パラノイア
作者/風猫(元:風 ◆Z1iQc90X/A

Epsode3 Prologue
――――――――Ep3 Prologue――――――――
Ep2「何もかも鎖された嘘の集合体」
から、
Ep3「殺戮乱舞」
へ、
移行する事を決定する。
――――――――――――――――Ep3開幕を此処に宣言する。
――――――メインプログラム「テッサイア」より
パァンパァンパァン、引き金を引く黄褐色の左目と浅葱色の右目を持ったオッドアイのガンマン、朔。対象は他でもない仲間の涼義だった。葵の爆発攻撃に捲き込まれ死んでいく人々を見て興味が湧いたのだ。
町エリアは安全だと言う神話が崩壊したことに、逸早く気付き確信を得るために手近にいた仲間を撃つ。彼女の狂気が姿を現す。
「ちょっと、朔!? 涼義の体力値減ってるって! テッサイアの奴、ついにいかれたのか!?」
慌てた様子で玖龍が、救助に入ったときにはもう、遅かった。涼義のヒットポイントは限界まで削られゼロを示す。
「えっ? これマジ? 酷いよ朔。仲間……友達なの……に」
「友達? いつからそうなったの?」
涙ながらに涼義は訴える。しかし、当事者の朔は何ともない様子で彼女の言葉を否定した。彼女の姿が、現実の世界の姿へとコンバートされる。丸渕眼鏡のどこにでも居そうな少女の姿だ。
「それがアンタの本当の姿。詰らないね? 本当に、詰らない姿だ」
「お困りならばあいつを呼べぇ。相場はオピウムの種一粒……」
完全に興味を失い朔は、涼義から目を外す。残り僅かな時間で、確実に消える彼女は命乞いをするように歌を歌う。
そして音も無く光に包まれて、空へと吸い込まれていった。
九月二十三日、パラノイアは安全地帯無しの地獄へと変貌を遂げる。
「ここからが本番だ」
テッサイアは、楽しそうな口調で言った。
~The End~

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