二次創作小説(新・総合)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

夢の対決!
日時: 2020/02/05 11:54
名前: モンブラン博士 (ID: daUscfqD)

色々なキャラを作品の垣根を超えてバトルさせようって企画です!

私の信条は「読者を興奮させまくる熱い試合を提供する!」この一点だけです!


それでは夢の対決をはじめましょう!!レッツ、ショーターイム!!


~試合一覧~
「幽霊」ドロンVS「戦闘機械」金竜飛
「μ'sの大和撫子」園田海未VS「スーパーロボット」キングジョ―
「aquasの守護神」黒澤ルビィVS「黄金の筋肉を持つ男」キントレスキー
「月夜の弓」キュアセレーネVS「鬼神」ガルオウガ
「宇宙№1根性」矢澤にこVS「心の隙間お埋めします」喪黒福造
「癒しの天使」キュアアンジュVS「カレーの伝道師」カレクック
「μ'sの大和撫子」園田海未VS「ヒットマン」ボーン・コールド





盛り上がって興奮して、日頃のストレスを大解放しちゃってください!

Re: 夢の対決! ( No.1 )
日時: 2020/01/29 20:07
名前: モンブラン博士 (ID: daUscfqD)

「君は甘いんだよ」

無情な言葉が幽霊の心に突き刺さる。白いマットはドロンが口から流した血により、赤い花を咲かせている。肺から空気が吐き出される。呼吸は荒い。顔を上げ、相手を見つめる。黒髪の男――金竜飛を瞳を見たドロンは戦慄を覚えた。
ワシは今まで色々な人に会って来た。善人もいれば極悪人もおった。けれど、コイツほど冷たい眼を見たのは初めてや。機械のように感情を読み取れない。ひやりと冷めきった視線。この男からは熱さというものをまるで感じない。
こんな人間がいるとは思わなかった。
驚愕、戦慄、不気味さ――様々な感情が交錯するが、ドロンが取る行動は一つだった。四肢に力を込めて、立ち上がる。

「ワシは負けられないんや。お前に負けたら、ワシは自分の生き方を全否定されることになる」
「残念ながら君に勝利の二文字は無い」

冷徹に告げ、唸りを上げた拳が完璧にドロンの頬に命中する。一発一発、正確な打撃を浴びながらドロンは金と出会った時のことを回想していた。

ある日早朝。ドロンは洋館にある墓で兄弟たちの墓参りをしていた。
彼の兄弟は何者かの手により殺められてしまったのだ。それを知った当初、ドロンは犯人が心底憎い、できるなら自分の手で復讐を果たしたいと思った。
だが同時に自分は犯人と同類にだけはなりたくないとも思った。相反する感情。
最初から悪人として生まれた人間などいない。赤子の時は誰でも善人である。そして各々が幸せで素敵な思い出を胸に秘めている。だが、環境が劣悪であるほど心は歪んでいき、やがては悪になる。犯人の心の中にも幼少期の輝いている思い出は眠っている。犯人の命を奪うことはできない。たとえどれほど悪人であろうとも最後の一戦を超えることだけはしてはならない。命は誰にも等しく大切なものというのが彼の矜持だった。墓に手を合わせていると、背後に人影を察した。振り返ると、そこには黒髪で長身の男がいた。コートを着ている。

「お前、何者や。人の墓参りを陰で見るなんて趣味が悪いやろ」
「フフフフ、これは失礼したね。ドロン君。私の名は金竜飛という」
「で、その金さんがワシに何の用や」
「お節介かもしれないが、君の信念とやらを訂正するために足を運んだのだよ。
君は自分では命を愛する者のように思っているかもしれんが、私から言えばただの甘ちゃんだよ。君は心底生命を脅かされた経験が無いから、そのような綺麗事を口にできるのだよ」
「何やて!?」
「私はね、ドロン君。人の命を奪ったことがある」
「!?」

金の口から飛び出した言葉にドロンは驚愕した。金は恐ろしい事実を眉一つ動かさずに平然と告げたのだ。その瞳には何の感情も生気も感じられない。
あるのは底冷えだけだった。対峙するだけで生命エネルギーをどんどん吸い取られていく感覚に陥り、気が付くとドロンの手は汗でびっしょりと濡れていた。

「……何で、そんなことをしたんや」
「私の故郷では戦争があってね。父は兵士として戦場へ赴き、母と私は弾丸飛び交う故郷で怯えながら暮らしていたんだが、やがて母も目の前で爆弾により吹き飛ばされ、私は1人で生きていかざるを得なかった。飢えに苦しむ日々……何しろ食べ物が無いのだから空腹で活動する他ない。何日も経つ内、私の身体は限界を迎えた。そんな時、1人の兵士が通りかかったんだ。食料をたっぷり入れた袋を持ってね。目撃した私は袋が欲しくて気が変になりそうだった」
「それで、どうしたんや」
「岩で何度も兵士の頭を殴って絶命させ、食料を奪ったよ。すぐさま、私は食べ物を貪り食ったんだが、そのあと大変な事実に気づいたんだ。私が殺めた兵士は私の為に食料を持ってきた父親だったとね……」
「!?」
「全くの偶然、しかも容貌も変わっていたので最初は知らなかったのだが、真実を知って以来、私の胃は酷く小さくなってしまい、食料を受け付けなくなった」

人の命を奪うだけでも大変なのに実の親を飢えから逃れるために絶命させる。
あまりに壮絶な金の過去にドロンは足が小刻みに震え出した。得体の知れない男の放出する気圧に飲み込まれそうになっていたのだ。

「口ではどんなに綺麗事を言ったとしても心底生命が脅かされれば、人は悪魔に変貌するものだよ。私のように、いとも容易くね。そして、私に言わせれば君がよく参戦しているという逃走中もまるでお遊びだ」
「ちゃう。逃走中は遊びなんかやない。参加者がみんな真剣に挑んでいるんや」
「ルールに守られた範囲内で、だろう? 何が起きても牢獄の中に入れば、安全は保証されるんだ。しかもハンターが命を狙うことはない。裏でゲームマスターを名乗る支配者達が小賢しい策をしても、特に作者は絶対に死なない。
ルールに守られた鬼ごっこなど私から言わせれば文字通りお遊びなんだよ」
「……」

ドロンは拳を握りしめた。確かに彼の言い分も一理はあった。参加者は守られている。少なくとも作者に関しては。それを否定できる者は皆無だろう。
だがドロンはここで食い下がるわけにはいかなかった。

「オッサン、勝負や。ワシと何でもいいから勝負してアンタが勝ったら、アンタの言い分を認めたるわ」
「では、ボクシングにしよう。男同士、レフリーも無く、どちらかが根負けするまで殴り合うルールだ」
「面白いやんけ。それで決まりや」


最初は自信満々だった。
だが、その根拠のない自信は第一歩で砕かれる羽目になる。金の拳が顔面に直撃した瞬間、ドロンの意識は飛びかけた。どうにか意識を保つが、全身が震えている。これほどの拳を食らったのは翠星石と喧嘩した時以来だ。幽霊は確信した。間違いない。コイツ、プロのボクサーや。しかもチャンピオンクラス。そんなのと知らずにボクシングで挑んだワシは阿呆やな。
金の表情は人形のようなポーカーフェイスだ。どれほど人を殴ろうとも塵ほどの情けさえ彼には沸かない。
金の怒涛の打撃を受け、ドロンは思う。このオッサン、まるで戦闘マシンや。
人間のはずなのに人間相手の気がせぇへん。それはきっと彼が人間としての情を失っているからや。

「ゴフッ!」

正確無比のアッパーで顎を打たれ、ドロンは盛大に吐血。後ろに反り返り、ダウン。

「どうした、笑えよ。ドロン君」
「コイツ、ドラゴンボールのファンか。なんでセルの台詞知ってんねん」

金の声を担当した若本規夫さんはドラゴンボールのセルの声で有名。
野太い声に凍り付くような視線で見下ろす金。
ドロンは四肢に力を込めるが金のパンチは彼に想像以上のダメージを与えていた。起き上がろうとする度に全身の力が抜け、倒れ伏す。まるで自分の身体が寝ていた方がいいと気持ちに逆らっているかのようだった。ドロンは自分に言い聞かせる。

「確かに寝ていた方が楽やろうなあ。でも、それだけはダメなんや。ここでコイツに負けたら、ワシはこの先、信念を貫き通すことなんてできるわけがあらへん!どんなに苦しくても、ネバーギブアップなんや!」

咆哮し立ち上がるドロンに金は冷笑する。

「それでは私は君の身体だけでなく、心をも再起不能にする他ないようだ。
覚悟したまえ、ドロン君……」

Re: 夢の対決! ( No.2 )
日時: 2020/01/29 21:24
名前: モンブラン博士 (ID: daUscfqD)

金は幽霊をロープ際まで追い込むと、ほんの少し口角を上げた。笑ったのだ。
基本的に無表情な金竜飛が笑う。それは相手を徹底的に殲滅する時のみに出る非情な、相手にとっては絶望の微笑みだった。

「ようし、舞々開始~ッ!」

舞々とは金が誇る最強必殺技である。ロープ際に追い込み、右フック、左フック、アッパー、ボディーブローなどを行うのだが、相手が右に倒れそうになれば左で殴って右に寄せ、前なら腹を殴ってロープに戻し……と倒れる方向に応じて反対方向に殴ることで絶対にダウンさせることなく、相手を息絶えるまで殴り続けることが可能という恐怖の拷問技である。今のドロンに逃げ場はなく、あとはただ、一方的に金の猛攻を受けるだけだった。

「赤い靴の少女は靴を履いたことで命が尽きるまで踊らされたが、君は私の赤いグローブで命を絶たれるまで殴り続けられる」

地獄やな。こんな奥の手を何も素人のワシに発動させることないやん。
このオッサン、骨の髄まで氷になっとる。恐ろしい奴や。まだ翠星石が可愛げがあるくらいや。もっとも、アイツにこんな台詞間違っても口にしたりせえへんけどな。心の中だから呟いとるんやで。
軽口を内心抱きながらも、頭をフル回転させるドロン。
ヤバい。正直言ってピンチや。解決策が何も思いつかん。
幽霊が人間相手に殴り合いで負けた言うたら末代まで語り継がれる恥やろな。
せやけど、ここからどうすれば――ん、せや。この手があったんや。
金のアッパーを食らい、後方にもたれるドロン。ロープに触れ、反動で跳ね返る。

「抵抗する力も無くなったようだな。これで止めを刺してやるとしよう」

前のめりになるドロンにボディーブローを見舞う。刹那、ドロンの胴体が透け、標的を失った腕は勢いよく鋼鉄製のロープに衝突。腕を痛め悶絶する金にドロンはニッと笑い。

「ワシ、幽霊だってことをあやうく忘れるところだったわ。言っとくけど、これは反則ちゃうで。れっきとした戦法や」

実体化している腕で金を殴ったのを皮切りに、怒涛のラッシュで攻め立てる。
だが金も負けずに応戦してくる。

「透明化は体力の消耗が激しいんや。頻繁にできるものやない。さっきのが最初で最後だったかもしれへんな」
「ならば君に残された手段はない。大人しく私の軍門に下るがいいッ」
「それだけはお断りや!」
「往生際が悪いものだ」
「ワシはアンタにだけは絶対に負けられへん。アンタのパンチも滅茶苦茶痛いし、苦しい。けど、アンタに負けるっちゅうことはワシの生き方を否定されることや。確かにアンタの過去は尋常じゃないくらい辛い。実体験はしていないけど、想像はできる。だからこそ、ワシは思ったんや。アンタを超えることでワシはこれ以上、アンタのような犠牲者を生み出さないって!」
「それはまず私に勝ってから言うことだ」
「正論やな。だったら勝たせてもらいますわ」

ドロンは顔を突き出し、殴れと言わんばかりにノーガードをする。
当然、金は殴りまくる。晴れ上がり、血が噴き出すドロン。
だが優勢に立っているはずの金の動きが停止した。

「あ……あ……うわあああああああああああ!」

父親の命を奪った過去がドロンの流血を見て金の脳裏に蘇る。
錯乱し絶叫する。先ほどまでの冷徹な機械の様子が別人のようだ。
動揺し、完全に平常心を失っている。ドロンは殴らせ続け相手が疲弊するのを待ってから反撃する腹積もりだった。それは一か八かの危険極まりない作戦。
だがその行動は予想外の結果をもたらした。何故、金が動揺したのかドロン自身はあまりわからなかったが、チャンスだとは思った。

「この一撃に全てを込める!」
「ぶ……ぶるああああああああッ」

全身全霊を込めたストレートパンチは金の顔面にヒット。
ヨロヨロと足元をふらつかせたかと思うと、その一撃で金は轟沈した。
直前の動揺がなければ勝てていたかはわからない紙一重の戦い。
だが両者の勝敗をわけたのは。
悲しい過去を乗り越えようとするドロンと悲惨な過去を己の強さの源と語り、自信・自慢にしていながらも結局は乗り越えることができなかった金との差だったのだ。轟沈し、気絶している金の手を握り、ドロンは優しい声で言った。

「良い勝負やった。アンタの拳めっちゃ効いたわ。ワシに色々勉強させてくれて、おおきに」

Re: 夢の対決! ( No.3 )
日時: 2020/01/29 22:00
名前: モンブラン博士 (ID: daUscfqD)

明日の試合は

「μ'sの大和撫子」園田海未VS「特撮史上初の合体ロボ」キングジョ―


となっています!明日の夜も盛り上がっていきましょう!!


Page:1 2 3