二次創作小説(新・総合)
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- ありふれた職業で世界最強 錬成師と英霊を従える者
- 日時: 2019/06/27 09:50
- 名前: セイント (ID: Z3Nydegv)
第一話 プロローグ
藤丸立香とマシュ・キリエライト、そして彼らを支えた数多の英霊やカルデアの人類の未来を掛けた戦いが終わり人類最後のマスターであった少年藤丸立香はいつもの日常に戻りマシュと共に立香が以前通っていた高等学校に通うことになった。
立香「みんな、おはよう。」
マシュ「みなさん、おはようございます。」
俺は教室に入りクラスメイトの人たちと挨拶を交わした。中には女子と登校しているためか嫉妬の視線を向けてくるものもいたが気にせずに席についた。予鈴がなる直前一人の男子生徒が入ってきた。
男子生徒1「よぉ、キモオタ。また徹夜でゲームか。どうせエロゲーでもしてたんだろ。」
男子生徒2「うわ~、徹夜でエロゲーとかキモイじゃん。」
立香「それ酷いブーメランだと思うよ。」
入ってくるなりその生徒は罵倒を受けた。その生徒の名は南雲ハジメ。父親がゲームデザイナー母親が人気漫画家と言うまさに人生の勝ち組とも言える人だった。罵倒したのは檜山大介とその取り巻き、陰口が聞こえたのか俺の事も睨んできたけど。俺から言わせるとハジメは身だしなみが悪いわけでなくただオタクと言うだけだ。だがそういわれる原因は他にある。
女子生徒「おはよう、南雲君。今日も遅刻ギリギリだね、もう少し早く来ようよ。」
その原因である女子生徒がハジメに話掛けた。彼女の名は白崎香織。この学校では三大女神の一人として評されている。ちなみに三人目は俺のパートナーでもあるマシュである。彼女がハジメばかり構うのでクラス中が殺気と嫉妬で満ちているのである。ハジメのほうは生活態度がいいとも言えないので女子からもいいかおされてない。
立香「おはよう、ハジメ。朝から大変だね。」
マシュ「おはようございます、ハジメさん。」
ハジメ「おはよう、二人とも。自業自得とも言えるから仕方ないよ。」
立香「でも徹夜も程々しておいたほういいよ、倒れたら元も子もないだろう。そうだ、俺が栄養価の高い弁当を作ってあげようか。」
ハジメ「いくら何でもそれは悪いよ。」
立香「俺じゃダメか、なら白崎に作ってもらうよう頼んでみようか」
そう言った時クラス中の殺気と視線が酷くなった。ハジメからは余計な事をと言うような視線を向けられ白崎から南雲君さえよければと言うような感じだ。別に悪い事は言ってないんだけどな。クラスメイトも言いたい事があるならちゃんと言えって言いたくなる。
男子生徒3「香織ってば、また南雲に構って。ほんと香織は優しいな。」
男子生徒4「全くだぜ、そんなやる気のない奴放っきゃいいのによ。」
女子生徒2「おはよう、南雲君に藤丸君。それにマシュさんも。」
俺たちに話掛けたのは三人の男女だった。一人目は天之河光輝。成績優秀でスポーツ万能、さらには容姿端麗という一見完璧に見えるが唯一の欠点がある。それは正義感が強い故に思い込みが激しく自分にとって都合のいい解釈するのである。現に白崎の気持ちにも気づいておらずただ優しいという理由だけでハジメに構っていると思い込んでいるのだ。二人目の男子は坂上龍太郎、光輝の親友であり空手部に所属している細かい事を考えない脳筋タイプ。三人目は女子で名前は八重樫雫。気立てが良く凛としているため男子より女子にモテるという何とも言えない人であるが実際は乙女チックなところがあると言う。
光輝「南雲さ、いい加減香織に甘えるのはやめろ。いつだって君に構ってやれないんだから。」
香織「どうして、そんなこと言うの光輝君。私が南雲君とお話したいから構っているだけだよ。」
俺がそれを聞いたときちょっとだけ笑いかけた。何故なら天之河の言い分は白崎には通用しないのである。白崎に欠点があるとすればそれは天然すぎるところである。やがて予鈴がなり授業が始まった。そしてその日の昼休み俺はいつものようにマシュと一緒に弁当を食べる事にしている。ちなみに今日は俺が食事当番でもある。お弁当を食べようとした時白崎がまたハジメに話掛けていた。
白崎「南雲君、今日もそれだけなの。それじゃ栄養付かないでしょ。私の弁当分けてあげるから。」
立香「それなら俺の分も分けてあげるよ、自信作だ。」
マシュ「先輩が分けるなら私も分けます。」
それを聞いたときハジメはバツの悪そうな顔をした。俺とマシュがハジメに分けるのは親切心とハジメにこれ以上殺気と嫉妬を向けられたら持たないと判断したためである。これで少しは減るだろうと思い案の定周りは視線をそらしてる。
ハジメ「僕はいいから白崎さんは向こうで天之河君たちと立香君もマシュさんと一緒にゆっくり食べたらどうかな。」
光輝「香織、俺たちと一緒に食べよう。せっかくの香織の料理を寝ぼけたまま食べるのは俺が許さないよ。」
立香「あれ、俺とマシュはいいのか。それだと差別に値すると思うのだが。」
香織「え、どうして南雲君に弁当を分けるのに光輝君の許しがいるの。」
それを聞いたとき俺や八重樫を始め一部のクラスメイトが吹きだした。天之河のイケメンスマイルも白崎には通用しないのである。天然通り越してちょっと馬鹿なんじゃないかと思った。ハジメはその時異世界召喚されないかなと思ったという。それが通じてしまったのか天之河を中心に魔法陣が広がりクラス中に広がった。
マシュ「先輩。」
立香「ああ、させるか。」
俺はすぐさまカバンの中からギリシャ神話の魔女メディアの宝具ルールブレイカーを模した短刀を突き立てるも魔力が強すぎるのか魔法陣が消滅せず逆に俺の方が吹き飛ばされた。
マシュ「先輩、これは。」
立香「英霊級、いや神霊級の魔術だ。」
俺とマシュの推測をよそに魔法が発動した。畑山愛子先生が教室から出るように言ったが間に合わず俺やマシュを含むクラスメイト全員がこの世界から異世界へと転移した。これがとある学校で起きた集団神隠し失踪事件の始まりでもあった。
- Re: ありふれた職業で世界最強 錬成師と英霊を従える者 ( No.1 )
- 日時: 2019/07/04 21:50
- 名前: セイント (ID: zhN/mYB5)
第二話 異世界召喚
ハジメside
僕たちが学校で昼食を取っていた最中突然床から魔法陣みたいのが浮かびあがり気がつけば僕たちは見知らぬ場所にいた。そういえばここへ来る前に立香君とマシュさんが不自然な行動を取っていたように見えたが今はそんなことを言っている場合じゃない。ここはどこなんだろう。見ると巨大な大聖堂みたいのがあった。
老人「ようこそ、トータスへ、お待ちしておりました。勇者の皆様。私は聖教教会教皇のイシュタル・ランバゴルドと申します。」
聖堂の中に案内され僕たちは長いテーブルの席に着いた。メイドさんから飲み物を渡され全員にいきわたったと確認を終えた教皇が話始めた。イシュタルさん曰くこの世界には人間族に魔人族、亜人族という三種族が暮らしているという。人間族と魔人族は長きに渡り戦争を繰り広げており人間族は魔人族の圧倒的な力を前に滅亡の危機に瀕しているらしい。そこで人間族の神である創世神エヒトの神託により僕たちが勇者としてこの世界に召喚されたという。
愛子「一体何の冗談ですか。こんなドッキリ聞いたことありませんよ。早く私たちを帰してください。あなたたちがしていることは唯の誘拐ですよ。」
立香「それにこの世界の問題ならこの世界の人たちでどうにかしなきゃいけないじゃないんですか。」
これに対して愛子先生と立香君が抗議の声を上げる。愛子先生はうちのクラスの担任ではないが僕たちが異世界召喚に巻き込まれた際に教室にいた。百五十センチ程の低身長であるため一見小、中学生と間違えそうだが歴とした先生であり生徒想いであるためと庇護欲を刺激させるほどの容姿のため愛ちゃん先生と呼ばれ人気がある。
イシュタル「お気持ちは察します。ですが今のところ貴方たちを帰還させることは現状不可能です。」
それを聞いたとき周りから悲痛の声が上がる。何でも僕たちを召喚したのはエヒトであり僕たちが元の世界に戻れるかはエヒト次第であるという。
光輝「皆、ここでイシュタルさんに文句を言ってもどうにもならない。彼自身にもどうにもできないんだ。それにこの世界の人たちが滅びるというのなら俺は放っておくことはできない。この世界の人たちを救えば元の世界に帰れるんですよね。どうですか、イシュタルさん。」
イシュタル「そうですね、エヒト様も救世主である勇者様のお言葉を無下にはしますまい。」
光輝「だったら俺はこの世界やこの世界の人達のために戦いたいと思う。大丈夫、世界や皆も俺が救ってみせる。」
天之河君の一声で皆、落ち着きを取り戻し坂上君に八重樫さん、白崎さんまで戦争に参加すると言いだしクラスメイトたちもそれに従う形になった。ただ愛子先生はダメですよと言っていたが止めることはできなかった。
ハジメ「こんな僕でも皆の役に立てるならこの戦いに参加するよ。」
光輝「南雲、そうだな。皆で力を合わせて頑張ろう。藤丸やマシュさんもそれでいいかな。」
立香「基本的には賛成できないがこうなれば是非もなしか。分かった、今一度人類の味方になろう。」
マシュ「分かりました。先輩が参加するというのなら私も参加します。先輩を守るのが私の仕事、生きがいですから。」
立香君とマシュさんも参加する流れになった。だが立香君が気になる事を言っていたけどどういう事なんだろう。そういえば二人は妙に落ち着いていた。まるで一度似たような事を経験したかのような感じがした。その後僕たちは下山し聖教本山の<神山>の麓にある[ハイリヒ王国]に案内されることになった。この国はエヒトの眷属であるシャルム・バーンという人物が建国した伝統ある国なのだそうだ。
イシュタル「彼の者へと至る道、信仰と共に開かれん、天道。」
イシュタルさんが呪文みたいなものを唱えると台座が滑らかに動きだした。どうやらロープウェイのようのものらしい。雲海を抜けると城と城下町が見えてきた。山肌からせり出すように建築されているあれがハイリヒ王国の王都なのだろう。まさにザ・ファンタジーだ。王宮に到着すると僕たちは玉座に案内された。向かう途中この国の兵士や使用人らが僕たちに対して期待の眼差しを送っていた。王座に到着するとそこには王族と貴族と思われる者たちが集まっていた。
イシュタルさんが近づくと王様と思われる人が彼の前に跪いて手の甲に軽く触れないよう口づけした。どうやら王様よりも教皇のほうが立場が上のほうだ。その後王族たちの自己紹介が始まった。王様の名前はエリヒド・S・B・ハイリヒと言い王妃はルルアリア、その二人の子供で王女はリリアーナ、その弟であり王子はランデルと言う名前のようだ。後は騎士団長や宰相など、高い地位のあるものが紹介された。ランデル王子が白崎さんの事を見ていた。彼女自身は気づいていないがどうやら彼女の魅力は異世界でも通用するらしい。
さらには八重樫さんも人気があるがやはり彼女の場合男性よりも女性のほうの視線を集めてしまうようだ。一方男子のほうは天之河君や立香君が女性貴族に人気だった。王子顔負けの容姿を誇る天之河光輝、さらには本人は気づいていないようだが元々お人好しでさわやか系な雰囲気を醸し出している藤丸立香。だが立香君の場合は隣にマシュさんが陣取り牽制したためあまり人は近づかなかった。食事会の最中明日から始まる訓練の事や戦いについての説明が行われ今宵の行事は終了した。僕たちはそれぞれ用意された部屋に戻りベッドについた。ちなみに僕のルームメイトは立香君だった。
- Re: ありふれた職業で世界最強 錬成師と英霊を従える者 ( No.2 )
- 日時: 2020/05/18 20:41
- 名前: セイント (ID: PCEaloq6)
第三話 ステータスプレート
立香side
俺たちが異世界に転移してから翌日俺たちは城の中庭に集められた。この国の神殿騎士団長とその部下たちが俺たちの前に立った。
男性騎士「それじゃ軽く自己紹介するぜ、俺の名はメルド・ロギンス。この国の騎士団長を務めさせてもらっている。お前たちの教育係に任命されたからよろしく頼むぜ。」
メルドさんとその部下の人も一人ずつ自己紹介していきそれが終えた後俺たちに札みたいなものを渡してきた。メルドさん曰くこれはステータスプレートと呼ばれるものでここに自分の名前や天職、技能なども刻み込まれさらには身分証明にもなるものだから無くさないようにとのことだった。そのプレートには自分たちの血を刻みこませることで使えるようになるもので俺やマシュなど一部を除き全員恐る恐る針を手に軽く突き刺し血をプレートに垂らした。するとプレートから字が浮かびあがった。
藤丸立香 17歳 男 レベル1
天職:召喚士・聖剣士
筋力 200
体力 300
耐性 100
敏捷 250
魔力 120
魔耐 150
技能:全魔力適正 全魔力耐性 全属性耐性 召喚 英霊召喚 聖剣召喚 騎士王憑依 剣術 縮地 武術 直感 魔力感知 魔術 道具作成 言語理解
中々高い通知だった。技能もある。天職が二つあるのは何でだろう。でもさすがに英霊や聖剣の召喚を知られるわけには行かないので一部の技能に幻術を施した。マシュを含め周りに生徒たちも中々高い能力を秘めていた。ちなみにマシュのステータスはと言うと
マシュ・キリエライト
天職:盾職人
筋力 120
体力 100
耐性 95
敏捷 150
魔力 150
魔耐 180
全魔力適正 全魔力耐性 全属性耐性 盾創造 武術 直感 魔力感知 魔術 言語理解
女子にしてはステータスが高かった。それはそうだろ。元々英霊と融合するために生み出された試験管ベビーなのだ。マシュ自身これで俺をしっかり守れると喜んでおり俺は頼りにしているよと優しく言った。それに匹敵する者もいた。ご存じ天之河光輝である。
天之河光輝 17歳 男 レベル1
天職:勇者
筋力 100
体力 100
耐性 100
敏捷 100
魔力 100
魔耐 100
技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解
正に主人公のそれだった。だが何故か俺は彼に対しての不安が拭えなかった。正義感と思い込みの塊である彼が勇者としてしっかりと戦えるか、実力と技能は認めるが敵を敵として割り切れるかどうかが不安だった。
メルド「ほお~、さすが勇者様だな。レベル1で既に三桁か……技能も普通は二つ三つなんだがな……規格外な奴め! 頼もしい限りだ!」
メルド団長の労いに天之河は照れた顔付になった。周りの生徒や騎士たちも関心していた。だが皆の中で唯一人黙っていた人がいた。ハジメだった。
南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1
天職:錬成師
筋力:10
体力:10
耐性:10
敏捷:10
魔力:10
魔耐:10
技能:錬成・言語理解
ハジメのステータスプレートを見せてもらうと見事に平均だった。だが疑問に思った。天職はさておき何故彼だけこんなにも能力が低いんだ。技能も多くない。
メルド「ああ、その、なんだ。錬成師とはいわば鍛冶職だ。鍛冶をするとき便利だとか・・・。」
それを聞き檜山を始め一部の生徒たちが彼を馬鹿にした。特に檜山に関しては白崎に好意を寄せているのにこうした行動が彼女の好感度を下げていることに気づいていない。事実俺やマシュを始め白崎や八重樫、一部の生徒たちもいい顔をしていない。自分より下の者がいたらそれらを見下し嘲笑う、そうすることで自分のプライドを守る腐ったやり方だ。さすがに我慢できなくなり俺がハジメのステータスプレートを取り戻し彼に返した。
立香「ハジメ、気にする事はない。鍛冶職は立派な後方支援職だ。戦場において武器の供給は必要不可欠。それすら理解できないこいつらのほうが無能だよ。」
俺の言い分に檜山や一部の生徒が俺を睨んできたので逆に睨み返してやった。すると皆顔をそらした。全く人を馬鹿しておいて自分が馬鹿にされるのがいやなんて自分勝手な奴らだ。
愛子「そうですよ南雲君、気にすることはありませんよ、先生だって非戦系?とかいう天職ですし、ステータスだってほとんど平均です。南雲君は一人じゃありませんからね。」
愛子先生がステータスプレートを見せた時ハジメは真っ白になり落ち込んでしまった。彼女のステータスプレートを見たときその理由が分かった。
畑山愛子 25歳 女 レベル:1
天職:作農師
筋力:5
体力:10
耐性:10
敏捷:5
魔力:100
魔耐:10
技能:土壌管理・土壌回復・範囲耕作・成長促進・品種改良・植物系鑑定・肥料生成・混在育成・自動収穫・発酵操作・範囲温度調整・農場結界・豊穣天雨・言語理解
先生がとどめ刺してどうするんだよ。確かに非戦系なのは分かるが魔力は天之河に匹敵するしかも技能だって沢山あるじゃないか。しかも食糧事情を一変させてしまう物ばかりだった。ちゃんと確認してから言いなよ。愛子先生は生徒想いなのだがそれが逆に空回りしてしまう事も多いのだ。だが俺はメルド団長にあることを言った。
立香「メルド団長、無理を承知で言います。天之河光輝と模擬戦をさせてください。それと南雲ハジメについては俺とマシュに任せてもらいたいのですがよろしいのでしょうか。」
マシュを除き皆俺の言い分に驚愕の目で見てきたがだがこれは戦いに赴くにおいて重要な事なのだ。少なくとも皆勇者として優秀な天之河がいるから大丈夫だと思い込んでいるだろう。だがその幻想をぶち壊し現実を直視させなければならないと俺が判断したからだ。