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無表情な美人転入生と僕の話
作者: aya ◆jn0pAfc8mM  (総ページ数: 23ページ)
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10~ 20~

*18*

9話 やっぱり海は厳しそうかな

「凛、来ないのか?」

5分遅れでやって来た信の言葉に、僕は頷いた。

凛が遅れる訳がない、と僕は思う。

兄ちゃんもかなり言っていたが、凛は約束を守るタイプ。

多分、そろそろ連絡でも来るんじゃないかな?

と、ピロリン。

僕の携帯から、メール受信音が響く。

開くと、予想通り凛だった。

メールはが凛から来たのは初めてだったが、遅れる連絡なら

電話の無理なところに用事……でも納得出来る。

そんな事を思いながら、僕はそのメールに目を通す。

『おはよう、亮二。今日はちょっと急用で、

行けなくなりそうだ。すまない。

3人で好きに遊んで来てくれ』

僕はそれで閉じようとしたが、まだ続きがある事に気付く。

スクロールしていると。

『ここを読んでくれているか、亮二?

図々しいとは分かっている、助けて欲しい』

そう続いていた。

『場所は、私も分からない。

何しろこれ、亮二から見て昨日に作ったからな』

メールを好きな時間に送る事は、よくある事だった。

『ただ、亮二の能力なら、場所くらい分かりそうなものだろうと

思って。

事情は後で説明しよう。頼むぞ、亮二』

頼むぞ……って。

一応今、能力オフにしてるんだけど。

能力を発動すると、壮絶な魔術の戦いが行われていた。

「ついて来て、2人!」

こりゃ、僕1人じゃ無理だっつーの。

無茶言うよねなんて溜め息をつきながら、僕は走った。

「お、おい待てって!」

「私も行きます!」

「ほら信、森さんを置いてっちゃダメだよー。

手繋いで行けば?」

「無理に決まってるだろ!」

囃してる暇はないのだが、急ぐ。

今日、海は無理かもな。

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