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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 144ページ)
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*53*
星野くんは相変わらず無表情を貫き通していましたが、その目は今にも泣き出しそうです。
「おや?泣きたいような顔をしていますね。泣いてもいいんですよ。
涙をボロボロ流して泣いてください」
「・・・・ラブリくん」
「ボクの名前を呼びましたか、堕天使くん」
「ぼくがこれからすることは、決して許されるものではありません。ぼくを一生恨んでもかまいません。それだけのことをぼくはするのです。
ぼくは・・・きみの言ったとおり、天使失格です」
その言葉に驚いて、星野くんの顔を見た王子は驚きのあまり息をのみました。
なんと、あの星野くんが大きな目から涙をボロボロ流して泣いているのです!!
「ラブリくん、ぼくは今からきみを殴ります。
全身だぼくやあざだらけになりますが、1週間ほどで直りますから、安心してください」
星野くんはそう言った次の瞬間、ラブリは思いっきり殴りました。
殴られたラブリは思いっきり後方に吹飛ばされ、2、3回ほど回転し、床に倒れました。
シュシュシュシュシュシュ・・・・
星野くんは残像が見えるほどのすばやいフットワークでラブリに急接近すると、やっと立ち上がったラブリにマシンガンのようなすばやいパンチを次々に浴びせていきます。
「グハッ・・・ガハッ・・・ゴホッ・・・グヘッ・・」
うめき声を上げているラブリを星野くんは我を失ったかのようにラブリをハンマーのような威力のパンチで容赦なく殴り続けます。
それだけに無表情の顔がより恐ろしく感じます。
殴り続けた後、星野くんはラブリをジャイアントスィングで軽々と回し(竜巻のようなすさまじい回転でした)放り投げ、デパートから追い出してしまいました。
その時間、なんとたった3分でした。
あまりにすごい猛攻でしたので、デパートにいる人たちは誰もラブリが殴られていることに気がつきませんでした。
星野くんは瞬間移動のようにすばやく動きラブリの目の前に来て口を開きました。
「きみの顔は以前の5倍膨れ上がっています。だぼくも相当にありますが、命に別状はありません。最後に一発だけ、ぼくの本気の憤りをこめたパンチを食らってください。ラブリくん、パンプキンくんには悪いですが、一足先に帰っていてください。
きょうは・・・本当に・・・ごめんなさい」
ドゴォン!
星野くんの一発でラブリは空高く吹飛ばされてしまいました。
ラブリはキランッと光って星になりました。
星野くんはラブリを殴った後、パンパンと手をはたきながら、
「自業自得です。ぼくは買い物の続きでもしますか」
空高く舞い上がりながらラブリは思いました。
(アンパンマンに毎回殴られるばいきんまんの気持ちが今ほどわかったことはありません・・・・ラブラブリー♪)