二次創作小説(新・総合)
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- 仮面ライダージオウ 世界を超えた戦い
- 日時: 2021/08/29 13:48
- 名前: シュンP (ID: IJ2q7Vk/)
普通の大学生、新成桜夜はある日異変を感じ、そして仮面ライダーと出会う。
世界を超えて、正しい物語を取り戻せ!
目次
物語の始まり
第1話 >>01
とある魔術の禁書目録編
第2話 >>02 第3話 >>03 第4話 >>04 第5話 >>05
ラブライブ!サンシャイン!編
第6話 >>06 第7話 >>07 第8話 >>08 第9話 >>09 第10話 >>010 第11話 >011
魔法少女まどか☆マギカ編
第12話 >>012 第13話 >>013 第14話 >>014 第15話 >>015 第16話 >>016 第17話 >>017
- Re: 仮面ライダージオウ 世界を超えた戦い ( No.13 )
- 日時: 2020/04/19 21:19
- 名前: シュンP (ID: IJ2q7Vk/)
第13話 だけど俺は、お前を助ける
仁美
「あの姿、仮面ライダーと言うのですね…」
桜夜
「そーいうこった。てかどうしてお前がイクサバルトとナックルを持ってるんだ」
あの後ほむらと合流した桜夜達は、ほむらの部屋で仁美に話を聞くことにした。
仁美
「それがよく分からないんです」
ウォズ
「よく分からない?」
仁美
「はい。気付かないうちにそれを手にしていました。そして、私があの怪物と戦わないと、と何故か自然に考えたんです」
桜夜
「なるほどな…」
仁美
「私にはこれを使うことができません。ですから、どうぞ」
彼女は桜夜にベルトを差し出す。
仁美
「貴方が使ってください」
桜夜
「え?あ、ああ。分かった」
仁美
「それでは私は行きます。暁美さん、お邪魔しました」
瞳がほむらの部屋を出ていく。
桜夜
「どうすっかな、コレ」
ほむら
「いいんじゃないの。あなたが使えば」
桜夜
「つってもなぁ…あ、やべ」
桜夜が何かに気付く。
ウォズ
「どうしたんだい?」
桜夜
「今日の晩飯の事忘れてた」
彼はほむらを見つめる。
ほむら
「私はあなたたちの分まで作らないわよ」
桜夜
「だよね…」
ウォズ
「仕方がない、私が買って来よう」
桜夜
「オナシャス」
ウォズが部屋を出ていく。
ほむら
「ねえ、一つ聞いて良いかしら?」
桜夜
「なんだ?」
ほむら
「どうしてこの世界の人間が仮面ライダーに変身できるの?」
中々大事なことを聞かれた、と桜夜は思った。
桜夜
「知らないよ。俺らが前に行った世界でも、知らないうちにベルト手に入れて、変身してた」
ほむら
「そう。まだまだ知らないことが多いのね」
桜夜
「そういうこった」
???
「じゃあ、僕からも一ついいかい?」
声が聞こえた。それはほむらの物ではない。変声期前の少年のような声だった。
桜夜
「ようやく御出ましか。悪魔」
桜夜は顔に不敵な笑みを浮かべた。
ウォズ
「おかしい…」
ウォズは街中でただ一人、立ち止まっていた。周囲には無表情な人々が行き交っている。
ウォズ
「どうしてたどり着けないんだ…」
かれこれ十分以上歩き続けている。見滝原はそれなりに栄えている。コンビニやスーパーが一つも見つからないのはおかしい。
ウォズ
「ん?」
彼はあることに気付いた。それは、周囲の変化だ。先程までは、街灯が眩しいくらいに空は暗かった。スーツ姿のサラリーマンだっていた。だがしかし、今はどうだろうか。空は異様なまでにカラフルで、ビルの代わりに菓子箱が建っている。まるでコラージュだ。
ウォズ
「またか…」
彼の嫌な予感は当たった。
空からフワフワと小さなぬいぐるみが降ってくると、異常に高い椅子に座った。
ウォズ
「どうやら私は、また魔女の結界に迷い込んでしまったらしい」
【ビヨンドライバー!】【ウォズ!】
魔女の周りにピョコピョコと足音を立てながら小さな怪物たちが集まってくる。
ウォズ
「あれがほむら君の言っていた使い魔というヤツか」
【アクション!】
ウォズ
「変身」
【投影!スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!】
ウォズが変身を完了すると同時に、使い魔たちが襲ってくる。しかも動きが速く体も小さいため、ウォズは攻撃を当てることができない。
ウォズ
「なかなか厄介だな」
【クイズ!】【アクション!】
ウォズはクイズミライドウォッチを起動すると、ビヨンドライバーに装填させる。
【投影!フューチャータイム!】
そして、レバーを倒すと、新しいアーマーが展開され使い魔たちが弾き飛ばされる。
【ファッション!パッション!クエスチョン!フューチャーリングクイズ!クイズ!】
ウォズ
「問題。君達の王に私の攻撃は通用する。○か×か」
ウォズは使い魔たちにクイズを出すが、当然答えは返ってこない。
ブッブーという音と共に、肩にある『クイズショルダークロスサイド』が開く。すると、使い魔たちの上に真っ黒い雲が現れると、そのまま雷が落ち、直撃する。
ウォズ
「さて、大将を倒すとしよう」
【キカイ!】【アクション!】
使い魔を一掃したウォズは、新たにウォッチを起動させる。
【投影!フューチャータイム! デカイ!ハカイ!ゴーカイ! フューチャーリングキカイ!キカイ!】
ウォズ
「フンッ!」
ウォズは魔女が座っている椅子を思いっきり蹴飛ばして倒す。自然に魔女が降ってくる。
そしてそれを何度も攻撃する。
ウォズ
「どうなっているんだ…」
何度攻撃しても魔女を倒せない。何食わぬ顔で座り続けている。
ウォズ
「万事休すか…」
???
「私に任せて!」
不意に女の声がした。その声の主である少女は、突然現れた。
大砲の様な強大な銃を抱えて。
???
「ティロ・フィナーレ!!」
少女が引き金を引くと、銃口から弾丸が放たれる。そしてその弾丸は、魔女の体を貫く。
???
「終わった…」
少女が安堵の声を出す。
魔女は倒されるとグリーフシードと呼ばれる卵を落とす。通常であれば。
魔女の口から何かが出てきた。大蛇のような黒いボディに赤い水玉模様、赤と青の羽、パーティに使う帽子のような鼻。異形の怪物はまだ生きていた。怪物の口は大きく開いていた。
ウォズ
(まさか…!)
ウォズの脳裏に嫌なビジョンが浮かぶ。
怪物の口の先には、銃を持った少女が。彼女は動かない。
ウォズ
「クッ…!」
ウォズは武器を握り直す。最悪の未来を防ぐために。
ウォズ
「させるかぁッ!」
【爆裂DEランス!】
ウォズが魔女と少女の間に入ると、そのまま魔女の口へ飛び込む。
ジカンデスピアに金色のジグザグのエネルギーが纏われる。そして、魔女が口を閉じた次の瞬間。
ドーーーーーーン!
怪物が爆発する。跡形もなくなくなった。残ったのは、グリーフシードのみ。
魔女の結界は消え、二人は元の場所へ戻る。
???
「ねえ、あなた何者?」
金髪の少女はウォズに問う。
ウォズ
「名乗るほどの者じゃないさ」
ウォズは変身を解除しながら少女の質問に答えながらその場を離れようとする。
???
「そうは行かないわよ」
ウォズ
「っ!?」
ウォズの動きが止まる。足元を見ると、リボンで拘束されていることに気付いた。
???
「聴きたいことがあるの。着いてきてもらえるかしら?」
ウォズ
「やむを得ないな…」
少女が変身を解くと、制服姿になった。そして足の拘束が解かれる。
???
「あなた、名前は?」
ウォズ
「私の名前はウォズ。君は?」
少女はくるりとまわり、ウォズの方を向く。
???
「私の名前はマミ」
マミ
「巴マミ。見滝原を守ってる魔法少女よ」
桜夜
「ようやく御出ましか。悪魔」
???
「悪魔扱いとはひどいね。それよりも、君が僕の姿を視認できている方を気にするべきかな?」
悪魔と言われた白い生物は首をかしげる。
ほむら
「キュゥべぇ、何の用?」
キュゥべぇ
「ほむら、君に用はないよ。ただそこの人に聞きたいことがあってね」
キュゥべえは桜夜を見つめる。
桜夜
「なんだ?」
キュゥべぇ
「新成桜夜、君は一体何を企んでいるんだい?」
白い存在は首をかしげる。
桜夜
「質問の意味が分からないな」
キュゥべぇ
「さっき、ほむらくらいの年齢の男子に会ったんだ。そしたら、新成桜夜はこの世界を破壊する、って言われたんだ」
桜夜
「人違いだろ」
キュゥべぇ
「そうか、ならいいんだ。それとあともう一つ。これはほむらにも関係がある」
ほむら
「何かしら」
キュゥべぇはメトロノームの様に振っていた尻尾の動きを止めるて言った。
キュゥべぇ
「魔女が現れたみたいだ」
ウォズはマミに連れられ、あるマンションの一室に居た。
マミ
「最近仕入れた紅茶よ。初めて買うからどんな味かわからないけどね」
机の上に紅茶が出される。彼をそれを一口飲む。
ウォズ
「なかなか美味いな…」
マミ
「そう、なら良かったわ」
ウォズ
「ところで、見ず知らずの私を自宅まで連れて行き、一体何のつもりだい?」
マミ
「いろいろと気になることもあるんだけど…まずはありがとう」
ウォズ
「私は感謝されるようなことをした覚えはないが」
マミは首を横に振る。
マミ
「いいえ、あなたがいなかったら、恐らく私は今ここにいなかったでしょうね」
ウォズ
「…」
ウォズは黙り込んでしまった。彼があの時思い描いたビジョン、それは彼女があの魔女にそのまま捕食されてしまう未来。
ウォズ
「君は、どうして魔法少女に?」
彼はこの気まずい空気を乗り切るため、話題を変えようとした。
マミ
「えっと…それは…」
ウォズ
「すまない。少々安易な発言だったね」
マミ
「ううん、大丈夫よ。昔ね、家族で外食に行ったの。その時、交通事故に遭って、死んじゃいそうになったの」
ウォズ
「なるほど。そこで契約し、生きることができた、と言う訳だね」
マミ
「そういうことよ。でもどうして魔法少女のことを知って…」
♪~♪♪~
マミの言葉を遮るように、彼女の携帯が音楽を鳴らし、その身を震わせた。
マミ
「ちょっと失礼。どうしたの鹿目さん?なんですって!分かった、すぐ行くわ」
ウォズ
「どうかしたんだい?」
マミ
「魔女が現れたみたい。あなたもついてきてもらえる?」
ほむら
「そろそろいるはずよ」
桜夜とほむらはキュゥべぇからの知らせを受け、魔女の結界の中にいた。
ほむら
「この先ね」
目の前には扉がある。ここを越えれば、魔女がいる。
扉を開け、二人は仲に入った。
マミ
「ティロ・フィナーレ!」
しかし、すでに魔女は倒されていた。
マミ
「あら暁美さん、こんばんは。悪いけど、あなたの獲物はすでに私が倒してしまったわ」
魔女の結界が消えていく中、二人に気付いた巴マミが近づいてくる。後ろには鹿目まどか、美樹さやかの姿が。そして。
桜夜
「ウォズ!」
ウォズ
「桜夜君、無事に合流できてよかった」
さやか
「アンタたち!昼間の!」
マミ
「暁美さん、ウォズさんと知り合いみたいね?」
ほむら
「別に…」
それぞれの思いは交錯していく。しかしそれを解きほどく時間を、神は与えてはくれなかった。
ドドドドドド…
何かを引きずるような音がした。
まどか
「なんの音…?」
桜夜
「来るぞ、ヤツが」
桜夜の見立て通りだった。6人がいた場所に、ドッガハンマーを引きずりながらアナザーキバが現る。
マミ
「あれは一体…」
ウォズ
「マミ君、ここは危険だ。二人を連れて逃げるんだ」
マミ
「でも…」
桜夜
「しのほど言ってる場合じゃねえだよ!変身!」
【仮面ライダージオウ!】
ジオウに変身した桜夜はアナザーキバとの戦闘を開始する。
Aキバ
「まだ別の力があったのか?」
ジオウ
「そういうことだ」
Aキバ
「面白い、だが無意味だ」
アナザーキバはドッガハンマーを横に振る。そのリーチの長さのせいで躱すことが出来ず、攻撃をもろに受けてしまう。彼の体は5人の元まで吹き飛び、衝撃でライダウォッチが散らばる。
まどか
「大丈夫ですか?これ、落としましたよ」
ジオウ
「あ、悪いな」
まどかからカブトウォッチとウィザードウォッチを渡され、それを受け取る。
さやか
「あれ?これどっかで見たことが…」
さやかはダブルウォッチを拾い、それを見て首を傾げた。
マミ
「どうしたの、美樹さん?」
さやか
「いやこれどっかで見た気がして」
そう言いながらさやかは制服のポッケを漁りだす。
ウォズ
「まさか…」
さやか
「あった」
さやかはジオウに、ダブルウォッチともう一つのウォッチを渡す。
さやか
「はい。これ、どうせアンタのでしょ?」
ジオウ
「え?」
ジオウは2つのウォッチを受け取る。さやかが取り出した方には、仮面ライダーキバの意匠が見られる。
ウォズ
「やはりキバウォッチが…」
ほむら
「もしかして、あれがあればアナザーライダーを倒せる?」
ウォズ
「ああ、その通りだ」
ジオウ
「ありがとう、さやか」
ジオウは立ち上がる。アナザーキバを倒すために。
【キバ!】
Aキバ
「なに?」
ジオウ
「行くぞ」
【アーマータイム!ガブッ!キバ!】
ジオウの前にキバアーマーは展開され、それが分解しジオウの体に装着されていく。
ウォズ
「祝え!全ライダーの力を取り返し、世界を超え、真実を取り戻す正義のヒーロー。その名も仮面ライダージオウキバアーマー。人間でもありファイガイアでもある仮面ライダーの力を取り戻した瞬間である」
さやか
「ねえ、なにあれ」
マミ
「ルーティーンとかじゃないかしら」
Aキバ
「バカな!何故オリジナルの力が!」
ジオウ
「キバって行くぜ!!」
ジオウはアナザージオウへ向かっていく。
Aキバ
「おのれっ!」
アナザーキバはガルルセイバーを呼び出すと。それに対し、ジオウはジカンギレードを取り出す。
ガキンッ
二人の剣がせめぎ合う。
ジオウ
「オラァ!」
勝利したのはジオウだった。アナザーキバはそのまま押し返される。
Aキバ
「くそっ、こんなはずじゃなかったのに!」
ジオウ
「お前の事なんか知ったこっちゃねえよ」
【フィニッシュタイム!キバ!】
右脚の鎖が外れ、赤い翼を開いた。
ジオウ
「だけど俺は、お前を助ける」
ジオウは高く飛ぶ。彼の背後には三日月がある。
【ウェイクアップタイムブレーク!】
そのまま右脚を突出し、アナザーキバ目がけて急降下していく。
Aキバ
「嫌だ!僕はまだ!」
ドーーーン!
キックが命中したアナザーキバは後ろにあった壁に叩きつけられ、変身が解除される。キックを受けた地面には、ジオウのライダーズクレストが刻まれていた。
パリンッ
アナザーキバの変身は解かれ、契約者の体内からアナザーウォッチが吐き出され、そのまま砕け散った。
まどか
「嘘…」
さやか
「恭介!」
アナザーキバの契約者は、行方不明になっていた上条恭介だった。
ジオウ
「行こう、ウォズ。ここからはアイツらの問題だ」
ウォズ
「ああ。では先に戻っているよ、ほむら君」
ほむら
「ええ…」
変身を解除した桜夜とウォズはその場から去っていく。
さやか
「恭介!恭介!しっかりして!」
恭介
「あれ…さやかか…」
さやか
「恭介!どうしてあんなことしたのさ!」
さやかの目には涙が浮かんでいた。
恭介
「ごめん…ただ、腕を治したかっただけなんだ…」
ほむら
「私は行くわ」
マミ
「待ちなさい」
ほむら
「何か用でも?」
マミ
「あなた、あの怪物のこと、なにか隠してるわよね?」
ほむら
「別に。何も知らないわ」
ほむらもその場を去って行った。
マミ
「・・・」
少し離れた場所のビルの屋上に、あの男はいた。
謎の男
「あーあ、アナザーキバもやれれちゃったか」
彼はアナザーウォッチをポンポン投げて弄んでいる。
謎の男
「ま、次のターゲットは決まりかな」
男は深い闇夜の中に溶けて行った…
桜夜
「ほほぉ、さやかも契約したのか」
ほむら
「ええ、上条恭介の腕を治す願いを叶えてね」
あの後、恭介は病院へ戻った。主治医からはこっ酷く叱られたらしい。そしてさやかは、キュゥべぇと契約し、魔法少女となった。
ほむら
「そして、佐倉杏子も現れたわ」
ウォズ
「佐倉杏子。隣町から見滝原にやってきた魔法少女。契約時の願い事は、聖職者である父の話を周囲の人間に聴いてもらうため、か。なかなか家族思いな少女の様だね」
ウォズはパタンッ、と逢魔降臨暦を閉じる。
桜夜
「そいつはどうかな?なかなか面白いことになるぜ」
佐倉杏子の参戦。これは魔法少女同士の争いの開幕の合図である。
次回予告
ジオウ
「仮面ライダーゲンム…」
???
「願い事…助かりたい。私、まだ生きたい」
ウォズ
「ワルプルギスの夜か…」
桜夜
「大変身!」
ブレイブ
「これから、アンタを助ける!」
次回 Watchを探せ!
- Re: 仮面ライダージオウ 世界を超えた戦い ( No.14 )
- 日時: 2020/04/25 14:57
- 名前: シュンP (ID: IJ2q7Vk/)
第14話 Watchを探せ!
アナザーキバの撃破から二週間が経った。
桜夜
「イクサベルトが消えないってことは、まだこの世界にもライダーの力があるんだろうなー」
新成桜夜は、志筑仁美から渡されたイクサベルトを腕に通し、グルグル回していた。
ほむら
「やめてくれないかしら。邪魔なのだけど」
ほむらが冷たい目線で桜夜を睨む。
彼らは今、とある路地裏に向かっていた。ほむらの話によれば、その路地裏にまどかとさやかがいて、そこに杏子が現れるらしいのだ。
ウォズ
「まもなくだ」
目的地まであと僅かとなった。かすかに金属がぶつかり合う音が聞こえるのがその証拠だ。
桜夜
「お、もう始まってるのか」
ほむら
「じゃあ、私は行くわ。あなたたちはここで待ってて」
ほむらは路地裏へ入っていく。背後からは、はいよー、という間の抜けた声がした。
まどか
「さやかちゃん!もうこんなのやめて!ねえ、キュゥべぇもなんとか言ってよ!」
魔法少女同士の戦いはより一層激しさを増していた。
キュゥべぇ
「そうれは僕にはできない。魔法少女同士の争いを収められるのは魔法少女だけだ」
まどか
「だったら、私…」
「それには及ばないわ」
不意に声がした。次の瞬間、二人の魔法少女はそれぞれ攻撃を外していた。
杏子
「あたしが攻撃を外した!?」
男勝りな口調で話す赤い髪の少女、佐倉杏子の顔が困惑に染まった。
まどか
「ほむらちゃん…」
さやか
「アンタ…」
杏子
「そうかいそうかい。アンタがキュゥべぇの言ってたイレギュラーって奴か」
ここまでは数回経験をしている、とほむらは思った。しかし、ここで予想外の事が起きた。
???
「ハァァァァ…」
突然路地裏に、魔法少女ではない存在、ましてや人間でもないものが現れたのだ。
杏子
「なんだ、コイツ?」
杏子は彼女の武器である槍を構える。そして、悠々とさやかを跳びこえる。
杏子
「フンッ!」
槍が鞭のように伸び、怪物に突き刺さる。
???
「・・・」
しかし、全く効いた様子がない。
ほむら
(まさか…!)
杏子
「どうやら、使い魔って訳じゃないみてーだな」
ほむら
「鹿目さん、外にあの二人がいるわ。呼んできて」
まどか
「う、うん!」
まどかが路地裏の外へ走っていく。
???
「貴方達の命のデータ…いただきます!」
怪物は、頭部からピンク色の髪の毛が生えている奇抜なデザインをしていた。
杏子とさやかが居亜物に攻撃を仕掛ける。しかし、全く通用していない。
桜夜
「大丈夫か!」
そこに桜夜とウォズが駆けつける。
杏子
「ああ?誰だアンタら」
ウォズ
「話は後だ。佐倉杏子」
杏子
「な、なんでアタシの名前を!」
???
「御出ましですか、仮面ライダー」
桜夜
「アナザーエグゼイドか…」
さやか
「あれも恭介がなってたのと同じってワケ?」
ウォズ
「そういうことだ」
【ジオウ!】【ディ・ディ・ディ・ディケイド!】【ウォズ!】
ほむら
「私たちは逃げるわよ」
杏子
「よく分かんねーけど、ここはそうするか」
4人は路地裏から出ていく。
Aエグゼイド
「言っておきますが、あなたたちに用はありませんので。ごめんあそばせ…」
アナザーエグゼイドも路地裏から出ていこうと走りだす。
桜夜・ウォズ
「変身!」
アーマーが展開され、二人は変身を完了する。
ジオウ
「逃がさねえからな!」
アナザーエグゼイドはすでに路地裏からいなくなっていた。アクションゲームの力を使うエグゼイドの力を持っているだけあるだろう。
【ファイナルフォームタイム!カ・カ・カ・カブト!】
ジオウ
「クロックアップ」
ジオウは通常の数千倍の時間が流れている時間軸に移行し、アナザーエグゼイドの追跡を開始する。
Aエグゼイド
「ククク、追いつけるわけが…」
ジオウ
「ライダーキック!」
【ファイナルアタックタイムブレーク!】
アナザーエグゼイドの進行方向にに、突然ジオウが現れる。しかし、アナザーエグゼイドは止まることができなかった。ジオウの回し蹴りが炸裂する。
Aエグゼイド
「グハァ…!」
想定外の一撃に、アナザーエグゼイドの体が大きく吹っ飛ばされる。
ウォズ
「さて、ここからどうする?」
後ろからウォズが追い付いてきた。
ジオウ
「ウォッチがないから撃破までは行かないけど…変身解除くらいなら!」
【ヘイ!エグゼイド!デュアルタイムブレーク!】
ライドヘイセイバーにねるるぎーが集中する。ジオウがその刀身を振ると、斬撃が飛ばされる。
ドーーーーン!
アナザーエグゼイドがいた位置で爆発が起こる。
ジオウ
「やったか?」
ウォズ
「いや、何かがおかしい」
爆発によって生まれた粉塵の中に、もう一つ別の影があった。その正体は…
【マイティジャンプ! マイティキック! マーイティアクショーン! エックス!】
ジオウ
「仮面ライダーゲンム…」
ゲンム
「久しぶりだな、ジオウ」
黒いエグゼイド、仮面ライダーゲンムがアナザーエグゼイドを庇ったのだ。
ウォズ
「また君か…」
ウォズの言う『君』とは、毎回アナザーライダーを生みだしているあの男のことだろう。
Aエグゼイド
「貴方ですか…感謝します」
ゲンム
「ここは俺に任せてさっさと逃げろ」
Aエグゼイド
「分かりました」
アナザーエグゼイドがジャンプする。とても高く跳んでいき、その姿は見えなくなってしまった。
ジオウ
「逃がしたか。なら、ここでお前を倒す」
ゲンム
「できるもんならな」
【ステージセレクト!】
ゲンムがゲーマドライバーの横にある、『キメワザスロットホルダー』のボタンを押すと、周りの風景が変わり始めた。そこは採石場だった。
ジオウ
「行くぞ!」
ジオウはライドヘイセイバーで、ウォズはジカンデスピアで攻撃をしかける。
ゲンム
「無駄だ」
しかしそれをゲンムはひらりと躱す。
ゲンム
「こっちも暇じゃないんだ。さっさと終わらせるぞ」
ゲンムは近くにあった巨大なチョコブロックを蹴り飛ばした。壊れたブロックの中からは水色のメダルが現れ、ゲンムはそれを掴む。
【透明化!】
ゲンムの体が徐々に透けていき、やがて見えなくなった。
ウォズ
「消えた…?」
ジオウ
「どこ行った!?」
ゲンム
「こっちだよ」
ゲンムがジオウを蹴り飛ばしながら姿を現した。
ジオウ
「痛ってぇ…」
ゲンム
「これでで終わりだ」
【ガシャット!】
キメワザスロットホルダーにガシャットを写し、ボタンを押す。
【キメワザ!マイティクリティカルストライク!】
ゲンム
「フンッ!」
高く跳んだゲンムが、足をバタつかせながら二人に向かって急降下してくる。稲妻上のエネルギーを纏った脚が何度もヒットする。
ジオウ
「グフッ」
ウォズ
「ウッ…」
採石場から元いた場所にエリアが戻った。
ゲンム
「じゃあな」
ゲンムはその場から去って行った。
ほむら
「あのアナザーライダーの正体は、おそらく志筑仁美よ」
アナザーエグゼイドの正体は、唐突に語られた。
桜夜
「そりゃどうして?」
ゲンムとの戦闘の際に負ってしまった腕のキズに消毒しながら桜夜は聞いた。
ほむら
「美樹さやかが言っていたわ」
ほむらは逃げているとき、さやかが言っていたことを思い出す。
(「あの怪物…多分仁美だよ。あんな話し方するの、仁美くらいしかいない」)
桜夜
「なるほどな、確かにその可能性は大きい。イタッ」
ウォズ
「しかし、何故彼女が…仮面ライダーイクサに選ばれたあたり悪人とは思えないが」
桜夜
「さしずめ、上条恭介を助けるため、ってところか」
ほむら
「どういうこと?」
ウォズ
「アナザーエグゼイドの力を使えば、他人の命を奪って人命救うことなど容易い。なるほど、志筑仁美はその力を使って上条恭介の腕を治す。そういうことかい?」
桜夜
「ああ。だからさっさと、エグゼイドウォッチを見つけて、アイツを元に戻してやんねーとな」
さやか
「やっぱり出ないか…」
時刻は午後11時、さやかは仁美のケータイに電話を掛けていたが、反応はない。
さやか
「出ると思ったんだけどなー…」
普通の中学生ならばこの時間は寝ていてもおかしくはない。しかし、志筑仁美は普段から稽古で忙しいため、大抵この時間は課題を終わらせているのだ。
さやか
「こんな時は、気晴らしにでも」
さやかは棚の中にしまってあったゲーム機を取り出し、起動させた。
さやか
「久しぶりだなー。ん?」
彼女は或異変に気付いた。それは見たことも聞いたこともないゲームの画面が映っていたからだ。
さやか
「タドルクエスト?」
ゲーム画面に映っていた文字を読み上げると、ゲーム機とカセットの形が変わり始めた。
さやか
「なにこれ!」
ゲーム機は蛍光色で形成された物に、カセットはそれによく似た物になったのだ…
ほむら
「ねえ、どうしてあなたたちが私の登下校に着いてくるのかしら?」
桜夜
「別にいいだろ、減るもんじゃないし」
ウォズ
「ここでアナザーライダーが現れたら、面倒だからね」
翌日、ほむらはいつも通り見滝原中学へ向かっていた。
桜夜
「そんなことより、ワルプルギスはいいのか?俺達がここに来てからもう二週間は経ってる。あと二週間しかないぞ」
ほむら
「分かってるわ。ワルプルギスの夜の出現地点はもう既にある程度絞ってる。巴マミや佐倉杏子にも話をつけてあるわ」
ウォズ
「ワルプルギスの夜か…」
ウォズは逢魔降臨暦を開き、ワルプルギスの魔女の項目を探す。
ウォズ
「舞台装置の魔女、通称ワルプルギスの夜。見滝原に現れる超大型の魔女、か。なかなか厄介そうじゃないか」
ほむら
「厄介なんてレベルじゃないわ。少なくとも、魔法少女1人じゃ勝てない」
桜夜
「ワルプルギスが来るまでに、この世界のライダーの力を取り戻さないとな…」
その時、突然悲鳴が聞こえた。見滝原の女子生徒が道の端による。その先に居たのは。
Aエグゼイド
「さあ、命のデータを頂きますよ…」
桜夜
「見つけたぜ、アナザーライダー」
Aエグゼイド
「また貴方達ですか…」
アナザーエグゼイドは近くで怯えていた少女の首を掴む。その少女はもがき、苦しんだが、やがて意識を失った。
Aエグゼイド
「これで16人目です」
桜夜
「チッ、もうそんなにやって乃果よ…。ウォズ、ほむら、周りの人を避難させてくれ」
ウォズ
「了解した」
ほむら
「分かったわ」
桜夜
「さて、たまには趣向を変えるのもいいだろ」
桜夜は腰にあるベルトを巻く。それは、仁美か受け取った物だ。
Aエグゼイド
「それは…私の!」
【レ・ディ・ー】
桜夜
「変身」
【フィ・ス・ト・オ・ン】
Aエグエイド
「それを返しなさい!」
アナザーエグゼイドが桜夜が変身したイクサに飛び掛かってくる。しかし、そのままアナザーエグゼイドは吹き飛ばされた。
イクサ
「悪いな」
イクサの顔面部のシールドが展開され、赤い目が見えていた。展開時に生じた風圧でアナザーエグゼイドは吹き飛ばされたのだ。
その姿は、仮面ライダーイクサ バーストモード。
イクサ
「アナザーライダー…その命、神に返しなさい!」
Aエグゼイド
「なんですか、その姿は…」
イクサ
「仮面ライダーイクサの、パワーを解放した姿だ!」
イクサは専用武器、イクサカリバーを取り出す。銃型のガンモードだ。
イクサ
「喰らいなさい」
トリガーを引くと、弾丸が連射され、アナザーエグゼイドの動きを止める。その後、マガジンをグリップに収納すると、赤い刀身が伸び、アカリバーモードへ変形させた。
イクサ
「ハァ!」
イクサカリバーで切り付け、アナザーエグゼイドを圧倒する。そして、一本のフエッスルを取り出し、イクサベルトに読み込ませる。
【イ・ク・サ・カ・リ・バ・ー・ラ・イ・ズ・アッ・プ】
イクサカリバーに光が集まる。
イクサ
「フンッ!」
イクサはその刀身を振り下ろした。
桜夜達がいる時間から2,3年前の時間に、あの男はいた。
謎の男
「なかなか派手にやったな…」
彼は、とある交通事故の現場を眺めていた。事故が発生してからまだあまり時間が経ってはいない。そして、彼の右手にはいつものようにアナザーウォッチが握られていた。
謎の男
「見ぃ―つけた」
彼は、道路に転がっていた少女を見つけた。おそらく、事故の時に車から投げ出されたのだろう。その少女は綺麗な金髪で、血液にまみれながら泣きじゃくっていた。
謎の男は彼女に近づいていくと、優しく話しかけた。
謎の男
「ねえ、君」
金髪の少女
「な、に…?」
謎の男
「もし、なんでも願い事が叶うとしたらさ、何をお願いする?」
金髪の少女
「願い事…助かりたい。私、まだ生きたい」
少女は弱弱しく問いに応える。
謎の男
「そっか。じゃあ、契約は成立だ」
謎の男はアナザーウォッチを起動する。
金髪の少女
「うっ!何をして…」
謎の男
「お前を助けってやったんだよ」
そう言い切ると、彼はその場から姿を消した。後に残ったのは、怪物になりかけている少女だけだ。
金髪の少女
「私は…私は!」
【ドライブ…】
彼女に黒い靄のようなものが纏わりつくと、赤い怪物へと姿を変えたのだった…。
赤い刀身からの重い一撃を受け、アナザーエグゼイドはその場に崩れ落ちた。そして、遂にその仮面が剥がれた。
仁美
「クッ…」
ウォズ
「やはりそうだったか…」
まわりの生徒たちの避難誘導を終えたウォズとほむらが戻ってくる。
さやか
「仁美、見損なったよ」
そしてそこに、美樹さやかと鹿目まどかも合流してくる。
ほむら
「貴方達…!」
まどか
「仁美ちゃん!どうしてこんなひどいことをするの!」
仁美
「見損なった…ひどいこと、ですか。それは心外ですね…」
イクサ
「どういうことだ」
仁美
「私がこの力を手にしたのも、すべては上条君のためです。上条君の腕を治すために私は!あなたたちを倒さなければなりません!」
【エグゼイド…】
彼女は再びアナザーエグゼイドの姿になった。
イクサ
「またやるしかないか…」
さやか
「待って、私もやる」
イクサ
「おい、待て。それはどういう…」
イクサの言葉を遮るように、さやかはカバンから一つのバックルとアイテムを取り出す。
ウォズ
「それは!」
【タドルクエスト!】
彼女は、『ゲーマドライバー』を装着し、『タドルクエストガシャット』を起動する。
さやか
「変身」
掛け声と共に、ガシャットをベルトに装填、そしてレバーを解放する。
【ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!】
彼女はアイコンをタッチし、ガシャットの基盤柄のエフェクトが出現し、それを通り抜ける。
【タドルメグル!タドルメグル!タドルクエスト!】
美樹さやかは、カメンライダーブレイブクエストゲーマーレベル2に変身を完了する。その姿は騎士そのものだ。
ブレイブ
「これから、アンタを助ける!」
ブレイブは『ガシャコンソード』と呼ばれる剣を取り出し、アナザーエグゼイドに斬りかかる。
【ガシャコンソード!カ・チーン!】
Aエグゼイド
「さやかさん!どうして分かっていただけないのですか!」
ブレイブ
「分からないよ!恭介は絶対望んでない!他の人の命を犠牲にしてまで助かりたいなんてわかってないよ!それに…」
もう恭介の腕は治ってる、そう言いかけたところでブレイブは喋るのをやめた。魔法少女のことは仁美には話せない。仁美を巻き込むわけには行かないし、それを言えば彼女の決意を踏みにじることになる。さやかとして、それはしたくなかった。
桜夜
「俺も行くか」
イクサの変身を解除した桜夜の腰には、既にジクウドライバーが巻かれていた。
まどか
「あの、少し待ってください」
まどかは制服のポケットを漁りだすと、なにかを取り出し、それを桜夜に渡した。
桜夜
「エグゼイドウォッチ…」
まどか
「よく覚えてないんですけど、持ってたんです。使ってください!」
桜夜
「ありがとう。使わせてもらうよ」
【ジオウ!】【エグゼイド!】
桜夜
「大変身!」
【仮面ライダージオウ!アーマータイム!レベルアップ!エ・グ・ゼ・イー・ド!】
ジオウ
「ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」
次回予告
キュゥべぇ
「ボクと契約したという事実そのものがなくなったんだ」
???
「ここが鹿目まどかの世界か」
ジオウ
「フィニッシュは、必殺技で決まりだ!」
士
「門矢士、通りすがりの仮面ライダーだ」
次回 新たなstoryの幕開け
- Re: 仮面ライダージオウ 世界を超えた戦い ( No.15 )
- 日時: 2020/09/25 11:47
- 名前: シュンP (ID: jD0xijff)
第15話 新たなstoryの幕開け
ジオウ
「ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」
ジオウは、まどかから託されたエグゼイドウォッチを使用し、エグゼイドアーマーの変身に成功した。
ウォズ
「祝え!全ライダーの力を取り返し、世界を超え、真実を取り戻す正義のヒーロー。その名も仮面ライダージオウエグゼイドアーマー。患者の命を救う仮面ライダーの力を取り戻した瞬間である」
ジオウ
「ハァ!オリャァ!」
ジオウは、両腕に装備されたハンマー『ガシャコンブレイカーブレイカー』で何度もアナザーエグゼイドを叩く。
Aエグゼイド
「ウッ…ガァ!」
ブレイブ
「ねえ、アンタ、名前なんだっけ?」
ジオウ
「俺か?俺は新成桜夜だ」
ブレイブ
「じゃあ、桜夜、仁美を元に戻そう」
【キメワザ!】
ジオウ
「お前に偉そうに言われるのはなんか気に食わないが」
【フィニッシュタイム!エグゼイド!】
ジオウ
「フィニッシュは、必殺技で決まりだ!」
【タドルクリティカルストライク!】
【クリティカルタイムブレーク!】
ジオウとブレイブは高く跳んだ。エグゼイドは右脚を突き出し、ブレイブは腕を組みながら左脚を突き出す。
Aエグゼイド
「ッ!」
自分に目がけて近づいてくる二人を見て、とっさに腕をクロスし、アナザーエグゼイドはガードの姿勢に入る。
ブレイブ
「ハァァァ!」
まずはブレイブのキックがやってくる。ガードもあって直接的なダメージにはならなかったが、アナザーエグゼイドのガードを解き、姿勢を崩すことができた。
Aエグゼイド
「くっ!」
そして、そこにジオウ攻撃が来る。
ジオウ
「トリャァァァ!」
右脚がヒットすると、そのまま回転しながら何度も蹴りを繰り出した。
【ヒット!ヒット!ヒット!ヒット!】
ジオウ
「ハァ!」
そして最後の一撃、アナザーエグゼイドは大きく飛ばされ、爆発が起きる。
【会心の一発!】
【パーフェクト!】
爆炎の中、二つのエフェクトが表示され、やがて炎は消えていった。
まどか
「仁美ちゃん!」
さやか
「仁美!」
二人が倒れていた仁美に駆け寄る。
仁美
「まどかさん、さやかさん…申し訳ありません…」
仁美は立ち上がる。
仁美
「桜夜さん、私を助けていただき、ありがとうございます」
桜夜
「別になんにもしてないさ」
仁美はその後家に帰っていった。今日は学校を休むようだ。
桜夜
「これにて一件落着か」
ウォズ
「しかしいいのかい?すでに授業は始まっているようだが」
まどか
「あ…」
さやか
「完全に忘れてた」
ほむら
「それに関しては問題ないわ」
ほむらが自分の携帯を見せる。
ほむら
「すでに学校に連絡してあるわ。休むとね」
まどか
「ほむらちゃん、ありがとう」
ほむら
「別に…」
ほむらは後ろを向く。おそらく、他人には見せられない顔をしているのだろう。いい意味で。
しかし、そんな幸福もすぐに終わってしまった。
キュゥべぇ
「大変だ!魔女の反応だ!」
キュゥべぇが突然走って来た。
さやか
「行こう!」
桜夜たちは、魔女の結界へと入って行った。
さやかとほむらは、魔法少女に変身をする。しかし、そこで異変が起こった。
さやか
「あれ?」
ほむら
「これは…」
まどか
「変身が解けてる?」
二人はすぐに制服の姿へ戻ってしまった。
ウォズ
「まさか…魔法少女としての力を失ったのか?」
桜夜
「おい、キュゥべぇ。魔法少女が変身できなくなる前例は?」
キュゥべぇ
「全くないね。それに、二人は力を失ったわけじゃないみたいだ」
ほむら
「どういうこと?」
白い動物の首を掴み、少女は問う。
キュゥべぇ
「そもそも君たちがボクと契約したという事実そのものがなくなったんだ」
さやか
「事実が…なくなった?」
まどか
「どういうことなの?」
キュゥべぇ
「詳しくは分からないけど、君たちと契約してないことになったみたいだね。だから今、変身を保つことができなかったんだろうね」
桜夜
「事実をなくす、か…」
見滝原にある巨大ショッピングモールの裏に、銀色の幕が現れていた。従業員や搬入の業者すら来ないような場所なので、騒ぎになることはない。銀色の幕、名づけるならオーロラカーテンは、少しずつ後退していく。やがて、そこを通り抜けるようにして、スーツを着た男性が出てきた。首からは名札と、トイカメラを下げていた。
???
「ここが鹿目まどかの世界か」
彼は非常口のマークを被写体に、トイカメラのシャッターを切った。
???
「行くか」
スーツの男性はどこかへ向かって歩き出した。
ウォズ
「事実が無くなり、記憶はなくさない…こんなケースは初めてだ」
ほむら
「前に言っていたように、ライダーの力の影響で歴史が変わったということはないの?」
桜夜
「分かっているとは思うが、歴史が無くなれば記憶も無くなる。ほむらはまだしも、まどかやさやかが覚えているのはおかしい」
さやか
「どういうこと?転校生が覚えてるって」
キュゥべぇ
「それはボクも気になるね」
桜夜
「詳しいことは後だ!とりあえず今は原因を調べないと…」
???
「その必要はない」
不意に声がした。その方向を向くと、スーツを着た男性がいた。
まどか
「誰?」
ウォズ
「君は!」
その人物と、ウォズは面識があった。そして、桜夜もその顔は良く知っていた。
士
「門矢士、通りすがりの仮面ライダーだ」
桜夜
「ディケイド…」
ほむら
「通りすがりの、仮面ライダー?」
士
「俺の事はどうでもいい。付いてこい」
門矢士は桜夜達に背を向け、歩き出した。
さやか
「どういうこと?」
士
「お前らが魔法少女の力を失った理由を話してやる」
ほむら
「信用していいの?」
桜夜
「ああ、アイツは色々あれだけど、悪い奴じゃないさ」
桜夜達6人と一匹は門矢士に付いて行った。
通りすがりの仮面ライダー、門矢士。彼の存在が、物語を大きく動かすことを、この時はまだ誰も知らなかった…
次回予告
さやか
「ディケイド?10年間ってこと?あとすごいピンクだけど」
謎の男
「俺はファントム。近い未来に、世界中の教科書に名前が載るすごーい人だ」
士
「俺じゃアナザードライブを倒せない」
【ATTACK RIDE CLOCK UP!】
次回 どうして歴史は変わったのか
全てを破壊し、全てを繋げ!
- Re: 仮面ライダージオウ 世界を超えた戦い ( No.16 )
- 日時: 2020/09/25 11:48
- 名前: シュンP (ID: k7TBKGCR)
第16話 どうして歴史は変わったのか
門矢士に連れて来られたのは、見滝原にあるショッピングモールのフードコートだった。
桜夜
「どうしてここなんだ?」
士
「ここなら話していても怪しまれない。そして人が多すぎて誰かに話を聞かれる心配もないからな」
大きなテーブルに各々が座る。キュゥべぇは杏子に先程の事を伝えると言って、ここに着く前にどこかへ消えていった。
ウォズ
「それで、ほむら君とさやか君が力を失った理由と言うのは一体?」
士
「単刀直入に言おう。お前らが契約したきっかけがなくなった」
まどか
「契約する、きっかけ?」
桜夜
「ちょっと待てよ。さやかの契約した理由は上条恭介の腕を治すため、ほむらは、その…、ともかく二人の契約した理由は違うぞ?」
士
「もっと根本的なモノだ。お前らがそもそも魔法少女に出会うきっかけだ」
ほむら
「それは…」
まどか
「もしかして…」
まどかの回答は出なかった。何故なら、フードコート一面に悲鳴が響いたからだ。
ウォズ
「何事だ!」
彼らの視線は一斉に悲鳴がした方へ向く。そのには、少年の首を掴んでいる赤いナニカの姿があった。
士
「面倒なことになったな」
桜夜
「アナザードライブ…」
赤い怪物の名は、アナザードライブ。警察官にして仮面ライダー、ドライブのアナザーライダーだ。
士
「ほむらとか言ったな、鹿目まどかを連れてここから離れろ」
ほむら
「でも…」
士
「心配ならコイツを連れていけ!」
士は桜夜の服を引っ張り、ほむらの方へ投げた。
桜夜
「痛っ!何すんだ!」
士
「良いから早く行け!」
桜夜
「チッ…」
3人は下の階につながっているエレベーターに乗って、その場を離れていった。
Aドライブ
「見つけわ…仮面ライダー!」
アナザードライブは少年を投げ捨てると、ゆっくりと近づいてくる。
さやか
「ちょっとアンタ!戦力減らすようなことしてどうすんのよ!」
士
「何言ってんだ、むしろ増えたと思え」
士はベルト、『ネオディケイドライバー』を取り出し、腰に装着した。そして、左右にあるサイドハンドルを引き、中央のバックルを回転させ、縦向きにさせた。
さやか
「何それ…」
腰から提げている箱状のアイテム『ライドブッカー』から一枚のカードを取り出す。
士
「変身」
士はカードをひっくり返し、ベルトに装填、そのままサイドハンドルを戻した。
【KAMEN RIDE DECADE!】
彼の周りに、20人の仮面ライダーのライダーズクレストと、モノクロの半透明なディケイドが現れ、彼に集まる。
ディケイド
「フン…」
Aドライブ
「あなたはジオウではないのね。だったら用はないわ」
ディケイド
「ジオウじゃなくて悪かったな。だが、俺に勝てないようじゃ、ジオウにも勝てないぞ?」
さやか
「ディケイド?10年間ってこと?あとすごいピンクだけど」
ウォズ
「あれはピンクじゃない、マゼンタだ」
Aドライブ
「面白い、受けてたつわ」
アナザードライブは左腕に装備されたひしゃげたドアの様な物から、弾丸を地面に向かって打ち込む。すると、突然周りの動きが遅くなった。
逃げ惑う人々、倒れていくテーブル、落ちるハンバーガー、アナザードライブ以外のものの動きがスローモーションにしたように遅くなったのだ。
さやか
(なにこれ…!)
ウォズ
(重加速か…)
重加速、仮面ライダードライブとその仲間たちが戦った人口生命体『ロイミュード』が引き起こす現象だ。
Aドライブ
「うふふふ…」
ディケイドに向かって、何度も弾丸を撃ち込むアナザードライブ。しかし、ディケイドに効いている様子はない。
ディケイド
(重加速には、コイツだ)
【KAMEN RIDE KABUTO!】
ディケイドが別のカードを装填し、ハンドルを操作すると、全く別のライダーに姿を変えた。
【Change Beetle】
Aドライブ
「姿が変わった?」
【ATTACK RIDE CLOCK UP!】
DCDカブト
「フンッ!」
ディケイドはアナザードライブを跳び蹴りし、アナザードライブはデーブルに突っ込む。バキバキバキ、という嫌な音がした。そして、重加速が解除される。
Aドライブ
「どうして重加速が!?」
さやか
「てか、別の仮面ライダーに変身してるし」
ウォズ
「あれはカメンライドだ。ディケイドはカードを使って、別の仮面ライダーに変身することができる」
DCDカブト
「当然、カードを使えばライダーの力を使うことだってできる」
そう、ディケイドは仮面ライダーカブトに変身し、クロックアップして重加速を破ったのだ。
Aドライブ
「だったら…」
再びアナザードライブは重加速を発生させ、その場から走って逃げて行った。
士
「逃げたか…」
変身を解除した士は、荒れたフードコートにレンズを向け、シャッターを切った。
桜夜
「ここまで来れば十分だろ」
ディケイドとアナザードライブが交戦している頃、桜夜達三人はショッピングモールから少し離れた廃工場の敷地内に居た。
桜夜
「にしてもアイツ…どうして逃げろなんて」
桜夜の疑問に対し、すぐに回答は返ってきた。
???
「見ぃーつけた」
突然声がしたかと思うと、廃工場の中に誰かが入ってきた。
まどか
「誰?」
桜夜
「テメェ、まだこの世界に居たのか」
謎の男
「ああ、そろそろこの世界での目的を果たそうと思ってね」
ほむら
「アレは?」
桜夜
「名前は知らん。アイツがアナザーライダーを生みだしてる」
謎の男
「そっかぁ、まだ名乗ってなかったっけ。ま、いい機会だし自己紹介しておくよ」
男が左腕を横に出すと、赤い蝙蝠の様なものが飛んできて、男の手に噛み付いた。
【ガブリッ!】
謎の男
「俺はファントム。近い未来に、世界中の教科書に名前が載るすごーい人だ」
ファントムと名乗った男は蝙蝠もどきを逆の手で掴み、鎖が巻き付いて現れたキバットベルトに止まらせる。
ファントム
「変身」
ファントムの体に鎖が巻き付きながら、彼の肉体が変化していき、やがてそれは鎧となった。
ダークキバ
「喜べ…!俺がお前らを葬ってやる!」
桜夜
「くっそ…変身!」
【ガブッ!キバ!】
ジオウ
「ダークキバにはキバだ!」
ジオウキバアーマーの拳と、ダークキバの脚が交わる。
まどか
「そんな…仮面ライダー同士が戦うなんて…」
ほむら
「正しいことに力を使うライダーがいれば、間違った使い方をするライダーもいる。魔法少女と変わらないのね…」
ジオウ
「ウワァァァ!」
ダークキバと戦っていたジオウが飛んできて、壁に激突した。壁にずりながら、地面に落ちると変身が解除された。
桜夜
「くっそ…強い…」
ほむら
「大丈夫!?」
ほむらが慌てて駆け寄る。桜夜の額からは血が流れ、口からも血が垂れている。
ダークキバ
「今回の目的はジオウ、お前を倒すことじゃない」
桜夜
「じゃあ、一体なにが、目的なんだ」
ダークキバ
「そこにいるソイツだよ」
ダークキバの黒い指がまどかを指した。もう片方の手には、なんの力も宿っていない黒いウォッチ、ブランクウォッチが握られている。闇のキバの鎧を纏った男はまどかに近づいていく。
桜夜
「何を、するつもりだ…」
まどか
「嫌…来ないで!」
彼女はジリジリと後退するが、壁に到着してしまった。もう、逃げ場はない。
ダークキバ
「お前の力、いただくぞ」
まどか
「ぐっ…うぅ…」
ほむら
「まどかぁぁぁぁぁぁ!」
ダークーキバがまどかぼ胸にブランクウォッチを押し当てると、少しずつまどかの体が透けてくる。
桜夜
(動け!早く、動け俺の体!)
ほむら
「まどか!」
まどか
「ごめん、ね、ほむら、ちゃん…」
まどかは完全にその場から消えてしまった。そして、ブランクウォッチに新たな力が宿る。
ダークキバ
「ミッションコンプリート。じゃあな」
そのままダークキバは影に溶けるようにして消えていった。
桜夜
「まどか…」
彼はそのまま意識を失った。
ほむら
「まどか…そんな…」
彼女の涙は、赤い血と混ざってどこかに流れていった。
キュゥべぇは見滝原中を駆け回っていた。
キュゥべぇ
「探したよ、杏子」
杏子
「ん?キュゥべぇじゃねえか。アタシになんの用だ?」
キュゥべぇ
「美樹さやかと暁美ほむらの力がなくなった。君は大丈夫かい?」
杏子
「あの二人か…アタシはなんともねえ。あ、だけど変な物を見つけたぞ」
キュゥべぇ
「変な物?」
杏子
「ああ、コレだよ」
杏子の手には、バイクのマフラーの様なベルトと、バイクのミニカーが握られていた。
次に桜夜が見たのは、知らない天井だった。
桜夜
「ここ、どこだ…痛っ」
ウォズ
「体を起こさない方がいい。傷口が開きかねない」
桜夜
「ここは?」
さやか
「病院だよ。アンタ、あの工場で意識失って倒れてたのよ」
桜夜
「そっか。でもほむらは?あいつも一緒にいただろ?」
士
「ほむらも気を失ってたぞ。まあ、頭振ったら起きたけどな。ホラ、そこにいる」
士はカードを眺めながら親指で後ろにある窓の方を指す。そこにはほむらが居て、外を眺めていた。
桜夜
「アナザードライブは?どうだった?」
ウォズ
「契約者すら分からず仕舞いだ。だが、今はそれを気にしているどころではないよ」
桜夜
「どういうこと?」
さやか
「アンタ、その怪我で戦うつもり?変身しただけで倒れるよ」
桜夜
「そっか…でも、士のカメンライドで倒せば」
士
「それは無理だ」
桜夜の考えはすぐに否定された。
士
「どういう訳か知らないが、お前が取り戻したウォッチのライダーのカードしか使えなくてな」
士は手に持っていた5枚のカードを桜夜に見せてきた。ディケイドが使うライダーカードは表に仮面ライダーが描かれている。5枚のカードのうち3枚、キバ、ビルド、カブトはしっかりと描かれていたが、他の2枚は仮面ライダーが白黒になっていた。
士
「だから、俺じゃアナザードライブを倒せない」
桜夜
「じゃあ、一体誰が倒すんだよ…」
次回予告
マミ
「魔法少女?何それ、アニメ?」
???
「追跡、撲滅、いずれも…マッハ!」
士
「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ!」
ゲイツ
「ひとっ走り付き合いなさい!」
次回 ゲイツ、参戦
全てを破壊し、全てを繋げ!
- Re: 仮面ライダージオウ 世界を超えた戦い ( No.17 )
- 日時: 2021/08/29 13:47
- 名前: シュンP (ID: IJ2q7Vk/)
第17話 ゲイツ、参戦
一週間経って、桜夜は退院した。検査の結果、骨折などの大怪我にはなっていなかったらしい。とはいえ、脚に負荷を掛けると折れる可能性があるらしく、しばらくは松葉杖が必要らしい。
ウォズ
「退院おめでとう、桜夜君」
桜夜
「いや全然おめでたくねえよ」
松葉杖が必要な体で、変身することは不可能に近い。変身しても戦うことができないからだ。
士
「取り敢えず、ドライブウォッチを探すことだな。アレがない事には、いくら戦力があっても奴は倒せない」
士はオーロラカーテンを出し、それを通ってどこかへ行った。
ほむら
「私たちも帰るわよ」
桜夜
「なあ、ほむら」
ほむら
「私に話しかけないで!」
ウォズ
「鹿目まどかがいなくなったショックは大きいか…」
ほむらは二人に気にせずどんどん進んでいく。置いて行かれた二人は、彼女の後姿を眺めていた。
桜夜
「どうしてアイツが…」
まどか
(「ごめん、ね、ほむら、ちゃん…」)
桜夜
(くそっ!アイツの顔が離れねえ!)
???
「見つけた」
不意に声を掛けられ、桜夜の意識は現実に戻された。
桜夜
「お前は…!」
ウォズ
「巴マミ…」
マミ
「あら?どこかで会ったことあるかしら」
彼らに声を掛けたのは、見滝原中学の制服を着た巴マミだった。
桜夜
「何言ってんだ。てか大丈夫か?魔法少女の力」
マミ
「魔法少女?何それ、アニメ?私にあるのはこの力だけよ」
【ドライブ…】
突然マミの体がアナザードライブに変わった。
桜夜
「なっ」
ウォズ
「なるほど、アナザーライダーの正体は君だったのか」
【ビヨンドライバー!】【ウォズ!】
Aドライブ
「あら、ジオウじゃないのね」
ウォズ
「変身」
【仮面ライダーウォズ!ウォズ!】
ウォズ
「あいにく、桜夜君は負傷していてね。戦える状態じゃないんだ」
Aドライブ
「まあいいわ。ここであなたを片付けて、ジオウの命をいただくわ」
ウォズ
「そうはさせない」
【ジカンデスピア!ヤリスギ!】
ウォズ
「ハッ!」
ジカンデスピアの一撃は、ドア型の銃に阻まれた。
Aドライブ
「どうやらあなたを倒すまでもないみたいね」
突然、周りの動きがスローになった。
桜夜
(重加速か…)
ウォズ
(早く、シノビウォッチを!)
ウォズは腕のホルダーに収まっているシノビウォッチを取ろうとするが、重加速の影響で時間が掛かってしまった。アナザードライブは桜夜に銃口を向けている。このままでは絶対に間に合わない。
Aドライブ
「さようなら、ジオウ」
銃から弾丸が放たれる。
???
「そうはさせねえぞ」
しかし、桜夜に弾丸が当たる前に、エネルギー弾によって全て相殺された。
Aドライブ
「何!?」
重加速が解除され、桜夜とウォズは自由に動けるようになった。そして、二人の前には、白いライダーの姿が。
Aドライブ
「あなた、一体何者?」
???
「自己紹介が遅れたね」
突然白いライダーは決めポーズを取り出した。
???
「追跡、撲滅、いずれも…マッハ!」
そして最後に、肩をぐるんぐるん回した。
マッハ
「仮面ライダー~~~マッハ!」
マッハと名乗ったライダーは、人差し指と中指を合わせ、ハンドサインをした。
Aドライブ
「は?」
マッハ
「行っくぞ~!」
マッハは走り出すと、どんどんスピードを上げていく。
桜夜
「速い!」
マッハ
「ハァ!フッ!ハァ!」
マッハは目にも止まらぬ速さで何度もアナザードライブに攻撃を仕掛ける。
【シグナルバイク!カクサーン!】
マッハは専用銃『ゼンリンシューター』を上に向け、光弾を発射する。
Aドライブ
「今のうちに!」
攻撃が止んだため、スピードを上げてアナザードライブは周りを走りだした。おそらく、マッハを攻撃するつもりなのだろう。
マッハ
「無駄だよ!」
マッハの声と共に、光弾が分裂して拡散した。あちらこちらに光弾が向かっていく。
Aドライブ
「くっ!」
光弾を躱しきれず、アナザードライブが弾き飛ばされる。そして、変身が解除される。
マミ
「ここで終わるわけにはいかない…」
マミは体を引きずるようにしてその場から離れていった。
マッハ
「あれ、マミじゃねーか。どうなってんだ?」
ウォズ
「それより、君は一体誰なんだい?」
ウォズは変身を解除しながらマッハに問いかける。
マッハ
「あ、悪いな」
マッハはベルトから、ミニカーの様な物『シグナルバイク』を取り出し、変身を解除した。仮面の中から現れたのは、赤い髪の少女だった。
杏子
「アタシは佐倉杏子。風見野から来た魔法少女だ」
彼女は、『うんまい棒』とパッケージに書かれた駄菓子を差し出してきた。
ほむら
「佐倉杏子、まさかあなたまで仮面ライダーになるとはね」
杏子
「別に好きでなったわけじゃねーよ」
あの後、桜夜とウォズは、杏子を連れてほむらの家に帰った。
桜夜
「なあ、お前はまだ魔法少女になれるのか?」
杏子
「まあなー。てか、なんでマミがあんなのやってんだ?」
ほむら
「巴マミがどうかしたの?」
ウォズ
「アナザーライダーはマミ君だったよ」
桜夜
「そうか、士の言ってたことが分かったぞ」
桜夜は手を叩く。
桜夜
「多分だけど、マミが魔法少女になる前に、ファントムがアイツをアナザーライダーにしたんだ。だから、そもそもまどかやさやかが魔法少女の存在を知ることはない。そしてほむらが魔法少女になることもなくなる」
ウォズ
「杏子君は?」
杏子
「アタシが契約したのはマミは関係ねえからな。そのアナザーライダーがなんだかよくわかんねーけど」
ほむら
「あとはドライブの力だけね」
ウォズ
「一体誰が持っているんだ…」
杏子
「ん?ウォッチ?」
杏子はパーカーのポケットを漁りだす。大量の駄菓子がテーブルに並べられていく。そして、その中に駄菓子ではないものもあった。
杏子
「ウォッチってコレの事か?」
桜夜
「ドライブウォッチ!どこで拾った!?」
杏子
「さあね。アタシもキュゥべぇから預かっただけだからな」
桜夜
「アイツいつの間に…」
ウォズ
「取り敢えず、力は手に入れた訳だが…」
ピンポーン
チャイムが鳴った。ほむらがドアを開けた。ドアの向こうには、さやかの姿が。
さやか
「アナザーライダーが現れたみたい!さっき仁美から連絡があった!」
桜夜
「行こう。みんな」
彼らはアナザードライブの元へ向かった。
アナザードライブが現れというショッピングモールに桜夜達は来ていた。
桜夜
「ここに来るのも先週ぶりだな」
さやか
「アイツはアウトレットエリアいるみたい」
エスカレーターを降り、アウトレットエリアに到着すると、そこにはとんでもない光景が広がっていた。
杏子
「どうなってんだ…」
そこにはアナザードライブではない、別の怪人たちが人々を襲っていた。
ウォズ
「あれは機械生命体、ロイミュード。仮面ライダードライブが戦っていた敵だね」
さやか
「取り敢えず倒さないと!」
【タドルクエスト!】【ガシャット!】
杏子
「アタシも!」
【シグナルバイク!】
さやか
「え、アンタもライダーなの?」
杏子
「まあな」
さやか
「アンタと一緒に戦いたくないんだけど」
杏子
「うるせえ、ここはそういう場面じゃねえだろ」
さやか
「そうね。行こう!」
杏子
「レッツ!」
さやか・杏子
「変身!」
【タドルメグル!タドルメグル!タドルクエスト!】
【ライダー!マッハ!】
ブレイブ
「これより、ロイミュード切除手術を開始する」
マッハ
「追跡、撲滅、いずれも…マッハ!仮面ライダー~~~マッハ!」
二人のライダーはロイミュードの群れに向かって行った。
桜夜
「さて、ロイミュードはあいつらに任せるとして」
ウォズ
「そろそろ君とも決着を付けようじゃないか」
柱の後ろから、アナザードライブが出てくる。
Aドライブ
「フフフ、それもいいけど、どうやって倒す気?ジオウは戦えないんでしょ」
ウォズ
「それに関しては問題ない」
桜夜
「え?」
ほむら
「私がやるわ」
【ジクウドライバー!】
ほむらがジクウドライバーを装着した。
桜夜
「え?え?」
桜夜は寝耳に水、と言った顔をしている。
ウォズ
「悪いね桜夜君。実は君がいないとき、ほむら君といろいろあってね」
ほむら
(「ねえ、私も変身できるのかしら」)
ウォズ
(「別に難しいことじゃないさ。それなりの覚悟があるなら、このベルトとウォッチを使うといい」)
ほむら
「このベルトを使って、私はまどかを取り戻す」
Aドライブ
「聞いて呆れるわ」
アナザードライブはケラケラ笑い出す。
Aドライブ
「あの人から聞いたわよ。あなた、何度も同じ一か月を繰り返していたらしいわね。でも結局、何回やっても望む結末は来なかった。無意味なことばっかりするのね。そんなあなたが、人を救うことができるの?」
ほむら
「・・・」
???
「そいつは違うな」
不意に声がした。
士
「コイツがやってきたことは、無意味なんかじゃない。何度も大切な人を失ってきた。その度に、絶望しそうになった、逃げだしそうになった」
声の主は、門矢士だった。
士
「でもコイツは、絶対にあきらめなかった。自分の望む結末を手に入れるために。それを、お前なんかが否定して言い訳がない!!」
Aドライブ
「あなた、一体何者?」
士
「通りすがりの仮面ライダーだ!覚えておけ!」
【ゲイツ!】
ほむら
「変身!」
士
「変身」
【ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!】
【KAMEN RIDE DECADE!】
ほむらは、仮面ライダーゲイツに、士はディケイドに変身を完了する。
Aドライブ
「ジオウじゃないライダーですって!?」
桜夜
「どうしてゲイツウォッチが…そうだ!」
ゲイツ
(「もしもの時に使え」)
桜夜
「あの時に渡されたヤツか!」
【ジカンザックス!Oh!No!】
ゲイツは専用武器、ジカンザックスをおのモードで召喚し、ディケイドもライドブッカーをソードモードに変形、その刀身を撫でた。
ゲイツ
「行くわよ!」
二人は入れ替わり立ち代わりアナザードライブを斬りつける。
Aドライブ
「強い…」
【キメワザ!タドルクリティカルフィニッシュ!】
【ヒッサツ!フルスロットル!】
ブレイブ
「ハア!」
ブレイブは回転しながら、炎と氷、二つのエネルギーを纏ったガシャコンソードでロイミュードたちを斬りつける。
マッハ
「トオリャァァァ!」
マッハは高くジャンプしてからのキックでロイミィードたちを撃破した。
ブレイブ
「ふぅ…」
マッハ
「お、ほむらの奴変身してんじゃん。これを使いな!」
マッハはドライブウォッチを少し離れたところにいるゲイツに投げつける。
ゲイツ
「巴マミ…覚悟しなさい」
【ドライブ!】
ゲイツはウォッチをドライバーに装填、ロックを外し、両手で包み込むようにドライバーを持ち、回転させる。
【アーマータイム!ドライブ!ドラーイブ!】
ドライブアーマーが展開、装着され、顔に『どらいぶ』の文字が刻まれる。
ゲイツ
「ひとっ走り付き合いなさい!」
桜夜
「よし!」
ディケイド
「やったか…」
ライドブッカーから3枚のカードが出てくる。そして、それをディケイドが掴むと、カードに色が戻った。
Aドライブ
「何をしようと無駄よ!」
アナザードライブはゲイツに飛び掛かる。
ゲイツ
「それはあなたのほうよ」
ゲイツの両腕に装備された『シフトカースピードスピード』が発射され、アナザードライブを弾き飛ばす。
Aドライブ
「グッ!」
ゲイツ
「これで終わらせるわ」
【フィニッシュタイム!ドライブ!】
【FINALATTACK RIDE DE DE DE DECADE!】
ディケイドの前に十枚のカードが現れ、ジャンプするとカードもななめ一直線に並んだ。そして、人差し指を額の前でクロスさせ、標的目がけて降下していく。
ディケイド
「オリャァァァァァ!」
【ヒッサツ!タイムバースト!】
ゲイツはアナザードライブの周りを高速で回転しながら連続攻撃していく。それはまるで、仮面ライダードライブの必殺技、スピードロップに似ていた。
ゲイツ
「ハァァァァ!」
ゲイツとディケイドのダブルライダーキックが、アナザードライブに炸裂する。
Aドライブ
「ウワァァァァァ!」
パリンッ
マミの体から、アナザーウォッチが吐き出され、砕け散った。
マミ
「はぁ…はぁ…」
ディケイド
「終わったか」
桜夜
「さて、俺達は戻るか。士、頼むぞ」
オーロラカーテンが現れ、桜夜・ウォズ・ディケイドの3人はそれを通って消えていった。
さやか
「ねえ、マミさん。どうしてこんなことをしたの?」
マミ
「あなたは、誰?」
ほむら
「今の巴マミは、あなたと出会ってないことになるわ。だから、覚えてない」
さやか
「そっか…」
杏子
「で、なんでこんな怪物になったんだ」
マミ
「それがよく覚えてなくて…事故に遭ったのは覚えてるんだけど…」
それだけ言って、彼女は倒れた。
ほむら
「巴マミは死んだわ。おそらく、アナザーライダーになったことで死を回避したからね」
桜夜
「でも、元通りになるし」
士
「いや、そうはならないだろうな」
桜夜
「どういうことだ?」
士
「鹿目まどかを失い、巴マミも失ってこの世界はもう全く別の世界となった。この世界からライダーの力を取り除いたところで元には戻らないだろうな」
さやか
「どうすれば、元通りに戻るの…?」
ウォズ
「まどか君を取り戻せば大丈夫だろうね」
杏子
「で、アンタもコイツらの度についてくってわけか」
杏子はほむらを見る。
ほむら
「ええ、私がまどかを取り戻す。あの男から」
さやか
「あんたとまどかの間に何があったか知らないけど」
杏子
「これ持ってけよ」
さやかと杏子は、ほむらにウォッチを手渡す。それは、ブレイブウォッチとマッハウォッチだった。
桜夜
「これはどうしたんだ?」
杏子
「さあなー。ベルトが勝手にこれに変わったんだよ」
さやか
「あたしもそんな感じ」
ウォズ
「と、言うことは…」
桜夜
「もうこの世界のライダーの力は回収し終わったってことか」
さやか
「じゃあ、お別れだね」
桜夜
「そうなるな」
【タイムマジーン!】
時空を超えるマシン、タイムマジーンが飛んでくる。
杏子
「お、もう行くのか。達者でなー」
さやか
「まどかを頼むわよ」
ほむら
「ええ、任せなさい」
3人はタイムマジーンに乗りこみ、離陸する。
桜夜
「行こう、次の世界に」
タイムマジーンは時空を超えていった。
さやか
「行っちゃった…」
士
「さて、俺も行くか」
士はオーロラカーテンを呼び出した。彼はの手の中には、一枚の写真があった。そこに写っていたのは、変身しようとしているほむら・さやか・杏子の3人と、まどかの姿だった。
杏子
「なんだ?このへたっぴな写真」
士
「うるさい、中坊に俺の写真の良さが分かるか」
さやか
「でも、案外いいかも…」
士
「ま、それに関してはどうでもいい」
士はスーツの胸ポケットに写真をしまった。
士
「じゃあな」
手を軽く振りながら、士はオーロラカーテンを通り抜け、消えていった。
士
「ここが新しい世界か…」
オーロラカーテンを通り抜け、新たな世界に到着した士。
士
「もうここではライダーが現れたか」
彼の目の前には、熱い戦いを繰り広げている仮面ライダーたちがいた。
「よーし、行っくにゃ~!」
「私たちに任せて」
「行くで!」
【ソードベント】
【コピーベント】
「そうは行かないわよ!」
【コンファインベント】
士
「なかなか面白そうだ」
士はトイカメラのシャッターを切った。
次回予告
海未
「お互いに仮面ライダーに変身して戦い、勝った方にポイントが入ります」
士
「本来の歴史とは大きくずれている」
ウォズ
「どうして仮面ライダービルドの仲間が?」
???
「この世界のお宝も、僕がいただくよ」
ファントム
「これを使えば、お前らも戦うことができる。そして、どんな望みでも叶えられるだろうな」
次回 アナザーライブ2013
戦わなければ生き残れない!