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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 198ページ)
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この男を見た瞬間、煮えたぎるような激しい怒りの感覚を覚えた。
俺は生粋のアメリカ人。
そしてアメリカの象徴ともいえる建造物、自由の女神の前にリングを建てやがって。こいつらにはジャドウを殺された(あいつは勝手に自害したが、間接的な要因を作ったのはあいつら)借りもある。
俺はカイザーを押しのけ『土星』の扉へと突入した。
扉をくぐりぬけると、奴のいけ好かない顔が俺を見下していた。
「そこのオカマ!俺が相手になってやる!降りてきやがれ!」
「私はオカマではありません」
お前はそのつもりじゃねえんだろうが、俺にはそう見える。
「さっさと降りてきやがれ、そして俺と闘え!」
「うるさいですねえ、ロディさん。そう焦らなくてもいいでしょう」
奴が降りてきたので、俺もリングに上がる。
そして試合開始を告げるゴングが鳴った。
「行くぜ、お前をブッ倒す!」
俺はゴングが鳴るやいなや、得意のナックルパートで敵を攻める。
「おやおや、随分と荒々しい方ですね。予想はしていましたが、まさかこれほどまでとは…」
奴は俺の攻撃を受けながら、話し続ける。
話せる余裕があるってことは、ダメージはほとんど受けていないということだ。
それなら、戦法を変えてみる。
「来い、オカマ」
「な、なんですって!あなた、私を二度までもオカマ呼ばわりしましたね。もう許せません!狂わせてあげますよ!」
奴は言うなり俺に一本背負いを炸裂させる。
だが、そんな投げ技へでもない。
俺は立ち上がり、敵と距離を置く。
「逃がすもんですか!」
「そう来ると思っていたぜ!」
俺は奴の突進を利用して、巻き投げで投げた。
「なかなかやるじゃないですか」
「褒めるのはまだ早いぜ!」
俺は得意技のひとつであるラリアートで敵をロープへ飛ばし、反動で返ってきたところをダブル=レッグ=スープレックスで投げる。
「打撃も技もなかなかのもの。ですがそれはあくまで人間レベル。私たちの域には達していません」
「そうかよ。だがな、そんなことはどうでもいいんだ!」
俺は奴の顔面にドロップキックを放ち、押し倒してマウントをとる。
「俺の拳を食らえ、オカマ」
「ホギャ、ホギャッ!」
奴は俺の拳がヒットするたびに赤ん坊のような声をあげる。
「お次はこれだぜ。ほらよっ!」
俺は腕ひしぎ十字固めをかけ、敵からギブアップを狙おうと考えた。
「あなたはジャドウさんの闘いを見ていなかったのですか?私たちにその技は効果はないと…」
奴が俺をバカ力で持ち上げるのは想定内。
「そう来ると思っていたぜ、だからこんな技を食らわせてやるのさ!カーフ=ブランディング!」
俺は必殺技のひとつである、カーフ=ブランディングで奴の脳天をキャンバスにめり込ませた。