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暴走族な彼。 ≪完結≫
作者: みるく  (総ページ数: 39ページ)
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10~ 20~ 30~

*4*

〜2〜理子さんとの出会い


花「...。元気でね。お父さん、お母さん。」

父「あぁ。花もな..。」

お父さんたちがアメリカに行くといってもう一週間もたった。

アメリカに行く日も今日になってしまった。

花「...。」

リビングをみわたした。


らくがきして汚れた壁。

お母さんの好きなハイビスカス。

18年間住んだこの家ともお別れか..。


そう思うと少しだけ涙が出そうになる。

そのときお母さんが「あっ!!」と声を出した。


母「そう言えば..。もうすぐ理子が来るわ..。」

「忘れてた。」と付け足すお母さん。

ウチの横で笑うお父さん。


こんなんももう最後なんかな..。

いつもならもっとポジティブに考えるけどなんだかマイナス思考になる。



そんな時、ピンポーンとチャイム音がなった。

母「ナイスタイミングっ!!理子っ」

リビングにそう言い残し玄関に走って行った。


花「え、ちょっ.。お母さん!?」

父「えっ!?..おいおい..・」

お父さんと苦笑いをして一緒に玄関にいった。



理「はぁ〜いっ!理子じゃけ〜!来たけ〜よ〜」

お母さんがドアを開ければ一人女の人が立っていた。

広島弁で金髪で派手目の服。

この人、本当にお母さんの友達?って思うほどだ。

母「理〜子〜!久しぶり!」

そんなウチの思うとは裏腹にお母さんは普通に喋っている。

理「ほんまに久しぶりやね!..ん?..その子が花ちゃん?」

理子さんが目線をウチにうつした。


花「あ..っはい!..桐本花です..。」

父「娘を宜しくお願いします。」


一応自己紹介した。お母さんの友達だし..ね..?

お父さんは礼儀正しくいった。

理「あぁ、任せてください!で、あなたが花ちゃん?..可愛いけんね〜」

金髪の割には優しそう..。

お父さんも理子さんの言葉を聞いて笑顔になった。

母「じゃあ、花を宜しくね理子!」

理「うん!任せときんさいっ!!」

理子さんとお母さんは小さくガッツポーズをした。


父「花、行く用意をしなさい。理子さんを待たせてはだめだからな。」

花「ぅん..分かった.。」

お父さんにそう言い家に入った。


がちゃ。

花「....はぁー..」

家に入った瞬間、大きなため息がでた。

階段を上って自分の部屋に入った。

花「...。皆ぁ..。」

机の上に置きっぱなしだった写真。

笑顔で映る友達とウチ。


「広島に行くんか..。ウチはいつでも暇やからメールいっぱいしてきてな」

そう涙を溜めながら仲のいい子に言われた言葉。

花「ぅん。絶対メールする。」


写真にそう言いボストンバックの中に入れた。

花「さようなら..。ウチの部屋..。」

いつの間にか出ていた涙をぬぐって部屋のドアを閉めた。

そのままリビングにも行かずに玄関の向かった。


だって、リビングに行けばきっと涙が止まらなくなるから。

花「さようなら....。」

ばいばい。ウチの家。


靴を履いて玄関を開けた。

母「花...。」

心配そうなお母さんのカオ。

ボストンバックをギュッと握ってお母さんに言った。


花「ウチは大丈夫!お母さんもお父さんも頑張ってね。」

父「花..。大きくなったな。」

母「本当にね..。」

にこっと笑うお母さんたちを見てウチまでつられて笑顔になった。

理「花ちゃん..。そろそろ行こっか..」

花「はい。」

2.3歩歩いて理子さんの車の助手席に乗った。

黒色のかっこいい車。少しだけ香水のかおりがした。

エンジンがかかって少しずつ車が動き出した。


母「花..。元気でね..。」

父「理子さんの言うこときくんだぞ。」

窓の外に二人が居て、笑顔で送ってくれた。

花「お父さん、お母さん!いままでありがとう!」

そう言うと車が走りだした。


だんだん遠くなる二つのひと。

涙がいっぱい出て止まらなくなった。

でも一つだけ決心がついたよ。









『うちは、がんばって広島で生きます。』
                        つづく...。

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