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奇想天外!プロレス物語【完結!】
作者: モンブラン博士  (総ページ数: 82ページ)
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*50*

僕はしばらく茫然としていた。

あまりに突然の告白だったため、きっと頭がショートしてしまったんだろう。

けれど数秒後、僕ははっきりと悟った。

博士はいつも僕のそばにいて、僕を見守ってくれている。

迷うことなど何もない。恐れることなど何もない。僕には博士がついている!

そう思うと、以前の倍の力が体中から溢れ出るのがわかる。

みなぎるパワーは、今にも僕の全身を包み込み、大爆発しそうな勢いだった。

「うおおおおおおおおおおおお!」

僕は野性的に吠え、トミーさんに飛びかかっていく。

「ニャハニャハ!なんという愚直な作戦!あなたに待っているものは死だけです!」

トミーさんは明らかに動揺していた。

たぶん彼は僕の過去を思いださせることで戦意を喪失させ、その隙に僕を倒すつもりだったのだろう。

けれど、ジャドウさんと不動さんのおかげで作戦は台無しになった。

彼は顔をひきつらぜた笑みを浮かべ、冷や汗をかいている。

「作戦は失敗に終わりましたが、このままあなたは死ぬのです!」

彼が僕につかみかかろうとするが、それをまた抜きスライディングで避け、背後に回るとジャーマンスープレックス、続けてダブルアームスープレックス、ドラゴンスープレックス、ベリーツウベリースープレックスと自分が使えるかぎりのスープレックス技を連続で炸裂させた後、そのままフォールを奪いに行く。

だが、トミーさんは素早く僕をはねのけ立ち上がる。

「ニャハ……こ、この私が苦戦するなど、夢のようですねぇ……」

彼は平静を保とうとしているが、それは無理なほど動揺していた。

流れ出る汗を拭き、不気味な笑みが消え、鋭く僕を睨む。

でも、僕には通用しない。

その形相に気を取られることなく、僕は彼をオクラホマスタンピートで
リングへたたきつけ、マウントを取り、空手チョップの嵐で攻め立てる。

さらに敵を裏返しにし、キャメルクラッチで背骨を痛めつけ、素早く間合いをとり立ち上がる。

「ありえない!この私が…圧倒されるなど、私は信じません!」

ここで僕は決め台詞を口にする。

「面白い。その謎、僕が解決して見せる!」

僕はロープに全体重を預け、その反動で一気に間合いを詰めると、ここで自分の最高最大の必殺技を炸裂させた。

「『ブランデンブルクの赤い噴水』!」

ジャックナイフのように対戦相手の皮膚を切り裂き、まるで噴水のように大量の血が飛び散ることと、僕の出身のドイツの観光名所からなづけられた必殺のチョップが彼に完璧に決まった。

「ニャハギャアアアア!」

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