コメディ・ライト小説(新)

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妖戯れ
日時: 2019/04/05 09:20
名前: 天使のような悪魔 (ID: nsrOqY/c)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12331

                 妖探偵事務所活動記録

最初に断っておくが『妖探偵事務所活動記録』だなんて格好つけて書き出しているが探偵事務所公認というわけでわない
(春夏秋冬部長に提案してみたがあっさり却下された)
ただ僕が個人的にたらたらと不思議な世界について 否、僕がただ妖と戯れるだけだ
それでも僕の話を聞いてくれるのであれば僕は嬉々として語ろうと思っている

第1話
札切ふだぎり 璃空りくの妖戯れ】
未公開

第2話
春夏秋冬ひととせ 一年ひととせの妖戯れ】
>>12

第3話
犬神いぬがみ 駒理こまりの妖戯れ】
投稿中

第4話
霧野きりの 切子きりこの妖戯れない】
未完成

第5話
柏崎かしわざき 波戯なぎの戯れ】
未構成

Re: 妖戯れ ( No.38 )
日時: 2019/04/21 19:18
名前: 天使のような悪魔 (ID: nsrOqY/c)

狛犬と戯れる描写は意図的に書かないとして
狛犬と戯れた結果、ヤツのものと思われる長い髪の毛が見つかった

悲しいことに僕に女友達は居ないし、母親はショートヘアである
間違いなくヤツのものである
そして狛犬たちはその髪の毛の匂いを覚え、ヤツを探しに外へ走り出していった

『さて、柏崎くん あの子達が口裂け女を探している間に考えなくちゃいけないことが幾つかあるんだ まず一つ目、口裂け女------柏崎くんの言うところのヤツ-------が本当に《口裂け女》であるのか』

『!..えと、駒理先輩 何言ってるんですか? 確かにヤツは耳元まで口が裂けていましたよ』

『確かに容姿的に性質的に当てはまってる所はあるんだけれど、一つだけ決定的に違う部分があってね 口裂け女は包丁や鋏-----いわゆる刃物で殺すの だけれど柏崎くんの話だと口から飛ばしたもので殺しているじゃない? 一年と違って特定までは出来ないけれどもしかしたら全く別の妖かも』

なるほど、確かにヤツは《口裂け女》ではないのかもしれない

流石は妖探偵と言うべきなのか、口が裂けている女性だからといって《口裂け女》だと思った僕が素人なだけか

否、その両方なのであろう

そういえば、春夏秋冬部長や札切先輩は何処にいるのだろう?

『ん? ああ一年と璃空は仕事で今夜は帰ってこないわよ』

他にも仕事を抱えていたのか
一般人には知られていない割に忙しいらしい

『話が逸れたわね えっと別の妖である可能性..それともう一つ 柏崎くんも言った様にどうしてお札によって《口裂け女》----------ではない可能性があるため便宜上ここでは代名詞として----------ヤツが拘束されなかったのか 雨降りちゃんがちゃんと拘束されたのなら、  が貼ったお札が不良品だったっていう可能性はありえないし.. う〜ん、実際にその光景を見た柏崎くんはどう思う?』

《どう思う?》と訊かれてもプロに分からないことが素人に分かるハズがない
否、コペルニクス的展開という訳ではないが素人だからこそ出来る発想もあるのかもしれない
まあ、僕は何も思いついていないのでありえないのだが

Re: 妖戯れ ( No.39 )
日時: 2019/06/23 19:05
名前: 天使のような悪魔 (ID: nsrOqY/c)

狛犬達による捜索により、《ヤツ》はとある空き家に潜んでいる事が判った

『みんなおつかれー』

一仕事終えた狛犬達は駒理先輩からご褒美の牛肉を頬張っている
本当、これだから犬は嫌いなんだ
人間に媚びへつらい尻尾をふる態度に虫酸が走る
……
………
言ってみただけ
言ってみたかっただけ
僕はそこまで強気になれない

『ところで駒理先輩、《ヤツ》を捕まえに今すぐ行きますか? それとも春夏秋冬部長達を待ちますか?』

『ううん...確かに一年や璃 空と協力すれば確実に《ヤツ》を捕獲出来る でも危険指定妖を一晩野放しにしておけば、新たな被害者が出てしまうかもしれない それに《ヤツ》がいつまでも同じ場所に留まっているとは限らない だから、《ヤツ》を捕まえるのなら今が適切 あ、でも柏崎くんはあくまでもバイトなんだから来なくても良いんだよ?』

『いえ、大丈夫です』

いや、大丈夫ではない
出来ることなら、春夏秋冬部長達を待ちたいし、そもそも行きたくない
危険な思いはさっきので十分味わった

それでも僕は大丈夫だと言った
それは反射で言ってしまったのかもしれない
現にそう宣った後に後悔している訳なのだから
それでも僕は大丈夫だと宣った
もしかしたら、ありもしない僕の道徳意識が女の子に一人夜道に歩かせる訳にはいけないと思ったりしなかったりするのかもしれない

どうでも良いけどね

Re: 妖戯れ ( No.40 )
日時: 2020/01/03 19:53
名前: 天使のような悪魔 (ID: nsrOqY/c)

時刻は午後8時過ぎ

どうも、この空き家は入り組んだ所にあるようで到着に時間が掛かってしまった

玄関の鍵は掛かっていなかったので簡単に入ることができた

僕は土足で上がろうとしたが犬神先輩はマナー違反だと頑として譲らなかったので靴を脱ぐ

こんな汚い空き家に靴下で上がるなんてあまりぞっとしないが仕方ない

全く、この人は少しマナーを重んじ過ぎるきらいがあるようだ

Re: 妖戯れ ( No.41 )
日時: 2020/04/01 18:54
名前: 天使のような悪魔 (ID: nsrOqY/c)

待ち構えるかのように<ヤツ>はいた

犬神先輩は開口一番に
「口裂け女で間違いありませんね。あなたに訊きたいことが幾つかあるのですが」
果たしてヤツは

「人が死ぬということは命の損失だ、しかし失うだけではない そこには一つの物語が生まれる 私はその物語が好きなんだよ だから私は人を殺す あなた達はどういった理由で私を殺すのかしら」

そう言うと口裂け女は口を大きく広げまっしぐらに犬神先輩に飛びつこうとする

が、犬神先輩の影に隠れていた2匹の巨大な狛犬が行く手を阻む

そして口裂け女より一瞬速く攻撃する
  
左右からの爪による引っ掻き

が当たることはなく空を掻いた

いや違う

口裂け女が避けた訳じゃない

狛犬の爪攻撃が口裂け女の中を通り抜けたのだ

『そんな...狛犬の攻撃はあらゆる妖を浄化するのに...』

続けて狛犬が噛み付こうとするがそれも口裂け女の中をすり抜ける

まるで空気を相手にして闘っているようだ

『どういうこと...何で攻撃が当たらないの…璃空の札で拘束されないことといい、もしかしてあなた...』

そこまで言うと犬神先輩は口を塞ぎ、うそでしょと呟いている

『もしかしてあなた人間...いや、半人半妖ね..』

「サあネ」

口裂け女はそう呟き、口から何かを発射した

Re: 妖戯れ ( No.42 )
日時: 2020/04/05 19:26
名前: 天使のような悪魔 (ID: nsrOqY/c)

その何かは、はっきり見えたわけじゃない

ただ、空気が球体型に歪んだ何かが確実に犬神先輩の方へ発射される

だがしかし、犬神先輩も素人ではない

右半身をそらし、いともたやすく避ける

それに「球体型の歪み」は十分に眼で追える速さだった

これなら僕も安心して自身の役割を全う出来る

犬神先輩が口裂け女の気を惹き付け、僕が後ろからビニール袋を被せ視界を奪う

あまりにもテキトーな、おおよそ作戦と呼べないような戦略だが、相手は僕のことを意識の外にやっているようで裏取りは容易そうだ

静かに口裂け女 の方へ一歩を踏み出したそのとき、犬神先輩の背後にある机が弾け飛んだ


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