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ナイトメア・サバイバル
作者: Kuruha ◆qDCEemq7BQ  (総ページ数: 34ページ)
関連タグ:  学園 殺人 
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10~ 20~ 30~

*2*

Episode1 『睡眠不足 -Lack of sleeP-』
  9月12日(水)08:20/秋笠 藍


『神ヲ退屈サセルナ。殺セ。殺セ。殺セッ!!』


  9月12日(水)08:25/秋笠 藍


 ホームルームまでの貴重な時間。その時間を有効活用して、俺は眠りについていた。

 昨日は徹夜だった。少し遅くまで、のつもりでゲームをやっていたが、提出できずにいた課題の存在を思い出し、結局朝まで起きてやっていたというわけだ。

 ホームルームの開始を告げるチャイムの音が聞こえてくるが、教師の来る気配はない。よし、あともうすこしだけ……。




 それから、“すこし”というのがどれぐらい続いたかというと、ホームルームの終わりを告げるチャイムが鳴り、一時間目の授業の時間まで差し掛かってきた時まで続いたのだった。


「おいっ! 先生が誰もいないぞ!!」


 痺れを切らしたクラスの誰かが担任を呼びに行ったらしい。それで事態は発覚した。

 他のクラスでも同様なことが起こっているようで、校舎全体ががやがやと更に騒がしくなっていく。

 その中に、ジー……ッ とノイズのような音が混ざり更に不協和音が広がってゆき――


『エー、生徒ノ皆サン。コンバンハ』


 ノイズが止まると同時に各教室に配置されているだろうスピーカーからもれてくる謎の声。騒がしかった教室が一気に静まっていく。

 どことなく不安な気分にさせる、そんな声が学校内に響き渡った。

『皆サンモ、オ気付キカト思イマスガ、タダイマコノ学校ニ先生トイウモノハ存在シテマセン。――ココハ≪夢の世界≫。アナタ方ガ昨夜訪レタ世界デス。……オット、一名ダケイラシテナイ方ガイラッシャイマシタネェ。夜更カシハイケマセンヨォ?』

 きっとそれは俺のことを言っているのだろう。ケタケタという笑い声がやけに癇に障る。

『サテ。デハ皆サン、≪ルール≫ニ従ッテ“殺シ合イ”、ヨロシクオネガイシマスネ』

 ぶつっ と放送の切れた音が聞こえ、また教室には静寂が訪れた。




 ……どういうことだ?

 俺は確かに昨日を寝ずに過ごした。そのせいで、みんなが知っていることを知らずにいるのかもしれない。だがこれだけは言わせてほしい。




 “殺し合い”ってなんだよ……?


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