****************************【日程】■ 第14回(2017年9月2日(土)〜11月30日(木)23:59)※ルールは随時修正追加予定です※風死様によるスレッド「SS大会」を継続した企画となりますので、回数は第11回からとしました。風死様、ありがとうございます!http://www.kakiko.info/bbs_talk/read.cgi?mode=view&no=10058&word=%e9%a2%a8**************************【第14回 SS小説大会 参加ルール】■目的基本的には平日限定の企画です(投稿は休日に行ってもOKです)夏・冬の小説本大会の合間の息抜きイベントとしてご利用ください■投稿場所毎大会ごとに新スレッドを管理者が作成し、ご参加者方皆で共有使用していきます(※未定)新スレッドは管理者がご用意しますので、ご利用者様方で作成する必要はありません■投票方法スレッド内の各レス(子記事)に投票用ボタンがありますのでそちらをクリックして押していただければOKです⇒投票回数に特に制限は設けませんが、明らかに不当な投票行為があった場合にはカウント無効とし除外します■投稿文字数200文字以上〜1万字前後まで((スペース含む)1記事約4000文字上限×3記事以内)⇒この規定外になりそうな場合はご相談ください(この掲示板内「SS大会専用・連絡相談用スレッド」にて)■投稿ジャンルSS小説、詩、散文、いずれでもOKです。ノンジャンル。お題は当面ありません⇒禁止ジャンルR18系、(一般サイトとして通常許容できないレベルの)具体的な暴力グロ描写、実在人物・法人等を題材にしたもの、二次小説■投稿ニックネーム、作品数1大会中に10を超える、ほぼ差異のない投稿は禁止です。無効投稿とみなし作者様に予告なく管理者削除することがありますニックネームの複数使用は悪気のない限り自由です■発表日時2017年12月3日(日)12:00(予定)■賞品等1位入賞者には500円分のクオカードを郵便にてお送りします(ただし、管理者宛てメールにて希望依頼される場合にのみ発送します。こちらから住所氏名などをお伺いすることはございませんので、不要な場合は入賞賞品発送依頼をしなければOKです。メールのあて先は mori.kanri@gmail.com あてに、■住所■氏名 をご記入の上小説カキコ管理人あてに送信してください)■その他ご不明な点はこの掲示板内「SS大会専用・連絡相談用スレッド」までお問い合わせくださいhttp://www.kakiko.cc/novel/novel_ss/index.cgi?mode=view&no=10001******************************平日電車やバスなどの移動時間や、ちょっとした待ち時間など。お暇なひとときに短いショートストーリーを描いてみては。どうぞよろしくお願い申し上げます。******************************
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トンネルを抜けるとそこは、大人のみの世界だった。そう分かったのは、子供の姿が見当たらないから。そして、街中を歩いていくにつれ、大人の施設ばかりだったから。街中にも限らず、酔っぱらいのおじさんがたくさんいる。私は、突然やってきてしまった世界に驚きを隠せなかった。私は12歳。大人でも子供でもないが、大人から見れば子供だろう。周りの大人がじろじろ見ている。「ねぇねぇ、子供がいるよ?」「え?なんで?」そうひそひそ周りの大人がしゃべっている。丸ぎこえだっつーの。あたりはどんどん暗くなっていき、夜が来た。ぐぅ。私のお腹が鳴り、おなかがすいていたことを自覚した。どうしよう。どこにもいくあてがない。旅館にも行けない。お金を持っていないから。「大丈夫かい?」なかなかイケメンのメガネをかけた25歳ぐらいのお兄さんが話しかけてきた。ここの世界に来て初めて話しかけられるので警戒心を抱く。「どこにも行くところがないだろう?いっしょにおいで。」なんだか私は不審者に話しかけられているような気がしてならなかったけど、今はもうお腹がすきすぎてその人にふらふらとついていった。その人の話によると、この世界からは3年ほど前から子供がいなくなってしまったという。昔、少子高齢化というものが進みすぎ、子供がいなくなって大人ばかりの世界になっているという。子どもが生まれてもすぐ死んでいく人が多く、社会問題だそうだ。【END】
僕は争いなんてしたくない。平和を望んでいる。でも、奴らは、争えというのだ。僕は知らない。どうして争い、憎まなければならないのだろう。ある奴は国の為という。ある奴は繁栄の為という。自己利益の為なら、敵国すらも犠牲にすると奴らは考えている。僕の願いは届く訳がない。きっと、言えば奴に殺される。でも、僕は言う。争いなんて必要ない。どんなに繁栄しようとも。どんなに富んでも。どんなに一瞬のことで喜んでも。お互いが争うことで、人は消えていく。人がいないほど、寂しい世界はないというのに。
朝焼けが、妙にはっきりと見えた。ああ今日は雨かと納得しながら、私は傘を持って、下駄を足に引っ掛けた。とはいえ、傘も、下駄も、雨の予感も、もうすぐ無意味なものへと…否、「私にとって」無意味なものへと変わってしまうのだけれど。陽が差し込んでいる、開けっ放しの窓を無視し、そこから入り込んだ風によって少々乱れた髪に僅かに腹を立てながら、家のドアを開けた。微かだが、ふわりと洗剤の匂いが私の周りを取り巻いた。もう、このガランとした、淋しくて詰まらなくて、それでも美しいと思えたこの部屋に、私が帰ってくることは二度とないのだと実感してしまえば、だんだんと切なくなってくる。名残惜しさと、悲しみと、少しの後ろめたさを押し込めるように、私はシャッターを切った。パシャリと音がなり、一枚の綺麗な、淡い青と、橙色の紙が、ヒラヒラと落ちていった。私はそれを拾い上げ、懐にしまう。今度こそドアから出れば、少し遅れてバタンと音がなった。ここへ私をつなぎ止めようとする気分を打ち消すように、私は歩き出した。カランコロンと、下駄の音が響く。蒼白く光った私の家と、陽炎か炎のように、ゆらゆら揺らめく街の風景を目に焼き付け、私は、私の大好きな場所へと向かった。道中、猫が足元を通りこちらを見上げたが、納得したように去って行ってしまった。また、紫色に光る蝶も見かけたが、生きのびるのに必死で此方など見向きもしてくれなかった。少し休憩しようと水を飲もうとした。ふと、私がここにいる理由を考えてみる。が、やはりそれは分からず、ただただやりたかったからとしか言えなかった。それでも、きっとそれはそれで真っ当な理由になり得るに違いないと信じ、また歩を進める。休み休み歩き、ようやくたどり着いた頃に、私はこの世で一番美しいのではないかと言うほどの景色を見た。視界がぼやける。それほどまでに綺麗だったのだ。またシャッターを切る。そのまま呆然としていれば、いつの間にか眼から雫が落ちているのに気がついた。目をこすり、もう一度その景色を見る。だが、もうあの素晴らしい景色はなく、代わりに見慣れた景色が目に映った。この世に、まだこんなものが残っていたのかと思えば、胸を鋭い痛みが突き抜け、切なさが波のように押し寄せてきた。だが、私の頬をさらに濡らしたのは、切なさだけではなく、安堵と、それから、喜びだった。考え直さないか、と言われているような気がしたが、私の決心は鈍らず、寧ろこの景色に後押しされたような気がする。清々しく、晴れやかな気分で、私はその場所に___蒼く壮大で美しい、この地で最も大きな水面へと一歩踏み出した。冷たさが足をくすぐったが、心地いい。懐の写真を全てあたりに散らしてから、傘を放り投げ、下駄を飛ばして、真っ直ぐに私は駆けていく。そう、私が最も愛した、海へと。波は白く、普段よりも小さいが、その青さと透明感は今でも色褪せず、変わらない。足の届かないところまで来ると、私は水に身を任せた。そして、苦しさを忘れるほどの景色を思い出しながら、静かに、息を、
『悲しみすらも、消えるような憎しみを。』ある朝、ポストに入っていた手紙の一文だ。私はそれを見た途端に、頭の中に恐怖の二文字がくっきりと浮かび上がるような気がした。思い出すのは、あの苦い思い出。無論、そのことについて書かれた手紙ではないのかもしれない。それでも、『アレ』を連想させるのに、この手紙はもっとも効果的な言葉を載せていた。消さなきゃ。私は無意識にそう思った。反省しろだなんて泣き叫んでいた親。他人事のようだった教師。社会のすべてから投げ出された私は、もうどうしようもない感情の置き場を探していた。それが、裏目にでるとは知らずに…いや、実際は、頭の片隅で強く後悔してはいたのだろうが。ナイフを握った私は、手紙を片手に走り出した。少しだけ、手から紅い液体が滑り落ちた。
憎い、悔しい、許せない 赦さない 目が覚めたら知らない、木の天井が一番に目に入った。 何時から寝ていたのか、体の節々が痛い。 「早く、帰らないと。佐吉を風呂に入れないといけないし、由利子の着物に継ぎを当てないと」 そう口に出すと、次から次へとやらないといけないことが思い出されてきた。 「真代の風呂敷を縫わなくちゃいけないし、お母さんの晩飯の手伝いもしなきゃ」 一頻り仕事を思い出してやっと、此処は何処なのだろう、と疑問に思った。 壁は木で出来ており、奥に祭壇の様な物がある。 祭壇のある壁の向かいは戸になっていて、外に出られそうだった。 外に出てみると、もう辺りは赤く夕日に染まっていた。 どうやら此処は神社の様で、綺麗に掃除された境内は素足のまま降りてもあまり痛くなかった。 目の前には見たことのない街並みが広がっていた。 道行く人々の中には奇妙な着物を着ている人もいた。 今目の前を通っていった少女は桃色の裾の広がった変な着物を身に纏っていた。 しばらく呆然と立ち尽くしていると、境内に刀を携えた小柄な少年がやって来た。 小さな顔にある、愛嬌のある目が子供っぽく見せているだけで、もしかしたらもう少し歳上なのかも知れないが、兎に角話しやすそうな雰囲気の少年だった。 「あの、此処は何処ですか?」 思いきってそう訊ねると、少年は今初めて此方の存在に気がついたような驚き方をしながらも丁寧に 「此処は東京ですよ。こんな所に居るのに、此処の人じゃないんですか?」 と返してくれた。 しかし、東京なんて聞いたこともない。 こんな都会なら知らない筈もないだろうに、噂にも聞いたことがない。 そう思うと急に怖くなった。 此処は何処なのだろう、今は何時なのだろう、私は誰なのだろう。 「今は大正ですよ?」 少年の声が聞こえた、どうやら口に出していたらしい。 「………大正?江戸ではないのですか?」 そう訊くと少年は何故か哀しそうな顔をしながら 「江戸はもう、かなり前に終わりました。もう江戸幕府もありません。そして、貴女のご家族ももう居ません。だから、いってください」 ゴカゾクモモウイマセン。その言葉を聞いた時にいろいろなモノが頭の中に甦ってきた。 血だらけの弟妹。地面に突っ伏したまま動かない母。土間で返り血を浴びながら死体を見下ろしている人影。 そして、神社まで逃げて、その人影に殺された私。 嗚呼、赦さないと死ぬ間際には思っていたのに。すっかり忘れていた。憎しみも悔しさも、忘れていた。 争いに抱いた嫌悪感も、何もかも、全て忘れていた。 「もう赦すしかないのかしら。奴等も、もう死んでいるのでしょう?」 そう少年に話しかけると彼は変な顔で笑いながら 「ええ、死んでます。だから、貴女も彼方側で、お母さんや弟妹と仲良く暮らしてください」 そう言う彼の手は、刀の柄を握っていた。 「ねぇ、痛くない?痛いのは嫌だわ。でも、痛くないのなら早く私を皆の所に行かせて」 「大丈夫です。痛くないです。」だから、さようなら。 最期に聞こえた少年の声は何処か湿った響きをしていた。 あいつらを野放しには出来ない。赦してはならない。 あの女性の様に苦しみながら此処に留まる人が居なくなるように、罪の無き人々がこれ以上殺されないように。 俺達があいつを討たなくては。
あの子が憎い、あの子が嫌い。 いつも、私を見下してきたあの子。 私が褒められると冷たいのに、自分が褒められれば優しくなったあの子。 お母さん憎い、お母さんが嫌い。 いつも、怒ると私を殴るお母さん。 機嫌が悪いと弟よりも私を怒るお母さん。 弟ばかり愛したお母さん。 弟が憎い、弟が嫌い。 いつもいつも、お母さんに愛されていた弟。 私がお母さんに怒鳴られているのを見て、被害者ぶって泣いていた弟。 あの人が憎い、あいつが嫌い、あの子がウザイ。 嫌な感情が溢れる。なんで?どうして? もう怖いのは嫌なの。 コワイノハ イヤナノ? ああ、そうか。 私は怖かったんだ。 でも、それも今日で終わり。 よく頑張ったと思うよ? お互い、長い間よく頑張った。 よく耐え抜いた。 心から血を流して、言葉の刃を振りかぶって。 まあ、一番頑張ったのは私だけど。 だって、争いを止めるのも私だから。 だから、もうおしまい。 もう怖くない。 だってこれで救われる。だから、これにてさようなら。 何処からか、救急車のサイレンが聞こえた様な気がした。
「……」 冬。家の中。くすんだ茶色のコタツに下半身をつっこんで、よく似た姉妹が睨みあっていた。彼女らが狙うのはコタツの中央にあるひとつの蜜柑である。キラキラと電気の光を受けて瑞々しく輝く蜜柑に、二つの手がかけられて止まっていた。「ここは年長者を尊重するべきじゃないかしら」 姉の言葉に、妹は反撃する。「年長者だからこそ譲るべきよ」 そこからは、淡々としたやり取りが繰り広げられるのみである。しかし、集中を切らせばすかさずその隙をつかれ、巧みな言葉でたちまち蜜柑を奪われるのは目に見えている。「蜜柑愛を語ろうかしら。蜜柑は冬の必需品ね。わたしは蜜柑なしにどう生きていけばいいというの」「蜜柑愛を語ってどうなるのかしら。だいたい、お姉ちゃんは手がオレンジ色になるのが嫌なんじゃないの?」「あら、それはあなたのことでしょう。わたしは手がオレンジ色になるのも含めて蜜柑を愛しているわ」「どの口がそれを言うの。わたしなんて、蜜柑の皮をむく瞬間さえ愛しいわ。わたしに蜜柑を譲りなさい」「まあ。白状したも同然よ。蜜柑の下のほうと上のほうを貫通させて楽しむのでしょう。ちょうど指輪のようになるものね。食べ物を粗末にしてはいけないのよ」「粗末にしてはいないわ。わたしは蜜柑の皮をお風呂に浮かべるのもすきよ。ただそれだけ。皮をむくことからその遊びに走るなんて飛躍しすぎよ」「貴方、むくのが好きで白い部分もむいてるでしょう?あれはどうなの。栄養がつまっているというのに」「それはお姉ちゃんもでしょう。だいたい、お姉ちゃんが入ったあとの蜜柑風呂の蜜柑の皮がちぎれてるのよ。遊んでいるんでしょう」「何のことかしら。あなたがやったのではなくて?」 永遠に続くかと思われた口喧嘩の話題の中心ーーすなわち蜜柑がふいに消えた。「「あ……」」 目を丸くする二人のことを気に止めた様子もなく、しなやかな我が家の愛猫は蜜柑をさらっていった。
「人の命を軽く見るな!」「命をもっと大切にしろ!」「命はもっと大事なものだ!」う る さ い な ぁなんで、命を、そんなに、大切に、しなきゃ、いけない、そもそも命に価値があるのか、命が、生命があって何があったどうせ「お前が生まれた」とか「優しい人にあふれた」なんて考えもせずに言うんだろう命が、自分が大切だと思ってるから、自分の存在を否定されたくないんだろう理由もなく、深い考えもなくそう思うだろうどうやら、こいつらは根元から考えない物体らしい命は、とりあえず必要、そう考えて、否、錯覚している----------------------------------------------------------------------------------------命を大事にしろだの言うのに、戦争するとも言うこいつらは、命というのはどう転んでも知能が低いらしい私達に敵わないと分かっているのに、いや、こいつら程のバカは分からないのかもしれない私達から見れば岩に小石をぶつけるのと同じだ「いつか岩をも砕く」なんて言葉は通用しないそれほどまでに勝敗は明らかだ、火を見るよりも明らかだ1日目から私たちはこの「生命」と戦ったこの「生命」は驚くことに同じ種族としか意思疎通できないらしく、同じ形をした大量の物体が群がっていたいくら連れてきても私たちは疲れを知らない、一つ残らず根絶やしにするだろう結局無駄でしかないのだ、彼らにとっては殺してくださいと言ってるのと同じだ結果、圧勝だ完膚なきまでに勝った2日目も3日目もずっと同じだった約1ヶ月後この世から「生命」が消えたこの世に残ってるのは、まだ生暖かい手と私たちの冷たい、特殊素材でできた体だけだった
「お前は誰だ?」鏡に向かってそう問い続けると次第に精神が崩壊し、自我が保てなくなるという行為が学校内で流行っていた時期があった。ただ、この行為は長期的に続けることで起こるもので、遊び半分でやってる奴らはもって数週間程度であり、自我が保てなくなるほどの結果がでる前にやめてしまうのが大半だ。「お前は誰だ?」だが、俺は違った。毎朝鏡に写る自分に問い続けとうに半年は経っている。当初はこんな話を聞いて、毎朝鏡を見るわけだしちょっとやってみるかなどと軽い気持ちで始めたのだがいつの間にか日課になってしまった。「お前は誰だ?」かといってこれと言った変化はなく、ここまで続けても何も起きないのかと少しガッカリしている。今までの自分から変われるのではないのかと淡い期待をしていたのだがやはりこんなものに頼っていてはいけないのだろう。ただ、気のせいか自分の顔が少し変わった気がする。まぁきっとこれからもこの鏡に写ってる奴に問い続けても意味は無いのだろうけど折角なのでもう少し続けてみようと思う。「お前は誰だ?」お前は誰だ。お前は誰なんだ。いつも思うがこの鏡に写ってるこいつは誰なんだ。毎朝こうして顔を合わせてるが毎回写る顔が違っている。お前は誰だ。「……」街を歩くと鏡に写っていた奴らの顔がいっぱいいる。だから片っ端から聞いてみる。お前は誰だ。何も答えない、こいつはいつもそうだ。何も答えない。あまりにも無視されるものだから家にある鏡は叩き割ってしまった。だからこいつらも叩き割る。こいつも、あいつも。ふと知らない顔が写ってるのが見えた、どうやらこのガラスの目の前に写ってるやつの顔だ。聞いてみる。「お前は誰だ?」何も答えない。そうか。じゃあこいつも叩き割る。
「頭が小さいね」って言われると、脳みそが入ってないって思われてるように聞こえる。「顔が小さい」って言われると、顎がないって馬鹿にされてる気がする。「鼻が高いね」って言われると、魔女だと思われてそうでやだ。「鼻が小さいね」って言われると、顔の余白が大きい気がしてくる。「目が大きいね」って言われると、整形とか目頭切開を疑われてるような感じがする。「口が小さいね」って言われると、顎関節症を馬鹿にされてるようにしか聞こえない。「色が白いね」って言われると、海外だと黄色人種で東アジア人の中だと見分けがつかないのにって思う。「眉毛生えてていいね」って言われると、一生懸命整えてるのにって思う。「肌綺麗だね」って言われると、おでこのニキビを晒す気にもなれない。「細いね」って言われると、女として魅力がないように感じる。「オシャレだね」って言われると、イマイチ垢抜け切れない気がする。「髪キレイだね」って言われると、自分のフケが気になって仕方がない。誰もわかってくれない。あの子の方がかわいい、でもあの子よりは私の方がかわいい。こんな顔嫌だ、でも他の誰にもなりたくない。よく喋る陰キャ怖い、ネットモラル知らないDQN怖い、エセ金持ちの自慢怖い、よくあんな顔でSNSに晒せるね。私は可愛くない、だけど私よりブスな人間はいっぱいいる。あなたにだけ「かわいいね」って言われたい。あわよくば「俺は君の醜いところも好き」って言われたい。おそろいのVANSのTシャツ着たい。「いいのは見た目だけ」言われて何度目になるのでしょう。