところなんか見たくなかったのに・・・!」

フローラは泣き崩れた。

すると、そんなフローラを見たうららは、どこかに行ってしまった。

「うらら! どこに行くの!?」

「二人はうららを追って! こっちは大丈夫だから!」

オウカにそう言われ、二人は大きくうなずくと、うららを探しだした。

その途中、ボンっ! と聞き覚えのある音がし、見るとそこには紫の煙がもくもくと上がっており、その中から魔法使いに変身し、ホウキに乗ったうららが出て来た。

「うらら! 何してるの!?」

「カノンちゃん、アリサちゃん! 決まってるわ、アヤメちゃんの怪我を魔法で治すのよ!」

「昨日、テンテンに言われただろ!? 怪我を治す魔法を使うと、魔法が使えなくなる以外に、災いがふりかかるって!」

「でも、このままじゃ、アヤメちゃんが死んじゃうのよ! そうなったら、フローラちゃんの心の傷がまたさらに大きくなって、一生動物嫌いになってしまうわ」

カノンとアリサは、だったら自分達も魔法をかけると提案した。

三人で魔法をかければ、反動も三分の一になると考えたからだ。

しかしうららは、その提案に首を横に振った。

「ありがとう。でも、ごめんなさい!」

「「うらら!」」

うららは動物病院へと飛び立った。

フローラとオウカは、アヤメを見守っていた。

(私の為に、カノンちゃん達まで災いに巻き込みたくない。私はどうなってもいい。だから・・・)

うららは杖を振り上げ、呪文を唱えた。

「我、見習い魔法使いうららが命じる! アヤメちゃんの怪我よ、治って!」

杖をアヤメに向かって振ると、杖から溢れ出した光が、アヤメに放たれた。

すると、アヤメがゆっくりと目を開いた。

「・・・!? フローラ、見て!」

それに気づいたオウカは、慌てて隣で顔をふせているフローラに言った。

「・・・あっ、アヤメ!」

フローラは驚き、二人は先生を呼んだ。

駆けつけた先生は、アヤメの首に巻いた包帯を外した。

うららの魔法が成功したようで、アヤメの首筋には怪我一つなかった。

「し、信じられん・・・! 傷一つもない・・・!」

先生は驚いて、アヤメをフローラに渡した。

「よかった・・・! よかったね、アヤメ!」

フローラは嬉しそうな表情で、アヤメに頬擦りをした。

その様子を見たうららも、「よかった・・・」と安堵の表情を浮かべる。

しかし、うららはまるで力を使い果たしたかのように、地面に下りると、塀に寄りかかった。

「うらら!」

うららを見つけたカノンとアリサは、様子がおかしいうららを抱き寄せた。

「っ! アリサ、すごい熱だよ!」

「ほんとだ! 早く寮に連れて行こうぜ!」

驚いたカノンとアリサは、慌てて大急ぎで学生寮に戻った。

Re: とんがりボウシと魔法の町〜カノンのマジカルストーリー〜 ( No.13 )
日時: 2019/06/10 17:36
名前: なのはな (ID: eldbtQ7Y)

当然、翌日の学校はうららは欠席となってしまった。

その日の夜。

うららは、心配して来てくれたカノンとアリサに謝罪をした。

「ごめんなさい、二人とも。心配かけて・・・」

しかし二人は気にしていないようで、怒ってはいなかった。

「でも、何で風邪だけで済んだんだろう? アヤメの代わりに死んじゃっても不思議じゃないくらいなのに・・・」

「アタシも。いったいどうなってんだろうな・・・?」

二人がそう疑問に思い口にすると、どこからか声がした。

「それは、私が魔法で守ってあけだからです」

「「「校長先生!?」」」

三人は声ですぐに校長先生だと気づいた。

すると、部屋の扉が開き、校長先生が入って来た。

「うららくんは、フローラくんの動物嫌いを治そうとした。なので私は、振りかかるはずだった災いを、魔法で守ってあげたのです。しかし、次はこうはいきませんよ」

校長先生はそう注意すると、言葉を繋げた。

「勿論、風邪だけで済ませるわけにはいきません。今日から10日間の間、うららくんは魔法は使用禁止です。いいですね?」

校長先生の質問に、うららは「はい」と答えた。

すると、目の前にうららのとんがりボウシと杖が現れ、校長先生はそれを手に取った。

「では、このボウシと杖は私が預かっておきます。10日後には、自動的に魔法が使えるようになるので、安心してください。私はこれで失礼します。では、お大事に・・・」

校長先生はそう言い残すと、部屋を出て行った。

「よかったね、うらら! 校長先生がいなかったら、大変な事になってたよ!」

「だな。うらら、これからはこういう魔法は使っちゃダメだぞ?」

「うん。二人とも、ありがとう」

すると、入れ違いに今度はフローラとオウカがやって来た。

フローラはガーベラの花束を持っている。

「うららちゃん、昨日は言い過ぎたわ。ごめんなさい。校長先生から聞いたの、うららちゃんが魔法で怪我を治してくれたって」

「いいのよ、別に。私がしたくてやった事だもの」

うららにそう言われ、フローラは安堵の表情を浮かべた。

「フローラ、もう動物嫌いが治ったみたいなの。だから、これからは飼育当番を一緒にするみたい」

「そうなの? よかったわ!」

「うん。うららちゃん、はい、これ」

フローラはそう喜ぶうららに、花束を渡した。

「わあ! 綺麗・・・!」

「うららちゃん、本当にありがとう! 早く元気になってね!」

「うん!」

二人の幸せそうな笑顔を見た三人は、顔を見合せ、嬉しそうに微笑むのだった。

Re: とんがりボウシと魔法の町〜カノンのマジカルストーリー〜 ( No.14 )
日時: 2019/06/20 17:22
名前: なのはな (ID: qRt8qnz/)

うららが魔法を使用禁止となって11日後。

魔法界に馴染んできたカノン、うらら、アリサは、歩いて学校へと向かっていた。

「これでやっと、うららも魔法が使えるようになったね!」

「ええ。昨日は夜が待ち遠しかったわ」

校長先生にうららのとんがりボウシと杖を預けられたのは夜だったので、夜にならないと魔法が使えないのだ。

うららが風邪を引き、ようやく学校に登校できるようになったのは、三日後だった。

その分勉強が遅れてしまったので、うららは放課後、部屋でカノンとアリサに勉強を教えてもらった。

すると、カノン達はちょうど学校に向かっているパキラを見かけた。

「パキラ、おはよー!」

カノン達は挨拶すると、パキラは振り返って

「あっ、ダメダメ! 今日から、校則で挨拶が禁止になったんだよ!!」

と、慌てたように言った。

「ええっ!? ウソーーっ!?」

「ウソだよーっ!」


「「「・・・・・え?」」」


目を丸くさせるカノン達を見て、パキラはクスクス笑った。

「三人とも、まんまとアタイのウソに引っ掛かったね♪」

「え、ウソ・・・?」

未だに目をパチクリさせるカノン達。

しかし、ようやくパキラの意図が理解できたようで、「なぁんだ〜・・・」とため息をもらした。

「挨拶が禁止って、いつものホラ吹きだったのか・・・」

アリサは呆れ顔で呟いた。

パキラは天才的なホラ吹きで、今までもカノン達だけでなく、他のクラスメートや先生達にまでもウソをついた事がある。

だが、ウソといっても悪いウソではなかった。

時折、自ら暴露する事もあるが、パキラのウソに対して不満に思う人はいない。

例でいうなら、エイプリルフールに誰かに面白いウソをつくような感じだ。

「パキラちゃんのウソは、挨拶代わりだものね」

「今日もパキラのウソに引っ掛かっちゃったよ〜・・・」

「えへへ〜! それじゃアタイ、これから日直の仕事あるから、先に行くね!」

パキラは嬉そうな表情をして、学校へと足を速めた。

「・・・それにしても、パキラのウソってほんと面白いよね」

「パキラは発想が豊かだからなー」

「ウソって解っている時に聞いたら、案外そうなのよね」

パキラみたいに、みんなを笑顔にできるような人は、あまりいないだろう。

そんな話をしているうちに、いつの間にか学校に着いていた。

Re: とんがりボウシと魔法の町〜カノンのマジカルストーリー〜 ( No.15 )
日時: 2019/06/24 23:35
名前: ミニウサギ (ID: oN2/eHcw)

こんちゃ〜
面白いですね!頑張ってください


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