二次創作小説(新・総合)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

逃走中 ~混迷のWブッキング~[完結]
日時: 2022/07/21 21:00
名前: オレンジペコ (ID: 7mGgpC5l)

------------------------------------------------------------------------------------------

~まえがき~

こんばんは。オレンジペコでございます。
前作のあとがきで言及した予定よりも大分早いですが、第2回逃走中をスタート致します。
リアルの都合上前作ほど頻繁に更新できないとは思いますが、それでもよろしければお楽しみくださいませ。

ゲームに先立ちまして、下記の注意事項をご一読ください。前作から一部変更されている点もございますので、前作をお読み下さった皆様も今一度ご確認をお願い致します。

〈注意事項〉
・元作品のネタバレはできる限り避けるようには致しますが、不可避な部分も多々ありますのでご注意ください。仮に予期せぬネタバレを喰らってしまっても、当方は一切の責任を負いかねます。
・基本的に近年放送されているゲームをモデルとしているため、エリア内ドラマ・未来ドラマの類はございません。ただし、今回はドラマではないものの、エリア内で起こる出来事がゲームに関わってきます。精一杯執筆は致しますが、初の試みゆえクオリティについてはお察し下さいますようお願い申し上げます。あとオープニングゲームはやります。
・参加募集につきましては今回も見送らせて頂きます。
・感想・ご意見等は大歓迎です! ……が、作者のメンタルが豆腐なため、お手柔らかにお願い致します。当然ながら荒らし・誹謗中傷の類は厳禁です。

お待たせいたしました。それでは、今回も皆様にお楽しみいただけますよう頑張って参ります。

                             令和4年5月24日 オレンジペコ

------------------------------------------------------------------------------------------

今回の舞台は、東京・江東区の大型ショッピングモール!
前回以上にクセの強い22人の逃走者たちが、130分間逃げ回る!
……ところが、同日このショッピングモールでは、地元の人たちが施設を借り切り、地域の子どもたちを対象としたある大型レクリエーションイベントを開催しようとしていた。そのイベントの名は……なんと『逃走中』!?
1つのエリアで2つの逃走中が同時に開催されるという異常事態が、逃走者たちを大混乱に陥れる!
果たしてこの混乱を乗り越え、賞金78万円を手にする者は現れるのか!?

~逃走者リスト(「下の名前の」50音順、作品横の数字は参加回数)~

イケP 【Caligula -カリギュラ-】初

日暮香奈ひぐらしかな 【きんいろモザイク】初

谷川景たにがわけい 【明日あけびちゃんのセーラー服】初

秋月紅葉あきづきこうよう 【ブレンド・S】初

半田真一はんだしんいち 【イナズマイレブン】初

スイートP 【Caligula -カリギュラ-】初

スペクター 【サルゲッチュシリーズ】初

池口千里いけぐちちさと 【逃走中 オリジナルストーリー】初

宇治松千夜うじまつちや 【ご注文はうさぎですか?】初

ディーノ 【ブレンド・S】初

神崎かんざきひでり 【ブレンド・S】初

ブンビー 【Yes!プリキュア5/Yes!プリキュア5GoGo!】初

松原穂乃花まつばらほのか 【きんいろモザイク】初

戸鹿野舞衣とがのまい 【明日ちゃんのセーラー服】初

条河麻耶じょうがまや 【ご注文はうさぎですか?】2

沖田湊おきたみなと 【逃走中 オリジナルストーリー】初

奈津恵なつめぐみ 【ご注文はうさぎですか?】2

工藤結愛くどうゆあ 【逃走中 オリジナルストーリー】2

大城幸也おおしろゆきや 【逃走中 オリジナルストーリー】初

四条璃生奈しじょうりおな 【明日ちゃんのセーラー服】初

染岡竜吾そめおかりゅうご 【イナズマイレブン】初

水上みなかみりり 【明日ちゃんのセーラー服】初

以上、22人

逃走中 ~混迷のWブッキング~ ( No.20 )
日時: 2022/06/14 21:00
名前: オレンジペコ (ID: 7mGgpC5l)

結愛
「はぁ……」


前回に引き続き出場の、逃走中 オリジナルストーリー初期を彩った元悪役プリンセス・工藤結愛……だが、その表情は晴れない……



「どうしたの結愛ちゃん? も、もしかして体調悪いとか?」

結愛
「別に……ただ、なんかメグセンパイとマヤセンパイのこと考えちゃってね……」


「確か、前回も結愛ちゃんと一緒だった高校生のお姉さんたちだっけ? で、でも大丈夫だよ! 結愛ちゃんが捕まったわけじゃないんだし、それにほら、今回はその2人がいなくたってぼくがついてるからさ!」

結愛
「ええ……そうよね……そうなんだけど……」


「……なんかさ、結愛ちゃんちょっと変わったよね。前一緒だった時(オリジナルストーリー第1巻)はほら、『誰かが捕まった』ってメール来ても『あたしたちには関係ない』とか『ドジね』って一蹴して、今みたいに気にすることなんて無かったのに……」

結愛
「つまり湊くん的には、捕まった人の心配なんてあたしのキャラじゃないって言いたいのかしら?」


「ぜ、全然!? ぼ、ぼくはどんな結愛ちゃんだって誰よりも愛せる自信あるよ!」

結愛
「それつまりキャラ違うってことじゃない……まあ否定はしないわ。前回のゲームから連続で出てるのあたしとあの2人だけだし、いくらあたしだってそりゃ多少は思うところがあるわよ。……でもほら! やっぱり最終的には自分が賞金とらなきゃ意味無いもの! ……だ・か・ら♡ センパイたち2人とも捕まっちゃったしぃ、もしもの時はあたしのこと守ってね! ね、湊くん♡」


「も、もちろん! 結愛ちゃんの為なら何だってやるよ!」



(やっぱりヘンだよ結愛ちゃん……可愛いのは相変わらずだけど、明らかに無理してる……)


都合3回のゲームを経験してきた彼女……その変化は、盲目的な取り巻きの目にすら鮮明に映っているようだ……





イケP
「……ダメだ! 切り替えろ俺! いつまでもウジウジしてたらイケメン失格だ!」


一方、メグを気にする逃走者がここにもう1人……


イケP
「しかも結局ミッション貢献できてねえからな……今度こそイケてる活躍して、そんで復活ミッションが来たら全力で奈津を助ける! やっぱこれだろ! 本家でも自分のせいで捕まっちまった奴に誠実な逃走者は見ててカッコいいしな!」


若干動機に不純さこそ見られるものの、もしもそれができればかなりのイケメン逃走者だ……!





ハンター
「……」


ハンター
「……」


ハンター
「……」


ハンター
「……」




スイートP
「さっきからこの辺り結構騒がしいのよね……新しいハンターも2Fから出てるし、潮時かしら?」


同じ楽士ながら、イケPとは対照的にここまで殆ど2F中央から動いていないスイートP……


スイートP
「体力的にあんまり無理はできないのよね……でも私の場合見つかったら終わりでしょうし、リスクは避けるべきよね!」


グリーンエスカレーターを下り、1Fへ移動……
しかしこの後、1Fの様相が一変することとなる!!





------------------------------------------------------------------------------------------

その頃、1F・明治通り側出入口の外には、100人を超える子どもたちとその付き添いの保護者が集まっていた……!

保護者D
「はーいよい子の皆さん! 今日は『逃走中』によく集まってくれました!! 今から開場しまーす!!」

子どもたち
「「「イェーーーーーイ!!!」」」

保護者E
「それじゃあ皆さん、スタート地点はフードコートの前になるので、そこの入り口で『黄緑の』ゼッケンを1人1着づつ受け取って、フードコートの前で待っててくださいね! 『紫の』ゼッケンは別の人たちが使うから間違えないように! 良いですね!」

子どもたち
「「「はーーーーーい!!!」」」

保護者E
「付き添いの保護者の方々もよろしくお願いいたします」

保護者D
「はい、ではドアが開きまーす! 『(トランシーバー)開場お願いします』」





ーフードコートー

保護者C
「開場しました!」

保護者A
「それでは、今からこのフードコートは『逃走中運営本部』に切り替わります! 皆様、子どもたちの笑顔のため、絶対成功させましょう!!」

保護者(運営側)一同
「「「おぉーーー!!」」」

------------------------------------------------------------------------------------------

そして、指令室では……


オレンジペコ
「子どもたち……『あっちのゲームの逃走者たち』が入ってきたみたいね。こっちのゲームにも小学生のコいるし、おやじハンターさんたちのためにも間違えないようにしないといけないわよね!」ポチッ!


ゲームマスター・オレンジペコが、新たなミッションを発動!





ー1F・明治通り側出入り口ー

保護者F
「黄緑ですからねーーー!! 紫持っていかないようにしてくださーい!!」


「えー紫のほうがカッコいいじゃん!」

「つばさくんだめだよ! ルールなんだから!」


紫色のゼッケン×16
「」シュン!


今まさに子どもたちにゼッケンを配布中の出入り口に、紫色のゼッケンが16着転送された!





【96:00】 残り17人
イケP 日暮香奈 谷川景 秋月紅葉 半田真一
スイートP 宇治松千夜 ディーノ ブンビー 松原穂乃花
戸鹿野舞衣 沖田湊 工藤結愛 大城幸也 四条璃生奈
染岡竜吾 水上りり
〈アイテム所持〉
日暮香奈→網鉄砲
ディーノ→網鉄砲
戸鹿野舞衣→無敵サングラス
水上りり→紫色のゼッケン

逃走中 ~混迷のWブッキング~ ( No.21 )
日時: 2022/06/18 16:43
名前: オレンジペコ (ID: 7mGgpC5l)

Prrrr! Prrrr!

幸也
「ひいい!?」

半田
「メール……『ミッション2』! 来たか!」


香奈
「『1F・明治通り側出入り口に16着の紫色のゼッケンが出現した』」

四条
「『君たちはこれよりその場へ赴き、残り80分までに1人1着づつゼッケンを入手し着用しなければならない』」


染岡
「『なお、残り80分までに着用できなかった場合も強制失格やアラーム発動といったペナルティは発生しないが、それ以降のゲームの難易度が飛躍的に上昇するため推奨はしない』……はっきりしねえ書き方だな」


千夜
「……これだけ? でも、何かまだ裏がありそうな気がするわね……」





MISSION ゼッケンを入手せよ!

1F・明治通り側出入り口に、紫色のゼッケンが16着転送された!
逃走者たちは残り80分までにその場へ赴き、1人1着ゼッケンを着用しなければならない!
なお、残り80分までに着用できなかった場合は、それ以降のゲームの難易度が飛躍的に上昇してしまう!!





ハンター
「……」


ハンター
「……」


ハンター
「……」


ハンター
「……」


シンプルながら全員が1か所を目指すことになるこのミッション……多くの逃走者が集まれば、大量確保のリスクが高まる……!





スイートP
「ちょうどいいわ! 今1Fに下りるところだったし……って何コレ!?」


スイートPの目に映った光景とは……





「ほらはやくはやくー!!」

「待ってそっちフードコートじゃない!」

「茉莉絵ちゃん、もしハンター来たら僕が守るからね!」


「はーい黄緑のゼッケン来た子は学年ごとに分かれて速やかに並んでくださーい!!」

「すみません、今うちの子そこで転んで膝すりむいちゃって……!」

「あ、じゃあそこに救護ブースありますのでそちらに!」





スイートP
「すごい人……! え、今日ここって貸切じゃなかったのぉ!?」


レクリエーション『逃走中』に参加する子どもたちと付き添いの保護者が入場し、人で溢れかえった1Fだ……!


スイートP
「この子たち、全員フードコートを目指して動いているみたい……この波を搔き分けてゼッケン取りに行くのは大変だわ……!」


子どもたちは黄緑のゼッケンを受け取った後、スタート地点となるフードコート、改め「逃走中運営本部」に整列することになっている……そのため、1F西端の明治通り側出入り口まで行くには、人の波に真っ向から逆らわなくてはならない!!


スイートP
「……仕方ないわ。2Fに戻らないと……」


安全にたどり着くには、西端までは2Fもしくは3Fを通るのが吉だ……!





水上
「ま、ここからならそう遠くあらへんな」


1F西側にいる、戸鹿野と水上……


戸鹿野
「っていうかりりさん、それもしかしてミッションの代わりになるんじゃない?」

水上
「え!? あ、そういえば……」


水上りりがジャケットの報酬で受け取っていたのは、紫色のゼッケン……!


スタッフ
「あ、じゃあ水上さんクリアですね」

水上
「ホンマですか!? いやーほなメッチャ当たりやったやんこれ!」


水上りり ミッションクリア


水上
「……でもどないする? うちだけ休むのもアレやしうちも舞衣に着いていこか?」

戸鹿野
「平気。それだってさっきジャケットを渡したから得られたアドバンテージなんだし、ここで無駄に体力使うのはもったいないと思う」

水上
「ストイックやな~……でも、ほなお言葉に甘えさせてもらおか。おおきに、舞衣」





穂乃花
「ここから1Fの明治通り側出入り口って……ほぼ端と端だよね!?」


一方、3F・ブルーエレベーター前のボックス封印後その場に留まり続けていた松原穂乃花……先ほどの谷川とディーノ同様、エリアの端と端という事態に追い込まれてしまった……!




















ハンター
「……」


さらに、追い打ちをかけるかのようにハンターが接近……!





穂乃花
「とにかく、まず1Fまで下りちゃったほうが楽だよね……」


穂乃花は、気づいていない……!




















ハンター
「……!」ダッ!


見つかった……!





穂乃花
「足音……って、来てる!?」


穂乃花も気づき、急ぎブルーエスカレーターを駆け下りる……!





ハンター
「……!」
[MATSUBARA]ピ―――――





穂乃花
「ハァ、ハァ、あ……!」


逃げた先に……





四条
「日暮先輩、あれ……松原先輩じゃないですか?」

香奈
「あ、ホントだ。おーい穂乃k……って追われてる!? ……よし! 四条さんちょっと離れてて! 使うから!」

四条
「は、はいぃ!」


日暮香奈と四条璃生奈……うち、香奈は網鉄砲を持っている……!


香奈
「穂乃花!! エスカレーターだけ頑張って下り切って! 私網鉄砲持ってるから!」





穂乃花
「ほ、本当!? ありがと香奈ちゃん! よーし……!」


親友のエールを受け、一気に速度を上げる……!





ハンター
「……!」





穂乃花
「お、お待たせ!」

香奈
「よーし穂乃花ちょっと下がって……行くよ、行くよ!!」

バァーン!!




















パサ……


香奈
「え」





ハンター
「……?」






「」


撃つタイミングが早すぎて、網がハンターまで届かず……!?





穂乃花
「香奈ちゃーん!?」

香奈
「……ゴメン! 穂乃花、四条さん連れて逃げて!!」
ポン……


【92:53】
日暮香奈 確保 残り16人





穂乃花
「香奈ちゃん、そんな、そんなの……!」

四条
「と、とにかく離れましょう、松原先輩!!」


穂乃花と四条は、どうにか逃げ延びたようだ……





香奈
「……いくらなんでもこの捕まり方はあんまりだって……!」


網鉄砲の射程を、過信してしまったようだ……





Prrrr! Prrrr!

ブンビー
「っとと、メールか……! 何々、『日暮香奈確保、残り16人』あぁぁ、また減ってしまったぁ……おや?」





「はい黄緑ですよ黄緑ー!!」


ブンビー
「おぉ! 明治通り側出入り口ってここか! いやぁ~良かった! あすいません、紫のゼッケン1つ頂けますかな?」

「あ、紫ですね! はい、こちらに!」

ブンビー
「はいありがとう。ふぅ~たまたま近い位置にいて助かったよ……」


ブンビー ミッションクリア


これで、16人中2人がミッションクリア!
果たして、何人がリスクを回避できるのか!?





【92:35】 残り16人
〈ミッションクリア〉
ブンビー 水上りり
〈ミッション未クリア〉
イケP 谷川景 秋月紅葉 半田真一 スイートP
宇治松千夜 ディーノ 松原穂乃花 戸鹿野舞衣 沖田湊
工藤結愛 大城幸也 四条璃生奈 染岡竜吾
〈アイテム所持〉
ディーノ→網鉄砲
戸鹿野舞衣→無敵サングラス

逃走中 ~混迷のWブッキング~ ( No.22 )
日時: 2022/06/16 18:00
名前: オレンジペコ (ID: 7mGgpC5l)

ここまでにミッションをクリアしたのは、水上りりとブンビーの2人のみ!
残る14人は残り80分までに紫色のゼッケンを入手しなければ、以降の難易度が大幅に上昇してしまう!





千夜
「難易度上昇っていうのも興味はあるけれど、やっぱり背に腹は代えられないわよね」


ここまでほとんど動いていない者も……





谷川
「この人だかりだとどのみち走れないでしょうし、3人でハンターを警戒しながらゆっくり1Fを進むのがいいと思います」

店長
「デスね……まださっきの疲れもとれてマセンし、落ち着いていきマショウ」

秋月
「おい店長、いざって時は網鉄砲頼むぞ」


逆に動きっぱなしだった者も、1F明治通り側出入り口目掛け一斉に動きだす……!





半田
「まずはヨーカドーから出ないとな……大城、そっちハンター見えるか?」

幸也
「た、多分平気なはず……です……」


2F・イトーヨーカドー店内に隠れていた半田と幸也……ヨーカドーを脱出さえすれば、目的地はすぐ真下だ……


半田
「にしても一気に中が騒がしくなったな……普通逃走中やる時って施設は貸し切るものなんじゃないか?」

幸也
「うーん……ぼくたちは仮想空間? ってとこに呼ばれてやったことしかないから分かんないけど……でも、こんなに他の人がいたら、まともに逃げ切ることなんて絶対無理だと思います……」

半田
「だよな……今のところここまでは人は来てないみたいだけど……」


1Fに大量に人が入ってきたことにより、彼らの話し声が徐々にエリア全域に広がっていく……!





結愛
「なんか前回も最後のほうこんな感じだったのよね……」


一方、親子連れがエリアに押し寄せるシチュエーションに覚えのある結愛……



「前回って、ここのゲームマスターさんが初めて開催したゲームだっけ?」

結愛
「ええ。あの時は椅s……脚蹴られまくって大変だったわ。見境ないのよねああいう子たちって」


「ゆ、結愛ちゃんの脚を蹴った!? 許せないよそんなの!」

結愛
「まあいいのよもう終わったことだし……何かしらあれ?」


結愛が目にしたのは……





「3かいろうごく 3かいでつかまったひとはここにはいってください」


カラーコーンとバーで四方を囲まれた、「ろうごく」……






「あれ? ぼくたちの牢獄って3Fのグリーンエレベーター前って話じゃなかったっけ?」

結愛
「そのはずだわ……一体どうなってるのかしら?」





穂乃花
「『2かいろうごく』……」

四条
「な、何だかちょっと不気味ですね……全部ひらがなだし……」


エリアの異変に、徐々に気づき始める逃走者たち……





ハンター
「……」


ハンター
「……」


ハンター
「……」


ハンター
「……」






「なあなあ練習しようぜ練習! おれハンターな! 待てー!!」

「わー! 逃げろー!」

「あ、こら2人とも前よく見なさい!」

「だいじょーぶだって……あいてっ!?」ゴツン!


染岡
「どわっ!? ……おい、大丈夫か?」

「ご、ごめんなさ……ひぃぃぃ!?」

染岡
「ほら、ケガはねえか?」

「だ、だいじょーぶですーー! ぶつかってごめんなさーい!!」タタタ……





染岡
「クソ……やっぱこの顔が良くねえのか……?」


子どもに怖がられる、強面の点取り屋……





スイートP
「ハァ……ハァ……あ、あそこよね明治通り側出入り口って……」


その近くに、2Fから回ってきたスイートP……


スイートP
「あら? あそこにいるの染岡ちゃんよね……ウフフ、ちょっと声かけてみようかしらぁ?」


何かを思いついたようだ……





スイートP
「染岡ちゃあん、ごきげんよう♪」

染岡
「染岡ちゃんだぁ!? っと、スイートPさんだったか……あの、ちゃん付けは勘弁してもらえませんかね……」

スイートP
「あら、だって染岡ちゃんじゃない。それとも、竜吾ちゃんって呼んだほうが良かったかしら?」

染岡
「どっちも嫌に決まってんだろうが!! ……でしょうが!」

スイートP
「えぇ~……じゃーあ、フェアリーネーム決めちゃいましょうか♪」

染岡
「フェアリーネーム?」

スイートP
「そう! 私のお茶会に来る人はぁ、みんな好きなお花の名前を名乗るのぉ♪ 染岡ちゃんは、何か好きなお花ある?」

染岡
「花? 花……」





戸鹿野
「あの……そろそろ行かないとミッション間に合わなくなりますよ?」

スイートP
「キャア!? び、ビックリしたぁ……そうね! じゃあ染岡ちゃん、クリアしたらゆっくり話し合いましょうか。舞衣ちゃん、もちろん貴女も一緒にね♪」

戸鹿野
「……考えさせてください。というかもうすぐそこですし」

染岡
「お、あそこか! すいません、紫のゼッケン3つ!」

「はい! ではこちらをどうぞ!」





スイートP
「まあ! 私たちの分までとってきてくれたの? ありがとぉ~♪」

戸鹿野
「ありがとうございます、助かりました……」

染岡
「まあ、どうせ近くだしな」


スイートP、戸鹿野舞衣、染岡竜吾 ミッションクリア


スイートP
「じゃあ改めて2人のフェアリーネームを……」

戸鹿野&染岡
「「遠慮しときます!!」」


さらにそこへ……





千夜
「染岡くんのフェアリーネーム……? 面白そう! 私も一緒に考えていいですか?」


宇治松千夜と……





半田
「プッ……クク……そ、染岡の、フェ、フェアリーネームって……やべえ、字面が……ッハハ……」

染岡
「笑うんじゃねえ半田!!」

幸也
「あ、あの皆さん、とにかくゼッケン先もらいましょう?」


半田真一・大城幸也も合流……!





幸也
「はい、こ、これ、半田先輩と宇治松先輩の分です……!」

半田
「お、サンキュー大城!」

千夜
「偉いわ幸也くん! 私からもお礼を言うわね、ありがとう」

幸也
「え、えへへ……」


半田真一、宇治松千夜、大城幸也 ミッションクリア


これで、計8人の逃走者がミッションクリアとなった!


スイートP
「じゃあ改めて、フェアリーネーム決め大会始めましょうか!」

染岡
「始めんでいい!!」




















ハンター
「……」


だが、大人数で集まれば、ハンターに見つかるリスクが高まる……!


ハンター
「……」
[]ピ―――――


逃走者たちの、運命は!?





【88:10】 残り16人
〈ミッションクリア〉
半田真一 スイートP 宇治松千夜 ブンビー 戸鹿野舞衣
大城幸也 染岡竜吾 水上りり
〈ミッション未クリア〉
イケP 谷川景 秋月紅葉 ディーノ 松原穂乃花
沖田湊 工藤結愛 四条璃生奈 
〈アイテム所持〉
ディーノ→網鉄砲
戸鹿野舞衣→無敵サングラス

逃走中 ~混迷のWブッキング~ ( No.23 )
日時: 2022/06/17 20:14
名前: オレンジペコ (ID: 7mGgpC5l)

スイートP
「そうねえ……必殺技で竜が出てくるからって『リュウノヒゲちゃん』とかだとちょっと安直だしぃ……」

千夜
「『ネコヤナギちゃん』とかどうでしょう? 確か花言葉に『努力が報われる』があったと思いますよ」

半田
「『努力が報われる』か! ピッタリじゃないか染岡!」

染岡
「なんで半田まで乗り気なんだ!?」


フェアリーネーム決めに夢中になる一向に……





ハンター
「……」


ハンターが迫る……!





ハンター
「……」
[]ピ―――――





幸也
「ヒッ……ね、ねえ皆さん、その、ハンターが来てます……!」

半田
「なっ、マジか!? どうする、散り散りになろうにもこの人数じゃ誰か見つかるぞ!」

染岡
「……しゃあねえ! んじゃ俺が……」

戸鹿野
「待ってください染岡先輩。今度は私が引き付けます」

千夜
「今度は?」

戸鹿野
「はい。さっき染岡先輩にハンター引き付けてもらって、その間に私無敵サングラス受け取ってるんで」

染岡
「……借りは作らねえってわけだな! カッコいいじゃねえか!」

戸鹿野
「ふふ。それじゃ皆さん、また後で!」ダッ!

染岡
「ヘマすんじゃねえぞ戸鹿野!」





ハンター
「……!」ダッ!
[TOGANO]ピピ!


ハンターが、戸鹿野1人を追跡開始……!





スイートP
「じゃあ、私たちも今のうちに分かれましょう!」

半田
「はい! じゃあまた!」


残る5人も、再びエリアに散らばっていく……





ハンター
「……!」
[TOGANO]ピ―――――





戸鹿野
「速い……けど、この人混みを使えば……!」


戸鹿野、巧みに人混みをすり抜け、ハンターとの間に人の壁を作っていく……!





ハンター
「……!」
[TOGANO]ピ―――――





いくらハンターでも人混みの中に閉じ込められては、その身体能力をフルでは発揮できない……!





戸鹿野
「……よし。後は私が1Fから離れれば……」




















ハンター
「……?」
[]


人混みを利用したプレイで、ハンターの攪乱に成功だ……!




















ハンター
「……」


だが、恐怖は、終わらない……





戸鹿野
「……またいる?」


イエローエスカレーターを上がった先に、別のハンター……挟まれた!





ハンター
「……!」ダッ!





戸鹿野
「? 3Fに上がってった……もしかして私じゃない?」


だが、上のハンターは戸鹿野を視認する前に……





















「待って結愛ちゃん! 下から来てる!」

結愛
「ウソ!?」


さらに上にいた湊と結愛の姿を捉えていた……!





ハンター
「……!」
[OKITA、KUDO]ピ―――――






「えっと、ぼ、ぼくが、盾になるから結愛ちゃんは、その……!」

結愛
「……いいえ、分かれて逃げるわよ! そしたら2人とも残れるかもしれないから!」ダッ!


「結愛ちゃん!? ……くっ……!」ダッ!


2人も気づき、バラバラに逃げる……!





ハンター
「……!」


ハンターが視界に捉えたのは……




















結愛
「イヤよ……こんな早くに捕まるなんて、絶対イヤ……!」


結愛だ……





ハンター
「……!」
[KUDO]ピ―――――





結愛
「もう、イヤだって、言ってる、のにっ……あっ!?」


結愛の視線の先に……




















イケP
「ん? あれ工藤だよな……ってハンターに追われてんじゃねえか!?」


ミッションに向かう途中の、イケP……!


イケP
「……さすがに2回も女の子を見殺しにはできねえよな!」ダッ!





イケP
「そこの子猫ちゃん! コイツは俺に任せろ!」

結愛
「イケPさん!?」


なんとイケP、結愛とハンターの間に割り込んだ……!


イケP
「早く逃げな! 目の前に困ってるLADYがいたら全力で助ける! それが俺のジャスティスだ!」

結愛
「……はい!」



ハンター
「……!」
[IKE-P]ピピ!


ハンターの標的が、イケPに切り替わった!





イケP
「来てみろ! この俺のスクールカースト上位になるべく鍛えた脚と勝負だ!」





ハンター
「……!」
[IKE-P]ピ―――――




















ハンター
「……?」
[]


イケP、ここはあっさりハンターを振り切った……!





イケP
「ゼェ……ハァ……どうよ……女の子守って自分もハンターを振り切る……やっぱ逃走中でイケメンっつったらこれだよな……!」






「結愛ちゃん、大丈夫かな……ハンター結愛ちゃんのほう行ったみたいだけど……」

スタッフ
「やっぱり心配ですか?」


「はい……というか、その心配もあるんですけど……」

スタッフ
「ですけど?」


「……やっぱり、結愛ちゃん変わった気がします。前の結愛ちゃんならさっき見つかった段階で迷わずぼくをハンターに向かって突き飛ばしてたと思うし……『分かれて逃げろ』なんて絶対言わないと思うんです」

スタッフ
「えぇ……」





その頃、1F明治通り側出入り口では……


谷川
「ぷはあ! ……すごい人ですね、1F……!」

店長
「まあ、これでもさっきミッションが始まった直後に比べれば大分マシデスけどね」

秋月
「子ども連れ……子どもだけもいるか、が一斉にフードコートに押し寄せてるからな。マジで何が始まるんだよ……あ、すいません紫のゼッケン3つください」

「はい! こちらに!」


谷川景、秋月紅葉、ディーノ ミッションクリア


ひたすら1Fの人混みを搔き分けてきたこの3人が新たにミッションクリア!
ミッション終了まで5分を切り、まだクリアしていないのは5人となった!





【84:50】 残り16人
〈ミッションクリア〉
谷川景 秋月紅葉 半田真一 スイートP 宇治松千夜 
ディーノ ブンビー 戸鹿野舞衣 大城幸也 染岡竜吾
水上りり
〈ミッション未クリア〉
イケP 松原穂乃花 沖田湊 工藤結愛 四条璃生奈 
〈アイテム所持〉
ディーノ→網鉄砲
戸鹿野舞衣→無敵サングラス

逃走中 ~混迷のWブッキング~ ( No.24 )
日時: 2022/06/21 22:12
名前: オレンジペコ (ID: 7mGgpC5l)

ミッション終了まで5分を切り、現在クリアしていないのは……


四条
「ごめんなさい、ちょ、っと、通して……!」

穂乃花
「四条さん平気!? ……あ、すみませんちょっと失礼します……!」






「さっきので大分遠ざかっちゃったよね……間に合うかな……」





結愛
「……また、あたし誰かに助けてもらって……ううん、今は気にしちゃダメ! とにかく下りなきゃ!」





イケP
「女の子助けたはいいけど、一方で俺はミッション失敗、ってのは普通に嫌だからな……」


この5人……!





ハンター
「……」


ハンター
「……」


ハンター
「……」


ハンター
「……」


4体のハンターに確保されずに、紫色のゼッケンを受け取れるか!?





ブンビー
「この人だかりの中にハンターが紛れてる可能性も十分あるんだよねぇ……あー怖い……」


ジャケットの報酬でミッションを免除された水上以外で、1番にミッションをクリアしたブンビー……


ブンビー
「適当なタイミングで1F抜けたいところだけど、こう人が多いといたずらに移動もできないね……さてどうするか……」


冷静に、己の身の振り方を熟考する……





千夜
「子どもたちは黄緑のゼッケンをつけてるみたいね……」


ミッションを終え、再び隠れる千夜……


千夜
「OPゲームの時にハンターのコスプレしたおじさんたちがいたこと、それに私たちを追うハンターがわざわざ白いスーツを着てることを考えると、もしかして……?」


エリアでこれから起こることに、感づいたようだ……





「2年生全員揃いました!!」

「6年生もOKです!!」

「はいほら並んで並んで! 数えられないから!」


フードコート改め「逃走中運営本部」に、逃走者となる子どもたちが続々と集まる中……





結愛
「着いた……! すみません、紫のゼッケンお願いします!」

「え、紫!? ……ああ、君小学生だけどあっちに出てる子なのね。はいどうぞ!」

結愛
「ありがとうございます! (あっち……?)」


工藤結愛 ミッションクリア


工藤結愛がゼッケンを入手し、残るは4人……!





穂乃花
「頑張って四条さん! あともう少しだよ!」

四条
「はいぃぃ!!」


明治通り側出入り口を目指す穂乃花・四条ペア……





ハンター
「……」


進行方向から、ハンター……





「ねえパパはハンターやらないのー?」

「うーん、パパは運動音痴だからな……でも、さくらちゃんパパとしんくんパパがやるって言ってたぞ!」

「ホント!? じゃああえるかな?」

「会えるといいな……ってしんくんパパ! おはようございます! もうハンターの衣装着てらっしゃるんですか、気合充分ですね!」

ハンター
「……?」

「でも急ぎませんと! もう皆さんフードコートに集まってるみたいですよ!」グイッ!

ハンター
「……」ズルズル……


ハンター、しんくんパパと間違えられフードコートに強制連行……





穂乃花
「あ、四条さんあそこあそこ!」

四条
「た、助かりました……」


結局、互いに気づかないまま穂乃花と四条は無事到着だ……


穂乃花
「すみませーん! 紫のゼッケン2つくださーい!」

「はいどうぞ!」


松原穂乃花、四条璃生奈 ミッションクリア


これで、残るはイケPと沖田湊の2人のみ……!





戸鹿野
「……なんか、これつけてるとバスケの練習してる気分」


先ほど、ハンターを見事に撒いた戸鹿野舞衣……運動部所属故か、ゼッケンには馴染みがあるようだ……


戸鹿野
「この後、このゼッケンってずっとつけたままなんですか?」

スタッフ
「あー……それはちょっと現時点ではお答えできませんね」

戸鹿野
「……そうですか」





ハンター
「……」


その近くに、再びハンター……


ハンター
「……」
[]ピ―――――





ハンター
「……!」ダッ!
[TOGANO]ピピ!


見つかった……!





戸鹿野
「でも何なんだろうあの下の集まり……? ここショッピングモールだし運動会とかやれる雰囲気じゃないと思うけど……」


戸鹿野は、気づいていない……!





ハンター
「……!」
[TOGANO]ピ―――――




















戸鹿野
「よし、大分息整ってきたしそろそろ……っ!?」
ポン……


【81:22】
戸鹿野舞衣 確保 残り15人


戸鹿野
「油断した……せっかく無敵サングラス持ってたのに……!」


無敵サングラスも、出会い頭の不意打ちには無力だ……





Prrrr! Prrrr!

谷川
「メール……えっ! 『戸鹿野舞衣確保、残り15人』」


染岡
「クソ、マジか戸鹿野……っ!」


ーミッション終了までー
    60秒





そして……



















「子どもたちの入場も終わったし、そろそろ本部に戻りましょうか」

「ですね。『(トランシーバー)こちら受付。一度本部に戻r』」


???
「すいません、紫のゼッケンお願いします!」

「あ、はい!」


残る2人のどちらかが、明治通り側出入り口に辿り着いた……!




















イケP
「あざっす! ……っぶねぇ~……」


イケP ミッションクリア


イケPだ……!






「ハァ、ハァ、ゆ、結愛ちゃんはクリアできたのかな……?」


沖田湊は、まだ向かっている途中だ……!





スイートP
「そろそろ時間ね……みんなクリアできていればいいけど……」





幸也
「ぼ、ぼくクリアできてるよね!? ゼッケン着てるもんね!?」





水上
「今さらながら、結構罪悪感あるなぁコレ……」





「クソ、ぼくが、結愛ちゃんを守らなきゃいけないのに……っ!」





ミッション終了まで
3秒


2秒


1秒


【80:00】


ここで、TIME UP……






「うわー……結愛ちゃんごめん……!!」


沖田湊 ミッション失敗



「難易度上昇ってどうなるんだろう……」


湊1人のみ、これ以降ゲームの難易度が飛躍的に上昇することになる……!





【80:00】

秋月
「あれ? 時間止まってねえか?」

店長
「本当デス!」





ブンビー
「おわぁハンター!? ……ってあら? もしもーし? ……止まってらっしゃる」


そして、ここでゲームが一時中断……





Prrrr! Prrrr!

半田
「何々……『通達 これよりゲームを一時中断し、これ以降のエリアの変化について説明を行う』」


穂乃花
「『逃走者は全員、1Fフードコート前に集合せよ』」


ゲームも中盤戦……いよいよ、もう1つの逃走劇が幕を開ける……!





【80:00】 残り15人
イケP 谷川景 秋月紅葉 半田真一 スイートP
宇治松千夜 ディーノ ブンビー 松原穂乃花 沖田湊
工藤結愛 大城幸也 四条璃生奈 染岡竜吾 水上りり
〈アイテム所持〉
ディーノ→網鉄砲


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10