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*19*
妖精メイド「……」
暁 「おっ、すまない。いただこう」
ティーカップを差しだし紅茶を注いでもらう。
既に紅魔館に溶け込んでいる暁。
レミリア「咲夜、今日はどうだったの?」
咲夜 「お賽銭入れて帰って来ました。」
レミリア 「あら、意外ね。弾幕ごっこの一つくらいしてくると思ったのに」
暁 「してきたぞ? 霊夢とな。」
レミリア 「勝ったの? 負けたの?」
口を挟んだ暁に、嬉しそうに聞くレミリア。
暁 「負けたな。あれは中々面白いものだ」
久しぶりに、楽しい戦いというものをした、と続ける。
レミリア 「じゃあ私とやってみないかしら?」
暁 「遠慮しておこう。居候の身としては、主人を傷つけるわけにはいくまい」
レミリア「気にしなくていいわ。すぐ直るもの。」
と、どこから取り出したか包丁で腕を切る。
だが、傷口は、スッと傷口は塞がり、跡も残らない。
飛び散った血を妖精メイドたちが拭いている。
暁「さすが吸血鬼。すごいな」
素直に驚く。
咲夜「暁だって同じようなもんじゃない」
咲夜が言う。
先の弾幕ごっこで、八方鬼縛陣をくらった後、ボロボロだった身体を一瞬で治したのは暁自身だ。
まるで、某蓬莱人のリザレクションを見ているようだった。
暁 「そんなことはない。あの時は鬼切丸だったからだぞ」
身振り手振りを加えながら説明する。
「俺に掛かっている呪いは、友切、獅子の子、鬼切丸、童子切の四つ。全部解放して鬼切丸の状態なら、霊力が続くかぎり回復できる。だが、友切の時に四肢が吹き飛ぶぐらいの傷を受けたら、人間体の方を維持できなくなる。まぁ時間は掛かれど、刀と人間体のどちらかだけが傷ついただけなら、最終的に回復はできるんだがな。因みに鈴仙に拾われた時は友切の時に、四肢を吹き飛ばされたからだぞ」
パチュリー 「面白い身体してるわね……体の中見てみたいわ……」
ボソッと漏らすパチュリー。
一同に底冷えする風が吹き込んだ。
暁 「ま、まぁ今日は霊夢とやり合った後だから、勘弁してもらえると助かる」
パチュリー 「そうね。そうしましょう」
暁達は聞かなかったことにしたらしい。
微妙に噛み合っていない会話が悲しいところだった。