二次創作小説(新・総合)
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- 10分で逃走中~灼熱の太陽と海~【完結!】
- 日時: 2021/07/29 16:31
- 名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: pRqGJiiJ)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
沖縄で開催される大逃走中。
夏と言えば海水浴! そして沖縄!
水着のスクールアイドル達と一緒に灼熱の夏を満喫しよう!
10分間を逃げ切り、賞金を獲得するのは誰だ!?
逃走者一覧
南ことり
星空凛
矢澤にこ
渡辺曜
津島善子
小原鞠莉
エマ・ヴェルデ
姫里マリア
クロノスエボル
ゆうき
エイジア
junris
逃走時間10分
ミッション 1個
1秒につき300円
ハンター数 2
募集用紙>>11
- Re: 10分で逃走中~灼熱の太陽と海~ ( No.21 )
- 日時: 2021/06/28 10:08
- 名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: pRqGJiiJ)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
マリア
「エマさん、プリンをあげるわ」
エマ
「ありがとう、マリアちゃん」
マリア
「お互い牛の人って呼ばれているみたいだから、親近感を持ったの」
エマ
「牛の人? ああ、そっかー」
マリアの思わせぶりな発言にどこか納得した様子のエマは、貰ったプリンをスプーンで掬って一口。プルプルとした柔らかな食感と卵の味、牛乳の優しい甘さが舌の上で溶けていく。
エマ
「ボーノ♪」
マリア
「喜んで頂けて嬉しいわ」
エマがプリンに舌鼓を打っていると、通りすがりのおばぁが声をかけてきた。
おばあ
「あんた、アメリカーね?」
エマ
「えっと・・・・・・ううん。私はスイスの生まれなんです」
おばあ
「おばあはアメリカ―と思ったさー。ネ―ネーター(お姉さん方)は観光客ね」
マリア
「私たち、逃走中って番組に参加しているのですけれど、これが終わったら観光もしたいです」
おばあ
「上等。ここで会ったも何かの縁だから、これ持っていきなさい」
おばあから渡されたのは月桃の葉で包まれた平べったいものだった。
エマ
「これ、なんですか?」
おばあ
「ムーチー(餅)さー。これ食べて元気出しなさいねー」
エマ&マリア
「ありがとうございます!」
えまとまりあはむーちーをてにいれた!
おばあ
「クロザーターも持っていくといいさあ。逃走中、チバリヨー(がんばれ)!」
えまとまりあは黒砂糖を手に入れた!
エマ
「初めて会った私たちにこんなにたくさんお土産をくれるなんて、沖縄の人って優しいなあ」
GM
「沖縄にはイチャリバチョーデーという言葉があるからねえ。出会った人は皆兄弟って意味だよ」
エマ
「兄弟!? 凄い発想だよー」
GM
「スイスのご家族に沖縄のことを伝えてくれると助かるよ」
エマ
「うん、勿論!」
マリア
「黒砂糖、甘くて香ばしくて美味しいわ」
エマ
「ムーチー、ボーノ♪ 紅イモの味がするよ~」
ピピッ
ハンター1
「」
ポンッ
エマ&マリア
「え!?」
9:02
エマ・ヴェルデ 確保
9:01
姫里マリア 確保
沖縄県民は優しい。だが、ハンターは容赦無い。
9:00
残り逃走者
南ことり
星空凛
矢澤にこ
渡辺曜
津島善子
小原鞠莉
クロノスエボル
エイジア
ゆうき
Junris
- Re: 10分で逃走中~灼熱の太陽と海~ ( No.22 )
- 日時: 2021/06/28 18:30
- 名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: pRqGJiiJ)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
善子
「このヨハネの魔眼が全てを見通すのです! 堕天の力を!」
善子は砂浜に魔法陣を木の枝を使って描き、瞬間移動を試みていた。
ハンターがすぐ近くまで迫ってきているが、彼女は自分の魔力を信じていたのだ。すると、おばあが通りかかり、口を開いた。
おばあ
「アンタ、フラーね? 砂浜にいみくじわからん絵なんか書いて何突っ立ってるわけね?」
善子
「私は堕天使ヨハネ! ギランッ!」
おばあ
「こりゃ相当なヤナワラバー(悪い子)のようだねえ。どうして堕天使に憧れるわけよ。天使の方が上等さー」
善子
「私は不幸の星の元に生まれたの。でも、それは天界を美しすぎるという理由で追い出した神様からの私の試練だってわかっているのよ。だから、どうかお気遣いなく」
自嘲的な笑みをしてアンニュイな雰囲気を漂わせる善子にただならぬものを感じたのか、おばあはその場を立ち去ろうとした。去り際に一言添えて。
おばあ
「アンタの描いた絵は波が消してしまったさーね」
善子
「消すなー!」
ザザーッ
砂浜に書いた絵は似顔絵だろうか魔法陣だろうが関係なく波が消していく。
砂浜がキャンバスなら波は消しゴムといったところか。
善子
「なんでこうなるのよぉ!」
自分のあまりの不幸に絶叫した途端。
ピピッ
ハンター2
「」
善子
「やばっ、ハンター!?」タッ
慌てて我に返り駆け出す。
善子は運動神経は良いため、急に走り出しても問題はない。
ハンター2
「」
善子
「この堕天使ヨハネに下等生物が追い付けるはずなどないでしょう。
身の程を知り――へぶっ!?」
突如として現れた壁にぶつかり、善子は目を回した。
後ろばかり向いて前の確認を怠ったことで生じたミスである。
善子
「なんでこんなところに壁が~」
ポンッ
8:04
津島善子 確保
クロノスエボル
「エママやマリアだけでなく善子も確保されるなんて、今回の逃走中、相当手強いぞ」
GM
「当たり前だよ。10分しかないのだから。まあ、頑張ってくれたまえ」
8:00
残り逃走者
南ことり
星空凛
矢澤にこ
渡辺曜
小原鞠莉
クロノスエボル
エイジア
ゆうき
Junris
- Re: 10分で逃走中~灼熱の太陽と海~ ( No.23 )
- 日時: 2021/06/28 19:47
- 名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: pRqGJiiJ)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
その頃、ゆうきとことりと凛は沖縄のおばあと雑談をしていた。
おばあ
「あい、そっちのネーネーもデージチュラカーギーさー。羨ましいねえ」
ことり
「ちゅ、チュラカーギー??」
おばあ
「とっても美人ってことさぁ」
ゆうき
「おばあさん、見る目あるね。だろ? ことりちゃんは美人だろ?」
おばあ
「やさ。ところでアンタ達はビーチパーティーの帰りね? 水着で大胆だねえ」
凛
「凛達、逃走中って番組に参加しているんです。おばあさんは知っていますか、逃走中」
おばあ
「最近の若いもんの見るテレビはいみくじわからんから、あまり見ないさ。
でもまあ、身体を動かす遊びだったら体力をつける為に、コレもっていきなさい」
おばあが差し出した袋の中に入っていたのはフリッター風の天ぷらだった。
沖縄名物のひとつ、天ぷらである。
おばあ
「魚、イカ、野菜天ぷらだから、いっぱい食べて体力つけてチバリヨー!」
ゆうき
「あ、ありがとうございます」
おばあ
「ところでアンタ達、にーびちはいつするね?」
ゆうき
「に、にーびち??」
おばあ
「あげよい。にーびちもわからんかね。それとも、照れ隠しかねえ。
いいかい。にーびちっていうのは結婚のことさー」
ゆうき&ことり
「けけけけけけ、結婚ー!?」
凛
「初対面の人にここまで言われるなんて、ことりちゃんとゆうき君はラブラブなんだねえ」
ピピッ
ハンター1
「」
幸せな空気をブチ壊すかのように、ハンター襲来。
ゆうき
「おばあさん、それじゃ!」タッ
ことり
「天ぷらありがとうございました!」タッ
凛
「いっくにゃー!」
凛を筆頭に逃げていく3人。
だが猛暑で汗だく、慣れない環境下では思うように力が出ない。
凛
「ハアハァ・・・・・・暑すぎるニャ~」
ことり
「ゆうき君、ことり、もうダメ・・・・・・」
ゆうき
「ことりちゃん、しっかりするんだ。俺が肩を貸すよ。
うおおおおおお、絶対に逃げ切ってやるんだ!」
5秒後。
星空凛 確保
南ことり 確保
ゆうき 確保
7:00
1分1分が凄まじいほど体力を削っていく逃走中。
歴戦の逃走者と言えども、確保される時はされるのだ。
GM
「フム。これで逃走者は残り6名、時間も頃合いだし、ミッションを始めるとしよう」
残り逃走者
矢澤にこ
渡辺曜
小原鞠莉
クロノスエボル
エイジア
Junris
- Re: 10分で逃走中~灼熱の太陽と海~ ( No.24 )
- 日時: 2021/06/28 21:33
- 名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: pRqGJiiJ)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
前回の逃走中と同じく、エリア内は雨雲に包まれ、バケツをひっくり返したような豪雨となった。これは沖縄特有のスコールでカタブイと呼ばれる現象である。
短時間に雨が降り注ぎ、すぐに晴れることから沖縄では傘を差す人はあまりいない。もっとも、この条件は10分という限られた逃走中の時間にとっては大変な脅威となり得るのだ。
GM
「諸君、私の沖縄の天気は変わりやすいの意味が呑み込めたかな?」
エイジア
「寒い! 風邪引きそうだ!」
クロノスエボル
「風も強くなってきたみたい」
にこ
「なによぉ! さっきまであんなに温かかったのにぃ!」
GM
「それではこれよりミッションを開始する」
曜
「今から!?」
GM
「そう」
Junris
「通知『ミッション』」
鞠莉
「『上空に通報役のドローンを放った』」
エイジア
「『ドローンに見つかれば、君達の居場所がハンターに通知される』」
曜
「『ドローンを停止するにはエリア内のどこかにある停止ボタンを押さなければならない』
にこ
「『制限時間は今から5分間』って残り5分しかないんだけど! 最後まで使ってミッションさせるつもり!?」
エイジア
「『無事に停止ボタンを押すことができれば君達の勝利だ』」
Junris
「『健闘を祈る』」
~ミッション~
上空にドローンが現れた。
逃走者を見つけ次第、居場所をハンターに通報する役目を持っている。
停止するにはエリアのどこかにある停止ボタンを押すしかない。
制限時間は5分間。
通知を読み終えた曜は、黒雲の空を眺めた。
見ると、上空に黒い点々が幾つも浮かんでいるのが見える。
点々は次第に大きくなっていき、やがて小型の飛行艇の全貌を見せた。
即ち、ドローンの襲来である。
日頃は滅多なことでは動揺しない曜はドローンを見て、引きつった笑みと冷や汗を浮かべた。
曜
「私、ちょっと夢を見ているのかな・・・・・・アハハハハハ」
同様の反応はエリア内の各地でも起きた。
鞠莉
「ワォ! 圧巻デース!」
エイジア
「おいおいおいおい! ちょっと待て!」
Junris
「これが初めてのミッションですか」
にこ
「ぬぁんなのよぉ! この数は!?」
まるでイナゴの大群のように無数のドローンが空を覆いつくしているではないか。これ以上接近されたら、確保は免れない。
逃走者達は慌てて隠れようとするが、ひとつ重大な事実に気が付いた。
曜
「もしかして、このエリアって・・・・・・隠れる場所が少ない?」
4:25
残り逃走者
矢澤にこ
渡辺曜
小原鞠莉
クロノスエボル
エイジア
Junris
- Re: 10分で逃走中~灼熱の太陽と海~ ( No.25 )
- 日時: 2021/06/28 21:47
- 名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: pRqGJiiJ)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
今回のエリアは海水浴場である。よって隠れる場所が非常に限られている。
たとえばパーラーや、バーベキュー場の机や椅子などだ。
木に登るには反則であるから論外としても、隠れ場所が構造上少ないのだ。
仮に机や椅子に隠れても小型のドローンならあっという間に探してしまう。
3:50
ハンター1
「」タッ
にこ
「にごおおおおおッ!?」
ポンッ
3:49
矢澤にこ 確保
3:48
ハンター2
「」タッ
鞠莉
「アウチッ」ポンッ
3:45
小原鞠莉 確保
3:00
2:59
2:58
ハンター1
「」
エイジア
「ぐああああああああ」
ポンッ
2:56
エイジア 確保
エイジア
「くそーここで捕まったか。次は逃げ切ってみせる」
2:40
2:39
2:38
ハンター2
「」
ポンッ
2:37
クロノスエボル 確保
クロノスエボル
「捕まった・・・・・・か」
2:30
2:29
ハンター1
「」
ポンッ
2:28
Junris 確保
Junris
「初挑戦にしては大健闘できたと思います」
1:00
0:59
0:58
妥協なきドローンの猛追により、逃走者は1人、また1人と確保され、残るは渡辺曜だけとなってしまった。
青いお気に入りの水着を着た曜は、恵まれた運動神経と運で生き残ってきた。
だが、彼女もドローンに見つかれば無事では済まない。
曜は思った。
皆の為にも絶対に負けられない。
そして意を決して、高い崖の上から海水へと飛び込んだ。
水飛沫を上げ、曜の姿は海へと消えた。
GM
「!?」
あまりに仰天の行動にGMが呆気にとられる中、曜は水中で身を潜めていた。
曜は考えたのだ。海中にいる限り、ドローンは追跡しない。
ハンターも海へ潜るとは考えつかないから追ってくる可能性は低い。
問題は息苦しさに耐えられるかどうかだけだ。
これまで経験してきたあらゆる時間よりも、もっとも長い1分だ。
耐えろ、耐えろ。
曜は自分で言い聞かせ、懸命に息を潜めていた。
0:10
0:09
0:08
曜
「プハァ! 限界だよぉ!」
水面から顔を上げると、後方からハンターが迫ってきていた。
ざぶざぶと水をかきわけながら迫るハンター。
対する曜もありったけの力を振り絞り、海を泳ぐ。
0:06
0:05
まるでジョーズのように迫るハンター。
0:04
0:03
曜
「全速前進、ヨーソロー!」
0:02
0:01
0:00
ゲーム終了!
あと1インチの差で、曜はハンターから逃げ切り、見事賞金を獲得した。
渡辺曜 逃走成功
曜
「みんな、やったよおおおおおおおお!!」
不利な条件を全て反転させ、機転を利かせた曜の逃走成功で幕を閉じた。