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*9*
第四章-家庭的?-
次の日の朝、いつもより早く目が覚めた咲夜。
咲夜「?」
端っこに置いてあったはずの暁がいない。
それに、なんだか味噌のいい匂いが漂ってくる。
匂いにつられ、ふらふら〜と立ち上がり台所へ向かう。
暁「よう。中々早いのだな」
迎えたのは、黒い着物に赤い帯をし、エプロンを付け頭に白いバンダナを装備した、暁だった。
随分とちぐはぐな格好ではあるが、お玉を持つ姿は案外様になっている。
咲夜「何を」
寝ぼけたまま咲夜が尋ねる。
だが、頭がまだ回っていないのか、最後まで言葉が出てこない。
暁 「家事の手伝いはするといったからな。その一環だ」
暁はその意味をしっかりと受け取り、答える。
傍らで、鮭が焼けている音がして、具合を見ながら調理を進めていく。
咲夜「何」
暁 「今日は、豆腐の味噌汁に焼き鮭、あと漬物があったから、それも切っといたぞ」
お釜では、ご飯が炊けているようだ。
暁 「あとなんか欲しいもの有るか?」
咲夜 「紅茶……」
暁 「紅茶はそこ、紅茶の茶葉はもう準備してあるから、入れてくれ。お湯はもう丁度いい温度だと思うからな」
咲夜は無意識ながらも、指示通り言われたことをこなし、人数分振り分けた。そして、心の中でつぶやいた。
…お嬢様…洋食なのですが…
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