完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

ポケモンストーリー ブラック編
作者: たくと七星  (総ページ数: 30ページ)
関連タグ: ゲーム 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~

*19*

「第19話電気石の洞窟後編」
 「な、そんなバカな・・」
 「我々プラズマ団が負けるとは・・」
 戦いは、あっという間だった。ムツミはわずかな時間でプラズマ団を倒してしまったのである。ムツミと、彼女を信じるポケモンたちの信頼が見事に光っての勝利である。
 「悪いけど、先を急いでいるの」
 ムツミは呆然とするプラズマ団を振り切り先へと進んでいった。階段を登り、出口が見えようとした所でNがムツミを待っていた。
 「来たね。君なら彼らに勝てると思っていたよ」
 そう言うとNは自分の夢とポケモンがあるべき世界観を語った。
 「今、世界は多くの価値観が入り混じって灰色に染まっている。僕にはそれが許せない。ポケモンも人間も白黒はっきりつけるべきだ。そうしてこそ、ポケモンは完全な存在になれる。そう、それが僕の夢なんだ」
 「Nくんは、どうしてもポケモンと人の絆が信じられないの・・?どうして、ポケモンと人は一緒にいるのが、私は素敵だと思ってる。ないもの同士を出し合って、助け合えるような世界、それが一番の素敵なことなのに・・」
 「君は優しい。でも優しさだけでは世界は変えられない。そんな君に夢はあるか?」
 「あるよ、私の夢はね・・」
 ムツミは目を閉じて、両手を握り合わせて自分の夢を語った。
 「私の夢はね、友達をたくさんのポケモンと友達になること。Nくんは言ったよね。世界にはたくさんのポケモンがいるって・・・、だから私は色んな所に行ってたくさんのポケモンと友達になりたいの・・・それが、私の小さい時からの夢・・・」
 ムツミは純粋に自分の夢をNに語った。Nは複雑になりながらも、素晴らしいことだ、と言った。
 「君に僕の夢が見れるかどうか確かめてあげよう」
 そう言ってNはガントル、バチュル、ギアル、テッシードを繰り出してきた。ムツミへの挑戦である。
 「Nくん、戦うしかないんだね」
 ムツミはヒヤップ、ダゲキ、ハーデリア、ミルホッグを繰り出した。
 「Nくん、私は言ったよ。どちらも良かった、そう言えるバトルをしようって、全力でかかってきて!」
 「面白い、君に僕と僕のトモダチのラブを見せてあげるよ」
 バトルが始まった。Nが指示を出すと、ガントルを始めとした四体は、一斉にヒヤップ達に襲いかかってきた。これにヒヤップ達も立ち向かった。ヒヤップはガントル、ダゲキはテッシード、ハーデリアはギアル、ミルホッグはバチュルと戦いを始めた。
 ヒヤップはガントルのロックブラスト、パワージェムをかわしつつ反撃の機会を伺った。そしてガントルがうちおとすを使ってくると、ジャンプして背後に廻って、ねっとうを浴びせた。こうかはばつぐん、ガントルは力尽きた。
 一方、ダゲキは自分よりも小さいテッシードに手が出せないでいた。テッシードには直接攻撃をかけるとダメージを受けるてつのトゲが付いているからだ。
 テッシードはやりたい放題とばかりにトゲを使った攻撃でダゲキを苦しめた。これにダゲキは、がまんの体勢に入った。所構わず攻めてくるテッシード、ついにダゲキのがまんがとかれた。強力な衝撃波を放ってテッシードをあっという間にダウンさせた。
 一方、ハーデリアはギアルと戦っていた。ギアルのでんきショックをかわすとハーデリアはいわくだきをして大ダメージを与えてこれを倒した。そして最後、ミルホッグはバチュルと戦っていた。バチュルのいえきを浴びてしまい、とくせいを失いながらも逃げずに真正面から戦いを挑んだ。くろいまなざしで逃げ場をなくさせると次にさいみんじゅつを使ってバチュルを眠らせた。そして、強力なひっさつまえばでバチュルを見事に倒したのだった。Nのポケモン達はすべて力尽きた。
 「僕のトモダチが・・・」
 ガントル達の敗北にNは意気消沈とした。ムツミと仲間達は勝利に湧いた。
 「やった、皆よく頑張ったよ。Nくんのポケモン達もすごく頑張ったよ。互のポケモン達が頑張り合える、これが・・」
 ムツミはバトルの面白さをNに伝えようとした。しかし、
 「大切なトモダチが傷ついていく・・・。これが、ポケモン勝負・・・」
 Nは暗い表情で悲しげな顔をした。彼にしてみれば勝負はポケモンを傷つける愚かな行為にしか見えなかったのである。
 「トレーナーであることに疑問を持ちながら戦わないといけないのか・・こんなことで理想を追い求められるのか・・!」
 Nは自分を追い詰めるような言葉を残して、電気石の洞窟を去っていった。ムツミは胸に手を当てて悲しい顔をした。少しずつでもいいから、ポケモンとトレーナーの共存を解ってもらいたい。そう心に願いながら、ムツミも洞窟を後にした。

18 < 19 > 20