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東方刃暁録-sword morn record -
作者: 黄昏。 ◆nYYwYkb6HQ  (総ページ数: 38ページ)
関連タグ: 東方 
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10~ 20~ 30~

*19*

妖精メイド「……」

暁 「おっ、すまない。いただこう」

ティーカップを差しだし紅茶を注いでもらう。

既に紅魔館に溶け込んでいる暁。

レミリア「咲夜、今日はどうだったの?」

咲夜 「お賽銭入れて帰って来ました。」

レミリア 「あら、意外ね。弾幕ごっこの一つくらいしてくると思ったのに」

暁 「してきたぞ? 霊夢とな。」

レミリア 「勝ったの? 負けたの?」

口を挟んだ暁に、嬉しそうに聞くレミリア。

暁 「負けたな。あれは中々面白いものだ」

久しぶりに、楽しい戦いというものをした、と続ける。

レミリア 「じゃあ私とやってみないかしら?」

暁 「遠慮しておこう。居候の身としては、主人を傷つけるわけにはいくまい」

レミリア「気にしなくていいわ。すぐ直るもの。」

と、どこから取り出したか包丁で腕を切る。

だが、傷口は、スッと傷口は塞がり、跡も残らない。

飛び散った血を妖精メイドたちが拭いている。

暁「さすが吸血鬼。すごいな」

素直に驚く。

咲夜「暁だって同じようなもんじゃない」

咲夜が言う。

先の弾幕ごっこで、八方鬼縛陣をくらった後、ボロボロだった身体を一瞬で治したのは暁自身だ。

まるで、某蓬莱人のリザレクションを見ているようだった。

暁 「そんなことはない。あの時は鬼切丸だったからだぞ」

身振り手振りを加えながら説明する。

「俺に掛かっている呪いは、友切、獅子の子、鬼切丸、童子切の四つ。全部解放して鬼切丸の状態なら、霊力が続くかぎり回復できる。だが、友切の時に四肢が吹き飛ぶぐらいの傷を受けたら、人間体の方を維持できなくなる。まぁ時間は掛かれど、刀と人間体のどちらかだけが傷ついただけなら、最終的に回復はできるんだがな。因みに鈴仙に拾われた時は友切の時に、四肢を吹き飛ばされたからだぞ」

パチュリー 「面白い身体してるわね……体の中見てみたいわ……」

ボソッと漏らすパチュリー。

一同に底冷えする風が吹き込んだ。

暁 「ま、まぁ今日は霊夢とやり合った後だから、勘弁してもらえると助かる」

パチュリー 「そうね。そうしましょう」

暁達は聞かなかったことにしたらしい。

微妙に噛み合っていない会話が悲しいところだった。

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