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ポケモンストーリー ブラック編
作者: たくと七星  (総ページ数: 30ページ)
関連タグ: ゲーム 
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10~ 20~

*10*

「第10話あいじょうたっぷり?シッポウジム」
 途中でのNとの戦いを乗り越えたムツミは、シッポウジムの中へと入っていった。最初に目が入ったのは、中央にあるドラゴンタイプのポケモンと思われる化石だった。どうやらここはジムであると同時に博物館であるようだ。古代の展示物に目をやるムツミとツタージャ達。
 「おや、あなたここは初めてですか?」
 そこへ、一人の人物が声をかけてきた。
 「私はキダチ、この博物館の館長です」
 早速、彼はムツミ達に展示物を紹介した。大きな石炭から宇宙の隕石と言った珍品、そしてなによりムツミの目を引いたのはツルツルとしたキレイな丸い石だった。話によるとキレイだから置かれているらしい。何も気にしていない館長。一方のムツミはこの石に何かしら不思議なものを感じるのだった。そして階段を登ってある入口に差し掛かったところで、キダチがジムを案内した。
 「さて、ここでジムリーダーが待っています。強くて優しい、愛情あふれる人、私の奥さんです」
 ムツミはアロエのいる奥の内部へと入っていった。中に入るとそこは一転してバトルフィールドになっていた。奥で、ジムリーダーのアロエが挑戦者を今か今かと待っていた。
 「待っていたよ、優しいトレーナーさん。あのダゲキの心を開かせるなんて、ただ者じゃないね。愛情一杯に育てたポケモンで、どんな勝負をするのかな」
 そう言ってアロエはモンスターボールを構えた。ムツミもボールを手に取る。アロエは一番手にハーデリアを繰り出してきた。ムツミはツタージャを出す。
 「ハーデリア、とっしんだよ!」
 ハーデリアはとっしんでツタージャに迫った。ツタージャはジャンプして背後に回る。そして、つるのムチで叩きつけた。
 「やるね、ポケモンへの愛情は、本物だね」
 ムツミの実力に、アロエはさすがだなと褒めた。しかしジムリーダーとして負けるわけにはいかない。ハーデリアにツタージャをかみつくで攻撃させた。かみつきで怯んだ所へ、突進で追撃する。
 ツタージャはあと一歩の所まで追い詰められた。しかしムツミは諦めない。追撃に出るハーデリアにグラスミキサーで反撃させた。渾身の一撃に、ハーデリアは力尽きた。
 「やってくれるね、さすがだよ。でも、勝負はここからさ!」
 アロエは最後の切り札の、ミルホッグを繰り出した。
 「ダゲキ・・、私は、この子で行く!」
 ムツミは仲間にしたダゲキで挑んだ。
 「そいつを出してきたかい。そのダゲキ、すごくいい目をしているよ!あんたに対する信頼が溢れていてさ。けど、その絆を持ってあたしたちを倒せるかい?さあ、行くよミルホッグ!」
 「クルップ!」
 アロエはミルホッグを前進させて、攻撃に出た。くるんと回転してダゲキに攻撃するミルホッグ。ダゲキはこれをガードした。
 「行くよ、かたきうち!」
 ガードされると、アロエのミルホッグは次の攻撃に出た。ダゲキはこれを防いだが、そのダメージは大きかった。
 「かなり、受けてる・・?」
 「これが、かたきうちの威力さ!」
 首をかしげるムツミにアロエはかたきうちの威力を説明した。かたきうちとは、物理系の技だがポケモンが倒されている状態で使うと威力が上がるという強力な技である。
 ミルホッグは執拗にかたきうちでダゲキを攻撃した。しかしダゲキは一歩も動かずこれにひたすら耐えた。
 (中々動こうとしない・・・はっ、まさか・・!)
 ひたすら耐えるダゲキに、アロエは何かあるのか、と思った。そう、その通りになった。
 「がまん、がまんだよ、ダゲキ!」
 ムツミはかたきうちの攻撃を耐えさせ、反撃の機会を伺っていた。そして、ミルホッグが一瞬の隙を見せたその時、ムツミが叫ぶ。
 「イッケーッ、今まで耐えた分の、がまん攻撃ーっ!」
 かたきうちで溜まった分のパワーを一気に放出するかのようにダゲキは強力なタックルをミルホッグにぶちかました。大ダメージをくらったミルホッグはばたりと倒れて力尽きた。
 「やったーっ!」
 「はは、あのダゲキが勝つなんて、愛情の賜物だねえ」
 アロエは自分の敗北を認めた。そして、ダゲキの瞳を見た。あれほど人間を憎んでいたダゲキが、ムツミに心を開き、彼女のために全力で戦い、見事に勝利した。ダゲキの瞳は今以上に輝いていた。ムツミには、秘められた力があるのかもしれない。アロエは心の中で誇らしく、同時に恐ろしく感じた。
 ムツミは勝利の証として、ベーシックバッジを手に入れた。
 「ママーっ、大変、大変だよーっ!」
 とそこへ、アロエの夫で館長のキダチが大慌てで、息を切らしながら走ってきた。
 「ん、あんたどうしたんだい?」
 「博物館に怪しい奴らが、化石を盗まれたら・・!」
 「なんだって?!ムツミ、あんたも来ておくれ!」
 「はい!」
 何があったのか、ムツミは全速力でアロエの後を追った・・。


(返信コメント)
 こまめさん、わたくしの小説へのコメント、ありがとうございます。
おもしろいという返答に大変勇気づけられました。これからも、あなた様始め見てくれている皆様のためしっかり執筆していきますのでよろしくお願いします。次回は、ヤグルマの森でのプラズマ団の戦いです!

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