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*26*
その結果……。
ロングスカートにハイヒール。ヘアピンに口紅、とりあえずは大丈夫か。
「くそ……なぜ俺様がこんな格好を……!」
「我慢しろって。ミッションクリアするためだろ」
「いや、俺はこんな格好で歩くくらいなら4を選ぶ!」
「ショウ、パートナーを信頼しろ、だぞ?」
手段を選んでいる暇はない。時間はあと15分。
それにしても、前から思ってた通りネクは女の子の格好も似合う。
「店員に気づかれないよう口調も変えていくぞ」
「このゲームを仕組んだ奴……ゲームマスターだったか。必ず564て8る……!!」
「あらショウコさん、女性がそんな言葉を使ってはダメざますよ。殺してやるんだからね、とか、殺しちゃうかもー、とか、マジぶっころー☆、とかが適切でございますわよ。さん、はい」
「ま……マジぶっころー……☆」
「オホホホホ!!!」
おっと、笑いすぎると後で生ゴミにされてしまうでざますね。
女子トイレに突入する。幸い、他の利用者はいないようだ。
鏡に映ったショウの格好が面白すぎて、笑いを押し殺すのも一苦労だった。
ショウがケータイ電話で、鏡越しに私とツーショットを撮る。
「どう?」
フォルダの中の写真をチェックする。写真には、私とショウの隣に、もう1人ずつ私達がいた。
気づいたときには鏡から伸びた黒い腕に掴まれ、凄い力で無理やり鏡の方に引っ張られた。叫ぶ間もなくショウの足が浮いたのが見えたとき、瞬時にいる場所が変わった。カドイの中なのだろうが、客も、店員も、誰もいない。なによりショウもいない。鏡の中の異世界に引きずり込まれた、というところだろうか。だとすれば次にでてくるのは、ノイズ。
しかし予想もしない相手だった。ネクがこちらを向いて身構えているのだ。
ネクの形をしたノイズに違いない。鏡の中の主は、きっとこいつだ。違う次元でショウも自分と戦っているはずだ。