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奇想天外!プロレス物語【完結!】
作者: モンブラン博士  (総ページ数: 82ページ)
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日常生活編その2 交通事故にはご用心

先日、俺たちの仲間が逮捕された。

逮捕された男の名は名前はロディ。

西部開拓時代の保安官の恰好をした彼は間違いなく、

―俺たちの中で1番バカな男だ。

どうにか素性がわかり、釈放されたロディは俺に言い訳する。

「井吹!俺は別に悪いことしてねぇんだぜ?ただ街中を馬で走っていたら、暴走車がいて警察が困っていたんで、同じ警察の仲間として助けただけじゃねえか」

「それが問題なんだよ!馬で走るな!1台捕まえるのに10台以上事故にあったんだぞ!」

「けどよお、結果的に犯人は俺が捕まえたんだからいいじゃねえか」

「ダメだろ、普通」

「日本人の、考えること、よくわからない」

「片言で話すな、日本語ペラペラなくせに」

俺が言うと彼は舌打ちをする。

「ったく、どうして街中で大暴れして犯人逮捕できねぇんだよ!」

ロディは全米では知らないものはいないほど(いろんな意味で)有名な刑事だった。

街中を愛馬で暴走し、犯人を捕まえる。これが彼のスタイルだ。

アメリカでどうだったかわからないが、日本では大迷惑だ。

せめて車に乗ってほしいが、彼は免許を持っていない。取る気もないそうだ。

「車?あんな機械に乗れるか!アメリカ人はみんな馬なんだよ!」

―200年以上前はな。

「なあ、なんであんたそんなに馬にこだわるんだ?」

俺が尋ねると、珍しく彼が真面目な顔で答えた。

「コイツは生まれたときからずっと一緒にすごしてきた、俺の相棒だからだ。大切な相棒を手放せるか」

意外な言葉に俺は虚を突かれた。

コイツ、いつも暴走しているけど、一番大切なところは熱い男なんだな。

そういえば、最初に俺がジムに来た日、ジャドウに絡まれてヤバかったときに助けてくれたのもコイツだったっけ。

「あのときは、ありがとうな」

俺が礼を言うと、ロディは少し顔を赤くして照れくさそうにしながら、

「正義の味方は人を助けるのが仕事だ!礼なんかいらねぇ!乗れ、井吹!」

このとき俺は少しコイツを見直していたから、その返事を断りきれなかった。

「いくぜ相棒!イーハー!!」

無茶苦茶な馬の暴走をものともせずに、ハイテンションなロディをとめるものは日本の警察以何もなかった。

「なんでまた捕まるんだよ、俺はジムに帰ろうとしていただけだぜ!」

彼が無事にジムへ帰えれる日は遠い。

日常生活編その2 交通事故にはご用心 おわり

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