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素直になれなくて
作者: 冠座士 (総ページ数: 15ページ)
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作者: 冠座士 (総ページ数: 15ページ)
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*4*
保健室(リク視点)
ヒカルは、実験に戻ろうとするリクを
無理やり保健室へと連れてきた。
「すみません。先生はいらっしゃいますか?」
「あっ!なに、けが?」
「火傷です」
「ごめん。これから出るとこで…」
「わかりました。では、どうすればいいですか?」
「それなら……」
ヒカルは先生から何かを聞いていて
今が戻るチャンスなんだけど
腕をしっかりとつかまれていて逃げることすらできない。
「わかりました。ありがとうございました」
「じゃ、あとお願いね〜♪」
先生は、保健室から出て行ってしまい
俺とヒカルだけになった。
「手、痛い…?」
さっきとは態度がちがう。
何か、怒っているようだ…。
「平気。だから戻ろう?」
「なんで?」
「だって、心配かけてるかも…だし。
……あのさヒカル、なんか怒ってる?」
「うん。イラついてる」
「何に?」
「リクを押した奴と、リク自身に」
そう言って、俺をベッドの上に押し倒した。
「えっ?!」
いきなりのことで頭がついていかない。
「ねぇ、リク。なんであんな役したの」
言葉は優しいが、怒りを隠そうとしていない。
「あれは、実験だから」
「リクの綺麗な手に、跡が残ったらどうする気?
消毒するか」
ヒカルはリクの火傷を負った手を取り
自分の口に近づけた。
そして、液体が飛んだと思われる場所を
丁寧に舐めていった。
「ヒカル!?」
「まだ、終わらせない」
そう言った、ヒカルの目は怪しく光っていた。
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