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ポケモンストーリー ブラック編
作者: たくと七星  (総ページ数: 30ページ)
関連タグ: ゲーム 
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10~ 20~

*11*

「第11話襲撃プラズマ団!」
 シッポウジム戦でジムリーダーアロエに見事勝利したムツミ。だが、そこへ怪しい奴らが博物館を襲撃しているという話が入った。ムツミはアロエと共にその現場へと駆けつけた。博物館には怪しい奴らことプラズマ団が、ドラゴンタイプのポケモンの化石を取り囲んでいた。
 「ちょっとあんた達、何のつもりだい!」
 「現れたな、ジムリーダー。我々はここにあるドラゴンポケモンの化石を奪いに来た。それを今ここで照明してやろう」
 プラズマ団は、プラーズマーと呪文らしき言葉を唱えると、周囲を煙幕が覆った。晴れた時にはプラズマ団の姿が消えて、ドラゴンポケモンの頭の化石がなくなっていた。
 「何てこったい!」
 アロエは大急ぎで外へ出た。オロオロするキダチを尻目にムツミも外へ出た。
 「アロエさん!」
 「ムツミ、逃げられたね。でも、そんなに遠くへは行ってないはず、ておや?」
 アロエが目をやると、博物館に足を運ぶどこかぽやや〜んとした柔らかい感じのする青年が声をかけてきた。
 「おや、アロエさんじゃないですか。いい化石は見つかった。何分、創作に行き詰ってねえ」
 「あんた、また行き詰ったのかい。て、丁度いい所に来てくれたね」
 「ん、何かあったんです?」
 「実はカクカクシカジカでねえ」
 アロエは今までの出来事を説明した。そしてムツミにこの青年を紹介した。
 「ムツミ、こいつはアーティと言ってね。こう見えてもジムリーダーをやってるんだよ。ヤグルマの森を調べてくれないかい?」
 「なるほど、お任せ、アロエ姉さん」
 ヤグルマの森の周辺にいるのかもしれない。アロエの頼みを受けて、アーティは一足先にその方向へと向かっていった。
 「ムツミ、どうかしたの?」
 そこへ、丁度いいタイミングにベルとチェレンがやってきた。
 「なんだい、この子達は?」
 「はい、ベルとチェレン、私の友達です」
 「そうかい、それじゃあ早速、お願いしてもいいかい?」
 「ええ、何をですか?」
 ベルが言うとアロエが説明した。
 「なに、取り敢えずこの博物館を守ってほしいだけさ」
 そう言ってアロエは博物館でのことを話した。早速、二人は博物館の守りについた。ムツミはツタージャ達を連れると、ヤグルマの森へと走った。そしてここ、ヤグルマの森。入口でアーティが待っていた。
 「むうん、ああ、ムツミさんだね」
 「はい、それでプラズマ団は?」
 「うん、恐らくはこの森の奥に行ったと思うね。ヤグルマの森にはここと北の方に道がある。取り敢えず、僕は北の方を抑えておくよ。さて、アロエ姉さんのために人肌やりますか」
 アーティは北の方へと走っていった。
 「よっし、皆行くよ!」
 ムツミは気合を入れると、ヤグルマの森へと入っていった。中には文字通り、プラズマ団が行く手を阻んでいた。
 「来たな、同士の元へは行かせんぞ!」
 プラズマ団はそれぞれの手持ちを繰り出して、ムツミの前に立ちはだかった。
 「私は、勝つよ!皆、頑張って!」
 ムツミは逃げずに真正面から立ち向かった。ツタージャ、ミネズミ、ヨーテリー、ヒヤップ、チョロネコ、ダゲキは、襲い来る敵に戦いを挑んだ。ツタージャはつるのムチで敵をなぎ払い、ヨーテリーはとっしんで相手をまとめて掃討した。ミネズミはたたきつける、チョロネコはつじぎり、ヒヤップはみずでっぽうで攻撃、ダゲキは回転げりで並みいるポケモンたちを倒しながら前進していきムツミとツタージャ達は奥にいる下っ端のプラズマ団を発見した。
 「見つけた、さあ、骨を返しなさい!」
 「く、くそーっ!渡してたまるか!」
 プラズマ団はじめんタイプのメグロコを繰り出したが、ダゲキが軽くあしらった。
 「く、これまでか。仕方ない、骨は返してやろう・・・」
 観念したプラズマ団はムツミにドラゴンの骨を返した。丁度その時、ツタージャとヨーテリー、ミネズミの体を光が覆った。
 「何?」
 ムツミが見守る中、三体は姿を変え、ジャノビー、ハーデリア、ミルホッグに進化した。
 「うっそーっ、こんなにかっこよくなっちゃうの、やったね皆、うふふ!」
 手持ちの仲間の進化をムツミは喜んだ。ジャノビー達も嬉しそうである。
 「やれやれ、失敗に終わりましたか」
 そこへ、何やら賢者のような老人が現れ、プラズマ団の下っ端に声をかけた。彼はプラズマ団を束ねる賢者の一人、アスラである。
 「申し訳ありません、賢者様!手にしたポケモンの骨を!」
 「いいのですよ。我々が探していたものとは無関係であることが分かりましたから。さて、よくぞ邪魔をしてくれたものですな。二度と逆らえないようここで・・」
 「ちょいと待ちな!」
 あわや、と思われたところでアロエとアーティの二人が駆けつけてきた。これにアスラは勝ち目がないことを悟りプラズマ団の賢者の役目を語った。それによるとゲーチスは吹聴で人々を惑わし、自分たちは力ずくで人々からポケモンを奪うというものだった。そう言ってプラズマ団、そしてアスラはすがたを消していった。
 「あいつら、何者なんだろうね・・」
 「そうですね、でも化石は無事取り返せたし、結果良しということにしましょう」
 ムツミはアロエにドラゴンポケモンの骨を返した。アロエに感謝されたあと、ひとまず別れ、ムツミは次の街であるヒウンシティへと進んでいった。
 その道中、ムツミはプラズマ団のことを考えていた。何故、プラズマ団は人々からポケモンを引き離そうとするのか、なによりもまるで自分たちが正しいかのような語り、彼らを束ねる人物、それは誰なのか、もしまた現れたとしたら。いろいろ考えてしまうムツミ。だが、ジャノビー達の顔を見て吹っ切れた。
 「そうだよね。皆を見たらスッキリしちゃった。さあ、ヒウンシティへゴーっ!」
 ムツミはヤグルマの森を抜けて、仲間たちとともにヒウンシティへの道のりを駆けていくのだった・・・。

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