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素直になれなくて
作者: 冠座士  (総ページ数: 15ページ)
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10~

*3*



 6時間目 理科の実験(リク視点)

今日の実験は、あるものを加熱し
変化したものを調べ、その
あるものを考えるという実験だ。

「6時間目だからといって気を抜いていると
 怪我をします。くれぐれも、注意して下さい」

先生が、実験の進め方を簡単に説明し
終わったところで、準備を始める。
準備物がそろった班から、実験を始めていく。

「全部そろった?」

「たぶん、そろった」

「なら、始めようぜ!」

隣の班が実験を始めたのを見て
それに合わせて俺らの班も始めることにした。

「あっ…」

隣の班にヒカルがいるのを見つけた。
無意識に、この前のことを思い出して顔が熱くなる。

「リク、水入れてくんない?」

「わかった」

試験管に少しだけ水を入れて
そのまま、ガスバーナーの火にかける。

「このまま俺が、加熱するよ」

「おぉ〜。さすがリク〜!」

同じ班の奴らと話している時だった。
後ろから誰かに押されて
90度はある液体が、はねた。

「熱ッ!!」

熱い液体が、机とリクの手の上に飛んだ。
1人はガスバーナーの火を止めて
何人かは後ろに避難した。
そんな中、ヒカルだけは
リクの手をつかみ、冷水の中に入れた。


すると、うるさかった理科室は一瞬で静かになり
先生は慌てながら近づいてきた。

「大丈夫ですか!?」

「…は、はい」

「大丈夫じゃないだろ…。
 先生、リクを保健室に連れていきます」


ヒカルは、嫌がる俺の手を引っ張り
保健室へと向かった。

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