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ポケモンストーリー ブラック編
作者: たくと七星  (総ページ数: 30ページ)
関連タグ: ゲーム 
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10~ 20~

*20*

「第20話アイスマスク、セッカジム」
 電気石の洞窟を抜けたムツミはフキヨセジム戦に勝利。ジェットバッジを手に入れた。手持ちのポケモン達も強くなっていき、ジャノビーはジャローダに、ハーデリアはムーランドに、ギアルはギギアルに進化した。
 そしてここ、ネジ山。山の中でチェレンが仲間たちと共に野生のポケモン達と戦っていた。チャオブー、ガントル、ヤナッキー、ケンホロウに的確な指示を出して戦うチェレン。しかし心の中はひどく揺れていた。自分はこれまで強くなることこそが正しいと信じてここまできた。だが、自分は本当に強くなっているのか、それとも、仲間のポケモンが強くなっただけで自分は弱いままなのか・・・疑問と迷いで心が押しつぶされそうになっていた。チャオブー達が心配して駆け寄った。
 「心配ない、大丈夫だ・・・」
 チェレンは平静を装って先を進んだ・・・。
 一方、ネジ山を抜けたムツミ一行はセッカシティに到着していた。ガマガル、チョボマキが住む湿地が広がる古風溢れる町だが、季節は冬。一面の銀世界が広がっていた。空から白く小さな雪の結晶が降り注いでいた。
 「わ〜、素敵だね。雪がこんなに降ってるよ。うふふ」
 嬉しくなったムツミは寒さを忘れて雪が積もった湿原に走っていった。手を目一杯広げて可愛らしい笑顔でくるくる回って楽しく踊りだした。するとどこからか、クマシュンやバニプッチ、フリージオの群れがやってきてムツミと一緒に踊りだした。
 冬のポケモン達を惹きつける魅力でムツミは心を通わせた。そんな彼女をジャローダ達は微笑ましく見ていた。
 「ほほう、ムツミ、また会ったね」
 するとそこへ、アララギ博士の父、アララギパパがムツミに声をかけてきた。
 「ジャローダは元気かね。ギアルも進化したか。ほうほう、冬のポケモン達と遊んでいたかね。私の娘もよく話してくれていた」
 「博士、お久しぶりです」
 「ふむ、君のポケモン達も元気そうで何より。それとムツミ、お前さんはリュウランセンの塔を知っているかね?」
 「リュウランセンの塔?」
 ムツミが首をかしげると、博士は塔について説明した。リュウランセンの塔とはイッシュ建国の時代からそびえている古代の塔で中では伝説のポケモンが理想を求める人間を待っていると伝えられている。
 「詳しいことは解らんがそれを探求するのもミステリーかな?ムツミ、せっかくここへ来たのだからジムに挑戦してみないかね、では、じじいは塔を見ていくとしよう」
 そう言って博士はリュウランセンの塔へと歩いて行った。
 「さーて、何か燃えてきちゃった!ジムへ行くよ!」
 ムツミは早速セッカジムへと入っていった。ジムの内部はつるつるした氷が張っていて移動するのに一苦労したがようやくジムリーダー、ハチクのもとへ到着した。
 「きたかね」
 「はい、勝負をお願いします!」
 「全力で来るがいい!」
 氷上の上でのジム戦が、今始まった。ハチクは手始めに、バニリッチを繰り出してきた。ムツミはギギアルを繰り出す。
 「ミラーショット」
 ハチクの指示でバニリッチがミラーショットを放ってきた。ギギアルはこれをかわしながら前進して、ラスターカノンを飛ばしてバニリッチを攻撃した。バニリッチは力尽きる。
 「君と君のポケモンのコンビネーション、素晴らしい!」
 ハチクは次にツンベアーを繰り出した。登場するやツンベアーは咆哮を上げた。
 「ムーランド、行け!」
 ムツミは、ハーデリアが進化したムーランドを出した。ムーランドはひと吠えすると、ツンベアーに突進した。ツンベアーはパンチを振るってムーランドを攻撃した。一方のムーランドは頭突きと切り裂きでツンベアーを攻撃した。
 やがてツンベアーはムーランドをがしっと掴んで後ろへ放り投げた。ムーランドはすぐに立ち上がって前進する。するとツンベアーは地響きを起こしてつららを落としてくるも、ムーランドはそれをかわして、かいりきを浴びせた。これにツンベアーはしおみずで攻撃して大ダメージを浴びせた。一進一退の攻防戦。だが、活路は開けた。
 「ムーランド、ワイルドボルト!」
 ムツミの指示でムーランドは体中に電気を溜め込んで全速力で突進すると、強力な電気攻撃をツンベアーに叩き込んだ。ツンベアーは大声を上げて力尽きた。
 「麗しい、素晴らしい!」
 ハチクはついに最後の切り札、フリージオを繰り出した。
 「行くよ、ダゲキ!」
 ムツミはダゲキを前に出した。するとフリージオはいきなりれいとうビームを飛ばしてきた。ダゲキはこれを片腕で振り払った。
 「見事、かなり鍛えられている。心も」
 ハチクはダゲキの強さを褒めた。そしてフリージオにつじぎりの指示を出した。ダゲキはこれをかわすと、ローキックを使ってきた。
 「リフレクター」
 ハチクはフリージオにリフレクターをさせてこれをガードさせた。
 「ダゲキ、リフレクターの一点を攻撃するの!」
 これにムツミはダゲキにリフレクターの一ヶ所を集中して攻撃するよう指示を出した。ダゲキはれいとうビームやオーロラビームをかわしながら一点を攻撃する。するとリフレクターにヒビが入ってきた。
 「今よ、ローキック!」
 ダゲキはローキックでリフレクターに蹴りを入れた。するとリフレクターは粉々に砕け、フリージオはダゲキの攻撃を真正面から食らった。ぼうぎょの低いフリージオはノックダウンして力尽きた。勝敗はムツミの勝利に終わった。
 「君とポケモンの麗しい友情、見事!」
 ハチクは自分に勝った証としてアイシクルバッジをムツミに渡した。
 「やったーっ、ありがとうございます!」
 ムツミは勝利に喜びハチクに礼を言った。しかし、これから起きようとしているかつてない戦いが始まろうとしていることを、まだムツミは知らない・・・。

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