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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 82ページ)
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*79*
私は空手チョップを敵の甲板に振るう。
だが、敵は私の攻撃をまるで防ごうとせずただ食らっているだけだ。
私は立て続けにローキックを放つが、大して効果はなく敵を倒れさせることすらままならない。
それならばとエアプレーンスピンで何度も回転した挙句放り投げ、ロメロスペシャルをかける。全身に力を込めて敵の体を弓なりに曲げる。
「私のロメロスペシャルの味はどうかな?早く降参しないと背骨がヘシ折れるぞ」
「ハハハハハ……お前は物覚えが悪いようだな。私の驚異的な柔軟性を忘れたか」
奴はこれだけ弓なりにしているにも関わらず、余裕の笑みを崩さない。
「こんなくだらない技、一般のレスラーならともかく、私に通じると思っているのか、息子よ」
彼は私の腕を掴み、技から脱出。私に波乗り固めをかけた後、上空に蹴り上げ、落下してきたところをまた蹴り上げる。
これを何度も繰り返すうちに、次第に私の上昇は高くなり、敵の蹴りの威力も強くなる。
彼は止めとばかりに私を蹴り上げ素早く立ち上がり、そこからアルゼンチン=バックブリーカーを炸裂させようとするが、そうはいかない。
私はこの必殺技の破り方を知っており、敵の頭の上で落下の衝撃も耐えつつ体操でいうところのあんばの体勢になり、落下を防ぐ。
腕は私のほうが長いから敵は届かない。
私は彼の頭の上でもう回転することでバランスを崩させよろめかせると、セントーンで体重を浴びせる。
だが、敵は私を押しのけ立ち上がると、今度はロープ最上段からのニードロップを繰りだした。
技が当たる直前、私は転がり回避し、技を自爆させる。
その隙をついて後ろから反撃の手を放つ。
「『ブランデンブルクの赤い噴水』!」
1回戦でヨハネスが見せた必殺技で敵を攻め立てる。
次に2回戦でハニーが見せた鉄柱串刺しバックドロップをお見舞いし脳天にダメージを与える。
続けざまに3回戦で見せた井吹のコーナーポストへ叩き付けるジャイアントスィングで脇腹を痛め、立ち上がってきたところをジャンピングネックブリーカードロップで押し倒し、敵の背後に回りジャーマンスープレックスで串刺しに。
「まだ披露していない必殺技はあるぞ!『白兎の舞』!」
軽井沢の得意技で敵を翻弄し、奴の意識が少し飛んだところで上空へ放り投げ『ジャドウ=ドライバー』を放つ。
だが、敵も負けてはいないようだ。
私の繰り出す攻撃をそれなりに防ぎダメージを半減させている。
「お前に倒された少年の敵を討つ!『天使のアッパー』!」
星野の必殺技を食らい錐もみ回転して落下しはじめたところを、タックルで上昇させ、ジャーマンで激突させる。
「『ターキークラッシュ!』」
「まだだ。私がこれぐらいの技を食らったぐらいで倒れる……」
「とは思っていない!とことん付き合ってもらうぞ!」
私は王李の得意技、フライングレッグラリアートを放ち、首筋を痛めつけ、『不動倶利伽羅落地』と『アルプス大山脈落とし』を連続で炸裂させ、
「皇帝である私の前に跪くがよい、わが父よ!『ザ・プレイ・オブ・ザ・カイザー』!」
イルの必殺技を食らわせ悶絶させると残りの3大必殺技を炸裂させる。
「私の好きな必殺技ランキング、第3位!」
私は父にチキンウィングをかけ高速回転し、上空に飛ばし、自分もそれを追いかけジャンプ。敵の首に肘を当て落下する。
「『ヘブン=ザ=ギロチン!』」
「ゲホッ!」
父が吐血しはじめた。私は間髪入れずに2番目に入る。
「第2位、『パロスペシャル』!」
父の腰、膝、腕の関節をとことん痛めつけ、止めはいる。
「父よ、さらば!第1位、『カイザーストレッチ』!!」
己の必殺技を炸裂させたその瞬間、父は完全に気を失い、私の勝利と共に我々チームの優勝が決まった。