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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 144ページ)
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*50*
夕方になりましたので、王子とラブリは夕飯のご飯を買いにデパートに行きました。
ラブリはきょうのごはんはカレーにしようと思っていましたので、その材料を買い物かごに入れ始めました。
「そういえば、カレー粉がまだでしたね」
「そうだねー」
ふたりは仲良く並んでカレー粉置き場へいきました。すると・・・
「星野くん・・・!」
「ぼくもきょうカレーにしようと思いましたので・・・」
「ちょっと待ってください!『ぼくも』ってことは、ボクたちのお夕飯のメニューがわかっていたということですね!!盗み聞きしたんですか?ははあ・・・わかりました。さては・・・・」
ラブリは星野くんの目の前までコツコツと歩いていって、彼の首にかけられてあるヘッドホンを触りました。
「これで盗み聞きしていたんですね!?」
「違います。これはボクの趣味である音楽を聴くために使っているものです。そんなことはしません」
「きみは天使のくせにうそをつくんですか」
「うそじゃありません。きみこそぼくの夕飯を何か知っているでしょう」
「フン。そんなの簡単ですよ、カレーライスでしょう。まったく、よくあきずに朝昼晩毎日食べられますね」
「・・・・・・別にいいじゃないですか。ぼくの好物なんですから。きみだってにんじんが大好きじゃないですか。それと同じですよ」
「きみと一緒にされたくありませんね。第一きみは、この歳になってもまだ戦隊ヒーローを見てるだなんて聞いて呆れます。
きみこそ子どもですね」
「・・・・・・」
「おや?怒りましたか?もっと怒ってもいいんですよ。ボクに言い負かされて悔しいでしょう。殴りかかってきてもいいんですよ、堕天使さん」
「・・・・・!」
星野くんは表情にこそ、いまのところ表していませんが、黙ったところをみると相当怒っているようです。
「この最後のカレー粉、ボクがいただきますね。王子様は甘口がお好きなんです。ちなみにボクは中辛が好きですよ」
なんと、ラブリはお店においてある最後の甘口のカレー粉を自分たちの買い物かごに入れました。