完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

ポケモンストーリー コロシアム編
作者: たくと七星  (総ページ数: 36ページ)
関連タグ: ポケモン ポケモンコロシアム バトル アクション 恋愛 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~ 30~

*11*

episode2「パイラタウン」パート3


「恐かったよね、恐かったよね・・・。でも大丈夫よ。もう、全てが終わったから・・・。もう心配しなくていいのよ・・・」
 小さなポケモンを優しく抱きしめ、子供をあやすように頭を優しく撫でた。
「ムマーーーーーっ!!!」
 ムウマージが飛び上がって襲いかかろうとしていた。
「ムンが危ない!ブラッキー!」
「ブラ!」
 ブラッキーはシャドーボールを連射してムウマージを攻撃、大ダメージを受けたムウマージは無気力になったように浮遊した。やがてハイパー状態が解かれて元のムウマの姿になった。
「今だ!スナッチ!」
 スナッチマシーンを起動させてスナッチボールに変換し、それを投げてムウマをゲットするのだった。
「よし。ムン!」
 急いでマクノシタを抱いているムンに駆け寄った。
「ムン・・・」
 まるで不安で怯えている子供を落ち着かせるような暖かな眼差しでマクノシタの気持ちを和らげている一人の少女の姿があった。ヌーンはただその場で見守るのだった・・・。


 そして、パイラタウンに夜が訪れた。ヌーンとムンは近くのホテルに泊まり戦いの疲れを癒すことにした。
「ふう・・・」
 シャワーを浴びたヌーンが部屋に入る。
「あれ、ムン?」
 見ると、ベッドでムンがマクノシタとムウマ、エネコにタネボーと二個のハスボーのドールをプレゼントしていた。
「あら、ヌーンさん、シャワーから出たんだ?」
「ああ、そのぬいぐるみは?」
「これ、ヌーンさんには言ってなかったけど、私、こう見えても裁縫が得意で、この子達に自分で作ったドールをあげてたの」
「そうなんだ・・・」
 ドールを見ると、本物の作りのように丁寧に作られていているのが解る。少々サイズが違っていたり、目のビーズの位置が狭かったり広かったりしていたが、それでも出来の良さは本物と見劣りしない。
「この子達に少しでも元気になって欲しくて、心が荒れているかもしれないからこれで気持ちが和らいだらって・・・」
「ムン、君は優しくていい子だね」
「えへへ、ヌーンさんに褒められちゃった・・・」
「じゃあ、僕はそろそろ」
「待ってヌーンさん、皆と一緒に寝ようよ。そしたら皆ハッピーな気持ちになると思うし・・・」
「ムン、解ったよ。君も、一緒についていくかい?」
 エネコに声をかけると一声上げて返事をした・・・。



 翌日、ホテルを出て外を散策する。
「ねえ、ヌーンさん」
「何だい?」
「私、考えたんだけど、ダークポケモンがこの町に現れたのは何でだろうって思ったの。で、それを聞くにはこの町の偉い人に聞こうと思ったの」
「なるほど、それはいい考えだね。まず、その偉い人の情報を探ろう」
 早速町の人から話を聞くことにした。そして掴んだ情報は町の市長はギンザルと言う人でこの町のコロシアムに深く関わっていると言う情報だった。そのギンザルと言う人の家に入ると、
「おいギンザルさん!あんたいつまでミラーボの好き放題にさせているんだ!」
 銀髪の長袖に半ズボンを履いたトレーナーがギンザルに詰め寄っていた。
「ミラーボって・・・」
「ああ・・・」
 フェナスシティのことを思い出した。あの時、市長の家に入り込み自分達に襲いかかって来たオネエ口調のアフロの男である。話を聞いているとその青年シルバはギンザルが動かないことに不満を募らせているようだ。シルバが懸命に話すもギンザルは首を縦にふらない。
「は、見損なったぜ!あんたが動かないなら俺一人でもやるまでだ!」
 走り出していってしまう。二人の目の前を通り過ぎていくのが解った。ギンザルがヌーンとムンに気付いた。
「何だあんた等は。この町には何も無いぞ。コロシアムに言っても特にいい景品があるわけでもないんだ。こんな治安の悪い町には早く出たほうがいい」
「そうですか、解りました。ではこれで・・・」
「ちょ、ヌーンさん?!」
 家を出ると、ヌーンはムンに訳を話した。
「あの人はコロシアムには何もないと言っていた。けど僕はその逆だと思っている。この町のコロシアムにはきっと何か裏があるかもしれない。そしてダークポケモンと深く関わっているかもしれないと思うんだ」
「ヌーンさん、そこまで考えてたんだ」
「うん、だからコロシアムに行って優勝すれば何か真実が掴めるはずだってね」
「そうだね、さすがヌーンさん。早速行ってみよう!」
 二人は急いでコロシアムに入っていった・・・。


続く・・・。

10 < 11 > 12