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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 82ページ)
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僕は全力でトミーさんに突進していき、自身の得意技である鋭い手刀、『ツンドラの白い氷河』を彼に叩き込みます。
ですが、彼はそれらを軽くいなし、その隙間をかいくぐり、反撃の一手を繰り出そうとします。
すかさず僕は敵の攻撃を体を回転させることで回避するとともに、彼の顔面へ裏拳を打ち込みますが、トミーさんは薄笑いを崩しません。
「ニャハニャハ。どうやらやっとスイッチが入ってきたようですね。動きが先ほどと段違いですよ」
「あなたに褒められてもうれしくありません!」
僕は彼の掌底を必要最小限度の動きで効率よく避けていきます。
無駄のない動きで体力の消耗を防ぐとともに、敵の体力も奪うことができる、まさに一石二鳥の作戦!
トミーさんは掌底で攻撃することをやめ、今度はローキックで僕を痛めつけようとします。
ですがそれは僕の想定内。
放ってきたローキックの連打をすねで巧みにガードし敵をよろめかせ、足元を崩したその一瞬を狙い、素早くローリングソパットで反撃。
そして、前かがみになった相手の背後から、敵の背中に跳び乗り、相手の両ももにそれぞれ自分の足つま先を引っかけ、相手の両手をそれぞれつかみ逆関節に反り上げてダメージを与えるメープルさんの必殺技、パロスペシャルをかけますが、僕はメープルさんとは違い、この技を敵にかけなれていないため、簡単にはずされてしまいました。
「あなたの技などしょせんそれだけの威力しかないのですよ!」
彼は垂直落下式のデスパレーボムで僕を捉え、僕をマットへ串刺しにした後、うつぶせに倒れている僕の外側から自分の足で巻き込むように挟み、その状態で自分の両手で相手の両手を持ち、そのまま後方に自ら倒れこみマットに寝るようにして相手の体を吊り上げるロメロスペシャルで、僕の関節を痛めつけます。
「これが関節技というものですよ〜」
メキメキという嫌な音がしますが、僕は必死で抵抗し技を破ることができました。
「この技を耐え抜くとはタフネスだけはあるようですね。それでは、この技はどうでしょうか?」
彼はショルダータックルで僕を空中に吹っ飛ばして、上空で相手の足と肩を固め、そのまま相手を顔面からキャンバスに叩きつける大技を炸裂させます。
ですが僕は気力で立ち上がります。
「それではジャドウあなたの必殺技でも食らわせるとしますか〜」
彼はジャドウさんの方を向いて不気味に笑うと、僕をつかみ上空に放り投げ、真っ逆さまに落下する相手の足の上にダブル・ニードロップの体勢で膝を乗せ、全体重をかけてキャンパスに激突させるジャドウドライバーを決めますが、この技はさきほどカイザーさんが破った技。
僕は受け身が巧みなのが売りのひとつなので、あまりダメージを受けず、すぐ立ち上がることができました。
「あなたは受け身が巧みで、あらゆる技のダメージを95%以上軽減させることができるそうですね。実力を探りのために少々技を拝借してためしてみたのですが、実に素晴らしい受け身ですよ。ニャハニャハ!」
僕は彼の余裕の態度を見てある技を彼にかけてみようかと思いました。
ですがそれはカイザーさんが滅多にしか使わない必殺技。
ジムの副会長が使う超大技をこの僕が真似できるでしょうか。
僕の脳裏に一瞬不安がよぎりますが、僕は思い切ってこの技をかける決心をしました。
「あなたはこの技で倒します!Drモンブラン、スター会長、カイザーさん、サ○キさん!そして今まで僕を陣してくれた全ての人たちにこの技を捧げます!」
僕はトミーさんを釣鐘固めの体勢に捕らえ、回転しながら空高く上昇した後、急降下し、相手の胸部をキャンバスに激突させました。
「超必殺奥義、『カイザー=ストレッチ』!!」