二次創作小説(新・総合)
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- [ポケットモンスター]永久の物語
- 日時: 2021/12/27 11:59
- 名前: 朝霧 ◆UaO7kZlnMA (ID: SnEJke3u)
★オリキャラ募集は一度中止します。どうも注意事項が上手く伝わっていないようなので、やり方を考え直します。
初めまして、朝霧と申します。
以前ポケモン作品を書いていたのですが、突然作品が消えてしまうことがあったので一度ロックし改めてスレッドを作り直しました。
初めての方も多いと思うので、改めてご挨拶させて頂きます。
みなさん、こんにちは。
今回、懐かしのダイパリメイクやアルセウスに触れ久しぶりにポケモンに再燃し小説を書きたいと思い立ちました。
内容は、オリジナルの地方に異世界トリップした主人公が冒険していく話となります。英語部分は「エターナル・サーガ」と読みます。
つたない文章&内容ですが、少しでも楽しんで頂けたら嬉しいです。
★概要(以下、苦手な方はブラウザバック推奨)
・ポケモンの二次創作です。
オリジナルの地方、オリキャラによる冒険。独自設定が強めな作品となります。
・登場ポケモンは現時点で剣盾まで。今後アルセウス発売後はそちらに登場するポケモンが出てくる可能性もあります。
・Z技、キョダイマックスは登場しません。メガシンカは出ますが、特殊な現象として扱われます。
・コメントは気軽にお願いします。筆者の励みになります!
作品に関係のないコメント、宣伝目的のみ、悪意あるもの、誹謗中傷などには返信をしないことがあります。予めご了承ください。
以上となります。
それでは、冒険をはじめますか?
◆登場人物紹介(ネタバレ注意)>>8
◇序章【ある少女の不幸】>>1->>3,>>5
- Re: ポケットモンスター 光を求めて ( No.1 )
- 日時: 2021/12/14 12:33
- 名前: 朝霧 ◆UaO7kZlnMA (ID: dj1cLQBV)
訳がわからない、とツムギは呟く。
今日は、いつもと変わらない日常を送ったはずだった。
学校に行き、その後は高校受験に備えて塾に行って。帰りが遅くなったせいか、制服のまま寝落ちしてしまって。――尚、いつもなら、制服のまま寝落ちしないツムギである。
そして、いつも通り目覚めた。
だが、ここからがおかしかった。
まずツムギがいるのは、自分の部屋ではなかった。
辺り一面、緑の世界。
ツムギの腰程まではある雑草が生い茂り、草むらを作っていた。辺りには等間隔に木も植えられていた。心地よい自然の香りと風、済んだ空気。
夏に避暑地に来たような錯覚を起こすが、見知らぬ土地だった。そして、辺りには謎の生物がたくさんいた。
空には鳩やカラスよりずっと大きな鳥らしき生き物、地面を見れば犬らしき生き物、ネズミらしき生き物。
らしい、と言うのはツムギが知る動物より身体がずっと大きかったり、見た事のない姿形をしているからである。新種だろうか。
(本当、訳が分からない)
未知の土地、未知の生き物。突然見知らぬ土地に放り出されたツムギは、草むらの側でどうすればよいのか悩んでいた。
持ち物と呼べるのは、着用している制服と目覚めた時から足に履いていた黒のローファーのみ。
スマホや現金と言った肝心なものは所持しておらず、この場で親に連絡を取るのは実質不可能だった。
近くを見渡すが付近に民家や交番はなく、人の気配もない。
「とりあえず歩いて、助けを求めるしかないかな」
悩んだ末に、ツムギは助けを求めることを選択した。
じっとしていても永遠に助けは来そうにないし、あの未知の生き物達も怖い。
足場にその場を去ろうとした夢花は何も考えずに草むらへと足を踏み入れ、そして。
近くの草むらから草をかき分ける音がしたかと思うと、中から黒い犬のような生き物が飛び出してきた。勢い良く飛びかかってきたが、ツムギは驚きから尻もちをつき黒い犬の攻撃を避けた。難を逃れたが、黒い犬はツムギを敵と認識したらしい。
姿勢を低くし、牙をむき出しにして威嚇音を発している。
「ま、待ってよ。何もしないわ」
つむは敵意がないことを示し、ゆっくり後ずさるがむしろ黒い犬は間を詰めてくる。
一歩、また一歩。そして飛びかかり、ツムギに噛み付こうとする。その牙は何故か炎を纏っており、噛みつかれたら火傷をしそうだった。
「もうっ……」
最終手段として逃げることを選択したツムギは、脇目も振らずに走り出した。当てなどある訳がない。とにかく黒い犬から逃げることしか、頭にはなかった。
全速力で逃げるが、ツムギは運動部ではない。あっという間に限界は来て、徐々に息が荒くなり、走るペースも落ちてくる。
一方の黒い犬はペースが落ちることはない、追いつかれるのも時間の問題だった。
まずい、と思ったツムギはたまたま見つけた一度近くの木陰に身を隠す。一時的にだが、黒い犬はツムギを見失ったらしい。出てこいと言わんばかりに、獰猛に鳴き辺りを見渡している。
すぐに諦めない辺り、執念深い性質の犬のようだ。
(今、出て行けばまた襲われる。どうしよう)
木陰から一歩出れば、あの黒い犬に襲われることは目に見えている。かと言って見つかるのも、時間の問題だろう。犬は嗅覚が優れているのでツムギの匂いをすぐに嗅ぎつけるだろう。
どうしよう、と後退した時。ツムギはかかとに硬いものがぶつかる感覚を覚えた。
視線を下にやると、そこには鞄が落ちていた。見た目は、ビジネスマンである父がよく持っている四角い鞄に似ている。誰かの落とし物らしい。
(鞄? 何かあるかな。ごめんなさい、開けます)
他人の物を勝手に使うのは気が引けるが、今は一刻を争うのだ。
持ち主に謝罪すると、ツムギは遠慮なく鞄を開けた。中には文字がぎっしりと書かれた紙とワイシャツ、赤と白に塗り分けられた奇妙な球体が入っていた。見覚えのある球体を手にした夢花ははっとして、それを手に取る。
「これ、モンスターボール」
この球体は、ツムギが幼い頃に遊んだゲーム『ポケットモンスター』に出てきたアイテムである。
端的に言えばポケモン、と言う生き物を収納し持ち運ぶアイテムなのだがあくまでも架空の存在。にも関わらずそれはツムギの手の中にある。
ひんやりとした感覚、中に何かいるのだろう。ボールは微かに揺れていた。
あり得ない、と言いたくなるがそんなことはどうでも良かった。中にポケモンがいるのなら、あの変な黒い犬と戦えるかもしれない。
わらにもすがる思いで、ツムギはボールのボタンを押した。
「これを押すのかな?」
適当に白いボタンを押すと、ボールが開き中から眩い光が溢れた。
- Re: [ポケットモンスター]eternal saga ( No.2 )
- 日時: 2021/12/15 16:59
- 名前: 朝霧 ◆UaO7kZlnMA (ID: 66mBmKu6)
光はゆっくりとポケモンの形に変化し、やがて霧散した。すると、そこには一匹の青いポケモンが現れていた。
強靭でしなやかな身体は小さいながらも獣人のようだ、とツムギは思う。拳には微かに青いオーラのようなものを纏っていた。
はもんポケモンのリオルである。
「わ、本当にポケモンが出てきた」
ゲームのことが現実で起こっているせいか、訳が分からずツムギは目を白黒させる。対するリオルは、探るようにじっとを見上げていた。
ポケモントレーナー――ポケモンの飼い主のこと、ではない違う人間がいるからだろう。赤い瞳には警戒するような色が宿っている。
しかし、何やら苦もんするツムギはそんなことに気がついていない。
「見たことあるよな、ないような?」
ツムギは屈んで、リオルと目を合わせ何のポケモンかを必死に思い出そうとしていた。
何せツムギがポケモンをプレイしていたのは、小学校低学年の頃。
ゲーム内ではオーキド博士がポケモンは151匹と定義し、その151匹の中から新たな進化系が発見されたとか言っていた設定である。
時の流れと共に多くのポケモンが登場し、ツムギが知らない者も数多く増えた。リオルもそんな一匹だった。
「ピカチュウ、で合ってる?」
ツムギにとって、はっきりと覚えているのはポケモンの顔と言っても差し支えのないピカチュウのみ。
後は、ゲームに出てきた151匹プラスアルファが顔と名前が一致せずうろ覚えな程度である。
ピカチュウ、と呼ばれたリオルはキョトンとし首を左右に振った。
そして、青いオーラを宿した拳を夢花に向けることしばし。リオルは呆れた目つきでツムギを見上げるも、敵意はなくなっていた。何やら敵意を持つのが馬鹿馬鹿しい、と言った調子である。
やはり違っていたか、とツムギは項垂れた。
「ごめんね。私、正直ピカチュウ以外のポケモン分からなくて……じゃなくて!」
何気なく木陰の外に視線をやったツムギは、黒い犬が側に迫っていることに気がつき現状を思い出した。
「お願い、ピカチュウ。私を助けて。あの黒い犬に追われてるの」
リオルの名を知らないツムギは、困った挙げ句ピカチュウ(仮名)と呼ぶことにした。
小さな身体にお願いしながら木の外を指で示すと、リオルはその方向を見つめ納得したような表情となる。無表情なリオルに不安を覚えたツムギは、改めて彼の瞳を見つめる。
「どう……かな?」