SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】

第14回 SS小説大会 開催!〜 お題:争い、憎しみ 〜
日時: 2017/09/09 19:00
名前: 管理人 ◆cU6R.QLFmM

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【日程】

■ 第14回
(2017年9月2日(土)〜11月30日(木)23:59)

※ルールは随時修正追加予定です
※風死様によるスレッド「SS大会」を継続した企画となりますので、回数は第11回からとしました。風死様、ありがとうございます!
http://www.kakiko.info/bbs_talk/read.cgi?mode=view&no=10058&word=%e9%a2%a8


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【第14回 SS小説大会 参加ルール】

■目的
基本的には平日限定の企画です
(投稿は休日に行ってもOKです)
夏・冬の小説本大会の合間の息抜きイベントとしてご利用ください

■投稿場所
毎大会ごとに新スレッドを管理者が作成し、ご参加者方皆で共有使用していきます(※未定)
新スレッドは管理者がご用意しますので、ご利用者様方で作成する必要はありません

■投票方法
スレッド内の各レス(子記事)に投票用ボタンがありますのでそちらをクリックして押していただければOKです
⇒投票回数に特に制限は設けませんが、明らかに不当な投票行為があった場合にはカウント無効とし除外します

■投稿文字数
200文字以上〜1万字前後まで((スペース含む)1記事約4000文字上限×3記事以内)
⇒この規定外になりそうな場合はご相談ください(この掲示板内「SS大会専用・連絡相談用スレッド」にて)

■投稿ジャンル
SS小説、詩、散文、いずれでもOKです。ノンジャンル。お題は当面ありません
⇒禁止ジャンル
R18系、(一般サイトとして通常許容できないレベルの)具体的な暴力グロ描写、実在人物・法人等を題材にしたもの、二次小説

■投稿ニックネーム、作品数
1大会中に10を超える、ほぼ差異のない投稿は禁止です。無効投稿とみなし作者様に予告なく管理者削除することがあります
ニックネームの複数使用は悪気のない限り自由です

■発表日時
2017年12月3日(日)12:00(予定)

■賞品等
1位入賞者には500円分のクオカードを郵便にてお送りします
(ただし、管理者宛てメールにて希望依頼される場合にのみ発送します。こちらから住所氏名などをお伺いすることはございませんので、不要な場合は入賞賞品発送依頼をしなければOKです。メールのあて先は mori.kanri@gmail.com あてに、■住所■氏名 をご記入の上小説カキコ管理人あてに送信してください)

■その他
ご不明な点はこの掲示板内「SS大会専用・連絡相談用スレッド」までお問い合わせください
http://www.kakiko.cc/novel/novel_ss/index.cgi?mode=view&no=10001

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平日電車やバスなどの移動時間や、ちょっとした待ち時間など。
お暇なひとときに短いショートストーリーを描いてみては。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

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忘れよう ( No.24 )
日時: 2018/02/01 20:16
名前: 刹那

やけに時計の音が大きく聞こえる。
心臓の音も。
前に好きな人がいるからだ。
周りに結構、見物人がいるのもある。
月がきれい。そんな言葉もあるけれど。
寒い。
また時計の音が聞こえだした。
時間が経っているからか、ざわめきが。
1深呼吸。
「僕t」
今まで、仲良かった、できればこのままいたいけど
このままじゃいやなんだ。
寒い。
「o」
いうならやっぱり、
「         」
 抱きしめられた。

虚無 ( No.25 )
日時: 2018/02/16 18:51
名前: 流聖

「みすずさま!早く、いって!」

「な、何いってるんだよ!そしたら、お前が…」

「皆を助けるためです!」

ブチッ何かの切れる音がした。

「皆って誰だよ!私の皆はお前もはいってんだよ!」

もう嫌だ。この世界に生まれてきた以上戦争は避けられないことは知っている。それでも思わずにはいられない。

敵って本当に殺さなくちゃいけないの?

100人のためなら1人が死んでもいいの?

犠牲の上に成り立った生なんて嬉しい?

殺す。敵を消滅させていく。血飛沫があがる。

真面目な部下は言う。

「みすずさまはこの命に変えてでも守って見せます。」

何を?それは体だろう。部下は体を守るんじゃない。主の幸せを守れよ。体が無事なら幸せだと思ってるのか。残された側の気持ちも考えないで。

兄は言う。

「君に置いていかれるくらいなら、僕が君を置いていく!」

兄は知っている。置いていかれる側のきもちを。私も知っている。だからお兄ちゃんは味わわなくていいよ。

今日も人を殺す。

「みすずさま、何しているんです?」

ザクッザクッ同じ作業をずっと繰り返す。夜が明けて朝が来ても繰り返す。
私は土を掘る。墓を作る。自分で殺した者を埋めるために。
夜がくる。月が彼女を照らす。今日も土を掘る。

浮気 ( No.26 )
日時: 2018/02/23 20:02
名前: マシュ&マロ

・ ・ ・やぁ...こんばんは、僕は今腹に包丁が刺さって自宅で横たわっているんだ.......まぁ、僕の命が尽きるまでの間だけ暇潰しにこれまでの経緯でも話そうかな....どうして、こうなってしまったかを..........。



僕は至って普通の人間だった...そこらへんの学校に通い、小さな中小企業にも就職でき、子供も二人できて平凡な家族にもなれた.......だけど僕には人には言えない部分があった.....それは“浮気”だ。

ダメなのは分かってる、分かってるのだけどバレるかバレないかのギリギリのスリルが僕はたまらなく好きなのだ....まぁ、これまでも浮気相手に挙げるはずのバッグを妻が見つけてしまい妻へのサプライズの物だったとか何とか言って誤魔化したり、他にも妻が僕の携帯を勝手に見てしまって浮気相手との連絡先を昔の女友達だと言って難を逃れたりした....そんな事なら浮気相手と別れるのが普通なのだが、僕の場合このスリルが堪らないんだよね。


しかし、そんな事を続けていたら妻もバカじゃないから僕を疑い始めてきた、だがそれも僕お得意の[嘘]で誤魔化し続けてきた。 これでやっと一安心かと思っていたが大間違いだった....それは、今までで一番のピンチだ、それは ・ ・ ・ ・ まぁ僕の回想と一緒にでも説明しようかな_________。





今は夜、僕は会社から帰宅する途中だった、そんな時に妻からの電話があった

「んっ もしもし.....えっ! 知らない女の髪?、それは何処に?....うん......はい..分かった、すぐ帰るよ」


僕は心臓の速まりと共に早くなる足取りで夜道を歩いていた、そして焦っていた....どうしてかって? それはね、浮気相手は実は外国人なんだよね....それでもちろん綺麗な金髪でそこも彼女に惚れた理由の一つだ....それは置いといて髪が見つかった場所が夫婦のベッドの枕元というのは凄くまずい事になった、あぁ神よ...お救いください ・ ・ ・ 。


家へ着いた僕は重く感じる心を背負って家へと入っていった。


「どういう事よッ!!」

「まっ、待ってくれよ、これは何かの手違いだよ、それと子供達も寝てるだろうし」

「そこは心配ご無用、子供達は隣近所に預けてあります!」

おっと、これでは僕を守ってくれるものは無いということになるな....それでは僕お得意の大嘘で誤魔化すしかないかな。

「それじゃあ夫婦二人でじっくり話し会おうじゃないか」

そう言って僕は妻と共に椅子に座り面と向かって対面した。

「それで、もし僕が浮気をしていたら君はどうするんだ」

「ん〜〜そうねぇ.....まずは殺すかしら」

何とも恐ろしいワードだ、しかもそれを淡々と言えるとは今の妻は本気だ。 僕の頬から一滴の汗が垂れ落ちた、今の状況はかなりまずい。

「な、なら一つ聞くが君はどうして僕を疑う必要がある?、今までとても愛し合っていたじゃないか?」

「 ・ ・ ・ ・ は〜〜、じゃあ証拠が欲しいって訳ね」

そう溜め息をつくと妻は何処かへと消えてしまった、だが少しすると彼女は包丁とスマホを片手に僕の目の前に現れてスマホを僕の顔に突き出した。 そこには寝言を言う僕がいた

「 × × × ちゃ〜ん、だいちゅきだよ〜.......ん〜君も僕をちゅきだってぇ〜 うふふふふ」


完全に浮気はバレていたようだ、これではどうしようも無さそうだ。 謝ろうかと顔を上げた僕は腹へと突き刺さる包丁の姿が一瞬だけ見えて僕の腹に痛みが走った。


「!!......あ!..あぁ...」

「アンタが悪いのよ、× × さん」

「.......!....!...」

腹の痛みに悶絶してしまい何も言えない僕は椅子から床へと崩れ落ちた ・ ・ ・ 。





そして今に至るわけだが....あっ! ごめん そろそろ僕には時間が来たようだ、こんな僕にはお似合いな死に様だろうな____________。

それは読み飽きた本を放り投げるように ( No.27 )
日時: 2018/02/27 20:15
名前: わよーん


今日も今日とて天上から地上を眺める私は、彼等の言葉を借りるのならきっと神という存在なのだろう。
『時間』という単位をつかうのなら、私がこの青い星を作ってからおおよそ46億年ほどたったように思える。
特にやることもなく、久しぶりに目を凝らして星の表面を見ると、何か細々(こまごま)したものがたくさん活動しているのが見えた。彼等はどんどん増えていき、進化を繰り返していった。そんな彼等に私は奇跡と呼ばれるものを見せたり、面白半分で天罰を下したりした。別に彼等が何かしたところで私は困らなかったが、あわてふためく彼等を見るのも楽しんでいた。彼等が築きあげた文明は大きく栄え、地球は夜でも光輝くようになった。

「成長っていうのは速いもんだねえ。見ていて飽きないよ。」

地上の様子は目まぐるしく変化し、ずっと見ていて飽きることがなかった。ここではやることが無いから、他の生物がいない星を見るよりずっと良い暇潰しになった。

ある時、小さな変化に気づいた。どうやら人間は戦争を始めたようだった。各地で絶えず争いが起こるようになり、その影響で地球はどんどん汚れていった。
人間は自分勝手な生き物だと思った。勝手に争い、勝手に憎しみの連鎖を起こし、勝手に減っていく。他の様々な生き物達はそんな彼等に殺されていった。
地球がその輝きを失いかけた頃、私は

「飽きた」

と片手間に地球を潰した。

愛と憎しみ ( No.28 )
日時: 2018/03/16 13:05
名前: ミニウサギ

どうすればいい?
どうすれば、彼女は僕だけのものになるだろう。
誰にも触れさせたくないし、同性だろうが異性だろうが誰かと彼女が話していると相手を殺したくなる衝動に駆られる。
ああ、彼女も憎くなってきた。殺したいほどに。
彼女の目、鼻、口…ありとあらゆるものが美しく、性格も聡明で優しいため、両性に好かれやすい。
彼女が他人に美しい、聡明だねと褒め称えるたび、彼女に触れるなと叫びたくなる。
しかも、彼女には許婚がいる。日本のかの有名な財閥の子息。彼もまた聡明で冷静な人間であるが、つい先日会った時、「この人は君の奴隷かい?」と言われた。彼は他人が思っているような人間でない。憎い。
しかも、彼女は彼との結婚を嫌がっている。しかも最近は話しかけてくれなくなった。
どうすれば、いいのか。
ある日、俺は気がついてしまった。
彼女を殺し、自分も死ねばいいのだと。
早速彼女を殺す最中、彼女は優しく微笑み、振り絞る声で呟いた。
「あり…がと…う。あの…人…はあなたを…殺す…つもり…だった」
と。
彼女の死後、俺も紐の輪っかに首を通し、息が途絶えた。
死ぬ直前、これで、やっと2人とも永遠になるのだと思うと、嬉しく思った。

葬式の日
「あの人元々頭おかしかったものね。猫を殺したらどうなるかなとか言っていたし…」
「でも、ある意味社会的には死んでよかったわね」
「ちょっと!死んだ人の事悪く言ったらダメでしょ!」
「そうよね…」

憶時 ( No.29 )
日時: 2018/04/12 23:20
名前: 飯尾沙 遥都

「−何もかも変えたくて、毎日ポストをのぞいてしまうの」

「−街を歩くときは、ヘッドフォンの音量を上げるの。だって何も聞きたくないから」

「−自分がまちがっていると言われたくなくて、意識したわけでもなくただ目をそらしちゃったの」

「−1人1人ちがう、なんて勝手な言葉だよ。1人1人ちがうなら戦争が終わるわけないの」

「−だって、みんな自分が正しいと思って行動してるんだもん」

「−ねぇ、」

「−本当に『正しい事』ってなんだろうね」


「−ごめんね」


「−    」

「−    」






「僕は、『正しい事』なんて…何ひとつ分からないよ…」

「僕は君を救えなかった…」

「何ひとつ出来ない僕に…そんな大切な事…言われたって…」


「『苦しい』なんて…、『死にたい』なんて…」

「そんな事…」


彼女は、僕に未来を教えてくれた。
彼女は、僕に明るさを教えてくれた。

僕にとって彼女が全てだったんだ。


最後に見た彼女の姿。

白い肌、長い黒髪。
全てを染めた赤。
痛々しく曲がる手足。



「彼女のいない世界なんて意味がない」


…なんてよくある台詞だけど。

僕のくだらない人生の最後にはお似合いの言葉だ。

そうして僕は自分の首に手をかけた。


最後見た世界は黒く、黒く煤けてる世界。

強者が弱者を殺める世界。

真実を知った者が前に進めなくなる世界。


彼女が教えてくれた明るい世界。


真っ赤に染まった暗い世界。


そんな世界から消えよう。



ばいばい、こんな暗い世界。

さようなら。




最後の一瞬。

一瞬だけあの大好きな彼女の顔が見えた気がしたんだ。



ーENDー

腐死人ごっこ 短編 ( No.30 )
日時: 2018/05/02 23:15
名前: たぐばぁ&ぐちたろう
参照: http://taguba to guchitarou shousetsu tanpen

腐死人ごっこ 短編
天界の学校鬼ごっこ

今回の鬼ごっこルール!
1、鬼側と人側に分かれて鬼ごっこ
2、鬼は人とバトルして勝ったら捕まえられる。人は勝つか戦い途中で逃げられればセーフ
3、神器・家宝・魔法の使用はOK

今回の鬼ごっこは人側か。まぁ、私(ウルヴァン)は守護神だし、捕まえるより逃げた方が勝てるな。
今回の鬼で気を付けなきゃいけないのはブレイクだな。私の幼なじみ。破壊神で攻撃力が高いから負けやすい。
今回の鬼ごっこは3時間。今は2時間目に突入。逃げてる人はもう少ないだろう。
私は校舎の影に隠れて移動している。伊達に狼の神ではない。バレない。
残り10分。
そろそろバレるな。実際にさっきから影を探せ!ってブレイクが叫んでるのが聞こえる。
ブレイクに勝負仕掛けに行くか!
私はブレイクの前に飛び出した!
「出たな!ウルヴァン!ふたりで正々堂々勝負だ!」
「望むところ!私に勝ってみそ!」
ブレイクが大太刀をブンブン振りながら叫んだ!私は冷静に答えた。
私は神器“ウルヴァン・シールド”を取り出して構えた。
私の楯は2つセットだ。大きい楯だから攻撃のできる隙間はない!
ブレイクは大太刀をブンッとひとふりした。私は楯で受け止めようとしたが弾かれて楯を1つ飛ばされてしまった。
(クソっ!)私は心の中で舌打ちした。
「守護神の結界!」私は結界を発動させた。
結界の外と内側の壁で真っ二つに割ることがたまにできる。結界は守るだけではない。頭を使えば攻撃にも転用できる。
ブレイクはサッと飛び退いて結界を避けた。
「破壊の心得!」ブレイクは叫び、力を大太刀に込め、ぶっぱなす!
パキキキキ!!!
結界が破壊され、その勢いを使ってブレイクはウルヴァンの体を切り裂いた!
よし!勝った!とブレイクが思った瞬間、利き手の右手の感覚がなくなった。
右手を見ると、肘から先が無くなっている。
今回の鬼ごっこのルール的に再生は行われないが、血は出ないようになっている。
だから、今回のこの怪我はさしてグロくはなかった。
(さっき切ったヤツは分身か。やるな)ブレイクはニヤッと笑みがこぼれた。
(オレを切った本体は真後ろにいる。オレの方が素早さは高い!時間的に分身は作れない!鬼ごっこ終了時間的にキメに懸かってくるだろう)
ブレイクは振り向きざま横に大太刀を振った。確実に切った感触が伝わってきた。
「うおっしゃー!鬼の勝ちだぜぇー!!」
ザク!
喜んだブレイクの体が上半身と下半身に分かれた。
けっこう重度の怪我だったからすぐに再生はされたが。
「今回の鬼ごっこの勝者は…人側だ!おめでとう!」
先生の終了の合図で鬼ごっこは終了した。

「なんで2回目でオレが先に切ったのに生きてたんだ?」ブレイクが質問してきた。
馬鹿なブレイクでもわかるように丁寧に説明した。
私の楯は形状変化できる。あの楯は水属性だから水に変化する。
まず、楯で1体分身を作る。
1回目に切られたときは楯を身代わりにしたのだ。
その楯が壊れた瞬間にとりあえず家宝の“水狼の牙”で右腕を落とした。
そしてもう一度破壊された楯の水で横殴りに切られる瞬間に分身を作った。
分身を切った時に切った感触がしたのは、私の避けられなかった左手を切った感触だったのだろうと伝えた。
最後は“水狼の牙”を横殴りに振ってブレイクの体を真っ二つに切り裂くことができたのだった。
実際に鬼ごっこが終わったあと、私の左手は無くなっていた。
「今回の勝負は私の勝ちね!私の分身を作る速さを舐めちゃだめだよん」
「クソっ!うざいな!次はオレが勝ってやるさ!」
「ふふん!返り討ちにしてやる!」

勇気 ( No.31 )
日時: 2018/05/26 21:15
名前: 大宮裕也


俺は勇気が欲しい

なぜかって、
俺は意気地なしだからだ。

木に登る事も出来ない

屋上から見下ろす事も出来ない

1人で遠くに出かける事すら怖い!

俺はこんな意気地なしだ。

そんな俺が憎い部分もある

だがしかしそれとは別に
勇気がない事は明らかだ。




さて勇気を
どうやって手に入れようか

インターネットで
調べた方法も役に立たない

本で調べたところで効果はない

このままじゃ俺は
意気地なしとして生きてく事になる

俺への罰としては良いが

それだけは流石に避けたい。

ただでさえ
会社では叱られているのに、

さらに憐れみの目を
向けられるなんて無理だ。

どうすれば良いんだ…

そうだ、
ドッキリを仕掛けよう

俺は驚かせれるって事が分かれば
意気地なしにはならない

それなら勇気があるも同然だろう、

思い立ったら行動だ。

だがどんなドッキリにしようか

やはりここはピエロだろうか。

よし

決めた






ちゃんとピエロの仮装もした、

道具も持った、

うん、完璧だ!

あとは会社へ向えば良いだけ、

車で移動するのは久しぶりだな…

いつも電車通勤だからな

あぁ、やっとこれで

勇気が

手に入る

もうそろそろ会社に着くぞ

さぁ、最期の準備だ!


よしよし、みんな驚いているな

私は道化師です、って言って…
『私は道化師です』

貴方達を殺しに来ましたって言って
『貴方達を殺しに来ました』

ナイフを構えて、

最後は

さよなら、だな!
『サヨナラ』

あとは簡単だ、
ナイフを刺してくだけ!

ほらもう五本も刺したぞ?

これで勇気が手に入った。

あぁ、

そう言えば今なら
なんでも出来る気がする

そうだ、

まだやり残した事があるじゃないか

本当の目的

それは "俺を殺す事" だろ?




あぁ

やっとここまで来た

前は木に登る事も

屋上から見下ろす事も
無理だったのに!

今じゃ屋上から見下ろせる

さぁ

終わろう



『あぁ、やはり勇気のお陰だ
俺への復讐はこれにて終了だな』



満腹の餓鬼 ( No.32 )
日時: 2018/05/31 13:44
名前: 通俺



 それはむかし、むかーしの話。あるところに、一匹の餓鬼がおりましたとさ。そいつは腰布一枚だけ巻いて、いつも山の中で暮らしておりました。
 この餓鬼というものは魍魎の類で、生まれた時から何かを食べており、常に何かを腹に入れていないと気が済まない。また、いくら食うても満腹になれずただはち切れそうになる腹の痛みとそれでも襲ってくる飢餓の感覚に悩みながら生活をしておりました。

 ある日、シカを食べました。切り分ける息の根を止めることも我慢できず、丸のみです。けれど満足できません。
 ある日、木を食いました。存外食べごたえこそありましたが、不味いし満腹にもなりませんでした。
 ある日、池を飲み干しました。水なら湧きつづけるので限界まで行ける。そう思いましたがただ張り裂けんほどに腹が膨らんだのみで、そこに充実は一切ありませんでした。

 不味いことはわかるのに、美味しいということがわからない。せいぜい食いやすいとか、その程度。満腹感を覚えたことはないが、空腹というものはよくわかる。
 いっそのことと、腹を空っぽにしてみました。どうせ食うても駄目なら食わなければいい。当然、空いた腹は普段よりも激しく苦しい飢えを訴えていした。餓鬼はこれを無視し、耐えてみることにしました。
 ……数刻の後、辺り一面のものは彼の腹の中に納まっており、その痛みと気持ち悪さで吐いて、また口に入れるものを探しに行きました。
 
 我慢ができない、しょうがない。再び、終わらぬ食事の日々が続いた。少しの後のこと、餓鬼の寝床の近くに奇妙な来客が居りました。
 どうやらその者は、山の近くにある村の代表者らしいのです。彼は餓鬼を見ると仰け反りましたが、少し時間がたつと冷や汗を垂らしながら話を始めました。
 
「おお餓鬼よ、何故山を食い荒らすのか」
「腹が減るからだ。お前らも腹が空けばものを食うだろう」
「程度があろう。このままでは我らが飢えてしまう」
「知れたことか、さっさと出ていかんと貴様も食うてしまうぞ」

 餓鬼が山を荒らすことで山の恵みが減る。もうすぐ冬が来るというのにそんなことをされては。と言われても餓鬼にはどうしようもありません。
 こちらとて飢えるのだ、苦しいのだ。ふざけたことを抜かすのなら……それ以上言う前に、いつの間にか男は逃げるように帰っていきました。

 まったく変な男だった。そう思いながら熊を捕まえた次の日。
 そのまま熊を寝床に持ち帰ると、もっと奇妙なものが居りました。年端もいかぬような子供です。
 ボロ着一枚だけの少女が一人、彼の寝床の近くにポツンと立っているのでした。

「これ、そこの。人のねぐらの近くで何をしている」
「……」

 少女は何も答えません。ただひたすらに無感情の視線を返すのみです。随分と胆力がある子なのか。そう思いもしましたが、本当のところはただ諦めたゆえの境地だと気が付くのにそう時間はかかりませんでした。
 どうやら、彼女は村の生贄にされたようなのです。その手に持っていた一通の手紙から、餓鬼は幼い子供が好みであることを聞いたとか、それをやるので少しでも食べる量を減らしてほしいといったことが書き連ねてありました。

「まったく、誰がこんなやせ細った稚児など好むものか」

 餓鬼にとってそれは心外でした。それは大方どこぞの山姥か何か、いや他の餓鬼でも指しているのではないか。少なくとも餓鬼にそんな嗜好はありません。
 これが丸々太っていればあるいは……とも思いましたが、ほつれた衣服から覗く腕や足の細さから言って殆どが骨と皮です。食いでないそんな子供など腹に入れたところで一日も持たないでしょう。
 大方、生贄という発想に至った後村で厄介者扱いになっていた子供を渡してしまおうということだったのでしょう。

「お前など食うてやるものか。山で野垂れ死に、獣の血肉にでもなるがいい」
「……」

 かと言ってそのまま食うのも気に食わない。彼は子供をほったらかし、熊を食い始めました。流石に熊を生きたまま食うのは不味いか、そう思った彼は四肢をそぎ、大まかに切り分けてからそれを腹に入れ始めました。
 しかし、普段よりもまったく手が進みません。少女がじっとこちらを見つめていたからです。餓鬼は生まれてこの方、ずっと一人で食事をしてきたののですから誰かに見られながら食べるというのを体験したことがなかったのです。
 ようやく熊の腕一本腹に入れ終えると、彼は苛立った調子で子供に話しかけました。

「人の食う様がそんなに面白いのか貴様は」
「……」
「それともそんなに食うて欲しいのか」
「……」

 少女は何も答えません。ただ無表情で揺れない視線を返すのみです。そこまで困るのならば殺してしまうのが一番手っ取り早かったのでしょうが、彼はそれをすると負けた気分になるだろうと思いました。
 ふと、まだ残っていた熊の肉が目につきました。同時に彼女が酷く痩せていたことを思い出しました。

「……」
「……?」

 単なる思い付きですが、餓鬼は木を食うた際に零れ落ちたのであろう枯れ木を集め、火をおこしました。小さく切り分けた肉を炙り、子供に渡してみました。
 しかし、少女は僅かばかり首を傾けただけで、まったくその意図を介していません。しびれを切らした彼は強引に熊肉を少女の口の中に突っ込みました。

「ッ! …………」
「どうだ、うまいか」

 肉の味など味わったこともなかったようで、少女は目を見開きました。そうしてゆっくりと顎を動かし始め、咀嚼を始めました。
 餓鬼はそれを見て、美味なんて分りもしないのにそう零し、自分の食事に戻りました。気のせいか先ほどよりも手が進み、自分でも熊の手を炙ってみたりして口に入れています。ですがやはり、味がわかりません。木などに比べればマシということはわかるのですが、美味しい……とは思えませんでした。

 数分後、気が付くと少女が先ほどよりも近寄ってきているのが餓鬼にはわかりました。どうしてか、その眼には先ほどよりも活力というものが宿っている気がします。それを見て少し楽しくなった餓鬼。また適当肉を焼いては渡しました。女の子は今度は素直に受け取り、ゆっくりと口に入れます。

「──っ、ん!」
「……そうか、うまいか」

 ようやく、年齢に見合った振る舞いを彼女は見せました。両手でほっぺを押さえ、その感覚を少しも逃がしたりはしないとしながらも感動で打ち震えています。
 ここまでは餓鬼の思いどおりでした。精神的に死んでいて自分を恐れもしなかった少女、彼女に食料を与え生への渇望を取り戻させる。
 その後に……実に魍魎らしい思考をしていたのです。ただ一つ、誤算がありました。

「木の実も食うか、何か食うてみたいものはあるか」
「ぁ、あ!」
「そうか、今は肉がいいか」

 餓鬼はすっかり、とても美味しそうに物を頬張る彼女にほだされていたのでした。溢れんばかりの喜色を放つ彼女を羨ましく思い、別に食うのはまた後でいいかと彼は企みを先送りにしました。
 熊を一頭、二人で食べきった頃には少女は疲れと満腹感からか眠りにつきます。とても幸せそうに眠る彼女を見て、餓鬼は微笑みました。
 さて、じゃあ自分は次の獲物でも……そうやって出かけようとした時です。彼はあることに気が付きました。

「……?」

 腹をさすり、調子を確かめます。
 不思議と、空腹感がありません。それどころか、どこか満ち足りた……今まで感じたことのない幸福感がありました。眠気がありました。
 餓鬼は、彼は、少女と食事をともにしたからでしょうか。
 いつの間にやら、満腹になっていたのです。




--終
 

星と涙 ( No.33 )
日時: 2018/06/01 00:15
名前: 一青色

あいつは頭が良い。
顔が良い。
性格も良い。
運動だってできる。
財産だってある。
俺が初めて敗北した相手で、憎くて憎くて仕方なかった。幼い頃からずっと。あいつさえいなければ俺は選んでもらえる立場なのに、あいつがいるから選んでもらえない。
「涙(るい)、一緒に帰ろう」
同じ学校で、同じクラスで、同じ部活で。
嫌で仕方ないはずなのにそれでも一緒にいる理由って一体何だ?
「涙、父さんとどう?」
「...関係ないだろ」
部活の帰り道。もうすぐ8時になる外は星が瞬いていた。
「母さんは、元気だよ」
「どーでも良い」
そっか、小さく言うこいつに罪悪感なんて覚える必要なんてない。それでも、胸が痛むのは何故なのか。
「俺ね、死のうと思うんだ」
「...理由は?財産があって、平和で過ごせる今の環境のどこに不満があるんだ?」
なぁ、教えてくれよ。
死のうと思う、そう言われて怒りがわくのに、殺意がわいたのに。それでも生きてくれと願うのは何でだ?
「死にたい?なら、俺が殺してやるよ?」
なのに矛盾した俺の行動。
そっと、細い首に手を掛ける。

本当はわかっていた。
嫌で仕方ないはずなのにそれでも一緒にいる理由。
「星、俺はな...」
こいつがただ羨ましかった。同じ日に産まれて、同じような顔なのに俺はどこか足りなくて。
父さんと母さんが離婚するときだって金持ちの母さんには当たり前のようにこいつがついていった。暴力の酷い父さんを俺に押し付けて。
「お前が大っ嫌いなんだよ」
だから、殺してやる。お前もそれを望んでいるから。
力を思いっきり込めて、首を締める。
苦しそうな呻き声。でも最後は幸せそうな笑顔で。
パクパクと口を動かして、力尽きた。
「でもな、お前はたった一人の俺の弟なんだよ」
双子の弟の星。嫌いになりきれなかったのは家族だから。そんな、綺麗事。

願わくばー...。
『涙兄、ありがとう』
最後の言葉がそうであったことを願う。
「俺も、すぐ行くよ」
パパーっと大型トラックのクラクションが鳴る。
まばゆい光が俺を照らす。
俺は、お前が憎いのと同時に愛しかった。
だからこそ、辛かった。
でも、それももう終わりー...。


〜遺書〜
僕は涙兄と二人が良い。
財産も、人望も、何もいらない。
生きていたくない。
息を吸うのさえ億劫だ。
なら、涙兄と死ぬしかない。
空っぽだ。


後日

「星くん、本当に死んだのかな」
「何、怖い。葬式だってしたじゃない」
「でもさ、涙君は生きてるじゃない?」
「植物状態だけどね」
「凄い、涙くんにコンプレックスあったんだっけ?」
「凄い執念ありそうだよね。まだここにいたりして...」
やだー、こわーい。
兄弟の美談だって周囲には格好のネタでしかないのだ。

(終)

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