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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 144ページ)
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続いて、星野くんとカラス男の戦いを見てみましょう。
「って人の話を聞けーっ!」
星野くんは後ろを向いてヘッドホンをかけて音楽を聴いています。
(戦う気のないこいつになんとか戦わせる方法はないだろうか・・?)
不意においしそうな匂いが星野くんの周りに漂ってきました。
(この匂いは・・・まさか・・・)
星野くんがハッとして振り返ると、カラス男はカレーパンを入れた袋をもっていました。
「これは、一日限定20個1個500円の最高級カレーパン!!」
「ご名答。この袋には5個入ってる。食べるか?」
「ぼく、毎日並んでいるんですが1回も買えたことないんです・・・もしよろしければ、1個だけ・・・」
「(パクッ)誰があげるかよ。ああ〜うめぇ。最高!」
星野くんはしゅんとしてしまいました。
「お願いです。1個だけでいいですから・・・・」
星野くんは目をキラキラ輝かせて訴えますが、カラス男は完全無視です。
「おまえさっきから舌出して犬みてぇによだれだらだら流してるが、そんなにこれ食いたいのか」
「・・・はい。天使として恥ずかしい限りですが・・・(ぐう〜ぎゅるるるるるるる)」
「めっちゃ腹減ってんだな。でもオレはあげないよーだ!」
「・・・・・こうなれば仕方ありません。背に腹は変えられないと言いますし・・天使がこんな欲望で動くのはすごく悪いことだと思います。そして、あなたには大変失礼で申し訳ない態度をを取るかもしれません。
ですが、ぼくは今空腹状態と暑さで意識がもうろうとしているんです。
のどの渇きはありませんが空腹で死にそうなので(昨日カレーライスが食べられなかったので)
・・・本当にごめんなさい。奪い取ります」
「・・・・・・!!」
星野くんはわずか1秒でカレーパンの袋をかすめとり、高速で飛び去っていきました。