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作者: 鳩麦白夜 (総ページ数: 101ページ)
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「…お手柔らかにな…ってうおっ!!」
鬼柳が言い終わる前にまどかは鋭い拳を彼にぶつけようとした。
凄まじい音を立ててまどかの拳は地面を粉砕するようにえぐった。
鬼柳は焦りながらもなんとか避けた。
「まどか!せっかちすぎだろ!?」
「黙れ!そうやっていつまでも私をバカにして…!」
まどかは怒りを含ませながら自らの正体をあきらかにした。
頭には角が生えていた。
「お前まだ家のこと引きずってんのか!?言っただろ、この学園ではそんなの関係ないって」
「余裕ぶってんじゃないわよ!!」
まどかの連続で打たれる拳を鬼柳は防戦一方になるものの、大砲で受け止める。
「まどかはなんであんなに鬼柳のこと…」
「家のことが関係してるみたいだよ〜。」
「まどかの家、確か鬼の頭領である鬼柳の一族の配下の家だって聞いたから!」「二人ともいつの間に来たのだ!?」
突然の博と安蘭にクリスとパンにゃは目を見開いた。
「それって…どういうこと?」
「配下の家は厳しく育てられるから。もしかしてまどかは時期頭領になる鬼柳を憎んでるかもしれないね…」
そう呟いた安蘭にクリスは思わず身を乗り出した。
「鬼柳…っ!!」
「アンタだけには絶対に負けない!!華道部の誇りにかけても!」
「ぐっ…」
ついにまどかの拳が鬼柳の胸に入る。
ズザザッと鬼柳は後ろに下がった。
すると、鬼柳の目が鋭くなった。
「違うだろ。お前は華道部なんかのために動いてない。…全部、自分の憎しみっていう私情で動いてる」
「うるさい!!」
まどかは痺れを切らしたのか、今度は鬼柳の頭に思い切り踵落としを食らわせる。
だが、鬼柳もその手を読んでいたのかまどかの足をつかむ。
「放しなっ…さいよ…!」
「ここはトーナメントだ!私情を持ち込むな」
「うるさいうるさいうるさいっ!!」
今度は確実にまどかは鬼柳の鳩尾に拳を入れる。
「全て持ってたアンタに何がわかるのよ!?私は一族のために全部捨てなきゃいけなかった!!やっと…見つけたのが華道なのに…それを簡単にアンタを認める訳にはいかないの!!」
「なにガキみたいな駄々言ってんだ!!」
バゴン、と鬼柳は大砲でまどかをバットのように打った。