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*20*
時はすすみ、人間界───。
雪菜は走る。
雪菜「はあっ、はあっ・・・!
ゆーちゃん、どこっ・・・!?」
そして、行ってた学校のうら───。
そこの公園に、彼はいた。
息を整え、話しかける。
雪菜「ゆーちゃん」
そう言うと、ビクッとかたをふるわせ、雪菜の方を見る。
雪斗「・・・何」
雪菜「何じゃないよ。
ごめんね、あたし死んじゃって。
もっと早く気持ち伝えたらよかった」
雪斗「オレが守れなかった・・・」
雪菜「ちがう!
ゆーちゃんはいつも、守ってくれた!!
なぐさめてくれた・・・!!
だから─────泣かないで・・・」
そう言われて、雪斗は気がついた。
自分が泣いていることに───。
雪斗「ゆっ・・・きなっ!!」
彼は泣く。
雪菜「ゆーちゃっ・・・!!」
彼女も泣く。
うわああ、としばらく泣いた。
たくさん泣いた。
泣きおわると、2人はブランコに座った。
雪斗「そうだ、・・・」
ブランコがきしむ。
彼が立って、彼女に自分のパーカーをかぶせる。
そして───抱きしめた。
パーカーは自分でもさわれる・・・。
パーカーごしの温もりを、2人は感じた。
雪菜「・・・もう、思いのこしたことはないや・・・」
そう言うと、雪菜は白く光った。
人間界にくるときみたいに───。
雪菜「あっ・・・!!
──────え?」
その時、声をきいた。
2人とも、その声をきいた。
やさしくて、暖かい声───。
クレア『もう・・・未練はないね・・・!!』
雪菜は天へのぼっていく。
手をのばしても、届かないくらいに。
雪菜「ゆーちゃん!」
雪斗「雪菜!」
おたがい、名をよんだ。
忘れぬよう、大きな声で。
そしてこう言いはなつ。
「「キミが好き」」
彼女はほほえみ、きえた。
のこされた彼は、泣いた。
好き・・・。
大好き・・・。
だからキミにとどけたかった。
────? love you────