【第16回 SS小説大会 参加ルール】■目的基本的には平日限定の企画です(投稿は休日に行ってもOKです)夏・冬の小説本大会の合間の息抜きイベントとしてご利用ください■投稿場所毎大会ごとに新スレッドを管理者が作成し、ご参加者方皆で共有使用していきます(※未定)新スレッドは管理者がご用意しますので、ご利用者様方で作成する必要はありません■投票方法スレッド内の各レス(子記事)に投票用ボタンがありますのでそちらをクリックして押していただければOKです⇒投票回数に特に制限は設けませんが、明らかに不当な投票行為があった場合にはカウント無効とし除外します■投稿文字数400文字以上〜1万5千字前後(1記事約5000文字上限×3レス記事以内)⇒ざっくり基準目安ですので大体でOKです■投稿ジャンルSS小説、詩、散文、いずれでもOKです。⇒禁止ジャンルR18系、(一般サイトとして通常許容できないレベルの)具体的な暴力グロ描写、実在人物・法人等を不当に題材にしたもの、二次小説■投稿ニックネーム、作品数1大会中に10を超える、ほぼ差異のない投稿は禁止です。無効投稿とみなし作者様に予告なく管理者削除することがありますニックネームの複数使用は悪気のない限り自由です■大会期間、結果発表等第16回SS小説大会 2023年9月12日から2024年1月8日まで(期間延長するかもしれません) 優秀作品発表…2024年1月9日(トップページ予定) お題(基本)…旅 お題(思いつかない人用)…自由 、■その他ご不明な点はこの掲示板内「SS大会専用・連絡相談用スレッド」までお問い合わせくださいhttp://www.kakiko.cc/novel/novel_ss/index.cgi?mode=view&no=10001******************************平日電車やバスなどの移動時間や、ちょっとした待ち時間など。お暇なひとときに短いショートストーリーを描いてみては。どうぞよろしくお願い申し上げます。******************************
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私は、一体誰?そもそもここはどこなの?洞窟のように、暗くジメジメしている。自分が、倒れていた場所は土の上で、大鎌や鍋、怪しい道具が、そこかしろに転がっている。壊れてバキバキに折れた鏡を見ると、とても自分とは、思えなかった。綺麗な顔立ちをしていたが、目つきは強く蛇を思わせ、血のように赤い瞳をしていた。長く黒い髪は、恐ろしいほど不気味で、美しかった。自分は、本当に自分なのだろうか?とりあえず、この暗くてジメジメした洞窟から出ようと扉らしきところを、開けると外は桃源郷のように綺麗な大樹がそびえ立った森の中だった。その時から、長い年月がたち、その自分を誰か知らない人間(魔女)は、旅に出た。自分を知る旅に。自分が何者であるか、その旅で知ることになる。そして、自分が偉大な魔女となり、人から怖いと言われる容姿と関係なく慕われる大魔女になるのでした。「はい。おしまい。大魔女の物語でした。」「ええ〜。旅のところを聞きたかった。」「はいはい。それは、明日ね。もう寝るのよ。」子供の母親は、優しく言うと子供に暖かい毛布を被せた。「それにしても、あれから十年以上になるのね.......。長いわ。でも、坊やはまだ知らないのよね。私が、大魔女の物語の本人だなんて。知ったらびっくりするだろうな。」
私は旅行が好きだ。大好きだ。いつも休みの日は隣県に出掛けその土地の景色を楽しみその土地の料理を楽しみその土地の宿でその日一日の疲れを癒しその土地の露天風呂に浸かりその日一日が終わった事を実感し安堵してからその土地の部屋の中で眠る。こんなに最高で爽快で楽しい事なんかこの世にないだろう。更に大きい休み──ゴールデンウィーク、シルバーウィークとかだ──なら隣県を飛び越え、大都市に旅行し二泊三日や三泊四日の旅行を楽しむ。いつもの隣県と違って大都市の旅行は目を輝かせてその土地を楽しめる。中々行かない所に行くのは誰だって目を輝かせるだろう。こういう大きな旅行があった後、次はどこに行こうか? 次は日本を出ようかとか考えたりする。でも私はパスポートがないから外国に行くにはパスポートを作らないといけないし、かといって作るのも時間がかかる。申請日は基本的に市役所区役所とかだろうし、平日だよね。私はフルタイムで勤務しているOLだから平日に休むなんて中々出来ないし。だから外国旅行はいつも諦めてしまう。行きたきゃ会社を辞めるしかないしね。どうして土曜日も市役所や区役所、公共の施設は休みなのだろうか? ……まぁ私の所も土日が休みなんだけど。でも結構大都市は旅行しているから本当に次はどこに行こうか悩む。露天風呂が有名な場所とかはあんまり興味がないし──そもそもお風呂や温泉に興味がない、疲れた時に入るレベル。仕事しているけどそんなに疲れている訳でもないしね──かといって大都市とは言えない都道府県に行くのもお金の無駄だし。見て飽きない行って飽きない楽しめて飽きない場所が良いなぁとは思う。そういう所、大体大都市なんだよね。でも何回も同じ大都市に行くのも飽きちゃうよね。だから探すのに一苦労する。後旅行は基本的に一人だ、単独行動一人旅がいい。二人三人で行くとお互いがお互い行きたい所がちぐはぐで最悪一人旅みたいにバラバラになってホテルを最後の集合場所として観光する事になるからだ。だから前もって相談して決めるのが普通なんだけどそういうのめんどくさいから私は一人旅が好きだ。やっぱり気楽に行動出来る一人旅がいいよね、気楽っていい言葉だ。そもそも団体行動して旅行するのは割と大変なんじゃないだろうか? お互いがお互い行きたい所の取捨選択をしなければならないし。そりゃ行きたい所が一緒なら話は簡単に進むがお互いの行きたい所が別々ならどちらかが諦めて相手の、もしくは自分の行きたい所を優先してもらう事になるし。それはそれで大変だし。そりゃ相手だって望んだ場所に行きたいよね。だから私は自由気ままに出歩く事が出来る一人旅の方がいいのだ。私の考えに同意してくれる人は多いと思う。過半数は言い過ぎだが三割程度の票は取れるのではないだろうか? 大体一人旅に行く人は私の考えは分かると思う。……いや、一人旅する人はだいたいそうだろうと思うけど。しかし、次はどこに行こうか? 東京? 大阪? 名古屋? 博多? 京都? 北海道? 沖縄? どれも人が多そうだ。観光するのにも時間がかかりそう。人ごみはあんまり好きじゃないんだよね。行列とかがあんまり好きじゃない。待つのは好きじゃないし。いや誰だってそうか。待つのは退屈だし長ければ長い程イライラが募るし。だから大都市であってもあんまり人が集まらない都市で、人も散り散り、まばらな感じの大都市が好きだ。そんな大都市はそこ迄ないんだけどね。それはネットで調べたり検索してその土地の混雑状況を知らないといけないけど。しかしマジでどこに行こうか? 本当に悩む。私は顎に手を当てて考える。旅行は好きだ、大好きだ。だけれどいきなり「今行きたい所はどこですか!?」なんて聞かれたら誰だって悩むだろう。前々からどこそこに行きたい人はそれをパッと答えられるが私みたいに旅行を毎月行く人や行きたい所を行って帰ってきた後に先程の質問を聞かれた人は回答がしずらいだろう。行きたい所なんてパッと聞かれてすぐ答えられない。少しどもるだろう。はぁ、どうしたものか、私は中々行きたい所が思いつかなかった。その場で悩み続けた。……えぇい、仕方ない! 私はそう思いポケットの中のスマホを取り出した。答は簡単、『オススメの観光地紹介サイトを検索する』という暴挙に出た。……いや、暴挙ではないな、一つの手段だな。私は両手の親指で検索エンジンに『観光地 オススメ』と、検索する。するとすぐにヒットする。一番上はPR──広告のサイトだ、これは信用してもいいが今は要らない──なので除外してスクロールしてたまたま目に入ったサイトをタップする。そのサイトは『初心者でも楽しめる! オススメ観光地!』と、書いてあった。ふむ、中々いいサイトだ。私は鼻が高くなった傲慢な気持ちでサイトを見る。ナイスだ、私。そして目次を見る。……やはり東京や大阪、名古屋、博多の四強がある。北海道も沖縄も書いてある。そりゃそうか。有名どころを書いたらそりゃこれらの都道府県が出るか。私はずっと目次を見続ける。すると神奈川、群馬が出てきた。東京から大体一時間で両県は行けると、書いてあった。ふむ、両方行った事がないなぁと、思いながら目次からタップして移動する。まずは神奈川だ。神奈川と言えば横浜、鎌倉、横須賀が有名だ。やはり見てもこの三つが有名だな。記事でもこの三つが紹介されていた。すると見た事がない場所を見つけた。それは川崎だ。川崎とはどこだろうか? そう思いながら記事を見る。川崎は川崎市という市の名称であり、神奈川でも結構有名な土地だった。しかし中身の観光にはあんまり興味が無かった。だってそこ迄惹かれるような……いや魅(ひ)かれるような場所が無かった。工場の夜景なんか誰が見るか、男なら分かるが私は女だ。なので川崎は辞める事にした。次は群馬を見る事にした。……群馬ってあの群馬? グンマー帝国と呼ばれるあのグンマーか? 黒人の半裸の写真、竪穴式住居とかが市役所扱いされてるあの群馬か? 見所あるか? いやあるのかもしれないが私にはハッキリ言って分からなかった。とりあえず見て判断する事にした。…………うーん、良い所はあるのはあるのだが……結構遠い。電車やバスで乗り継いで行く場所が多かった。私としては徒歩で行ける場所がよかった。電車やバスの公共交通機関は使うのはありだがそれだと結構移動費がかさんでしまう。それはなるたけ回避したい。いくら旅行が好きだと言っても移動費で旅費がかさんでお金が無くなるなんて事は避けたい。いくら仕事をしているOLだと言ってもお金には限度、限界がある。その限界をどう回避して良い旅館、宿、その土地の料理を楽しめるかが鍵となる。うーん、今回は群馬は却下かな。また次の機会にお願いします。私はそう思いながら目次へと移動した。さて次はどこの都道府県を見ようか? さっきのは首都圏の範囲だったので今度は九州地方にフォーカスしてみる事にする。博多以外で良い所はあるだろうか? 目次を睨みながら見て九州の土地を見つける。次は熊本と鹿児島だった。鹿児島はいいけれど船や飛行機とかで移動しないといけないからな……飛び地みたいだよね、島。だから鹿児島はキャンセルで。じゃあ残るは熊本か。熊本はいいね、有名な黒いゆるキャラのクマが有名な土地だ。あの黒さは凄いよね。でも熊本って何か観光地あるっけ? そう思いながら見るが、そんなに行きたい所は無かった。酪農(らくのう)とかがあったが、個人的に牛に関わりたい、触りたいという気持ちは起きないし、牛乳もそれ程好きではない。朝に少し飲む程度だ。だから今回もパスだ。何か今日はパスする土地が多いなぁと、感じた。次はどうしようか? 中国地方にしようか? 東北地方にしようか? でも東北地方は寒いし中国地方は観光地としてはあまり話は聞かない。これまたパスか。私はその場で溜息を吐いてスマホをベッドに投げた。良い観光地が見つからないなぁ。次の大型連休はどうしようか? 私はベッドに寝転がって目を閉じた。旅行とは楽しいのに何故私はこんなにも悩んでいるのだろうか? さっさと決めたいのだが個人的に良い観光地が見つからない。うーん、どうしようか。また隣県の旅行にしようか? 安定の隣県クオリティ。私は大きく息を吸って欠伸(あくび)をした。どうやら検索し過ぎて脳味噌が疲れを検出したみたいだ。時間はもう夜の十一時、早く寝ないと明日の仕事に支障が生じる。私は布団の中に潜って寝る事にした。枕元にある照明のリモコンを使って部屋の電気を消す。部屋が真っ暗になった。これで寝れる。私は照明が完全に消えないと寝れない体質なのだ。さっさと寝れたらいいなぁ、私は頭の中の旅行の計画を真っ白にして寝る事を決めた。寝る前に何か物を考えていると人間はその考えている事に集中してしまい、集中力が寝る事を割いて考える事に集中してしまって中々寝れなくなるのだ。だから考えている事を消して私は寝ようとした。はぁ、何だか疲れたなぁ。私は息を漏らした。何で旅行に行くだけでこんな疲れるのか? 少し不満になりながら布団の温かさに体が蕩(とろ)けていく──旅行の計画はまた今度でいいや。明日明後日の私が考えてくれるだろう……そんなふわふわとした事を思って私は睡魔に襲われる── 完
私は加藤美菜子。ただいま旅行中よ。道に迷ったの。 友達と来ていた○○島。現地集合していた私達二人なのだけれど、友達は体調不良で、「行けなくなった。」と、島についてから連絡が来た。せっかく来たのだからそのまま帰らず、一人で観光しよう、と思っていたのだけれど·····いくらか観光したところで人のいなさそうな·····なんか木とかがいっぱいあるところに来たの。スマホを見るとバッテリー切れ。大学生になって立派に迷子よ。信じられない。家もない、交番や警察署もない。全く····。せっかく旅行に来たのにあんまりだわ。 ガサガサ。ガサガサ。·····あら?なんだか、後ろで物音がする。·····勇気を出して振り返ってみるか。えいっ! 「え?ネコ····?」 こんなところにネコがいるのね。ビックリしちゃった。 「にゃーん」 か、可愛い♡あ·····後ろ向いちゃった。え?もう行っちゃうの?ああ·····。ネコはスタスタと、歩いて行ってしまった。あ!そうだわ。ネコについていってみましょう!ついていったら出口が見つかるかもしれないし!·····それに、もっとこのネコを見ていたいしね。 ザッザッザ。結構、進んだんじゃない?あれ?なんか、木、少なくなってきてない? 「あ·····」 ほんとに出口見つかったわ。なんか人いっぱいいるところに来れたじゃない。ネコ天才。マジ感謝。 私、今日ツイてないと思ってたけど、めっちゃ奇跡起きた。よし!もうちょっと観光して、お土産買って、帰るか! いや〜結構色々あったけど、いい一日だったわ。
ゆうと「明日映画見に行こうぜ。」翼「クククっうへへ」ゆうと「おい大丈夫かよw」翼「馬鹿だなぁ 定期テストまで今日含め一週間だぞ。馬鹿め〜〜〜」ゆうと「お前いつも赤点なのに、どうしたんだよ やる気が出たのか。」翼「クククッやるき? 実力で点数を掴みに行く今回こそは。」ゆうと「そっかwそれじゃあがんばってね。」翼「まて」ゆうと「どうしたんだよ」翼「勉強は、まだ一つもしてないけど息抜きは必要だ、映画見に行こうゼ」歯を光らせた。ゆうと「何だお前 勉強しろ、じゃあな」翼「まて」ゆうと「今度は何だよ」翼「まさかこの私がNOプランだと思ったのか。」ゆうと「うん NOプランみたいな顔してるもん。」翼「顔は関係ねぇだろ ちょっと水飲むは。」水筒を取り出した。ゆうと「期末テスト俺も頑張んないとなぁ〜」翼「ぷは〜〜 水で喉が潤ウォーターってか」世界中「。。。。。。。。」翼「定期テストで、総合平均点を超えなければ、私は殺されるだから俺の寿命も残り一週間だ」ゆうと「なんで殺されるんだよ」翼「前の期末テストの数学13点だった その時に親に殺されるんじゃないかと思ったよだが今回こそは、悪い点を取ったら確実に死ぬ気がする。」ゆうと「じゃあ今回は頑張れよ」翼「おう」テスト当日翼「おい ゆうと」ゆうと「なに」翼「やばい すべてがわかる、見えるぞ。」ゆうと「よかったね」翼「冗談だけど、今回はガチで頑張るから。」ゆうと「目標は」翼「全教科平均点超え」ゆうと「がんばれよ」テスト返却当日先生「はい今回は、すこしがんばったな」翼「え、まぁはい」今回って、バカ失礼だなあいつ。ゆうと「平均点超えた?」翼「ククククククッ」ゆうと「がんばったな」翼クククっっ ゆうと「死なずにすんで よかったな」翼「おすすめの墓場教えて。」完
「ヒナさんですね」 相手は、物腰柔らかな男性だった。 「数週間日にちが空きましたが、お元気でしたか」 彼―ジュンさんはそう尋ねると、遠慮がちに笑った。 ジュンさんとは町の喫茶店で出会い、お互い短文の挨拶を交わした。初日はそれだけですぐ別れたのだが、後日チャットで『また会えませんか』と連絡を貰った。 それから週に二回ほど落ち合うようになり、アニメという共通の趣味を持っていることが分かったとき、私は思わず子供のような甲高い声を出してしまった。 相手は同い年だけれど、自分よりもずっと大人びていた。敬語を多用する癖からも、礼儀正しい真面目な性格が伺えた。今まで会ってきたどんな人とも違う。うまくやれるかビクビクしていた。だけどそれは杞憂に過ぎなかったのだ。それがとても嬉しかったし、ありがたかった。 「はい、元気です」 今日の集合場所―広場の噴水の前。私はこの日の為に新調したコートの襟をいじりながら返す。「それは良かった。ところで、今日はどうしましょうか。街へ一緒に行くのでもいいですし、見たい商品があるなら、そっちからでもいいですよ」 広場があるこの場所は小さな商店街になっていて、通路に沿って様々な店が軒を並べていた。どの店舗の前にも多くの客の姿があり、それぞれが楽しそうに話している。「うーん。そうですね。服はこの前高いのを買っちゃって、今手持ちなくて。配布されたチケットも、このあいだうっかり使っちゃって……」 せっかく自分を気遣ってくれているのに、せっかく自分と行動を共にしてくれているのに、申しわけない。声が徐々にか細くなっていく。「すみません」「あはは、僕もよくあります。配られたらついつい、使いたくなりますよね〜」 怒られると思っていたが、ジュンさんはひらひらと右手を振っただけだった。愛用している紺色のパーカーの装飾が風に揺れる。「じゃあ、やっぱり街に行きましょう。この前飾ったイラスト、見に行かなきゃいけないですしね」 軽い口調で彼が言う。私は「あ、はい」と返事をし、彼の後に続いて歩こうと、足を一歩踏み出して……。 画面の上側に記された【25:00】という文字に、ハッと息を呑んだ。 広場は、西からの太陽光で明るく照らされていた。影が長くのびるくらい、いい天気だった。雲一つない快晴。清々しい空気の下、めいめいにお洒落をした人々が駆けていく。昼真っ盛りの、平和な光景。「ヒナさん?」 ジュンさんがくるりと振り向いて、首を傾げる。どうしたのかと、足を止めてしまった私に怪訝な表情を向けている。「どうかしましたか」 本人からすれば、親切心からの質問なのだろう。しかし言われる側にとっては、うわべだけの、ざらついた言葉のように……胸の奥深くを無遠慮に刺してくる刃物のように感じた。 ――いえ。 わたしは、ゆっくりと首を振る。 ――どうもしてないです。 それだけを言い、そそくさとジュンさんの横に並ぶ。 そうだ、これから街に出るのだ。華やかな景色をこの目で確かめるのだ。 そう自分に言い聞かせながら、黙々と足を進めた。 ■□■「雛乃、いつまでゲームをしているの⁉ いい加減寝なさい!」 自室のベッドに寝転がりながらスマホを弄っていた私は、入り口の奥から降ってきた母親の怒鳴り声にビクッと肩を揺らした。 扉の隙間から顔をのぞかせた母親は、はあと息をつく。その溜め息には、日々の疲れと—娘に対しての呆れが混じっている。「毎日毎日、部屋に引きこもって。勉強はしたの? 小テストの点数、ずっと赤点だけどそこのところ理解しているんでしょうね?」「うるさいなあ! ちゃんと勉強終わってからやってるし、お手伝いだってしたでしょ? 部活で疲れてんの。少しくらいやっても良くない?」「少しくらい、なら私も怒らないわよ。ただ、何時間もやってるあんたが心配で……」 自分のアバターを作って、可愛い町中を自由に散策できるスマホアプリ〈ドッペルン〉。はじめは暇つぶし程度に遊んでいたのが、いつの間にか現実逃避の手段のひとつになっていることに自分でも驚いている。 時間を忘れてつい何時間もプレイしてしまうこの状態が、「依存」と称されるのを知っている。「イベ廃」「ツイ廃」などの言葉が生まれるほど、現代の社会において依存は身近なものになりつつある。 まさか自分がそうなるとは考えてもみなかった。学校で友達が、「ちょっと依存気味でさあ」と愚痴るのを、「へえ、そうなんだ」気分で聞いていた私が、あっち側になるなんて。 人間という生き物は、関心のない事柄にことごとく無関心だ、という記事を思い出す。そうだ、あの時の私は本当に……本当に、興味がなかった。その対象に自分が含まれることになるなんて、知らなかった。 だからこそ、私はまだ納得できず反論している。 我も忘れてゲームに没頭してしまうこの現象が依存だと、未だに肯定できないのだ。ゲームでできた温和な友人を、所詮プレイヤーだ、と片付けてしまいたくない。だって彼が与えてくれた時間は本物で、綺麗で、「ネット」云々で終わってしまうほど脆くない。「……わかったよ。もう、寝るから」 私はつっけんどんに返すと、スマホの電源を切りベッドのわきに置く。畳んであった布団を広げ、その中に潜り込んだ。 母親の足音が遠ざかり、寝室に入っていくのを確認し、肩の力を抜く。 現実にはジュンさんみたいな友達は一人もいない。派手な子はいるけど、あそこまでキラキラしていないし、かなりの毒舌だ。そしてそれは自分も同じ。 ――ヒナさんですね。 あんなふうに、声をかけられたかったの。ただそれだけなの。 将来の不安や、今抱えている悩みを、全部忘れたかったの。 自分の見た目も恰好も変えて、知らない人と内容のないやり取りをかわすこと。それに意味を見出すことを生きがいとする人は、多分わたしだけではなく世の中に沢山いる。わたしのように、部屋から一歩も出ずに世界を旅する人は、世界に何人いるんだろう? ふと降りて来たくだらない思考。それを整理する暇もなく、瞼が下がっていった。
「由香は、どう思う?」「んー、無しかな」「そっかー」私の名前は塚津葵(つかず あおい)20歳私は今、中村由香(なかむら ゆか)と通話で一緒に同窓会に出るかって話になってたけど、、「なんか、話それてきてない?」「うん、で、結局どうする?」「そうだねー、私は出ようと思う」「おー、マジか、葵が行くなら私も行くわ」「よし、決まりじゃーい」「でも、よくよく思うけど、あのクラス地獄だったよねw」由香が言う「ああー、分かるwマジで最悪だった」私はそう言いながら中学の頃の卒アルを取りに行った「葵?」「ごめん、卒アル取りに行ってた」「ほほー、あの部屋散らかりまくりの葵がどうやって見つけたのだろう、、」「う、うるさいなぁ」ペラッ葵がページをめくる「やっぱり、みんな可愛いなぁ」「そうだね、このまま、こんな日々が続いたらいいね」「そうだね、この日々が私にとっての最高の日々だよ」私が微笑みながら言う
「ブルーハワイでお願いします」私の名前は青泉春乃(あおいずみはるの)15歳。今かき氷を頼んでいるところだった。子供の頃からかき氷は大好きで、特にブルーハワイ味は最高だった。海のような色に一瞬で興味を引かれたんだ。砂浜に立って一口かき氷をたべる。一瞬で暑さが吹っ飛んだ。「ちょっと海に入ってみようかな」私は足をほんのちょびっと海に入れた。そういえば、私は3歳ぐらいの頃に海で溺れてしまったそうだ。何度も探したけど見つからず、結局その日は諦めたとゆう。諦めるって。。私のこと死んでもいいってことじゃん。私そんな存在なんだ。ってその日は苦しかった。「もう15歳だしね。溺れるわけないわ。泳いでみようかしら」私は青い海に身を入れた。入った瞬間幼い頃の記憶が蘇った。あの時私は不思議なおびれを持つ人に助けてもらったけ?あれは人魚だよね。ブルーハワイのような瞳の人魚。ブルーハワイ色の海。「そんなこと思ったらもっと食べたくなっちゃった。また買おう」私が砂浜に出たら何かがぶつかってきた。私の体は押されて海に落ちた。「いけない!大丈夫!??」声がかすかに聞こえる。泳がなきゃ。あたり一面真っ青になりもう絶望した瞬間。。人魚が私を持ち上げた。ブルーハワイの目があった。その人魚は微笑んだ。「あ、ありがとう__」あれ?私息ができてる。人魚が私を包んだ。私は砂浜に上げられた。ブルーハワイの瞳が潤んだ。「今度また会おう」もちろん声なんて聞こえないよ。でも心に響く。「またね」という優しい声が。海に入ったら耳を澄まして。そうしたら。。魚たちの声が聞こえるかも。。
「キーンコーンカーンコーン」そんな鐘が鳴り響き、一日が始まり、一日が終わる。 僕は普通の中学校に通っている三年生だ。学校に通うのはとても苦しいが、時々楽しいこともある。そんな僕の一部の人生を、この小説に書こうと思った。「ガラガラ」この音と同時に、同級生からの悪口、冷たくて鋭い視線、重い空気が教室を包む。まるで、今すぐにでもここから出ていけと言われているように感じる。なぜこんなことになってしまったのだろう。今さら考えても遅い。事はもう大きくなりすぎているから。でも、犠牲者をまた出したくない。絶対に。絶対にダメだ。僕の友人だった、あいつは通学路の橋から自ら命を絶ってしまった。原因は、いわゆるいじめだった。あいつは、優しく、臆病で、恥ずかしがり屋で、人のことをとてもに大切にする正直な奴だった。あいつは僕を助けてくれた。あいつの助けは本物だった。それが理由で、クラスメイトたちはあいつを次の標的にした。それからは、二人揃っていじめられるようになった。それでも、僕には一つだけ楽しみがあった。それは、あいつと笑いながら階段の端っこでこそこそ話すことだった。僕は自分が人と話すのが苦手だと思い込んでいたが、実際にはこんなにも笑って話せる自分に気づいた。思い込みはよくないと、痛感した。そして次の日、あいつは空へと旅立ってしまった。その知らせを聞いたとき、僕はその橋に向かい、後追いしようと思った。しかし、もう一歩踏み出す前に、ブレザーが掴まれたような気がした。恐怖と悲しみに打ちひしがれながら、手を合わせて家に帰った。その後、僕は学校に行かなくなった。理由は、怖かったからだ。もうあいつはいない。僕一人だから。夏休みが始まり、あっという間に終わってしまった。「いってきまーす」久しぶりに学校に行く決心をしたのは、ただの好奇心からだった。でも、やっぱり怖かった。あいつが側にいるような気がして、だからこそクラスに入ることができた。クラスメイトたちは相変わらずだった。幼稚だなぁ、小学生のようだと思いながら過ごしていた。そんなことを考えているうちに、下校時間がやってきた。「あの橋を通るの、久しぶりだなぁ」と呟きながら歩いた。着いた先の橋は、空気が澄んでいてなんだか安心した。暗くなりかけた頃、帰ろうとしたそのとき、耳に聞こえたのは、どこからともなく響く声だった。「ありがとう。ごめんね。頑張れ。」その声はあいつだった。僕はその声を胸に、これからも前に進む決意を固めた。あいつが教えてくれた大切なことを忘れずに、僕は自分の未来に向かって歩き続けるつもりだ。
「おはようございます。」「あ、こんにちは。」 こんにちはで返された私は、網走萌。ちょっとガクッと来る。 私は、司書教諭をやっている。学校司書とは違い免許を持っている。さっきこんにちはで返してくれた子は、学校司書の柏凜花ちゃん。ちゃんをつけるくらい可愛いのだ。(よ…。)「おはようございます。で返してもらえると嬉しいな。」「それって自分がやって欲しいだけですよね。」「それはそうなんだけどさ・・・・・・。」「さ、いきましょ。」「は、はい。」 泣き崩れるよ。私。「最近、図書室に用事がないのに来る人生徒が多いですよね。」「そうね。何でなのかしら。」 な〜んていって心の中ではこの口調なんだよな〜。 そうしている間に図書室についた。日が落ち始めている。「日が落ちる前に早く整理しましょ。」「はい。」 どっちが年上か解んなくなってきた。「手を止めないで!」「はい。」 そんなことより、何でふざけに図書室に行くのだろうか。図書室は静かに過ごすところでしょ。「だから手を止めない!」「はい。すみません。」 泣き声になっちゃった。私はもう考えるのをやめた。 その後、車の中でも考えた。事故りそうになったのでやめた。 家の中でも考えた。小指をぶつけそうになったのでやめた。寝るときも考えた。寝れないのでやめて寝た。やっぱわかんn・・・・・・。そのあと、静かな寝息が聞こえたんだとか。
ー旅には素敵な出会いがたくさんある。この言葉は私が好きな旅のサイトに載っていたもの。この時の私はこの言葉の本当の意味を知らなかった…。ある夏の日、東京から京都へ向かう新幹線の中、大学生の私は一人旅を楽しんでいた。久しぶりの旅行に胸が躍る。私は歴史的な街並みや美味しい料理を堪能することが好きで、旅をしている。でも心のどこかで特別な出会いがあるのを期待していた…。新幹線が進むにつれ、窓の外に広がる風景が流れていく。栄えている町、静かな山々。新幹線がトンネルに入り、窓に通路を挟んで横の席に座っている同じ年頃の青年が映る。彼は本を読みながら、時折窓の外を眺めている。その綺麗な横顔に思わず見惚れてしまった。私は思い切ってその青年に声を掛けた。「何の本を読んでいるんですか?」彼は驚いたように顔を上げ、微笑んで答えた。「これは旅行記なんです。旅の中での出会いや経験が描かれていて、すごく面白いですよ。」「もしかして、旅好きですか?」「はい。旅ってワクワクして楽しいですし。」「私、美咲です。よければ旅のお話しませんか?」「俺は翔太です。喜んで。」その言葉をきっかけに、二人は旅の話について語り合った。翔太は1人で海外にも行ったことがあるそうだ。私はまだ1人で海外に行ったことがない。いや、行く勇気がないというのが事実だ。いつか一緒に行ける人が現れたらいいのに…。なんてね。新幹線が京都に近づくにつれ、二人の距離はどんどん縮まっていった。京都に到着し、私が翔太に別れを告げると翔太は「俺も京都に旅行に来たんです。一緒に観光します?」と言い、この言葉で二人は一緒に観光することを決めた。清水寺や祇園の街並みを歩きながら、彼らはお互いの夢や将来について語り合った。私は翔太の真剣な眼差しに、自分の心が高鳴るのを感じた。夕暮れ時、二人は鴨川のほとりに座り、静かな時間を過ごしていた。別れの時間が近づいてきていて、少し胸が苦しい。「こんな素敵な出会いがあるなんて、旅って本当に不思議ですね。」翔太は頷きながら、私の手を優しく握りしめた。胸にあるはずの心臓が、手にあるかのように脈打っている。「本当にそうだね。旅は新しい出会いをもたらしてくれる。君と出会えたことも、きっと運命なんだと思う。」いつの間にか敬語じゃなくなっていて、距離が縮まっているという事実を実感する。私は心臓が高鳴るのを感じながら、翔太の目を見つめた。彼の真剣な表情に、何か特別なものを感じた。もしかしたら、翔太も同じ想いを抱いているのかも。なんて夢みたいなことを考える。夕日が鴨川を照らし、二人の影が長く伸びていく。この時間が永遠に続けばいいのにー。ふと思い出したかのように翔太が話しかける。「もし、また会えるならどこに行きたい?」美咲は少し考えた後、笑顔で答えた。「次は、海が見たいな。青い海と白い砂浜、あと美味しい海の幸を楽しみたい。」翔太はその言葉に頷き「じゃあ、いつか一緒に行こう。約束だよ。」と微笑んだ。その後、二人は連絡先を交換した。また一緒に旅に行けるように。嬉し過ぎて心臓が爆発しそうだった。別れの時間が近づいてきた。私は心の中で名残惜しさを感じながらも、翔太との出会いが特別なものであったことを確信していた。「また会えるよね?」と私が不安そうに尋ねると、翔太はしっかりと私の目を見つめ「絶対に会おう。旅は続くから、俺たちの物語も続くんだ。」と力強く答えた。その言葉に勇気づけられ、私は微笑んだ。二人はそれぞれの道を歩き出しながらも、心の中には新たな希望と期待が芽生えていた。数週間後、私は京都での思い出を振り返りながら、翔太からのメッセージを待っていた。私は翔太との再会を願っていた。そして、ある日、翔太から「次の旅はどこに行こうか?」というメッセージが届いた。私は思わず顔がほころび、心が躍った。私はすぐに返信し、「海に行く約束、覚えてる?」とメッセージを送った。数日後、二人は再び会うことに決め、湘南の海へと向かった。青い空と広がる海、波の音が心地よい。私は海岸を歩きながら、翔太と過ごす時間がどれほど特別かを実感していた。「今日は本当に素晴らしい日だね。」と翔太が言うと、私は頷きながら「翔太と一緒だから、普通の旅でももっと素敵に感じる。」と返した。翔太はその言葉に照れくさそうに笑い、二人は手を繋いで海辺を歩いた。もう手を繋ぐことに躊躇いはなくなっていた。海の家で新鮮な海の幸を楽しんだ後、二人は砂浜に座り、夕日が沈むのを眺めた。オレンジ色の空が徐々に暗くなり、星が顔を出す。私はその美しい景色を見ながら、翔太との出会いが運命的なものであったことを再確認した。「これからも、いろんな場所に一緒に行こうね。」と言うと、翔太は真剣な表情で「もちろん。君と一緒なら、どこでも楽しいよ。」と答えた。その瞬間、私は彼の目の奥にある真剣さを感じ、心が温かくなった。不意に自分の気持ちを伝えたくなり「翔太、私…貴方のことが好きです。」と告白した。翔太は驚いた表情を浮かべたが、すぐに優しい笑顔に変わり「俺もだよ、美咲。美咲と出会えて本当に良かった。」と返した。その言葉に私は心が満たされた。本当に貴方に出会えて良かった。そう、何度も強く思うのだった。私はこの言葉の本当の意味を理解できた気がする。ー旅には素敵な出会いがたくさんある。
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