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☆知的美少年と夢見る少女の突然の恋☆
作者: 菜葉  (総ページ数: 47ページ)
関連タグ: 恋愛 小学生 
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10~ 20~ 30~ 40~

*40*

せらめの5年生の時の話です。


「うーわっ!身長低っ!」

「しかたないですよ・・・すいません。」

私、せらめは、すいませんと言ってしまうのが癖。5−B。
身長のこととおとなしいことでよくからかわれている。

「でてけでてけ!」

「は、はい・・・」

教室を出る。すると1人の男の子が立っていた。

「・・・こっちこい」

どんどん進んでいく男の子を追いかける。

「お前、柄澤せらめ?」

「そうですけど・・・」

「俺は、草凪涼太(くさなぎりょうた)。5−C。
お前、いつもつらそうな顔してるから。
手伝いに来た。とっておきの場所に案内してやるよ。
つらさなんて吹き飛ぶぜ。」

草凪涼太って。ジャニーズだっけ・・・。

「ごめんなさい。目立ちたくないから行けない・・・
だってあなた有名でしょ?」

「有名だからってなんだよ!行くぞ。」

なんで私なんかを誘うんだろ。もっとかわいい子が近くにいるのに。

涼太に引きずられついたところは図書室。
涼太は鍵を取り出し、ある扉を開けた。

「ここは・・・。古本の間。有名な人の書いた原書が入っている。」

へぇ。そんなところがあったんだ。

「この鍵。もらってくれ。」

「なんで私に・・・」

「本。好きだろ?」

ニタッと笑う涼太の笑顔がまぶしかった。



しかし。明後日。涼太は転校した。

私は、なぜか泣いていた。

なんでもっと話さなかったのか。なんで。なんで!

自分を悔やんだ。

こういうのが恋心なのか。

私には、まだわからなかった。

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