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ポケモンストーリー ブラック編
作者: たくと七星  (総ページ数: 30ページ)
関連タグ: ゲーム 
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10~ 20~

*9*

「第9話N二度目の対決」
 ヤグルマの森にて、ダゲキを見事に仲間にしたムツミ。翌日、いの一番にジムリーダーのアロエがいる、シッポウジムへと足を運んだ。そしてジムの門前に立った。
 「到着、皆頑張ろうね!」
 ムツミは腕を握り、ツタージャ達に笑顔を振りまいた。早速ジムへ入ろうとした時、ジムから一人の人物が出てきた。
 「君は・・・」
 緑の髪色に暗い瞳。カラクサタウンで出会った、あのNである。
 「君か、また会ったね」
 ムツミと顔を合わせたNは自分の理想っを語りだした。
 「僕は、誰にも見えないものが見たいんだ。トレーナーの真実、ボールの中のポケモンの理想。ポケモンが完全となった世界。君も見てみたいだろう」
 そう言うNにムツミは悲しげな顔をして言った。
 「君に言いたいことがあるの」
 ムツミはチョロネコを抱きかかえてNに言った。
 「どうして、この子を捨てたの・・?一緒だったら広い世界を見せてあげられたのに、どうして・・・!」
 「捨てたんじゃない、解放してあげたんだ」
 「解放?」
 「僕は君たちのようにポケモンを道具にはしない。一緒に連れては余計に傷つくだけだ」
 「確かに、負けることで傷つくことはあるよ。でも、それでも最後まで見捨てないで頑張るのがトレーナーの姿だよ。君は、逃げているだけだよ!」
 ムツミの言葉にNは涼しい顔をして言う。
 「強いんだね君は。君のような美しい心を持っている少女の思いを踏むことになるのは心が痛むけどね」
 Nはそう言ったあと、モンスターボールを手に取った。
 「もう一度、君と戦いたくなってきたよ。君が、僕の世界を見れるかどうかを確かめてあげよう」
 Nはボールを投げてマメパトを繰り出した。
 「N君、私は負けないよ・・!」
 ムツミはチョロネコを繰り出してNの勝負を受けて立った。しかしすぐに気づいた。チョロネコがNにうなって威嚇をしていることに解ったのだ。捨てられた怒りとまた会えた嬉しさがこのポケモンの心に交差していた。
 「ダメ、戻って!」
 ムツミは止めようとしたが、遅かった。チョロネコはマメパトに向かって走り出した。
 「チョロ!」
 チョロネコはマメパトにみだれひっかきを浴びせた。Nへの怒りをマメパトにぶつけるように攻撃した。あえなく倒されるマメパト。Nは顔色一つ変えずにオタマロを繰り出した。オタマロを相手にムツミはミネズミを繰り出した。
 「バブルこうせんだ、オタマロ」
 Nの指示にオタマロはバブルこうせんをはいた。ミネズミはサッとよけたそしてオタマロにかみつくで攻撃した。
 「ピュウウウ!」
 かみつく攻撃に痛がるオタマロ。だが、Nは冷静である。
 「ちょうおんぱ」
 Nの次の指示を受けオタマロはちょうおんぱを出した。見事命中し、ミネズミは混乱した。ムツミはミネズミを戻し、ツタージャを出した。
 「ツタージャ、グラスミキサー!」
 ツタージャは草と風の織り成すグラスミキサーでオタマロにとどめを刺した。地に落ち倒れるオタマロ。Nは次にドッコラーを出した。ムツミはこれに同じかくとうポケモンであるダゲキを繰り出した。ドッコラーはけたぐりをしたが、ダゲキは怯むことなく、にどげりでとどめを刺した。Nに二度目の勝利をしたムツミ。だが、Nは暗い瞳をして言った。
 「今の僕のトモダチでは、世界を変えることは出来ない。世界の数式は解けない」
 そしてNは言った。世界を救うためにイッシュを建国した英雄、ゼクロムを仲間にすると、そう言い残して、シッポウシティを後にした。
 「Nくん・・・」
 孤独さを漂わせるNに、ムツミは複雑な気持ちを抱えた。
 「どうして、あんな悲しい顔をするんだろう。寂しいように見えるんだろう。相手を思う気持ちは、ポケモンも人も同じなのに・・・」
 ムツミはそう思ったあと、チョロネコを目にすると、低くしゃがんで諭すように言った。
 「チョロちゃん、気持ちは解るよ。でも、その気持ちを相手に押し付けるようなことをしちゃダメ・・・」
 「チョロ・・」
 ムツミの厳しくも優しい言葉にチョロネコは、こくんと頷いて反省した。
 「うん、いい子だね」
 ムツミは笑顔でチョロネコの頭を撫でてあげた。いよいよ、アロエとの戦いである・・・。

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