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奇想天外!プロレス物語【完結!】
作者: モンブラン博士  (総ページ数: 82ページ)
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*16*

俺の体はもう限界寸前だった。

何度も四方八方からめまぐるしく飛んでくるドロップキックの嵐に打倒策さえ見つからず、サンドバック状態。

「フフフフ、井吹宗一郎はそれだけの人間だったということか・・・」

ジャドウの勝ち誇った不敵な笑いに俺は顔を歪める。

だが、冷静に考えてみると、俺は軽井沢の攻撃になされるまま。

反撃の手を打つことができていないのだから言われても仕方がないだろう。
と、ここで俺の頭に名案が浮かんだ。

これなら、軽井沢に対抗できる!

「もう一回さっきの技放ってくれよ」

「白兎の舞・・・ですか?」

「そう。それだ」

軽井沢はうなずき、もう一度俺にドロップキックの連打をお見舞いしようとする。

「そうはいかねぇんだよ!!」

俺はドロップキックを腕でガードし防ぐと、力技で強引に軽井沢の足を開いて、それを掴むとグルグルと奴の体を回す。

昨日大形が言っていた『プロレスは体重差が大事』という言葉の意味がやっとわかった気がする。

俺はコーナーポストへ数歩歩いて鉄柱に軽井沢を思いっきり、叩き付けた。

軽井沢はフラフラになりながらもなんとか立ち上がろうとしたが、力尽き倒れてしまった。

「井吹くんの勝利!」

スターは高らかに宣言し、衝撃の発言をした。

「これで世界大会に出場できる新チームが誕生した!」

せ、世界大会だと!?

「そう。1年に1度アメリカで開催されるプロレスの世界大会!
それに出場できる代表チームが決まったのだよ!」

「それで、大形の件は・・・・」

「大形くんは私の弟子のひとり!自称愛の天使なのだよ!」

「わかっているのはそれだけかよ」

「いや、彼にはまだまだ秘密がある。どうしても彼に勝ちたいのであれば弱点を教えてあげないこともない。それを知りたければ、世界大会に出場したまえ。もちろん、費用は全部私のポケットマネーで払おう」

「よし、もうここまでくりゃあ、あんたらにとことん付き合ってやるぜ!!」

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