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素直になれなくて
作者: 冠座士  (総ページ数: 15ページ)
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10~

*10*



 屋上(リク視点)

たどり着いたのは、屋上だった。

「…ヒカル、怒ってる……?」

俺は、ヒカルの表情を見ようと
ヒカルの前に立った。    すると、

両腕をとられ、頭の上でひとつにまとめられた。
逃げようと抵抗するにも
逃げ道をふさぐように、足の間に足を入れてきて
動くことさえ難しかった。

しかも、ヒカルの表情は最悪だった。

顔には、怒りや笑すらなく
ただただ、リクの顔を見つめてくるだけだった。
瞳の奥は妖しく光っていて
逃がさないと、ヒカルの声が伝わってきた気がした。

「ヒカル、どいて」

「・・・・・」

「ヒカル?」

「・・・・・・・」

「…っ、んん!?」

無言だったヒカルが
いきなり、リクにキスをしてきた。

「……んぁ、や、やめて!」

リクは、ヒカルを自分から離し
上がった息を落ち着かせてから口を開いた。

「ちゃんと、話そう?」

「…わかった」


リクとヒカルは落ち着いて話を始めた。



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