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奇想天外!プロレス物語【完結!】
作者: モンブラン博士  (総ページ数: 82ページ)
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*9*

ロディの暴走運転からなんとか解放された俺たちは、フラつきながら、エレベータの方へと向かっていた。

先ほどの馬酔いのせいで、体力を消耗し、歩く気力もない。

それにしても、どんだけ長いんだ、この廊下。

「星野・・・・俺たち・・・ここで死ぬのか?」

「いえ、そうでもないと思いますよ。助けがきましたから」

星野が少し明るい声で言う。

その声に期待を抱き、星野がさしている指の先を見てみると、明るい光が近づいてくる。

車のヘッドライトだろうか。

こんなビルの中で車が走っているというのも普通なら驚くだろうが、この変なレスリングジム(仮)に入ってからというのも奇想天外なことばかりおき続けているため、車ぐらいでは驚かなくなっていた。

「井吹さん、あれがただの車だと思いますか」

星野に言われよく見ると、確かにだたの車ではなかった。

それは普通の車の3倍はあり、タイヤではなくキャタピラで走っている。

そして何よりデカイ砲身がついていることだった。

「・・・・・・・・戦車じゃねぇか!!」

「そこの少年ふたり、私の愛車に乗りたまえ」

低く渋い声が聞こえたかと思うとハッチが開き、中から人の上半身が飛び出してきた。

紫の軍服に黒髪が特徴の男だ。

「キミたちのことはロディから聞いている。ここからは私の愛車でエレベーターまで送っていこう」

すると戦車の左右からロボットアームが出現し、俺たちを捉え、戦車に放り込んだ。

中は意外にもに広く、快適な空間だった。

「おっさん、この戦車、さっきの馬に比べたら天と地の差だぜ。ありがとうな」

「ウム。おっと、自己紹介が送れたな。私の名はカーネル。戦車引きこもり歴15年だ」

15年!?ってことはつまり・・・・

「15年間一度も愛車から外に出ていない。
もっとも日光浴のために半身を出すときはあるが」

もう、なんなんだこのビル・・・・・

「レスリングジムですよ」

「そう見えねぇんだよ!!」

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