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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 82ページ)
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*29*
世界大会準決勝、対戦チームは『スーパーヴィランズ』日本語に訳すると超悪役という意味だ。
つまり名前からして相当な悪の集団ということは一目瞭然。
だが、敵のキャプテンはあのジャドウだけあって今回は4対4という対等の条件で勝負するらしい。
「フフフフ、俺は悪だがあくまで正々堂々の勝負を好む悪なのでな」
「ジャドウ、やはりお前は昔から代わっていないようだな」
「お前たちこそ代わり映えしないようでなによりだ。ところで、試合カードは決まったか?決まっているのなら、こちらに渡してもらおう」
キャプテンであるカイザーさんがカードを渡す。
するとジャドウはニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
「ほう。これは、これは面白い試合になりそうですな」
第1試合 『明王』不動仁王VS『悪魔』目黒怨
第2試合 『少年探偵』ヨハネス=シュークリームVS『謎のオネエ』シー
第3試合 『期待の新星』井吹宗一郎VS藍川恋
第4試合 『太陽神』カイザー=ブレッドVS『死神』ジャドウ=グレイ
「どうせだ、全試合同時にスタートさせたほうがよかろう」
ジャドウが指を鳴らすと4つのリングが地面から上がってきた。
「さて、みなさん、さっそく試合を始めましょう。ニャハハ!最も私の
対戦相手はそこの可愛い子ちゃんですがね〜ッ!」
「お前には最高のカードだろうな、シーよ」
シーと呼ばれた黒装束に黒い帽子、キョンシーを彷彿とさせる白い顔に口紅を塗った男はさっきからヨハネスに興味津々の様子だ。
「もちろんです。では、参りますよーッ!ニャハーッ!」
シーは飛び上がり、空中で何回も回転した後リングに着地した。
「暇ですから、私たちは早速試合を始めて起きましょう、可愛らしい男の娘。この私が一蹴してごらんにいれますよ。どこからでもかかってきなさい」
「僕はみなさんの試合が始まってから闘いたいですね。あせらなくても試合はできるのですから」
可憐な笑顔で笑うヨハネス。
だが、心なしかその笑顔がひきつっている。オカマにあたるとは不運な奴だ。
「オカマではりませんよ、そこのお方。私はオネエです」
俺にはその違いがよくわからない。
「ならば解説してあげましょう。オネエというのは・・・・・」
シーとかいうやつはのべつまくべつしゃべりまくる。
俺は仕方なく耳を塞いだ。
「おや、どうやら私のお話がおきに召さなかったようですね。
それはともかく、あなた方も早くリングへ上がりなさい。
そうしないと私が彼と戦えませんので。ニャハハ」
コイツ、どんだけヨハネスと戦いたいんだよ・・・・