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作者: 姫凛 (総ページ数: 11ページ)
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*5*
思わず唾を飲み込んだ。だってあの人たちの色は……
「やぁ、初めましてだね?ゴミ虫君。僕はユウナ。霧姫ユウナだよ。よろしくたのむのだよ」
「玉餅ボタンですぅ〜。よろしくねぇ」
「うむ、自己紹介が遅れてしまったな。私は九条ビャクヤ、写真部の部長をしている。以後よろしくな」
緑色だった…。嘘だろ…。色々デカイ玉餅先輩が三年ってのはわかるけど、百歩譲ってメガネの九条先輩が三年ってのはわからないでもないけど、あの小学生みたいな霧姫先輩が三年ってのは、
「ありえねぇだろっ!!」
「ん〜?なにが。かなぁ〜??」
「うっ!」
やべっ、思わず口に出しちまった。俺は慌てて口をふさぐ。霧姫先輩はん〜?と下から俺の顔を覗き込んで来る。くそ、かわそうとしても足元にウロチョロと居やがるから、かわせねぇー!邪魔ー。
「もう、ユウナちゃん、下級生をいじめちゃめっ!だよぉ」
玉餅先輩が左手を腰につけて右手は人差し指だけ立てて前のめりになって、霧姫先輩を叱りつけている。叱ってくれてるのはいいんだけど、胸!胸がっ俺の目の前にーー!!ヤベ…鼻血でそう…。
「ハイハイ。それで、君の名前は?」
めんどくそうに言った後、霧姫先輩は俺から離れ、名前を聞いてきた。
へ?あっと一瞬、胸に気を散られてて戸惑ったが、
「二年の、天駆ハヤテですっ」
「ハヤテ君ね」
「よろしくな、ハヤテ」
「よろしくねぇ〜、ハヤテくん〜」
「あ…ども…」
片手で頭かきながら、軽く頭を下げる。うわ〜、すげー変な先輩と知り合いになっちまった〜。最悪だー。
「そういえば、ハヤテはなにか部活に入っているのか?」
「いえ…なにも…」
と言うと何故か三人の先輩はヨッシャとガッツポーズを一斉にしだした。…嫌な予感しかしないんだが。
「「なぁ!!」」
「はいっ!?」
「「うちの部へ入らないかっ!!?」」
「って邪魔するなよー」
「それはこちらのセリフだっ」
「もう二人とも喧嘩はだめですぅ〜。ここはわたしに譲りましょう〜」
なんか知らないけど…目を輝かせて勧誘して来たと思ったら今度は喧嘩し始めた。なんなんだ…この人たち。
てか、部活なんてめんどくさいこと、なんでしないといけないんだと。だっるぅー。
青春だなんてアホらしいっ、そんな事に時間裂く暇があるんだったら、俺は他のことしてるねっ。よし、逃げよう。
「すみませーん、俺そうゆうのに興味ないんで〜じゃあ…」
と言いながらばれないように抜き足差し足で、逃げていたんだが…
「待ちたまえっ、話は終わっていないぞっ!」
「まってぇ〜ハヤテくんー」
「お待ちなさ〜い、ゴミ虫君〜」
と、引き留められてしまった。いや、俺も校則破ってでも頑張って逃げようとしたんだけど、
「キャッ」
「ブーーー!!?」
イタズラな風が、玉餅先輩のスカートをふわぁとめくり上げ、スカートの中身が…その…水玉が。
刺激的な瞬間に視線が釘付けになっている間に、霧姫先輩によって取り押さえられてしまった。ちくしょう…風のせいで…ありがとうと一瞬、感謝しそうになったけど…くそうっ!