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無表情な美人転入生と僕の話
作者: aya ◆jn0pAfc8mM  (総ページ数: 23ページ)
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10~ 20~

*2*


きゃーっ、わーっと、皆は歓声を上げる。

僕はどうでもいいので行かないが、信は人の波をかき分け、

その転入生を見ようとしている。

僕が久しぶりの1人を楽しみ、読書でもしようかと思っていた時、

声が聞こえてきた。

「初めまして、おはようございます。

ごめんなさい、こんなうるさくて……」

学級委員長であり、丁寧語を絶対崩さず頭が結構悪い

森さんの登場だ。

「うおー、すっげえ、美人さんだな……」

「うっさい、黙れですっ!」

「許してくれ由衣奈あ……」

相変わらず、信と森さん、2人の仲はいい。

噂によると森さんは信に片思い中らしいが、

別に興味もないので気にしはしない。

「あ、すみません。席分かります?」

「ん、ああ」

「そうですか」

「失礼だが、君は?」

「えっと、学級委員長の森です」

と、人が割れる。

あ、人だかりが、だけど。

「須田亮二、だよな?」

「え、うん」

「澄野凛だ。よろしく」

「うん、よろしく」

結構美人じゃん。

この頃から僕は、自分の感情が掴めなくなっていたのかもしれない。

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