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*20*
咲夜「あれ?何やってるの?」
そう尋ねたのは咲夜だ。
暁 「いい酒が無いかと思ってな」
咲夜 「それなら」
ガサゴソと台所の下を探り、取り出したのは一本の酒瓶。
咲夜「ほら、一杯どうぞ」
なみなみと注がれた一杯の透明な液体。
暁「ぐいぐ〜い、と」
促されるままに、暁は一気飲みした。
いや、してしまった、の方が表現としては適切か。
「ヴハッ!」
一度口に含んだものを全て吐き出した夕霧。
咲夜「あれ?…あっ!ワイン!」
申し訳なさそうな顔をしながら謝罪の身振りをする咲夜。
暁 「なんだ?この味?」」
しかも濃度がアホみたいに高い。
喉が焼けた感じがする。
咲夜「ワインですが?」
暁 「いやその辺はいいが、なんでそんなもんが酒瓶に入ってそんなとこ置いてあるんだ」
咲夜「お嬢様がよくお飲みになるので…」
あっけらかんと話す咲夜に怒る気も失せてしまった。
暁 「まあいい。その酒瓶借りるぞ」
咲夜「どうするの?」
そう問いながら酒瓶を渡す咲夜。
暁 「まあ、見てれば分かる。」
そう言いながら流しにワインを全て捨て、中を何度も濯いでワインを洗い流した。
念のため中に水を入れてから飲んでみたが問題はなかった。
暁 「俺の能力を使えば」
この通りだ。
咲夜「やっぱり、便利ね」
暁 「こういう時はな。これから外のどっか飲めそうな場所探しに行くが咲夜も一緒に行くか?」
咲夜 「いや。お嬢様の支度があるから、遠慮しておくわ。」
では、と言って手を振りながら部屋に戻っていった。
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