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[特別編:第5話]★天敵組・二巡目★
禍津日神「おい小童(こわっぱ)!」
由比「ひゃ、ひゃいっ。な、なんですか」
禍津日神「他の班員が次々とお題をクリアしている。しかし我々はまだ第一関門も突破していない。そこでヘラヘラする暇があるなら、スマホのシャッターとやらを切れ」
[お題其の1:お互いの写真をSN〇Wでいい感じに加工しろ]
由比「ででで、でもマガッちさん」
禍津日神「禍津日神だ」
由比「マガさん」
禍津日神「はあ。もういい、好きなように呼べ。ったくどいつもこいつも」
由比「あ、はい。あの、僕携帯にあまり詳しくなくて。加工とか言われても何をしていいか」
禍津日神「そこの猿は何か知らないのか」
猿田彦(霊化状態)「何故俺様が知っていると思うんだよ。こちとら神だぞ」
禍津日神「お前、人間の影響でアニメやコミックに詳しいだろう」
猿田彦「それは乗っ取り先がバンだったからだ。あいつは写真加工なんか興味なかった」
アナウンス(正鷹)「興味なくはねえよ!? 妹がいるからな。苦手なだけで嫌いじゃないぜ」
禍津日神「当然のようにアナウンスをしている番正鷹にもツッコミたいところだが」
アナウンスを(正鷹)「久しいなマガっち! 俺から出番を奪った罪は重いぞ」
禍津日神「この我に『手をハートの形にして決め顔しろ』と言ったお前も大概だぞ」
~天の声・マガっち。モニター越しにバチバチ状態~
由比「ちょ、ちょっと二人とも喧嘩はやめて! 僕頑張るからっ。それでいいでしょ?」
猿田彦「でも由比、お前幽霊だろ。スマホとか持てるのか?」
由比「指先だけ一時的に実体化させるから大丈夫だよ。猿ちゃんにこの間実体化のコツ教えてもらったし」
猿田彦「お前手先だけは器用だよな……」
由比「えへへへへへへ」
猿田彦「褒めてないぞ。メンタルケアもしっかりやってくれ」
禍津日神「ふん。早急に遂行しなくてはな。由比とやら、早く我を撮れ」
由比「あ、はい! いきますよー、はいチーズ!(カシャッ)」
禍津日神「チッ(指は―と+ウィンク)」
由比「うわ」
禍津日神「おい、これ見よがしに引くんじゃない」
アナウンス(正鷹)「ブフッ。マガっち最高――――――っ。おいむう、見ろよこれ。やばい。めっちゃやばい。マジうけるんだけど。あー、今まで溜まっていた鬱憤が消えていく。清々しい~」
禍津日神「…………此奴ッッ(わなわな)」
~天敵組、お互い顔を近づけて加工アプリを見る~
猿田彦「よし。素材は取れたし、こっから加工だな。このどキツイ素材をオシャレにしよう」
由比「猿ちゃんってホントに神様? 一番ウキウキしてるね」
猿田彦「道開きの神たるもの、流行は徹底的に抑えておきたいんだ」
由比「へえ。よく分かんないけど、まあいっか。うーん、加工、何から始めればいいんだろ」
禍津日神「この『エフェクト』というのは何だ? 童、タップしろ」
由比「えっと、なんか全体にキラキラつけたり出来るようです。ハートのフレームとか、レトロ風とか、パウダーとか。いろいろできるみたいですね」
禍津日神「ならばこの【暗黒】をつけろ。画像一面が黒塗りされ、我の存在が引き立つからな」
由比「それだとマガさんの髪色と同化しちゃって、生首だけ浮かんでいるみたいになりますよ」
猿田彦「それはそれで面白いな。ネタ画像にして送ろうぜ」
由比「もー猿ちゃん。嫌いだからって、そんな言い方はないでしょ!」
猿田彦「相手は敵だぞ。お人よしもここまでくると心配だぜ。って、俺は父ちゃんか何かか?」
由比「じゃ、じゃあこの【小顔効果】はどうですか? 顎がシュッとなって、凛々しくなると思います!」
禍津日神「元々童顔だから問題ない。見ろこのツルツル肌」
猿田彦「宿主の身体が子供だから当たり前だろ。自分の手柄みたいに言うんじゃないよ」
由比「じゃあ、これは?【チーク】。頬に赤みが出ますよ。マガさんの顔、血の気がないから。赤みを足せば、ハートポーズのきつさもちょっと和らぐ気がします」
禍津日神「ほお。任せよう」
由比「はいっ。(ウキウキで加工)」
猿田彦「由比、お前にっこにこ笑顔でかなり辛辣なこと言ってるぞ。自覚あるか?」
由比「ん?」
猿田彦「ダメだこいつ。色々と鈍感すぎる」
由比「(カチャカチャ)で、できましたチークっ。どうですかね?」
~由比、スマホを猿田彦と禍津日神に向けて~
禍津日神「なんだこの怪Bっ、ぐっ(猿田彦に口をふさがれて)」
猿田彦「やめろ、由比の夢を壊すんじゃないっ。ただでさえメンタル豆腐なんだからっ(小声)」
アナウンス(正鷹)「ぶっ、ふはははははは、傑作傑作!」
猿田彦「バンもちょっとは自重しろ!!」
由比「ど、どうかな。チークって女の人が良く使ってるイメージだから、たくさん塗れば可愛くなるかなって思ったんだけど」
猿田彦「あー、すっごい健康そうな色になったよ(当社比)」
由比「ほんとっ? 良かったぁ。他になにか修正しなきゃいけないところあるかな?」
禍津日神「我としては一番に自身の色彩感覚wっ、ぐむっ。だから離せ!」
猿田彦「(再度口をふさいで)あー、そうだな。吊り眉になってるから、垂れ眉にしたら可愛くなるんじゃないかな。あと口紅とか、ネイルとかも塗ってあげて」
由比「わかった! ゴホッゴホ」
猿田彦「風邪ひいてるんだからムリすんなよ」
由比「はーい」
アナウンス(正鷹)「(お父さんというより、最早お母さんじゃ)」
~由比、ウキウキルンルンでスマホを操作~
禍津日神「おい猿田彦。貴様っ」
猿田彦「ごめん可愛い由比の泣き顔を見たくないんだ。ここは我慢してくれ。あとで俺の写真好き放題やって良いから」
禍津日神「なら言葉に甘えて、顔色を悪くしてやる。エフェクトは闇。炎のステッカーもつけて、ポーズは目の前にいる者を殴る感じでどうだ」
猿田彦「ジャ〇プの悪役みたいで、めっちゃカッコいいじゃねえか」
~天敵組、一向に進まない~
※Next→秘密共有組の3巡目! 次回もお楽しみに。
【おまけ:憑きもん!キャラ 技名辞典①】
・恋魂球(ラブコンボール)
→こいとの技。恋愛の運気をエネルギーの球にして投げる
・黒呪符(くろじゅふ)
→宇月の奥義。呪符に呪いの念を込めて投げる
・謁見(えっけん)
→飛燕の術。位の高い霊・妖を召喚し使役する。
・番家流:憑依術(ひょういじゅつ)
→正鷹の術。取り憑いた霊が持つ能力を自分好みにカスタマイズする
禍火(かび)
→禍津日神の術。負の感情をエネルギーの球にして投げる